ホラー映画

January 18, 2014

B級シュチュエーション・ホラーのおススメは?@恐怖には凝集が必要だった

一人で勝手に書ける小説や絵画と違って映画を造るにはお金が掛かる。
世知辛い世の常で、そうそう道楽で造れるモノではないのだ。
そんな中、低予算でありながらそこそこの水準を超えられるジャンルがあったら狙い目になるのは当然で、それが今のシュチュエーション・ホラー多作の底流だろう。

ATM
少し話を広げ過ぎていて、フィクションなんだから多少の無理不自然は見逃そうというという暖かい目で見てあげても状況的に無理があるよなあ、と感じざる得ない作品。
でもそこそこ怖いから無料で録画、ないしは100円レンタルなら可。

YES/NOイエス/ノー
バカップルの話だけど、途中まではまあまあ楽しめる。
ラストがアホらしいけど無料なら録画して置いて良し。100円レンタルでも可

サイレント・ウェイ
ありがちな発想が凡庸。無料でも無駄

エレベーター
今回のおススメはズバリコレ!
話の段取りに、いちいち細かい工夫があって、その度にドキドキ出来る。
特にラスト、実に嫌なキャラクターだった存在が見せる一瞬の表情は、本物のホラーの一端を垣間見せた。
一流のB級と言ってイイだろう。

予算の都合から多作された安価なシュチュエーション・ホラーだが、造られるウチにホラー映画の本質をあぶりだしたようだ。
恐怖は核融合のように徹底して凝集させ、熱を加える処から生まれるモノなのだ、ということだ。
この流れの淵源は、と思うに、かつての傑作CUBEやソウなんだよな。

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May 23, 2013

クロユリ団地@J・ホラー復活?熱演の前田、手練れの中田、工夫ある脚本が揃った佳作

クルマなら高回転エンジンを積んだ屋根の開くモノ。
スポーツならボクシングか総合格闘技を好む私は、どんな分野であれ、過激なカテゴリーを好むだろう。
そうなるとフィクションはホラーであるが、一時盛隆を誇ったJホラー。
今や見る影もなくなって寂しい限りだった。
まあ世界的にホラーはちょっとダメなんだけどね。
アニメに比べると、やっぱり才能の裾野が狭かったのか、と残念な気持ち。

そこへ登場したのが、中田監督がメガホンを取った本作、クロユリ団地だが、観に行こうとして迷ったのは、主演が前田敦子さんということ。
一度、TVで映画を観たことあるんですが、どうもね。
というか、より高いレベルの作品を鑑賞したいと思う映画やスポーツにおいて、ただ一定の固定ファン層を見込めるというだけで実力無視の抜擢が横行するようなら、私は離れるということだった。

週末、ただのドライブにするか、シネコンに行くかで迷った末、なんとなく時間の都合が付いたので、期待もしないで鑑賞となったのだが、前田さん、スマナカッタ。
まったく美人に撮れてないのだが、その分の迫力、こちらの目測を大幅に上回る出来で、素晴らしかったとしか言いようがない。
本格派ホラー映画を中心になって支える立派な主演女優である。

そこへJホラーの巨匠、中田秀夫の演出が冴えるのだが、この話、開始そうそうからなんとなく変なのだ。
こういう状況の中、こういうことになったら、こういう反応があって普通であって、オカシイな?
ちょっと不自然な進行ではないか?と思う状況でストーリーが進む。
結局、それらはすべて撒き餌であるのだが、オカシイと思いつつすでに前田の熱演と中田の演出で食いついていた私などは、餌がスルスルと回収される時、まさに釣り上げられる魚の如く振り回されて、脚本、じつにお見事でした。

ホラー映画と言えば、というか、まあ映画といえばやはりアメリカなのだが、最近のハリウッドホラー、さほどでもない脚本が多かったので、うん、このレベルなら充分勝ってますね。

今週末辺り、近頃ろくなホラーがない、とお嘆きの貴兄に、まずはおススメの1本ではある。

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December 16, 2011

フローズン@アイデア!万人に可能性を開く、この偉大なるモノ

男女3人が、遊びに行った先のスキー場で、夜のリフトに取り残されました。
極寒の夜に、風が強まり、食べ物も飲み物もなく、トイレにさえ行けない。
さて3人はどうなるのでしょう、という1アイデアストーリーの映画ですが、90分間目を離せないスリルとサスペンスに満ちていました。

