June 18, 2009
ホラー映画が一番好きなカテゴリーなんて書いてます。
グロ系のホラーは嫌いなんですが、ホラーは小説の方でも一番好き。
恐怖にある種の美が混在するようなものが最高ですね。
もっと怖い話はないものか、と日々思っているのですが、今まで一度も本気で怖いと思う映画はなかったのか、と思い返すとあった。
子供の頃、怪獣映画のノリで見に行った大魔神は怖かった。
なんであんなに怖かったんだろう、と昨日やっていたのを録画して見返したんですが、これは人の憤怒の表情だから怖いんですね。
怒りの感情が直接的に伝わってくる。
その思いが怖い。
同じ破壊行為でも怪獣だと別次元の話し、と距離が置ける。
でも人の顔をした魔神が憤然と怒りだし、城壁をぶち壊し、ズシンズシンと迫ってくると怖い。
青銅色に変色した顔面に充血した眼球がギロギロと動き、絶対に悪人は逃さない。
復讐物の復讐シーンだと、イイぞ、もっとやっちまえ、とサディスティックな気持ちになるんですが、大魔神が相手だと、悪人にも少し同情したくなるほどの怖さ。
この映画は時代劇としても、特撮物としても良く出来ていると思いました。
十字架とか割れる海とかちょっと聖書ネタも使われているようです。
ただもっと残虐で怖かったような記憶があったので、調べてみたらこれは二作目なんですね。
私に強烈な印象を焼き付けたのは1作目だったようです。
ちょっと1作目が観たいなあ・・・日本の怪獣映画は凄かったんだね。
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May 02, 2009
87年の映画なんですね。
当時の日本も沢山の問題を抱え、みんなそれぞれ大変な事、多々ありだったと思うのですが、今観ると夢のように楽し気な若者たちの生活が描かれています。
会社が終わったらタイヤを替えてスキー場に一直線。
仲間はロッジを借りてパーティをしていて、ゲレンデでは純な出会いがある。
相手の女の子もプリンスで部屋借りて、何気にシャンパンが置いてある。
派遣村とか、公務員最高とか、自殺者三万人とかという話は全くない(また電車止まってるよ)
私はこの出演者とほぼ同世代だったんですが、憧れを持って見ていました。
布施博にそっくりのノリの軽い友達がいて、女、食いまくりだったなあ、なんてことを思い出します。(そうでなくてもスキーやってる男はモテタよね)
当時私が何をしていたかというと、2ストのバイクで狂ったように飛ばしては部屋に篭って読書・・・驚くことにこの辺は変わってない(笑
いなくなったのは布施博的なキャラの人?
ヒロクン、自殺しちゃったけど、運命なんとなくその後の日本を象徴してますか?
布施博も訴えられたしね。
これから日本はバブルの坂を一気に登り詰めて転げ落ち、以来20年近い停滞の時期になるわけです・・・
この映画からは、熱狂前の、もう何でもありという浮かれた雰囲気が伝わってきます。
今や若者はスキーどころか(今やスキー場はオージーと中華の国の人のモノ?)クルマにも興味を無くし(雪山を飛ぶセリカと運転する原田貴和子がカッコイイ)、掲示板で男女は「残飯、中古」「萌えオタ、キモイ、年収低い」とか罵り合う・・・(←大分偏見入ってます?)
原田知世の笑顔はひたすらに可愛い(長女によると、これは萌え系でロリ系だね、だそうです)
無垢で純情そのもので、ほとんどこれは日本のヘップバーン。となるとこのお伽噺みたいな流れは日本版「ローマの休日」か。
この頃は綾波レイもいなかった・・・というか日本は二次元萌え、綾波レイを必要としていなかった。
目の前の相手に恋が出来たのかもしれない。
バイク屋さんも呉服屋さんも会社員(正社員当然、というかそれ以外いない?)もお医者さんもみんなピカピカでお気楽、極楽って感じ。
楽しい映画だけど、昨今の世情から比べると隔世の感いなめず、寂しさも感じます。
でもいい夢だから観てない人は観て見ましょう。
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January 10, 2009
傑作として名高い「転校生」を大林監督自らがリメイクした作品です。
私は前作の「転校生」、世評ほど気に入っていたわけではないので、リメイクと言われても期待できずに微妙な感情で見始めましたが、大林監督、すっかり評価も確立した今、存分に腕を振るい、主演の蓮佛美紗子の抜擢も成功!
