数学

October 02, 2012

マンガ微積分入門 岡部恒治@球の体積と表面積の関係を微積で説明したのはお見事

一読、センスのある絵柄に見えない漫画でつづられた微分積分の入門書です。
初版は20年も前なので、古臭い印象になっているのは仕方がないですね。
内容は、最初のうちこそ、ホントウに初歩の概念を絵柄で説明したりしているのですが、容赦なく難しくなり、最後は合成関数の微分やら、部分積分やらが駆使されて、πの近似にシンプソンの公式を使ったりする。
相当難しいです。

でも非常に参考になる部分も多々あり、まず例題を解いているうちにすぐ一般化してくることです。
思考法が数学的な本質をついていて、非常にヨロシイと感じました。
三角関数の微分の説明。
sin cosに各々接線を引いて導いた処も分かりやすい。
三角関数の微分は覚える公式が多いので、こういう図柄を使った説明はイイですよね。

感心したのは半径rの球の体積の公式と半径rの球の表面積の公式の関連を、微積分を使って実に鮮やかに関連づけていた点で、まさにこの辺は数学の真骨頂。
f(4/3πr^3)`=4πr^2
∫(4πr^2)dx=4/3πr^3
なりますね。
見事な関連だ。
球なすべての面で微分可能な形態だし、その表面積を積分すれば体積になる。
素晴らしい!
感動した。

∫1/xdx=logx+cも図解されるのを見ていくうちに充分納得できた。
棒グラフは積分である。
名言だと思いましたね。

ただ今後、この手の漫画は萌えに走るべきで、この本も信奈の野望に出ていた竹中半兵衛ちゃんを講師に、Take
犬千代、五右衛門、ねねちゃんNene
辺りに役を振り分けてやったらもっと楽しく読めたでしょう。
表紙は、「微分積分の天下布武よ」、なんて副題でさ。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

July 01, 2012

指数・対数(図解雑学) 佐藤敏明@数学は言語である。ならば学ぶには

前回の、「ゼロと無限」の記事で、newtonの画像に喜んでいるだけなのは、数学オタクとしてはもったいない、と書きましたが、図解雑学シリーズは、見開いた右ページ側に計算する喜びが溢れています。
素人の数学オタクはこうじゃなくっちゃね(笑

さてまず指数関数ですが、これは2の二乗、とか分かりますよね。
爆発的に増えるモノのことを指数関数的に増える、なんて言います。
では、2の-1乗って分かります?
そう、逆数ですね。
では、2の5/7乗は? √2乗ならどうでしょう?
この本を読むと図解雑学名物の「右側のページ」にしっかり計算の仕方から書いてあるので読み込み、もとい、チラシの裏側に書いて行きましょう。
まず書いてあることをそのまま写す。
それから一つ一つ意味を確認しながら書きすすめる。
チラシの裏、なんで、正確性より習うより慣れの精神で、乱暴で良いからドンドン書く。何度も書く。
そう、数学は極めて理論性の強い言語なんです。
言語を覚える時は、まず慣れ、ですよね。(英語すらアレな、私が言うのもなんですが・・・)
分かったつもりになったら、自分で例題を出して解いてみる。
その時だけなんですが、なんとなく分かった気になれます。
これが楽しい。

そして対数関数㏒ですね。
高校時代にやったでしょ。御記憶ですか?
自然対数と常用対数。
超越数であるeの話まで、いわゆる左側のページは読みどころ、というか、そう書き処。どんどん書きつつ読み進めましょう。

それからなんとこの本は、指数関数、対数関数の微積分を経て、三角関数を復習した後、オイラー式にまで至る。
その時点で192p。
その後はロジスティック曲線からウエーバー・フェヒナーの法則をやっつけ、クラウジウスのエントロピー中の対数もやって波動方程式の微分方程式、最後はシュレディンガーまで行くのがラスト221p目だ。
題名が「指数・対数」ってやたら地味なのに、内容は凄い。