映画はそのほとんどを延々リフトの上の3人を映すだけ。
これだけお金の掛かってない映画も珍しいと思うのですが、見ていてまったく飽きない。展開が気になって夢中になって見てしまう。
脚本の力って凄いよね。

たとえば有名な俳優に出てもらう。
売れっ子の女優に出演してもらう。
これは限られた人にしかできない。
100億円を掛けたVFXの映像でも、下手すれば今の観客は驚かない。
残るのは巨額の負債だけだ。
派手なアクションシーンも思い切ったエロティックシーンもやりつくした感が強い。
でもこういう優れたアイデアを練り上げる根気があれば、映画産業で1発当てるのも夢じゃない。

考え抜くこと、これは誰でも出来る。
アイデアこそ偉大な表現の一歩であり、万人に可能性を開いている創造の原点なのですね。
ま、寒さ厳しき夜に、暖かい部屋で見るのには良いホラー映画です。
リア充爆発しろ、という人には特に向いているかも。

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October 29, 2010

オープン・ウォーター2 日常系ホラーの佳作&対策は

何気なく踏み出した足のすぐ傍に開いている深い穴。
今回は落ちなかったけど、それはひっそりと辛抱強く、いつか貴方が嵌り込むのをまっている・・・

前作以上の1シュチエーション映画で、6人のナイス・バディな男女が、素敵な大型ヨットでクルージング。
沖合いに乗り出した処で、海に飛び込み楽しみだしたのは良いものの、最後の人の悪戯がエライ結果を招きよせる。

この映画がホラーとして優れている点は、この導入の状況の分かりやすさ。
友達はみんな楽しげに泳いでいる。
でも海を怖がってライフジャケット着たまんまの女性がいたから、浮かれて、ちょっとはしゃぎたくなったんだよね。(私は絶対にやらないタイプですが)

なんてことないはずだったのに、問題は船の上に誰も残っていなかったこと。
みんな海から戻れなくなっちゃうんだ・・・

映画としての見方なら、後はこの6人の運命に興味が移るんですが、練り込みはバッチリ。
なんとしてもダメ、戻れそうで戻れないというもどかしさも良いし、一人一人の味付けも、エピソードの絡ませ方も、巧く作ってあったと思います。
うっかりミスをした事情も明らかになるし、ヨットに残された赤ん坊もちょっとあざといほどの効果を上げていましたしね。

ラストはちょっと意味不明の蛇足感もあるのですが、晴れ渡った洋上に浮かぶ豪華ヨットのシーンは、周囲を巡る漁船の軌跡を合わせて、とても綺麗。
そして綺麗だからなお怖いんだよね。

ps
私は泳げないので水恐怖症。
だからこの映画を見ていて、すぐにはい、体温低下。
泳ぎ続けることの疲労の蓄積。
耐えがたくなる直射日光、と、あっと言う間に思いつきました(常から災難を指折り数えている方なんで)
クルージングなんてしちゃダメだって。(ホテル内のOPツアーのみ可)
南の海に行ったら、まずは暗黒舞踏並に日焼け止め塗りまくって、ビーチパラソルは絶対に確保。
後は日陰の移動に気を配りながら、読書最強です。
海に入るのは、暑さで身体がほてった時のみ。
背の立たない処には絶対に行かず、風呂でも浴びる程度にする。
昼になったらホテル内のレストランでキチンとした食事をとって、部屋に戻って昼寝。
ビーチに戻るのは日が傾いてから。
その間、延々と読書。分厚い本を5.6冊は持って行きましょう。
そうすれば絶対に海難事故には合いません。
ま、帰りの飛行機に乗る頃には軽い鬱になってるけどね。
人生って難しいよな。
安全を求め過ぎると鬱になるし、油断してヒハーしていると、災難にあう。
ま、今日もひっそりと貴方の傍らにいたはずの深い穴には、明日以降も注意、注意。

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September 02, 2010

実験室kr-13@丁寧な脚本、持続する緊張感、好きなタイプのホラー映画です

映画のジャンルで一番好きなのがホラー映画。
怖い話っては、フィクションの王道だと思うよ。
ただ私の美意識は繊細で品格を重んじるので、もう特殊メイクで作ったゾンビが噛み付いてきて、スプラッターってのは辟易。
ゾンビが偉大だったのは、ロメロの初期作を含む数本だけだ。
要するにグロテスクな映像が観たいわけじゃなく、怖い話を観たいんです。