乙女心満載の映画に仕上がっていました。
時にトリッキーな映像を作り上げる監督ですが、今回は繊細な叙情的な美しさを追求した正統派路線です。
その映像につくリリカルな音楽も効果的です。
何より主演の蓮佛美紗子が絶品で、彼女が少女期独特の無垢な美しさを持ったまま、少年を演じるというシーンでは、両性具有的な魔術的魅力が発散されます。
傾斜したアングルから切り取られる冬枯れの景色や、旅芸人との別れのシーンなど夢のよう。
「お前のためなら死ねる、というのはお前のためなら生きられるってことだよね」
というセリフがありましたが、これは難病に悩み早世した正岡子規の
「悟りとは如何なる時でも平気で死ねることだと思っていたが、如何なるときでも平然と生きることであった」を思わせました。
けだし名セリフでしたね。
こういう一言が映画に深みを与えます。
ps
それにしても大林監督、お顔は髭だらけですが、内面は「乙女」だよね。
乙女心ってオタクと通じるとこありますか?
他国の映画、小説にはあまり感じないんですが、日本の男性って乙女係数高いでしょうか?
それは日本人が古来から連綿と持ち続ける「もののあわれ」に通じると美意識と思うのですが、如何?
そう、日本の男は世界にもまれな「乙女」だったんだよ。
それはある種マスコミが喧伝する日本男性惰弱論とか、逞しさに欠けるなんてことではない!
証拠なら今の日本の偉大なる文化と産業を見れば明らかですね。
日本男性は、繊細な美を解すると同時に知性と想像力の両方を兼ね備えた、世界でも稀有な存在なんですね。
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August 31, 2008
日曜ですが、鎮痛剤飲んで湿布貼っていても、昨日追突された首が重いし、月末恒例の書類仕事はあるしでなんとも憂鬱な日を、笑わせてくれて少しだけ気分を変えてくれた快作コメディです。
なんと言っても特筆すべきは主演の阿部サダヲさんでしょう。
人を食った名前ですが、四つんばいになって這っていくシーンを見ただけでも、この人、運動能力高いなと思ったんですが、どうも俊足好打の野球少年だったようです。
俳優ってこういう何気ない動きにも出自が出るから怖い仕事ですよね。
内容は、ひたすら「お茶屋遊び」に憧れつつ出来ない哀しみをサイトまで立ち上げて癒していた一介のサラリーマンが、ひょんなことから京都に転勤!
それから始まる年棒8億の野球選手との壮絶な争い!です。
あり得ない展開続々なんですが、そんな道理を引っ込め、無理を通し続ける阿部サダヲの力演は見応え充分です。
社長役の伊藤四郎は当然ハマリなんですが、部長役を演じる生瀬勝久さんもサラリーマンNEOのイメージが良い方向に出ていて楽しかったです。
また植木等さんの遺作にもなっています。
マニアなら必見でしょう。
私はお茶屋遊びはモチロン、クラブとかキャバクラとかともかく女性のはべる場所には一切興味がない、というかそういう場所に連れて行かれると、対応してくれる女性に気を使ってしまい、まったく楽しめないどころか疲れるタイプなので、ほとんど期待しないというか、この映画は、俺の興味の範疇外だなあ、と思いつつ録画しておいたのですが、良かったです。
今の時代、私のような「オタク」も多いと思いますが、そういう方にもオススメできます。
キッチリ笑えますよ。
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June 19, 2008
若い人向けのお涙頂戴、安易な難病友情モノ。
私の嫌いなカテゴリーの映画だったし、底の知れた作品だろうと思いこんでいたので無視していました。
それでも取り合えず録画はしたのでPC作業しながら見始めたのですが、まずは画面に登場する生意気な主人公を演じる北川景子が抜群の魅力です。
強烈な魅惑を発散していてまさにスター!クラブで踊るところなど、
「ホントウに綺麗な若い女は、世界を握っている」、という感じを良くだしています。
それにしてもご機嫌取りの母親がウザイ。
これだから娘がグレルんだよ、しっかりせんかい、と思いながら見ていると、
夜の病室に登場する子役の佐々木麻緒ちゃんが巧いのなんの。
もう可愛いです。
ともかく健気なんだ。
一生懸命お話してたりすると、オジサンは絶対の味方だ! なんて思わせます。
深夜の廊下で、憎憎しい北川景子すら善人に見せてしまう語りのシーンは、ありがちと切り捨てるのは簡単でも、実際にはなかなか出来るレベルじゃない!
