アクション映画

April 09, 2012

ドライブ/Drive@青白く燃え上がる狂気『タクシー・ドライバー』を思わせるviolence fantasy

昼間は映画のスタントマンで夜は武装強盗の逃亡を助ける天才ドライバー。
そんな寡黙で孤独な男が一人の女性と出会った先に遭遇する暴力の嵐・・・

もう同じような設定の映画、何本観たことでしょう。
ありきたりというか手垢の付きすぎたお話しで、好意的なレビューがなければ絶対に観なかったであろう作品。
正直、賞賛の嵐となっているレビューを読んだ後でもね。
行くの迷っていたわけですが、観てビックリ!
なんとこの映画はあの傑作「タクシー・ドライバー」へ捧げられたオマージュ、21世紀のロサンジェルスから20世紀のニューヨークへと手向けられたcoolなviolence fantasyだったよ。

題名からもカー・チェイスが中心の映画かと思うでしょ。
確かにそういうシーンあるんですが、そっちにはあんまり奇想天外な絵柄はない。
逃亡するシーンとか、けっこうリアリティ追及路線で、その分観客はもっともらしく感じる訳ですが、そのもっともらしさを生々しい暴力シーンに生かしていく。
あまりこの手を見慣れていないお客さんが、ひーひー言っていたということをご報告しておきます。

主人公を演じたライアン・ゴズリングは、無駄に顔が長い印象で、いつも楊枝をくわえているのが田舎臭くてバカっぽくて、子供と一緒にテレビを見ている時なんかオメデタイ顔で弛緩しきっていて全然カッコ良くないんだけれど、一朝、事に臨んだ時は容赦がない。
その落差が衝撃となって観るモノを驚かす。
自分が撃たれたと思わせるような銃声とか、一人クルマで待っている間の秒針の音とか細かな演出も冴えていて、音楽もひたすらにカッコイイ。

愛するモノ、美しきモノの為に自らは平然と死を覚悟し、大都会の夜の光を横顔に受けて愛車を転がすドライバーにいつしか私はトラビスの面影を見てしまった。
論理ではない。
倫理でもない。
計算もないただひたすらの暴力衝動は、若い雄だけが持てる特権で胸を打つ。
ラスト間際の変装にはジョン・カーペンターの「ハロウィン」も思いだした。
彼はこれから何処に行くのか?
そもそも彼は何処から来たのか?
果てしなき夜の暗闇の中で、彼がドライブする先に、いつか平安は来るのだろうか?

ps
この映画はDVD買ってもイイかもですね。
生々しい暴力シーンが嫌でなければ一押しの逸品

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March 23, 2012

キラー・インサイド・ミー@何故、気味の悪い映画や小説が芸術なのでしょう

パルプ・フィクションのドストエフスキーと呼ばれるジム・トンプスン原作「内なる殺人者」の映画化作品です。

主人公ルー・フォードを演じるケイシ―・アフレックが光る演技を見せて、なかなか印象的な作品になっています。
カメラも相手役の女優連も周囲をかためる俳優たちも、いかにもそれらしくて傑作として名高い原作に恥じない一品に仕上がっていると感じました。

結局、ジム・トンプスンが生前に名声を得られなかったのは、あまりにも簡単に人の暗黒面を描いたからです。
極めてシンプルに、難しいこと一切言わず、狂気なんてそんな仰々しいモノじゃないよ。
ほら、そこにある、と投げ出してみせた。
あまりさりげなく、それでいて充分おっかない不条理な作品を描いたから、読者は戸惑い伝わり難かったという皮肉。
これをもう少し文学臭たらたらで描けば生前でも評価されたろうに、ということですが、そうしていたら逆に死後20余年を経てからこんなにも評価されなかったであろうというね。
人生は難しいですな。
原作は非常に楽しく読ませてもらったんで、それが立派な映画になっていて嬉しい発見でした。

ps
娘と一緒に観ていたんですが、生々しい女性撲殺シーンで目を背けていました。
「これはノワール小説と呼ばれる分野では有名なジム・トンプスン原作なんだ」
「こういうシーンは嫌だね」
「なんで時にこういう作家が高い評価を得るかというと、人間には誰でも暗黒面があって、それらを一切描かないというのはかえって世の中をおかしくする原因になるから。
あるべきモノは見つめる。
嫌なモノだからって、無いことにしない。
モチロン、こういう作品をすべての人が観なくてイイ。
でも山に登りたいって時に、春にハイキングに行くような山ばかりじゃ物足りなく思う人もいるんだ。年がら年中じゃなくてもたまには厳しい冬山に登りたいって思う人もいる。その厳しい冬山を巧い具合に掘りかえし、描いてみせると芸術家として後世に名が残るってことですね」
と講釈をいたしました。
ということで、今日ご紹介するのはその原作の方で、