数学系の図解雑学シリーズは、一般に買い、なんですが、特にこの本は良く書けている印象です。
唯一、気がかりなのは、題名がひたすら地味なことですから、どうぞみなさん、騙されたと思って本屋でのぞいてみてください。

プロの素人には図解雑学がおススメだよ(笑
というのは、言うまでもなく冗談です。
この本を読みだしたのもnewtonの素晴らしい画像あればこそ。
両方読みましょうね。
数学趣味もお金の掛らない良い趣味ですよ。
本1冊とチラシの裏が数十枚あれば足りるから、デフレ時代にはおススメ。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

June 19, 2012

ゼロと無限 素数と暗号Newton別冊ムック@ビジュアル誌も数式へ歩き出す一助になれば

数学や理論物理学のファンとしてNewtonを読むのは素人・・・当たり前のこと、書いてますが(笑)、素人オタクとしてはビジュアルに偏った雑誌で、綺麗な絵を見て科学の深淵、分かった気になっているのはツマラナイのです。
本当のロマンは数式の中にあるのであって、結局、楽をしていてはダメなんだよ。
どんな娯楽もホントウの喜びはある程度の困難を乗り越えた後にあるんであってね。
だから普段はnewton、手に取ることないんですが、本のタイトルが「ゼロと無限」って一番ツボを突かれてしまっては、中身をちょっと見てみようかなあ、と・・・
そしたら例によってゼータ関数なんかが書いてあって、立ち読みしているうちにプリヒタの素数円なんてオモシロイじゃん、なんて思ってしまって、買ってしまいました。
計算で体感!RSA法とか、実際にやってみて楽しかったですね。
読んでいるうちに、家にある本ひっぱり出して、無限級数の出しかたとかやりなおしてみるのも楽しかった。
この本自体には、それほど高度な数式、出てこないのですが、大きく、分かりやすく、綺麗なビジュアルの中で、基本の式だけでも出てくると、それをきっかけに、少し本式の本を持ち出して、自分の理解を確認というか、忘れてしまっているんで、復習ですね。
なったのは良かったです。
なるほど。
ビジュアル誌の効用はこういう処にあるのだ、と再認識しました。

それにしてもゼロと無限、不思議な概念だよね。
私はこの二つの概念に潜む謎を解き明かした時、人類の知性は新たな段階に入ると思う。
無限の問題はカントールが相当にやった。手がかりを造った。
後はゼロだ。
1/0が出来ないって、考えると不思議過ぎる。

数式をいじっていると、たとえばオイラー式とかね。
数式の適合性って凄い!って思うでしょ。
自然対数の底が、iと円周率を介して繋がるんだよ。
ここまで理論で繋がっているのに、四則演算に出来ないモノがあるって、おかし過ぎる。
ゼロとは何者なのか?
素数分布とゼロのホントウの正体が分かる時、人間は宇宙の秘密へ大きく近づくと思うのだ。

数学関係の本を読むときは、チラシの裏側にでも、出てきた数式を書いてみるとイイです。
分からなくってイインです。
それでもまず書いてみる。
じっと眺めて、ここが分からないって箇所を、少し詳しく書いてある本に戻ってやり直してみる。
そこも分からなければ、さらに基礎的な処に戻る。
なんとか分かる処まで来たら、実際にチラシの裏側で計算してみる。
楽しいです。
ま、こんなことしか楽しみがないってのもネクラな話なんだけどさ・・・趣味は人それぞれってことで。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 14, 2010

二次か三次か? 次元の計算方法@はじめての現代数学@瀬山士郎著から

魅力があるのは二次か三次か?
ネットで良く議論になる所ですが、次元には計算方法があるのです。
憶えておくと楽しいので、今日はその方法を簡単に。

まず点は0次元、線なら一次元、面になると二次元、現実世界の立体は三次元ですね。
それなら線で埋め尽くされている平面は何次元でしょうか?
それに答えるのがフラクタル次元計算法です。