真っ白な壁の無表情な実験室が舞台となるこの映画は、傑作「キューブ」の血筋を引く1品と思いましたが、まず恐怖対象の人数を4人に絞ったのが玄人。

大人数を派手に殺すより、人数が少ない分、一人一人の死が重くなってます。
伏線の張り方も丁寧で、執拗に念押しされるアメリカ市民という条件、さっとしか見せない写真の意味の場所が明らかにされる終盤にスリルは盛り上がります。

全編に流される無機的な音楽もサスペンスを盛り上げ、カットの切り方も進行のさせかたも無駄なく上手。

恐怖対象が4人だと思ったら+1人になる過程も良かったですね。

さらに序盤は不条理モノと思わせておいて、なんの。
「敵に対向するためだ。限度などない」
というセリフに圧倒的なリアリティを持って感じられるようになる終盤の捻りはお見事。

ビターな味付けを貫いて、ヒューマン方向にぶらさなかったのも良かったです。
観たいのは道徳じゃなく、恐怖なんだからさ。
この方針は徹底させないと。

ラストも余韻たっぷりで切れ味良かったと思います。
ホラーは好きでも血しぶきモノは苦手という方に特にオススメ

映画に出てくる登場人物同様、私のように予備知識なしで観る事をオススメします。
このブログの記事だけなら大丈夫です。

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February 10, 2010

【たった一人の】パラノーマル・アクティビティ【レイト・ショーでした】

本当にあった恐怖譚を手持ちカメラで撮りました、という設定のドキュメンタリー風ホラー映画です。
ブレア・ウィッチ・プロジェクトのアイデアを受け継ぐ作品、何時かは出るとは思っていましたが、期待以上の逸品が登場です。

冒頭こそ、一般家庭の映像がだらだら続く感じが退屈で、この手の設定はまだ森やら山やら少しは日常から離れた場所の方が向いているのでは、と思ったのですが、この監督、相当な手練です。
話の繋ぎが巧みで、恐怖とはあくまで想像力、という本質、良く分かっています。

まずこの手の作品が苦しいのは、一般のホラー映画のようにVFXなど特殊効果が使えず、怖がらせるのに手持ちのカードが少ない、ということですね。
音と・・・さりげないけど異常なる動きと、俳優の演技がすべて。
それだけで恐怖の兆し、発端を見せ、徐々に盛り上げてクライマックスまで撮らなければならない・・・
発端はわりと易しいんですね。
ちょこっと何か見せるような見せないような・・・その程度でイイ。
問題はそれからの段取りと、落とし処です。
少ない材料で、どう繋ぐか、ですが、監督のオーレン・ぺリ、非常に巧みに乗り切ってます。ラストの演出はまさに悪夢でした。

観終えた夜は、ベットに入った後、あの音が聴こえてこないよう祈りましょう。寝ている間に、何者かから突如引きずり出されるのはゾッとしませんからね。
それにしてもあの緩急は見事だったなあ・・・


恐怖は我々に宿る最も根源的で強い感情です。
だからこそ、我々の想像力は爆発的に働くのです。(逆に言うとそれが「見せるホラー」の限界を規定してしまう)
優れたホラー映画は、その本質を忘れません。


ps夜の映画館で一人で観ました!
仕事が終わった後、平日のレイト・ショーに行ったのですが、シネコン自体空いている・・・僅かにいらっしゃる方々も「アバター」やら「おとうと」やらがお目当てのようで、夜も更けてからホラーを観る方はあまりいらっしゃらないよう・・・開始前のアナウンスもなし・・・これは、と思い館内に入ったら、なんと客は私一人!
深夜に一人の貸切状態で、ホラー映画を観るには、まずは絶好の視聴環境でした。

最近、ろくなホラー映画がないとお嘆きの貴方。
特にブレア・ウィッチ・プロジェクトが気に入ったみなさんには是非オススメしたいです。
出来れば単身、平日のレイト・ショーを狙って行きましょう。
幸運にもたった一人の鑑賞機会に恵まれたなら、映画は一段と楽しめます。