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November 16, 2011

座頭市血笑旅@男も変わったけど、今と昔じゃ女性もやっぱり相当違う

座頭市の映画を順番に観ている。
娯楽映画ってのは、抜群のヒーローさえいれば、簡単に成立するんだな、と誤解したくなる作品がそろっている。
ま、その「抜群のヒーロー」を存在させるのが、難しんだろうけどね。
この映画は8作目。
監督三隅で音楽は伊福部昭で、赤ん坊とスリの女性が市に絡んで特に泣かせる作品です。
勝新の市の値打ちは、哀愁と凄みが両立している点ですね。

で、このシリーズ、他にもう一つ気づいたことに、女優がみんな色っぽいんだ。
なんかなよなよしているとこに、男心をソソラレルというか。
私はそういうモノには鈍感な方と自負していたんだけど、この位はっきり出ていると感じざる得ない。
出てくる女優さん、女優さん、最近には見ない色気を醸し出している方が多い。

最近の女優さんは、みんなとても綺麗だし、スタイルも良いけど、この時代(1964年頃の映画です)みたいな「女の雰囲気」って乏しいよね。

本日は休日なれど、朝から勉強会に行った。
この勉強会が経済的に報われる日が来るか来ないか分からないけど、勉強を続けるしかない日々だ。
乗るのは短時間なんだけど、車中で仕事もしたいんで、グリーン車を張り込み、席を探して通路を歩いていたら、途中、若い女性がノートPCを広げて猛烈な勢いで何か打っている。
パンツスタイルで、スクエアなスーツで、髪を後ろにまとめて一目、隙がない、というか、シャープな印象。

最近の男は云々と良く言われる。
確かに男も変わったけど、女性も変わったよね。
男も女も共に変わった。
すべて時代の要請ってやつだ。
日本髪を結って和服姿じゃ、しっかり仕事というムードは出ないし、かつての古き良き?時代のなよなよした女性の色香は今はない。
そういうことだよね。

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November 02, 2011

座頭市物語、続座頭市物語@手向かうぜ、見当つけて斬ってきな

座頭市のデビュー映画とその続編です。
モノクロであり、撮られたのが1962年と日本の田舎がまだ時代劇を撮るのに、不自由ないほど残っている時代でもあり、監督が三隅研次と森一生という高い美意識の持ち主だったということもあり、場面、場面が極めて端正な美しさをたたえ、さながら日本画を見ているようでありながら、ダイナミックな時代活劇としても優れているという稀有な映画です。

見ていると夢中になってしまって、私にとって時代劇の最高のヒーローは、やっぱり座頭の市っつあんだなあ、と感じ入ります。

座頭市は、盲目で貧しげな按摩で、ヨタヨタ歩いているから、偉ぶった嫌な奴らからは侮られる。
侮りに逆らえば、敵は暴力で来るんですが、絶対に勝てると思った盲人に鎧袖一触。これが気持ちイイ!
最も低い場所から跳ねるから、座頭市の居合い斬りは最高のカタルシスを生むんだよね。
感動とか衝撃は落差だからさ。

それにしてもこの類稀なるヒーロー像を創造した、俳優勝新太郎は天才です。
彼が演じた瞬間に、稀代のヒーローは、まるでずっと前から実在したかのように、カメラの前で生まれたんだよ。
すべては彼が一人で造りだした。
ヨタヨタした歩きかたから口ごもるような口調で話していたかと思うと、一転、滲み出る尋常でない殺気。
囲んでは一気に来る相手を、逆手に持った仕込みが一閃。
踊るように振り回した後には、みんな倒れている。
この舞いを舞うような逆手、回転斬りの独創は圧倒的な発明だ。

座頭市は最高だよ。
彼こそ弱者(=一般人)の英雄で、その心得は、「手向かうぜ、見当つけて斬ってきな」なんです。
相手がどんなに強く見えても、嫌、だからこそ、「弱者、蛇に怖じず」の気迫が必要。
それがあれば、強者もうかうか侮れない。
侮ろうとするなら、怪我は覚悟ということです。
コッチは殺されても、相手にも一生の怪我を負わせられれば、ま、イイかな、という捨身ですね。
この臆病と対極の美意識が、座頭市の最大の魅力であり、今後の日本と日本人に最も必要とされているものなんじゃないかな、と書いて今日はお仕舞。

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September 12, 2008

ダイ・ハード4.0   爆笑必至!  ハリウッド映画はこうだよね!