まず一次元=一本の線がある時、それを二等分する。
元の半分になります。線だから形も1/2になっただけで一緒(相似形)です。

では面ならどうか?
正方形の面を半分に、真ん中から切ったら(縦切りでも横切りでも)、縦長、横長になり、同じ形(相似形)ではなくなります。
変形してしまう。
同じ形のミニチュアサイズ(相似形)にするなら、縦横の比率を合わせる為、四等分しないとならない。
同じ理屈で立方体で相似形を作るなら、縦、横、高さを二分の一にし、大きさ(体積)は8分の1になります。

となると相似比rは1次元=2分の1、二次元は面積比=4分の1、三次元は体積比で=8分の1、です。
相似比を公式化するなら、2の肩に次元を自乗すれば良いのが分かります。
一次元=2^1、二次元=2^2、三次元=2^3ですね。

このアイデアを一般化します
コッホ曲線(線分を3等分し真ん中の部分を正三角形に折り曲げる、という操作を無限に繰り返す、フラクタル曲線)この曲線は何次元か?

最初の長さが1、なら操作を繰り返すごとに相似形は4/3倍の長さに増え続け、n回後にはlim(4/3)^n,n→∞です。
この次元は 4=3^x
ですね。
この両辺の対数を取り
log4=xlog3 ならば
xlog3=log4(logは常用対数、log3は10を何乗すれば3になるか?ということ)
x=log4/log3(←常用対数表から)
x=0.602/0.477
x=1.2618
よってコッホ曲線の次元は一次元より大きいけど、平面の二次元以下で1.2618次元となります

ではカントールの不連続体の次元は?
カントールの不連続体:
線分 _________があった時、三等分して真ん中の部分を取り除くと
線分は___   ___となる。この操作を繰り返すと次は
    _ _   _ _となり、無限回の後にはだんだん細かく点状になるが、
線分_は空白を挟んで無限に存在する。
点状なので0次元? と思う反面、元の線分の相似形であるのだから一次元とも考えられる。
上記フラクタル次元の考え方から計算すると、相似比1/3の縮小図形で、二個に分かれるから
log2/log3=0.6309次元。
0次元以上、1次元未満!
となります。

なんと!
次元は整数だけじゃなかったんです。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

March 12, 2010

【そもそも何か?】オイラーの贈物 吉田武@この本が一カ月で1万部売れる国が何故衰退するのだろう?

数学美の極限を現すとも言われるオイラーの e^iπ=-1 という式

ネイピア数eに虚数iと円周率πを掛けた数を自乗すると、-1になる。
まずなんでこれがそんなにありがたいのか?考えてみましょう。

ご存知のようにπは円周率。直径と円の周りの長さの比率です。
それは3.14159・・・と永遠に続き終わることがありません。
それだけでなく、πは超越数と呼ばれるモノの仲間で、有理係数を持つ代数方程式の解になりません。
πはπとしか表現出来ないのです。
円でも球でもこんなにありふれているのに、人類の知恵、未だ足らずです。

iは二乗すると-1になる数です。
二乗してマイナスになる数なんて何故必要だったのか、というと、単にx^2=-1という方程式に解があってもいいじゃないか、と考えた人がいたからです。
それをiと勝手に決めたのです。
勝手に決めた数が、何かの役に立つのか、というと複素平面上という概念が出来てから非常に役にたっています。