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October 12, 2009

ハプニング@フィクションはイマジネーションを喚起するこが出来れば成功

シャマラン監督のパニック物ですが、霧に包まれた静かなセントラル・パークで人々が静止する映像などが、ジュルジュ・スーラの絵画のように美しく神秘的に見え、なかなか楽しめる1本でした。

人が後から後から落ちてくる建設現場のシーンも黙示録的で良かったです。

意味不明なれど、とてつもなく異常な状況を造りたい、というのはほとんどのクリエーターが夢見ることの一つですよね。
問題はそれをどうまとめるか?
ストーリーを前進させつつ、飽きさせないかがポイントですが、途中の田舎のレストランでいっせいに逃げ出すクルマに置いて行かれる場面での怖さとか、やっと乗せてもらえそうな場面でグズグズしていると離れたクルマから催促のホーンが鳴る場面など、何気ないサスペンスも盛り込まれ中々良かったです。

走って行った先で奇妙な果実に出くわし、なんとか乗り越えようとした瞬間に気付くルーフの切れ込みも印象に残る1場面。

後半、どうやら理由が明らかにされた後での木々のざわめき、波のようになびいては追ってくる雑草もスリリングでした。

サラッとした味だったけど、なんとかまとめたんじゃないかな、シャマラン監督。

ps
「残業って言っていたけど実は職場の男性とデザートを食べたの」・・・これは奥さんが浮気したという告白なんでしょうか?
なかなか刺激的な言い回しですね(笑
良かったと思います。

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June 09, 2009

クローバーフィールド/HAKAISHA 怪獣映画は死なず。見せ方次第でどうにでも

NYに怪獣が現れて米軍と戦闘開始。
巻き込まれて逃げる人々、というありがちにしてもいい加減にせんかい、というままの映画ですが、登場人物のハンディカメラの記録形態という独創性を押し通し、ともかく見せます。

序盤はダラダラして、卑しくもお金を採っているんだから手抜きの仕事は嫌い、って思っていればこそ。
地響きと爆音、停電から恐怖の一夜の始まり始まり。
こうこなくっちゃね。
映画はやっぱり怖くってナンボ、と思わせるドラマの開始です。

登場人物たちが表に出ると、外は911テロの時もかくや、という状況で恐怖はいやがおうにも盛り上がります。
恐怖の正体を出来うる限り隠すというホラー映画の定石もキチンと守られ、一端現れた後も、デザインは充分おぞましく、合格点だと思います。
レギオンから頂いたようなミニ・バージョンを用意したのも工夫です。

世界最強を自認しているであろうUSエアフォースが攻撃しても攻撃しても死なないとこは、リメイク版「GODZILALA」の失敗を良く生かしていたと思います。
あの弱さじゃGODの名前が泣いたもんね。
今回は本物の悪夢でした。
映像が終始はっきりしないので何回も見返したくなるとこもミソ。
ハンディカメラの撮影という前提を守りながらも、カット割りや編集は手練の技でレベル高いです。
リアリティ溢れる俳優陣もみんな巧かった。
この辺はハリウッド・クオリティだよね。
それでも昨今ハリウッド限界説がかまびすしいですが、今回はアイデアを練りこみ成功作となりました。

ps
NYが舞台でトラビスとベスと言えばタクシー・ドライバーでしょうか?
ジェイソンもNY,行ったしね。

手ぶれしまくりのホラーパニックということでは当然「ブレア・ウイッチ・・」の遺産も良く生かしていました。

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April 27, 2009

ミスト  @ホラー映画は最高の楽しみと実感させてくれる傑作

S・キング畢生の傑作、「霧」の映画化作品です。
この原作、大好きだったので楽しみでした。

脅かし方はキング流のB級テイストなんですが、そこは20世紀を代表する大作家ですから、いつのまにか作品も黙示録の気配を濃厚に纏う恐怖譚になるんですよね。

映画は凝っていて、冒頭、一家が一幅の絵になるようなシーンから始まります。
それから私がホラー映画で一番好きな時間帯である、まだ「恐ろしい事が起る前」の描き方が巧い。
これから「怖い事」が起こるのを知っているのは観客だけ。
登場人物たちは知らない。
ではその恐ろしいことをどうほのめかしてくれるのか?と期待が膨らむんですが、その描き方、この映画、成功しています。

