素数に憑かれた人たち~リーマン予想への挑戦~

February 22, 2006

素数に憑かれた人たち~リーマン予想への挑戦~ :9

複素数の専門用語の復習
「絶対値:モジュラス」原点からの直線の距離のこと。記号で表すと|z|。
読み方は「モドズィー」です。a+biの絶対値は√a^2+b^2です。

「偏角:アンプリチュード」複素数が正の実数軸となす角度をラジアンで表したものです。
記号で表すとAm(z)。正の実数の偏角は0、負の実数の偏角はπです。
正の虚数の偏角はπ/2、負の虚数の偏角は-π/2です。

「共役」複素数の実数軸に対する鏡像のことです。
a+biの共役な複素数はa-biです。記号では ̄zで「ジィーバー」と読みます。
複素数にその共役な複素数を掛けると実数になります。
(a+bi)(a-bi)=a^2+b^2
です。

実数は数直線上の一次元で表せましたが、複素数は横軸に実数軸を、縦軸に虚数軸をとる二次元の世界になるのが大きな特徴です。

このことからリーマン予想「ゼータ関数の自明でない零点はすべて1/2である」を図示すれば、実数軸0.5(1/2だから)の上にラインが引かれることになります。
これをクリティカルラインとよびましょう。

このことから零点は共役複素数として現れることになります。
a+biが零点ならa-biも零点です。
zが零点ならその共役複素数ズィーバーも零点ということです。


13章:複素関数を見る

指数関数では引数を足し算で進めると、関数の値は掛け算で進みます。

例、2^1=2、引数の1を2にすると、2^2=4です。
自乗される数が1増えたら計算結果は掛け算になりました。

ここで最近は「博士の愛した数式」でも有名なオイラー式、
e^πi=-1
を考えましょう。eの複素数乗は級数を使って求めます。
これを詳しく納得できるまで書くと1冊の本になる(オイラーの贈り物)ので、ともかくこの級数は-1に収束すると覚えてください(笑
ちなみに最初の20項を足すと-0.99999999999243491-0.000000000000528919iです。

単に素数の分布を見たいだけだったのにエライことになってきました(笑
でもリーマン予想のいう「自明でない零点の場所は、すべて複素数」なのです。
素数という自然数の分布が何故複素平面上での位置で表されるのか、なんとか理解したいと思います。


ps
ヒルベルトの功績、「ゴルダンの問題」とは、一種の存在証明のことです。
例「このクラスに次の命題があてはまる学生が一人いる。その学生より髪の毛の多い学生はほかにはいない、という学生である。でもそれがどの学生であるかはわからない」

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January 02, 2006

素数に憑かれた人たち~リーマン予想への挑戦~8

「ゼータ関数の自明でない零点の実数部は、すべて1より小さい」
これが証明できれば素数定理が証明できる。

数の体系
負の偶数はどれもゼータ関数の零点である。
ζ(-2)=0、ζ(-4)=0、ζ(-6)=0で以下同様である。

リーマン予想:「ゼータ関数の自明でない零点の実数部は、すべて1/2である」
負の偶数は、自明な零点であるが、自明でない零点は、「複素数」や「虚数」の領域にある。
数は以下の略号で表わす。
N:自然数、Z:整数、Q:有理数、R:実数、A:代数的数(代数的数でないのは超越数)

複素数どうしの足し算は、実数部分と虚数部分どうしを足しあわせる。
-2+7iと5+12iを足せば、3+19iになる。
引き算も同様。上記の式を引き算にすれば-7+5iになります。
掛け算ではi^2=-1になることに注意して、
(-2+7i)×(5+12i)は(a+bi)(c+di)=(ac-bd)(bc+ad)iから,-94+11iになります。

割り算は、2割るiが問題になる。
これは分数2/iである。
これでは分かり難いので、分子と分母に-iを掛けると、-i倍は-i^2でこれは-(-1)となり結局1だ。
だから2/iは-2iになる。
こうして分数の分子を実数に変えていく。
(a+bi)/(c+di)の分母は必ず実数に出来る。c-diを掛ければいい。