最後にe,ネイピア数とは何か、というとこれは自然対数の底と呼ばれるものです。対数とは指数の逆関数です。
例をあげると
2^3=8(2の3乗は8)が指数関数。
この式を2を何乗すると8になるの?としたのが対数です。logを使って表わします。
この場合は2が「底」になっています。
その底をeとしたのを自然対数と呼びeは2.7182・・・と続き終わりがありません。終わりのない少数は幾らでもありますが、このeもπと同じ超越数。
代数方程式の解として表現出来ない、人類が途中までしか分かっていない数です。
なんでそんな途中までしか分かっていない数を有難がっているかというと、対数を微積分した時、自然対数は非常に便利なのです。
微分だ積分だ、それも対数を微分ってなんやねん、という思いもありますでしょうが、こういう数学があって初めて自動車も造れれば、大量の電力を起すなど、快適な現代生活が成り立つのです。

数は無限にあるわけですが、実はその無限にある実数より超越数はもっと多いと証明されています。
でも人類の知っている超越数の定数は4つ(←うんと驚いてね!!!)です!
そして最も大きな意味を持つ二つがeとπです。
その二つが、方程式を解きたいが為に勝手に造ったはずの虚数iを介して結びつく。
ビックリでしょ。

この本はその成り立ちを500pにわたり基礎から理解させる吉田さんの名著です。文庫版しかなかったのですが、その文庫も廃刊になっていたようです。
私はプレミアムが付く前に文庫で持っていたんですが、正直、この本は文庫で読む本ではありません。
本を傍らに、ノートを用意して勉強しながら読み進めましょう。
文庫は1500円だったから今回の1800円復刊はメチャ買い得!

それにしてもこの本が一ヶ月で1万部売れる国が、なんで世界で唯一の新興衰退国と呼ばれるのだろう?
やっぱりどこかオカシイんだよ、この国のシステムはさ。


ps
この式は一般化すると
e^iθ=cosθ+i sinθ
と書きかえられます。
こうすると美しさには劣るけど、カラクリが見えた気になるよね。
美神の内側を少し覗いた感じ・・・

| | Comments (0) | TrackBack (0)

December 02, 2009

図解雑学 確率モデル 今野紀雄@確率モデルの理解を簡単に

伝染病の伝播など複雑な現象を解析する際、確率的なルールを組み込んで分析すると非常に効果的なことがあります。
この本は確率モデルの基本となることを、図解を使って解説しながら非常に分かり易く読ませてくれます。
ランダム・ウォークでの確率モデルや、方向性のあるパーコレーションの話はオモシロかったです。

世界を少しだけ数学的に見る見方が身に付いたかな・・・

以下この本からの覚え書き
1)方向性のあるパーコレーションはパスカルの三角形を使い、道の数はカタラン数列に一致する。

2)逆正弦の法則:1/2確率の試行を増やすと結果は0か100の割合が増え、間の50は減る。半々の運試しはどちらかに偏るのだ。グラフは逆正弦を描く

3)標本空間はΩ:全事象のこと 伝染確率はλと呼ぶ:臨界値は1.649
E(X)Eは期待値expectation,平均はm:mean
分散Vは確率変数のばらつき具合を表し、確率変数から平均を引いて二乗し確率を掛ける。
分散の正の平方根を標準偏差σ
標準偏差が有用なのは、分散の計算は途中で2乗しているから元の単位に戻せる為。

4)偏りのない試行の二項分布は回数を増やすとベキ分布から正規分布へと変わる。

5)2次元自己回避ランダム・ウォークの長さnでの道の数
2^n≦N(n)≦3/4*3^n
α≒2.64

d次元自己回避ランダムウォークの長さnでの道の数は
d^n≦N(n)≦(2d/2d-1)*(2d-1)^n
αは2d-1に近似していく

6)方向性のあるパーコレーションの臨界確率は0.6447近く
厳密な決定は未だなし

5)の説明が分かり難くて済みません。
でも全部書き出すと限がないので・・・オシマイ

ps
無限粒子系にこれほど未解決問題があるとは思いませんでした。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 22, 2009