雷雨に合い、買い物に行くと、電力会社のクルマが続々とやってくる・・・ここまでが「日常」。
その「日常」は続いて走ってくる軍の大量車両によって揺らぎ始めます。
なんだか軍用車両がみな異様に急いでいる・・・数も多い・・・何故?と感じ始める。
スーパーに入ると突然、サイレンが鳴り響き・・・消防車とパトカーが飛ばして来て、血塗れの男が走ってくる・・
この日常の壊し方、goodです。

それから映画は、登場人物たちの会話の間は音楽が止められ静寂の中で交わされます。そしてシーンの切り替えはフェードアウトが多様され、ホラー映画というよりちょっと文学映画めいた雰囲気を高めながら進行します。
クリーチャーも怖いけど、人間はもっと怖い、という定番の使い方も巧み。

ラスト、楽しみは地響きを立てる「ナニカ」の描かれ方でした。
スルーされていたら哀しいと思っていたら見事な映像化。
このシーン、小説、読んだ時も鮮明なイメージとして残っているんです。

でも小説から変えられたラストは?
あの小説はあのラストが余韻だったのに!
でもキング自身もこのラスト、気に入っているとか・・・
うーーん、衰えたかキング?
ここだけ少し疑問符ですが、それは小説と比べてってことで、映画自体の評価を暴落させるほどではない。
昨日の夜中に観ていたのですが、いやー、ホラー映画って本当にオモシロイですね。
良質のホラーを見る楽しみは人生の最大の幸福の一つ、と実感出来る作品であります。

ps
キングはB級テイストのガジェットを多用しますが、この子供染みたB級の味は、アメリカそのものが持っているモノなのかもね。

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April 07, 2009

モーテル@ホラー・マニアのツボを突いている佳品、オススメ!

聞いたことのない製作者でしたし、地味な話に思えたのでどうかな?と思ったのですが、私の人生信条の一つに、「未見のホラー映画は必ず録画する」ということがあるので(←何のコッチャ)、録っておき日曜の夜に鑑賞しました。

映画はニューシネマっぽい、なんとなく懐かしさを感じさせるオープニングロールから始まり、すぐ夜の闇の中を疾走するクルマのテールライトのシーンになります。周囲は無人のよう。それを裏付けるように映画はすぐ俯瞰されたショットに変わると、クルマは山間の道を一台だけで走っているのが明らかにされます。
ライトに浮き上がるドライバーの気だるげな顔。
隣りには眠っている女性・・・ホラー映画のマニアなら、思わずブラボーと呟かずにはいられない、この定番感! 
ホラー・オタクの心情を理解した素晴らしい導入部だ、やっぱホラーはこうだよね。
後はどんな話しにしてくれるか、ということでしたが、オモシロかったです。

まず怖がらせ方が巧い!
ポイントの一つが音で攻めて来る処で、それがツボです。
怖い物の正体は、なるべく見せない、長く引っ張るのがコツなんですね。
その間観客の想像力は刺激され恐怖は増大します。

そして怖い内容が理解されるとまた怖い。
スナッフ・ビデオネタなんですが、ここにたどり着き、それが理解されるまでの、いわゆる「注文の多い料理店」への繋ぎ方が非常にスムーズです。
CGもなければ、特に捻りもないストレートな進行なんですが、ともかくこの映画、一見簡単でも実際は難しい難所を非常にスムーズに、緊迫感を伴って捌いています。
だから観ている間中怖い。
かなりホラーは見慣れている私ですが、リアリティがあり怖かったです。

それから主人公がバカでないとこもイイ。
ホラー映画を壊す要因の一つが、バカな被害者です。
なんでこうなっているのに、こう動くかな、と観客に思わせたらダメですが、この映画の二人は健闘しています。
だから主人公の気持ちと一緒になれて恐怖を感じられるわけです。

非常に楽しい時間が過ごせて満足しました。
ホラー映画の新旧要素を巧く融合した中々の佳品だと思います。

いやー、ホラー映画ってホントウにイイですね。
アメリカの生んだ最高の娯楽の一つです。

ps
夜の闇という我々が何百万年も恐れていた時間と空間。
本来なら放逐すべき物なのに、クルマという文明の利器が、より深い闇の中に走りこませるのだから皮肉です。
でもそんなアイロニーを描くから映画なんですね。

ps
ニューシネマっぽいのは「悪魔のいけにえ」路線だったからでしょう。
オマージュを意識したものだと思います。

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