平方根はどうなるか? √iの平方根はどうなるか?
2iの平方根は1+i
iの平方根は、1/√2+i/√2になる。

複素数で問題なのは数直線上で表わせなくなることだけです。
実数までなら数直線という1本の線で表せますが、
複素数はx軸を実数軸としy軸を虚数軸とする平面上で表わすことになります。
これを「複素平面」と呼びます。
もうひとつ絶対値(モジュラス)という概念を導入します。
|z|と表わし、「モド ズィー」と読みます。

「偏角:アンプリティード」これは複素数が正の実数軸となす角度をラジアン(180度をπラジアンとするので、
1ラジアンは57,2957・・度である)

偏角は-πからπの間で記号で表わすとAm(z)となります。
正の実数の偏角はゼロ、負の実数の偏角はπです。
正の虚数は偏角はπ/2、負の虚数の偏角は-π/2になります。

はぁ、面倒ですね。
リーマン予想ってこんなことからやらないとダメだったんです。
次回は「共役」です。


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July 25, 2005

素数に憑かれた人たち~リーマン予想への挑戦~7

チェビシェフの第一の結果
ある定数Cについてπ(N)~CN/log Nならば、Cは1に等しくなければならない。
チェビシェフの第二の結果
π(N)は、N/log Nからプラスマイナス10%以上離れることはない。

復習します。
「リーマン予想:ゼータ関数の自明でない零点の実数部は、すべて1/2である」
ζ(s)=1+1/2^s+1/3^s+1/4^s+1/5^s+1/6^s+1/7^s+・・・(定義域:sは1より大きい数)
上記の式は、ζ(s)=Σn,n^-s(Σのすぐ後ろのnは本当は下に書きます)
これをエラトステネスのふるいと似た手順を行い。
ζ(s)=1/1-1/2^s×1/1-1/3^s×1/1-1/5^s×・・・(項の分母は1、分子は1-1/2^sです。以下同順)
つまり
ζ(s)=Πp(1-p^-s)^-1と書けます。素数全ての無限個の積です。
Σn n^-s=Πp(1-p^-s)^-1
ここまでが前章までのまとめ。

S(x)=1+x+x^2+x^3+x^4+x^5+・・
この式は、S(x)=1+x(1+x+x^2+x^3+x^4・・・)と書き直せます。
そして()の中にあるのはS(x)の式そのものです。ならば
S(x)=1+xS(x)となりよって、S(x)-xS(x)=1となり(1-x)S(x)=1となりS(x)=1/1-xです。
1/1-x=1+x+x^2+x^3+x^4+x^5+・・・です。
無限級数S(x)=1/1-xとなりました。
この式は-1と1の両端を除く区間で値を持ちます。(1/1-xは、1では分母が0。S(x)は-1で値はなくなります)
無限級数はその関数の定義域を制限される、ということです。

ゼータ関数も定義域は「1より大きなすべての数」でした。
ζ関数は、1より小さい引数でも1以外でなら値を持ちます。
しかしそれは極大(1兆の100万倍とか)と極小(1兆の10億倍のマイナスとか)を往復するとてつもない軌道を取ります。
ただ重要なのは、-2、-4、-6などの負の偶数はすべてゼータ関数の零点である、ことです。

1/1-x=1+x+x^2+x^3+x^4・・・の描くグラフを積分します。
1/xの積分はlog xなので1/1-xの積分は、-log(1-x)です。
よって -log(1-x)=x+x^2/2+x^3/3+x^4/4・・・
この両辺に-1を掛け
log(1-x)=-x-x^2/2-x^3/3-x^4/4・・・
ここで始めの式では成り立たなかったx=-1適用すると
log 2=1-1/2+1/3-1/4+1/5・・
これはlog 2=0.693147180599453・・・と値を持ちます!
同じ式が並べ替えを違えると結果が違ってくる!
値のないはずの式が積分値を持つ矛盾です。

極限が和を取る級数は、
「条件つきで収束する」ものと「絶対的に収束する」ものの二つの種類があったのです。
以上、9章まで。

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July 16, 2005

素数に憑かれた人たち~リーマン予想への挑戦~6

ζ(s)=Πp(1-p^-s)^-1でしたので、Σnn^-s=Πp(1-p^-s)^-1となります。(ΣとΠの次のnとpは、下に書きます)これがオイラーの積の公式です
上記の式は左辺の和(Σが使われています:すべての正の数の無限個の逆数の和)も右辺の積(Πです:すべての素数の積)も、項の数は無限です。