魔性の難問~リーマン予想・天才たちの闘い~:神の言語の深遠に挑む者は、注意せよ

NHKスペシャルでやっていたリーマン予想の番組は、ゼータ関数を非常に分かり易く視覚化したりしてオモシロかったです。

昨日はとても疲れていたんですが、録画してあった番組、一気に見てしまいました。

まず登場するのはオイラーですが、この大数学者の唯一の欠点は、あまりに人間が出来すぎていて、エキセントリックなオモシロさに欠けるということくらいです(笑
膨大な業績を上げた人だったので、もっとトリッキーな性格だったら、笑えるエピソードも一杯残してくれたと思うんだ。
でもオイラー級数(平方数の逆数:ゼータ関数なら2)の収束値を、π^2/6と明らかにしたのは空前の発見でした。
すべては此処からでしたよね。

そして帝王ガウスが続く。
少年期に300万までの素数を計算したってどんなんでしょうか?
やっぱり化物ぶりが半端ないです。
そしてその分布が自然対数eの逆数に近似していくことを発見した。
・・・力技で300万まで計算するのも大変なものですが、最初の頃に合わなかったのが、次第にあっていく、ある種、大数の法則に似た思考を当てはめてる直感の勝利で、こうなるとスポーツ選手にたとえると、パワーもあればスピードもテクニックもある万能型の選手みたいな者?

そしてハーディの挫折。
征服したと思った瞬間に、そこが頂点でなく奈落だったと。
なんだか人の傲慢さに下る神の鉄槌って感じで感慨深いですね。

でもナッシュは気の毒だった。
この辺は、「数学は神の言語である。その深遠に挑む者は、神の無限の輝きに羽を焼かれて落とされるのだ」という言葉を思い出させます。
別の数学を造る云々という下りは、数学基礎論が充実していたらかこそ可能だったアプローチでしょうか?

そしてチューリングは、当時、人が得た最新にして最強のパワー、電算機を使った、しらみつぶしの背理法で挑み敗北。
最後は毒リンゴ(リンゴ=知恵の象徴)で自殺という暗示性

それにしてもこれだけのそうそうたる知性をみんな撥ね付ける数の神秘。
数字なんて人が作ったモノなのにね。
その構造が分からないこの不思議。

それから番組は少しそれてNSAの話に。
ほら見ろ、スパコン反対している連中、アメリカはこれだけコスト掛けてるだろうが!
でもさすがにリーマン予想の論文全部チェックしているとは思わなかったわ!
素数が暗号のキー(掛けるのは一瞬でも因数分解は出来ないって話)になっているのは知っていたけどさ。
これほど大変な問題になってんのね。


戻ってモンゴメリーとダイソンの話に。
ダイソン、ターミネーターの話でもなく、吸引力の落ちない唯一の掃除機でもない人ですが(←誰も言うとらん)、ゼータ関数のゼロ点間隔とウランの原子核のエネルギー間隔がsinの入った周期関数で一致している!とは。
これは驚くでしょ。

そしてコンヌ登場(この人も数学オタクの間ではスーパースターです)
物理学者はある種の空間を探している。私の研究している非可換幾何学は素数分布と関係しているかもしれない、だって。

最後は最初に登場して77歳にしてまだ研究しているルイ・ド・ブランジェさんが新たな論文を投稿して終わり。
なんだかいかにもフランス人のインテリって感じの人。
おコメと鮭を食べてましたね。
服の趣味も良かった。
どこの服なんだろ?

いやー、オモシロかったです。
DVDに焼いてまた見るわ。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 25, 2009

はじめての現代数学   瀬山士郎@素人向け数学本で注意すること

薄い230pの文庫本だったし、「はじめての」なんて題名だったしで読み出したのですが難しいです。

思い返すに数学本は文庫ほど読みにくいですね。
これは一般の本と違う数学本の注意事項だと思います。
何故、数学本に限って文庫だと難しい(読み難く)なるのかと思うに、書ける面積の制約から懇切丁寧さが欠けてくるからでしょう。
私レベルだと同じことを何度も何度も噛んで含めるように説明してもらわんと読みきれないないんだよ。
どんどん次に進められると分からなくなっちゃうの。