還暦過ぎてもボクシングのリングに上がらせるのがハリウッド流なんだから、50を超えたNY市警のポリスが、サイバー・テロリスト相手に孤軍奮闘してもなんら問題はない!でしょ。

ただブルース、頭髪もすっかりお見限りで、映画の題名も4だからね。
シリーズ物も、2とか3ならまだ許容範囲と思えても、4となるとさすがにマンネリの心配がつきまとう・・・特に3はなんだかもうイイよ、って印象だった。
しかも今回は相手が大規模サイバー・テロリスト軍団!
サイバー方面が得意分野の敵役だとなんだかオタク臭が漂って、肉体派のブルースとは咬みあわないんじゃないって危惧もあった。
ボクシングの試合でもあるんですよ。
いい選手同士でも、なんかファイトがすれ違いって時がですね。

ところがどっこい、そんな心配は一切無用のノンストップアクション映画でした。
最初のころこそ、いきなり襲われるブルースは命からがらの反撃で、もう年だしなあ、の感もあったのですが、物語が進むにつれてその戦闘能力はサブプライムローン証券並みにレバレッジが掛かり飛躍的に増大!(笑

サイバー方面は、相棒になったソッチ系の若者に任せて、自分は、IT系統を乗っ取られ大混乱のアメリカで、何でもありの大活躍で、もうJ・マクレーンはランボーもコマンドーも越えたな。
ターミネーターとならほぼ互角か?
ただコッチは口が達者で、愚痴も皮肉もハッタリも冴え渡る!
口が達者なタフガイって、アメリカの生んだヒーロー像だよね。
そんな文化的伝統の継承者でもあるわけです。


最後の方は笑うしかないけど、楽しいよ!
細かいことを言うのは野暮というもの。(インテリ的揶揄で、干からびて生きることの愚かしさ@雪/オルハン・パムク)
映画なんだからさ。
これだけ大規模に笑わせてくれる映画もちょっとないと思う。
とってもオモシロかったです。

ps
それにしてもジョン・マクレーンとランボーとコマンドーの三人がいれば、アルカイダーの掃討なんて3日も掛からないような気がするんだが、アメリカ。
とりあえず大統領は共和党でお願いしたいです。

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August 10, 2008

ザ・シューター/極大射程  読んでから観ろ!

原作がスティーブン・ハンターです。
S・ハンターといえば私にとっては「真夜中のデッド・リミット」
この本、伊勢志摩観光ホテルに行った時読んだのですが、あんまり面白くって「美味しんぼ」でも絶賛されていたアワビのステーキの記憶も飛ばされてしまいました。
風景の記憶もない。
あるのはただ「真夜中のデッド・リミット」の興奮と、ラスト電車の中で泣いた感動のみ・・・

ところがその後のハンターは、「ダーティホワイトボーイズ」などがあまり趣味に合わずちょっと疎遠に・・・この映画もただひたすら遠くを狙い撃つ、狙撃手の話なんでしょ、とあまり期待しないで観始めたのですが、主人公にボブ・スワガーの造型も素晴らしく、スピーディな展開に、狙撃銃の薀蓄も豊かですっかり堪能!
今はなんで原作先に読まなかったかなあ、と後悔しきりです。

話は、すべては故国アメリカの為と秘密裏のミッションを実行中、作戦司令部の裏切りに合い、相棒を失くし、隠遁した人公の元に、大統領の狙撃情報があるから、狙撃の名手の側から見て危険を指摘してくれとの依頼が・・・
すっかり隠遁を決め込んでいたスワガーですが、愛国心を揺さぶられ再び立ち上がります。
そして・・・
次第に明らかになる、あまりに巨大な陰謀と敵の存在。
巧妙極まる罠に落とされたスワガーは、巨悪に打ち勝てるのか?
意外な相棒を得て、スワガー、執念の逆襲が始まります。

「1600メートル離れた敵を正確に打ち抜くには、風向きはモチロン、湿度、地球の自転からおこるコリオリ慣性力まで計算する必要がある」なんてセリフには、一芸を極め抜いた者だけが知るような凄みがあり、引き込まれます。

主演のマーク・ウォールバーグは、かなり良い感じだったんですが、私生活はとんでもない男のようですね。
まあ才能ってのは、誰に宿るかなんて不条理な物。
割り切って観てみましょう。

とりあえず2時間、緊張は持続し飽きさせません。
観て損はない映画です。
でも本がお好きで、未読なら先に原作でしょうね。

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June 28, 2008

ターミネーター2.名キャラクター、T1000型のスピンオフが欲しい!