今後、必要になるので微積分の復習をします。
X^nの導関数(デリバティブ)の公式は、NX^n-1です。具体的には
X^-3の導関数は-3がXの前に来て^の肩に乗るのは-3に-1を足した-4で、
-3X^-4ですね。
X^0は0をXに掛けるので0です。
X^1は1をXの前において^は0になるので、ただの1になります。
X^3 は3を前に^は3-1=2となり3X^2ですね。
特殊な関数としてlogxの微分は、以前書いたように1/xですね。
また、
fの導関数が、gならば7fの導関数も7gになり、f+gの導関数もfの導関数+gの導関数になります。


X^nの積分の公式:X^n+1/n+1です。
X^-3の積分は、分母に-3に+1をして-2、分子はX^-3なので-3に+1して-2になり
-1/2X^-2ですね。
X^-1の積分は、logxになります。積分は微分の逆関数です。
X^3の積分は、3に+1をたし1/4としXの^も3に+1して4、結果1/4X^4ですね。
以下、公式に乗っ取って計算出来ます。

微分は関数の曲線の傾きを計算しますが、積分は関数の描くグラフの下の部分の面積を計算します。
1/X^4(X^-4のこと)のX=2とX=3の間の部分の面積を求めるには、
積分の公式を使い-1/3X^-3となり、X=2と3をあてはめて計算すれば、-1/81と-1/24になります。
よって(-1/81)-(-1/24)=1/24-1/81となり19/648で0.029321となります。

3∫2x-4dx(∫:インテグラの前の3は∫の上に後ろの2は下に書きます)と表現します。
この時2から3までとせず、100までとすると-1/3000000を引くことになり、
さらに無限大に向かって進めばこの値は0に限りなく近づくことになり結果、
∞∫2x^-4dx=1/24となります。(∞は∫の上に、2は∫の下に書いてます)

ここで特に1/logtという関数を考えます。いつものxを特殊なものとしてtにします。
その1/logtの積分を計算します。X∫0(1/logt)dtです。
この書き方は面倒なので、この関数には「対数積分関数」と特別に名前を付けてLi(x)と書きます。
この積分値はx=1の時マイナス無限大に沈みますが、
1より大きくなると無限大になるという複雑な動きをしめします。

そして重要なことは、Nが大きくなると、Li(N)~N/logNになるのです。
それならば、π(N)~N/logNだったので、(~は遷移的:しだいに近づくということです)
π(N)~Li(N)です。
そして実はLi(N)はN/logNよりπ(N)(素数個数関数)に近いのでず。

よって素数定理はπ(N)~Li(N)と書き換えられました。
実際に数えると、Li(N)>π(N)>>N/logNという感じです。
7章まで終わりです。全体の1/3です。

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July 07, 2005

素数に憑かれた人たち~リーマン予想への挑戦~5

「公約数を持たない整数を初項と公差とする無限等差数列は無限に多くの素数を含むという定理の証明」
byディリクレ この言葉を憶えておいて下さい。

エラトステネスのふるい:古代ギリシャの素数を見つける方法です。
1,2,3、・・と100まで書きます。
そこから、2は除いて2の倍数を除いていきます。次に3の倍数、次に5の倍数、7の倍数と取っていくと、
残っているのが素数ということになります。
素数pを処理する前の段階で止めれば、p^2よりも小さい素数はすべて入ってます。
7までやれば49より小さい素数はすべて残るので得られます。

この考えをゼータ関数にあてはめます。
ζ(s)=1+1/2^s+1/3^s+1/4^s+1/5^s+1/6^s+1/7^s・・
上記には、分母にすべての正の数が出てますね。

ここから「エラトステネスのふるい」と同じことをします。
まず1/2^s倍します。
1/2^sζ(s)=1/2^s+1/4^s+1/6^s+1/8^s+1/10^s+1/12^s+・・となります。

最初の式から第二の式を引きます。ようするに2の倍数の分母(偶数)の項が無くなるのね。
(1-1/2^s)ζ(s)=1+1/3^s+1/5^s+1/7^s+1/9^s+1/11^s+1/13^s+1/15^s+1/17^s+・・
これを(あ)の式とします。