内容は1)現代数学の構造主義的方法としてガロアの群論
2)集合論:無限の算術
3)トポロジー位相空間幾何学
4)形式論理学:ゲーデル
5)フラクタル、カタストロフィーetc
と、慣れ親しんだものです。

一番解かりやすかったのはトポロジー理論の章で、なんと植木算こそ一次元トポロジー問題であったのだあ!なんてのは目から鱗

著者の瀬山さんの一番のお得意も位相幾何学のようで、今回は何かというとホモっぽいトポロジー理論を少しまとめてみましょう。

位置と繋がりの幾何学がグラフ理論でGと名づける
Gの点を頂点、弧を辺、各頂点に集まる辺の本数を次数といい、偶数本の辺を持つのは偶頂点、奇数本の辺を持つのを奇頂点といい、奇偶性=パリティの発見がグラフ理論の最初でした。
そしてGの奇頂点の個数は偶数になります。
グラフGが一筆書きできるためにはGの奇頂点の個数が0か2個であることが条件です。

オイラー・ポアンカレ定理
Gの頂点数-Gの辺数=x(G):グラフGについて1からGno切断数を引いた数、オイラー標数

ホモロジー理論:高次元図形の位置と切断によるつながり方の幾何学
群構造をなし代数化できます

ホモトピー理論:位置とつながり方の幾何学
空間や図形の中でループを一点に縮めることができるかどうかの幾何学
結び目群という代数構造(ホモトピー群)に対応します。


異球面の発見:エキゾチックな球面
球面上の微分構造(接線や接平面の引かれ方)が違う球面がある
ただし6次元以下の球面には存在せず、7次元では28通りの異球面が存在する

四次元ユークリッド空間には位相的には同値でも微分構造の違うエキゾチックな四次元ユークリッド空間が存在する。
ただし微分構造の違う異空間は四次元以外には存在しない。


ps個人的感想:数学は神の言葉の例証(冷笑)?
人類はπ,eの実質二つしか超越数(有理数を係数とする方程式の解にならない数)をしらないけれど、カントールの集合論の言うところでは、無限にあるはずの実数のほとんどが超越数となっている・・・
無限にあるはずのモノの二つしかまだ我々には分かってないのだ。

数は不思議だ。
宇宙や生命の全てが分からないってのは分かる。
人類の科学力が及ばないのだから。
でも数は人が発明したものだ。
でもこのありさまだ。
だから数学はスリリングでオモシロイ。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

April 18, 2009

大人のための数学➂ 集合論@「無限」という神殿に住まう「神」への手探り

オカシナ宗教にハマッテいると思われると心外なのだが、「神」は数の神秘の中にいるのではないか、と思っている。

0.1と0.11
とても小さな数ですが、紙に書いてみるとその間には無限が生じるんですよね。
0.1000・・・・∞・・1から0.109999・・・∞まで、小数点以下をどこまでも続けていけば限りがない。
全人類が総力を挙げてその全ての数を書き記そうとしても不可能。
たったの0.01の隙間なのにね。

無限、というと大きな物、ひたすらに長い時間、という天文学的なスケールについて考えがちだけど、もう宇宙の大きさ、おおむね判明しているでしょ。

今の処、137億光年ですか?・・・まだまだ観測結果、ブレると思うけど、宇宙の大きさ、少なくても無限じゃないことは確かなよう。
でもとても小さな数字の間には無限がある。
それに気づいた時、なんだか人が覗いてはいけない深淵を覗いたような気になってすごく怖い反面とても惹かれた。

俺の場合、怖い対象と惹かれる対象って案外近いんだよね。
「美」と「恐怖」も近い感じがする。
ホントに美しいモノって、どこか怖れを抱かせる。

人がこれからどれほど科学を進歩させるか分らないけど、「本当の無限」を曖昧な概念としてでなく、その実態を握り締めることだけは、絶対に出来ないんじゃないか、って思っている。