SFアクションとして完璧な映画ですよね。
スリリングに始まって、意表を突つアクションに次ぐアクション。洒落た演出から、計算しつくされた脚本に、呪わしいほどの恐怖があり、手に汗握る緊迫があり、出演陣のシュワルツネッガーもサラ・コナーも完璧。
そしてヒューマニズムに満ちた感動のエンディング。

あの名曲として定着した音楽まである。

この映画に関しては、語ることがあまりにも多いので、今回は一回きりの敵役としてはあまりに惜しいT1000型ターミネーターについて、スピンオフ作品をぜひ見たいという要望を書きます。

映画はその歴史の中で、実にいろいろな架空のキャラクターを生みだしましたが、このT1000型はあまりに過小評価ではないでしょうか。
炎上したトラックの炎の中から蘇り、銃で撃たれても水銀様の穴が開くだけで復活。
完全に変身して別人になり変わったかと思うと、腕をナイフに変え一瞬で相手を殺戮。
エレベーターでは腕を鍵爪にしてこじ開け、クルマに追いすがり、廊下と一体化して侵入するとかなんて究極の忍者じゃないですか!

敵役でも良いし、初代ターミネーターみたいに今度は正義の役ででもいいからぜひ1本作って欲しいですね。
正直、色々なアクション映画みていて、これ味方や敵にT1000が入れば、こうなってああなってって考えること多いです。
なんでリメイクならぬ、Re出演がないのでしょう?
CGに金が掛かる?
今時ならそんなことないと思うけどな。
万能過ぎるんだろうか?
確かにコイツが一人いれば大概のことは解決してしまう気もする。
でもそこを何とかするのが脚本家の知恵の出しどころ。
ぜひぜひお願いしたいものです。
主演じゃなくてもイイからさ。

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November 09, 2007

ドミノ

ドミノ、という題名から連想されるのは、モチロン、ゲームのドミノで、それは疾走する崩壊の快感。壊れることが止まってくれるな、というちょっと他にないような感覚。

映画は実在したドミノ・ハーヴェイという女性で、名優の娘として生まれ、上流で暮らし、自身もモデルとして活躍しながら賞金稼ぎの世界に入ったという人のストーリー。
なんだか「ドミノ」という名前に似た人生。

映画自体は監督であるトニー・スコット流の、あの荒廃と詩情の映像を見せますが、傑作だった「マイ・ボディ・ガード」には程遠い出来。

それでも記事にしたのは、主演のキーラ・ナイトレイ!に心底驚いたから。

私はいわゆる地上波の番組はほとんど見ない。
では普段の食事中やその後に何を見ているかというと、撮り貯めた映画をぶつ切りに見ている。(一気に見るほどの時間は取れないから)
この映画の前に見ていたのが「プライドと偏見」
主演の女優がすぐに「パイレーツ・オブ・カリビアン」のあの女性だということは分った。
好演であり原作の「高慢と偏見」も美しく映画化され、アカデミー主演女優賞候補になったのも分る。
彼女の魅力と存在感は抜群だった。

で、次にこの映画を見始めた。
前記したように、映画自体はちょっとカスリ気味なのですが、ともかく主演のハードな女性がメチャクチャ魅力的。
誰だコレ?
キワドイ服でバウンティ・ハンターのセミナーに行き、荒くれ男からナンパされてもやり込めて、自分を売り込むためにはナイフも投げる。
メチャクチャDangerousな女で、アクションでも身体がキレル。
「12の時から本気でやってきたのよ。死ぬことだって怖くない」
なんて言葉が良く似合う。

賞金稼ぎになってからは、互いに銃を向け合う膠着した危地においていきなり
「ブラとパンティだけであなたの膝で踊るわ」と言い放つ。
「ストリッパー雇えば同じだ」とデカイ敵の男が答える。
「あたしがよ」
「どう思う?」・・・仲間に聞いてる、この時点でギャングの負け(笑
「俺は拝みたい」・・・これが仲間のギャングの答え(笑
踊りのシーンがまた見ごたえ充分(笑

映画自体はともかく、この女優はカッコイイな、というのが見終わった後の感想。
で。
名前は、と調べてビックリ、さっきまで「プライドと偏見」で長いスカートを履いて18世紀は英国の田園地帯で愛に悩む女の人だったんじゃないの!キーラ・ナイトレイ!