次も「エラトステネスのふるい」、と同じ消されていない最初の分母、1/3^sを掛けます。
1/3^s(1-1/2^s)ζ(s)=1/3^s+1/9^s+1/15^s+1/21^s+1/27^s+1/33^s+1/39^s+1/45^s+1/51^s・・
これは(い)の式とします。上の式はその上の式の分母に順次1/3を掛けてます。

今度はこの式を、一つ前の式から引きます。
(1-1/3^s)(1-1/2^s)ζ(s)=1+1/5^s+1/7^s+1/11^s+1/13^s+1/17^s+1/23^s+1/25^s+・・・
無限個の和から分母に3の倍数があったものがすべて消えます。
わかりますか?
(あ)の式から(い)の式の各項を引いているだけです。無限級数だからめまぐるしいけど作業自体は簡単ですね。

今度は最初の分母が5なので1/5を掛けて・・・以下同順の作業を延々と繰り返し分母が997まで続けると、
(1-1/997^s)(1-1/991^s)・・(1-1/3^s)(1-1/2^s)ζ(s)=1+1/1009^s+1/1013^s+1/1019^s+1/1021^s・・

この右辺はsが3なら1.000000067となりさらに作業を続けるうちに以下の式になります。
・・・(1―1/13^s)(1―1/11^s)(1―1/7^s)(1―1/5^s)(1―1/3^s)(1―1/2^s)ζ(s)=1
この両辺をかっこごとに割ると
ζ(s)=1/1-1/2^s×1/1-1/3^s×1/1-1/5^s・・
すみません、とても解りにくいですね。最初の項の分子は1、分母は1-1/2^sです。

これはζ(s)=(1-2^-s)^-1(1-3^-s)^-1(1-5^-s)^-1・・
と書けます。さらに簡単に書くには、一つのパターンに従う項を掛ける時に使う記号、

Π(パイ:プロダクト、積)で
ζ(s)=Πp(1-p^-s)^-1と書きます。
「sのゼータは1マイナス、pのマイナスs乗のさらにマイナス1乗をとり、すべての素数について掛けた積に等しい」
と読みます。Πの横のpは本来下に書きます。またこの式のpはプライム・ナンバー(すべての素数)のpです。

ps
この本は奇数章が数学的なことを、偶数章に数学史のことが書いてあります。
今回は「リーマン予想についての数学的理解」ということを目標に奇数章、数学的なことに絞ります。

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June 30, 2005

素数に憑かれた人たち~リーマン予想への挑戦~4

logという対数関数は感覚的に非常に馴染みにくいです。
なぜlogなどという対数表示が必要なのでしょう。それは数学者が逆の表現を愛するからです。

x=a×bならa=x/bでありb=x/aと、掛け算の逆は割り算とすれば良いですよね。
ことろがx=a^bの時の逆の表現をするとなるとa=x^1/bで良いのですが、
bを表わす時に手がかりを失います。
そこでbはaを底とするxの対数である。としb=logaxと表現します。

さらにlogは底をeの時のみ使うことにします。
x=e^bの時b=logxとなります。これは
指数法則8)x=e^logx(b=logxだから)
指数法則9)log(a×b)=loga+logb
aとbが任意の正の整数ならa×b=e^loga×e^logb
a×bも一つの数だからa×b=e^log(a×b)
指数法則10)log(a^n)=N×loga
となります。
草臥れたでしょ。私の疲れました。

めげずに以下バーゼル問題の続きです。
1+1/2^n+1/3^n+1/4^n+1/5^n+1/6^n+1/7^n+1/8^n+1/9^n+1/10^n+・・
この問題でnが2の時はπ^2/6に収束することをオイラーが証明しましたが、
オイラーはそれ以外にもnが4の時はπ^4/90にとすべての偶数について答えをもたらしました。

しかし奇数についてはわかりません。
このバーゼル問題の奇数はn=3が無理数であるのが証明されたのが1978年です。

ここでこのバーゼル問題の使うnをリーマンが「ζ:ゼータ」に変えてを用いたことにより、
ゼータ関数が誕生します! どうです!ゼータ関数でました。
ζ(s)=1+1/2^s+1/3^s+1/4^s+1/5^s+1/6^s+1/7^s+1/8^s+・・