だから「真の無限」だけは神のモノ。
人類は宇宙の果てに行くことも、生命を自由に操ることも出来るようになるかもしれないけど、「無限」だけは心底理解することは出来ないんじゃないかな。

「集合論」はその無限を把握するためにゲオルグ・カントールという一人の天才が作り出した、いわば神の属性への手掛かり。

この本はそんな集合論の基礎が非常に分りやすく書いてあります。

それにしてもよくまあこんなこと考えだしたよ、ゲオルグ・カントール。
読めが読むほど感心しきり。

対角線論法が始めて腑に落ちた。
選択公理と連続体仮説も分るかもしれない@素人レベルでだけど。

ああ、感動。
俺に選択公理が分る日は来るのだろうか?
ざっと読んだけど、まだまだワカラン・・・


ps
といいつつ今日も仕事をして、昼休みに「しゅごキャラ」を録画で見て、「なかよし」五月号が欲しくなっているんだけどさ。
あむちゃんのハンディタオルが欲しいんだよな。

しかし土曜の夜だってのに
「カントールの集合論では、無限は静的なひろがりを示すのでなく、無限自身がその中に生成原理を内包し、新しい無限を次々に生んでいく、動的な姿を示すのである」なんての読んで感動しているのって暗いかな・・・

| | Comments (0) | TrackBack (0)

June 11, 2008

なぜこの方程式は解けないか? 天才数学者が見出した「シンメトリー」の秘密  

非常にオモシロい本ですが、400ページを一気に読了してまず感じることは、惜しい、ということです。
何が惜しいかと言えば、題名です。
この本の豊かな内容(数学から量子力学、人類学から音楽、芸術に至るまで)に比べて題名があまりに詰まらなさすぎる。
これではまったく魅力は伝わらないでしょう。

まずこの本のいう、「解けない方程式」とは五次方程式のことです。
ただ解けない、と言ってもそれは四次方程式まではあった「係数の四則演算と累乗根だけで表せる解の公式が存在しない」というだけです。
五次方程式に解の公式がない、なんて常識だ、と思っていたら、なんと人類はそれを300年も探しもてめていたのでした。(この時代、最大の未解決問題だったのだ!)

結局この問題は、アーベルが道筋をつけ、ガロアが群論でもってトドメを刺すのですが、それまでなんとかしようとあがく数学者の奮闘ぶりには頭が下がると同時に、涙ぐましさに気の毒にもなります。

それから本はアーベルの人生を俯瞰し、その不幸な一生を悼み、主人公ともいえるガロアについて語りだします。
エヴァリスト・ガロア、たった20年の人生で数学史を塗り替えた天才には、同じパリが舞台ということもあり、どこかアルチュール・ランボーの面影も重なりますが、この本で明かされる群論の壮大さには、ただ圧倒されます。

群論は「数学的抽象化の最たる技法」であり、素人数学オタとしては、絶対に抑えておかないといけない分野です。
群論はなんとレヴィストロースの名著、「親族の基本構造」から、ソシュールの言語学の体系化にまで、その根本を支える論理的根拠となっていたのでしたあ!
ビックリ、ビックリ!
あらゆる対称性の根底には群論の原理があり、普遍文法の理論は全人類が持つ言語能力の初期条件なのでした。


さらにはなんと1オクターブの音階も群構造になる!
それが人間に心地良いという不思議!
ここまでくると量子力学でよく言われる、未発見でもこんな性質をもつクォークの存在が予言されている、なんてことも群論が明らかにした、対称性からのことだなんてことには、もう驚かない。
宇宙の構造に潜む対称性!の驚異には、読めば読むほど、ただ唖然とするのみです。