驚愕!
まったく一致しなかったよ!

この女、凄いわ!
普通この中の1つでもあればスターになれる、天性の美貌と身体能力と演技力の3つを兼ね備えています。
なんだか怪物を見た気分。

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October 21, 2007

X-MEN:ファイナル・デシジョン

拳から超合金の爪を生やしたり、嵐を起こす女がいたり、という大人がまともに見る映画、という以前に、大人が真面目に作る作品とは思えない幼稚なコミックス原作をアメリカ人が220億円を投入して作ると大人が夢中になって見るに耐える作品に仕上がるという驚き。

膨大な金を掛けたであろうVFXの凄さはモチロン、演じる俳優のレベルは高く、何より脚本に詰め込まれたハリウッド流「匠の技」がハンパじゃない。
話の進行によどみがないのはモチロン、ライバルになりそうな超人同士の対戦もキチンと組まれて、決戦の地アルカトラズへ至る道も驚きの一手が打たれている。

どうせアホ映画だろう、と思いながらHDDの中に放置してあったのですが、見始めたら一気に最後まで持っていかれてしまいました。
確かにアホな映画なんですが、幼稚なことに膨大な金と技能を注ぎ込むと、アホとはとても言えないスゴイ映画になるという、なんというかアメリカという国の一面を現しているような1作ですね。

お暇な折にどうぞ、というところでしょうか。

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September 28, 2007

ワイルド・スピード×3 TOKYO DRIFT

速くて安くて楽しくて、そして何よりカッコイイ!
日本の自動車評論家が絶対に口にしなかった「日本車文化」を盛大に繰り広げてくれたワイルド・スピードシリーズがついに舞台を東京に移し映画化です。
とここまでは喜んだのですが映画は冒頭からアメリカの高校独特のイヤな喧嘩沙汰で始まり、少年院代わりに行くのが日本!?

この時点でオカシナ進行だな、と思ったのですが、それからは出てくる出てくる日本嘲笑のオンパレード。
詰襟の学生服を着せられたアメリカ人の主人公と、セーラー服を着せられたヒスパニック系アメリカ人のヒロイン!が出会い、日本人役の主要メンバーは、みな韓国中国系の役者が演じ、ヤクザで悪逆非道です。

まぁこれでもぜひ見たいという人はどうぞ、という映画ですね。
ドリフト自体を知らないので、カーアクションも底の知れたレベルでした。
特殊効果を使わない土屋のリアル・ドリフトの方が100倍スリリングだよ。(土屋 F430でチューブ見て
日本はココまで来てんだよ!

アメリカ人の理解はこの程度か、分るのは日本車の魅力だけか、と思ったら監督も1.2とは違う台湾系でした。
スタッフ全員が反日アジア包囲網だったじゃしょうがないわ。

そこで私が撮るならどうする、という話を以下書きます。

まずアメリカ人の主人公が来る。(アメリカ映画なのでここまでは良い)
しかし来る理由は、アホみたいな暴力沙汰の後始末でなく夏休みの交換留学生かなんかで。

主人公は、日本車オタなので嬉しくさっそく調べてドリフト族、ローリング族の中に入り、そのオタクでdeepな世界を巡り歩き、最後はキング土屋と勝負ですね。
これは土屋と織戸の二人のリアル映像(ハンドリングとペダルワーク含む)で良いよ。

そして日本のスポーツカーオタは、ロサンゼルスの街道レーサーのように女性と群れたり踊ったりもせず、ひたすら修行僧のようにマシンと腕を磨き続けるのじゃあ~!
というあたりまで踏み込めば、まさに現代日本の病理と社会構造にまで迫れる文学的傑作になり得るな。
マチガイなく。

ランエボやインプ、GT-Rというモンスターを生んだ文化的背景を理解しよう、という視点が欲しかったね。

女と喧嘩以外興味のない程度の監督には撮って欲しくない映画でした。

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