Σ(ギリシャ語のsです)は合計を表わします。
n=15
Σ√n
n=12、と表わされる意味は、√12から√15まで足しあわせす簡略記号です。
これはさらに簡略になり
15
Σ√n
12 と書きます。

この要領で上記のゼータ関数式を書くと
ζ(s)=∞Σ1/n^s、n=1
(∞はΣの上に乗せてね。n=1はΣの下。1/n^sはΣの後ろです)
これを指数法則5)から
ζ(s)=∞Σn^-s、n=1です。(x^-n=1/x^nだから)
さらにnは正の整数なのでさらに簡潔に
ζ(s)=Σn^-s、nとなります。
「sはゼータのあらゆるnについてnのマイナスs乗の和」と定義されます。

さらにグラフが書けないので略しますが、ゼータ関数はsが1より大きな時だけ値を持ちます。
sが0だったり負の数の時、この関数は発散するからです。
よって、ゼータ関数の定義域は「1よりおおきなすべての数」、となります。

5章まで。
ゼータ関数の姿が見えてきました。やっつけましょうね。

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June 21, 2005

素数に憑かれた人たち~リーマン予想への挑戦~3

ゼータ関数に必要になるので、対数関数、指数関数を復習します。
y=e^x(yがe:オイラー数、のx乗)ならx=log y(eをx乗すればyです)
さらに正の数yについてもy=e^log yです。何故ならeの肩に乗っているlog yは=xだから。

素数定理:PNTは以下の通りになります。
π(N)~N/log N
この意味は、
Nまでの「素数個数関数:π(N)」は、その数Nを、eを底としたNの対数関数で割ったものである、です。

さらに素数定理からの帰結として
1)Nが素数である確率は~1/log N
ある大きな数Nまでのすべての数のうち、ある数が素数である確率はeを底とするNの対数の逆数にしだいに近づく、ということです。

2)N番目の素数は~Nlog N
N番目の素数は、eを底とするNの対数のN倍に近付く、ということです。
そして実際にNが大きくなるほどその差は小さくなっていきます。

素数の頻度に史上初めて関心を示し、その法則を覗いたのは数学王ガウスです。
彼は自分の空いた15分の時間を使い千づつ数えていき
「素数は、平均すればその頻度が対数の反比例に近づいていく」という結果を得ます。


バーゼル問題:以下の無限級数の「閉じた形」を求めよ
1+1/2^2+1/3^2+1/4^2+1/5^2+1/6^2+1/7^2+・・・
「閉じた形」とは正確にその値を表わしたものを指します。
近似値は「開いた形」といいます。

そしてこのバーゼル級数の答えはπ^2/6です。
円にまったく関係のないこの式で、πが出てくるのは神秘ですが、この形に閉じます。

累乗:掛け算の繰り返しです。以下、累乗同士の指数演算の法則を示します。
指数法則1)x^m×x^n=x^m+n
指数法則2)x^m÷x^n=x^m-n
指数法則3)(x^m)^n=x^m×n
指数法則4)任意の正の数xについてx^0=1
指数法則5)x^-n=1/x^n(x^-1は=1/xだから)
指数法則6)x^m/nはx^mのn乗根である。例:x^2/3はxの立方根の平方
指数法則7)(x×y)^n=x^n×y^n

本日はここまで。5章の中間です。

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June 11, 2005

素数に憑かれた人たち~リーマン予想への挑戦~2

素数と素数定理(Prime Number Theory:以下PNTと書きます)
素数(Prime Number)とは、1とその数自身しか約数を持たない数のこと
例:2,3,5,7,11,13,17,19,23,29,31,37,41,43・・
と、どこまでも続きます。

素数は無限にあり、最大の素数は存在しないことの証明
1)最後の素数をNとする。
2)最初の素数2から最後の素数Nまでをすべてかけると
2×3×5×7×・・×Nとなります。
式から出た数は、この数までのすべての素数で割り切れます。
3)これに1を足し、2×3×5×7×・・×N+1とすると、
N以下どんな数でも割り切れなくなります。
よってこの数はNより大きな素数で割り切れるか、この数自身が素数かのどちらかになります。
よって仮定した最後の素数は存在せず、素数は無限に続くことになります。