以下、素人学問として群論豆知識をまとめておきます。
1)群の概念を生んだのは置換である。そしてn種類の置換の数はn!ある。そして「いかなる群も置換群と同じ型になる」
2)最も単純な恒等変換Iだけからなる群の位数は1

3)方程式が公式で解けるためには、群から入れ子状に生まれる一連の最大正則部分群によって得られる組成因子が、どれも素数になるときである。それを「可解」群と呼ぶ。
五次方程式はそのガロア群の置換群の一つが組成因子60となり、60は素数でない。
よって五次方程式は公式では解けない。
これが対称性を方程式の本質となる性質の根源である。

4)ガロアの群論が対称性の言語となり、自然はその対称性に従う
非ユークリッド幾何学は宇宙の言語になったが、それから派生したあらゆる幾何学は群論になる。それを証明したのが、クラインのエルラゲン・プログラムで、幾何学を物体によってでなく、物体を不変のままにする変換群によって記述した。
変換の群を与え、その変換によって変わらない要素の集合を明らかにすることが「クラインの四元群」

5)連続変換の群をリー群と呼ぶ。
方程式の可解性の証明に使われたのが正則部分群。
正則部分群を持たない群は単純群と呼ばれる。
素数が整数の基本要素であるように、単純群は群論の基本要素。
すべての群は単純群から作れ、単純群そのものは同じプロセスではそれ以上に分解できない。
モンスター単純群とは、散在型単純群の最大のもの。
元の数は54桁の数字になり、19万6883次元に存在する対称性の集まり。
素数構造で表現すると
2^46*3^20*5^9*7^6*11^2*13^3*
17*19*23*29*31*41*47*59*71
これは人類の知る最も大きな意味のある数であり、いつの日にか人類が物理学の中で出会う構造と予想されている。


6)「群が現れるところでは必ず混沌から単純さが結晶化した。対称性の素晴らしさはその予言の力による。この力が最も発揮されたのが量子力学の標準模型。対称性は科学者の行く道を照らし続ける

| | Comments (0) | TrackBack (2)

その他のカテゴリー

3.11から考える日本と日本人 | book | music | 「無限」に魅入られた天才数学者たち | つぶやき | らき☆すた | アクション映画 | アニメ | アニメ映画 | アート | エッセイ | エヴァンゲリオン | クルマ | グルメ・クッキング | コミック | コメディ映画 | サッカー | サッカー日本代表 | サッカーW杯 | スポーツ | スポーツの映画 | テニス | ドキュメンタリー映画 | ニュース | ノンフィクション | パソコン・インターネット | ファッション | ファンタジー映画 | フェラーリ | ホテル | ホラー小説 | ホラー映画 | ボクシング | ミステリー映画 | ランダムウォーク&行動ファイナンス理論のすべて | 二人の娘 | 二次元キャラは家庭生活の夢を見るか? | 休日 | 健康 | 勉強本 | 司馬遼太郎 | 外国為替 | 大人のための萌えアニメ宣言 | 失恋の歴史 | 安室奈美恵 | 寝ながら学べる構造主義  内田樹著 | 将棋 | 心と体 | 愛の映画 | 感動の映画 | 投資 | 教育 | 数学 | 文学 | 文学的な映画 | 旅行 | 日本のミステリー | 日本の小説 | 日本人ボクサー | 日本文学 | 日本映画 | 日経、日経金融新聞から | 映画 | 映画・テレビ | | 格闘技 | 海外の小説 | 海外の文学 | 海外ミステリー | 演劇 | 科学 | 素数に憑かれた人たち~リーマン予想への挑戦~ | 経営 | 経済・政治・国際 | 綾波レイ | 美の歴史 | 美術館の帝王 | 評論 | 読書 | 起業 | 野球 | 青空文庫 | 音楽 | 魔法少女まどか☆マギカ | 魔術的芸術  アンドレ・ブルトン | 2ちゃんねるネタ | PEACHーPITは現代のラファエロ・サンティ | SF映画