N(Number、数という意味の略)    Nより小さい素数の個数
1000以下なら          168個
1000000以下         78498個
1000000000以下          50847534個     
1000000000000以下         37607912018個
1000000000000000以下         29844570422669個
となります。
上記から分かることは数が多くなるほど、素数の数は増えにくい、ということです。
数が増えるほど約数になる数も増えるので、
対象となる数字が増えれば素数も増えにくいというのは直感で分かりますね。

それではその少なくなり具合を、明らかにする関数はあるのでしょうか?
「プライム・カウンティング・ファンクション:素数個数関数」です。
「素数個数関数」は記号では、π(N)と表わし、「パイエヌ」と読みます。
「Nまでの素数の個数」と定義します。
(πは円周率として有名ですが、今回は関係ありません。多重定義されてます)

すると、
N/π(N):Nまでの数を、Nまでの素数の個数(π(N):素数個数関数)で割ると、
Nが千倍になるにつれ、この式の数字が7増えるという規則が見てとれます。

対数関数と指数関数:今後の展開に必要なので復習しましょう。
指数(エクスポーネント)関数とは:y=A^x 例、9=3^2(9=3の2乗)
この逆が対数関数:y=log aX 例、2=log39(3を何乗すると9になるの?=2ですね)
この対数関数式でaにあたるのを対数関数の底といいます。
今回の例では3でしたが、これをオイラー数e(超越数です。2.718281828459・・)にすると
y=log aX,という対数を微分した時、y′=1/x log aeとなり
底にeを使えば
y=log eXの微分は
y′=1/x log ee=1/X と簡単になります。 (log ee=1だから)
そこでeを「自然対数の底」とし使用し、以後、対数関数では省略して書きます。
これで3章終わらない・・・
意地でも読み通しますので、よろしかったらお付き合いください。

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June 02, 2005

素数に憑かれた人たち:リーマン予想への挑戦

さまざまなハイテク機器に囲まれて暮す我々はつい最近まで、
フェルマー予想(今は定理)
X^n+Y^n=Z^n、(ただしn≧3)を満たす自然数はない、
ということを証明できませんでした。

これがn=2なら3^2+4^2=5^2(^は自乗という意味です)で
9+16=25となりピタゴラスの定理なのですが、
これが3以上になっただけで、フェルマーが提出してから360年以上解けませんでした。

なんか神秘ですよね。
1,2,3という自然数を使った、自乗(掛け算の繰り返し)と足し算だけの式なのに・・・

これが解かれた今、数学界で1番ホットな謎が「リーマン予想」です。
それは1859年11月号の『ベルリン学士院月報』に発表された10ページ足らずの論文
「与えられた量より小さな素数の個数について」です。
少し数学的な言葉でいうと

「ゼータ関数の自明でない零点の実数部はすべて1/2である」ということです。
・・・はい、まるっきり意味がわかりませんね。
私も分かりません。
でも分かりたいのです。
分かったからと云っても1銭も儲かるわけではないですけどね。
この本、480ページもあるので上記の意味が分かる程度にはしょりましょう。

さっそく、
調和級数:分母が普通に数を数える時の逆数
1+1/2+1/3+1/4・・=∞となります。
数式の合計が∞になるとき「発散」するといいます。

ここで疑問。無限個の数を足していけば必ず結果は無限になるのでは?
ところが以下の式は無限個の足し算をしても無限になりません。
級数:1+1/2+1/4+1/8+1/16+1/32+1/64+・・=2
となります。分母が2倍になり足される数がどんどん少なくなるんですね。
こういう式を「収束」する、といいます。

そこで分子と分母の和をとって、新しい分母にする。分子と分母の2倍を足して新しい分子にすると、1/1,3/2,7/5,17/12,41/29,99/70・・となり√2に収束します。

4/1,8/3,32/9,128/45,768/225・・これはn番目の数を得るとき、nが偶数なら前の分数にn/n+1を掛け、
nが奇数なら前の数にn+1/n掛けるという規則で作られます。
これはπに収束します。

こういう具合にその数が決して達することがない限界、
極限の研究をするのを解析学、といいます。
これで2章まで。先は長いぞ!

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