描いたことになっている絵も可愛い。
世の中色々不幸はあるものですが、難病の子供ほど気の毒な存在はありません。
この時点で彼女に免じて見てやるかと、見続けていると、北川の病気が本格的になってきます。
そして本仮屋ユイカが登場です。
非常に清潔な印象の美少女で、高感度なんですが、いきなり最初から、友達、友達と連呼してくる。
なんで?
と思ったら、子供の頃のエピソードでホロリとさせられ、再登場時した時の姿には驚かされます!
これだけの演出をされるとオジサンでも気持ちは大きく動かされますね。
いや、泣いた泣いた。
PC作業放り出して、文句なく泣きました。
最後まで定番の話なんですが、主演の3人、まだ若く恐れを知らない時期にしか持てない強い視線をした北川景子と、透明感のある清潔感な印象の本仮屋ユイカ、佐々木麻緒ちゃんの笑顔は見る価値ありで、しっかりとした演出と脚本もあり、これは見といて良い映画です。
ps
俺はどうも「可哀想な女の子」ってキャラに弱いんだな。
最近やっと自分の傾向が分かったよ。
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April 13, 2008
タランティーノやジョン・ウーに崇拝されてる深作監督。
確かに「仁義なき戦い」は凄いと思ったけどさ、後はそれほど印象的な作品もなかったんで、この映画にも期待はしていませんでした。
さらに主演は北大路欣也。
私、この人も眼がギョロギョロしていて、ピンとこないんですよ。
よって観る時の扱いは最下層。
食事しながらのぶつ切りの、ながら見となりましたが、イヤー面白かったです。
話は北大路欣也が川谷拓三、室田日出男を連れ立って、大手組織暴力団の花会を襲撃!
山と積まれた大金を強奪しようという強引な展開。
のっけからマスクを被った3人がモーターボートに乗って川を疾走!
たった3人で、複数の組織暴力団相手に何ができるのか?現実感ないなぁ、とシラケ気味だったんですが、襲撃シーンから深作流の激流に呑まれたようなカメラーワークと、人が入り乱れる迫真の演出は絶好調!
そして北大路欣也も川谷拓三も良いんだ。
北大路はどこまでもタフでクールで冷酷非情で執念深くて、なんだか大藪春彦の描く主人公みたいだった。
川谷拓三がまた少し頭が足りなくて、度胸があるんだかないんだか、でもキレスジなのは確かなチンピラそのもので、もう説得力というかリアリティ満点!
二人とも、すごくイキイキしているんですよ。
そして最近は、アンナのパパ、という印象しかない梅宮辰夫の悪徳刑事が、生臭くて油ぎっていて、悪い奴だけど、生命力抜群という存在感で、確かに大した役者さんだったんですね。
ストーリーは、一旦奪った大金も二転三転、転がって、その度に人死にが出て、そんな他人の命になんか斟酌しない連中が喚き立てながら疾走し騙し合い、殺し合いして、ラストは・・・です。
ウィキで調べたら隠れた傑作との評価もあるようですが、私も賛成!
確かにタランティーノやジョン・ウーが撮ってもオカシクない映画です。
というか、両巨匠にもこれだけの低予算で、このレベルのエネルギーが撮れるかどうか疑問だ。
これらなら崇拝されているのもうなずける。
それにしてもこの時代の深作の描いた熱い獣性を持った男たちって、今やすっかり絶滅しちゃったよね。
日本の為には、絶滅危惧された時点で保護しとくべきだったんじゃないでしょうか、なんてことも考えますよ。
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April 05, 2008
日本映画が世界を驚かせた端緒となった作品です。
実際、今見ても非常に見事な作品だと思います。
物語は神話的であり、それ故、普遍性に満ち、黒澤作品の中でもこれから評価が高まるでしょう。
変な喩えですが、もし黒澤作品が1品づつ値段のつくアートならコレは買いですね。
普遍性をテーマにして、成功した作品は古びません。
むしろその過ぎ去った年月を糧として価値を増していきます。
映画は、冒頭の篠付くような豪雨に、半壊した大門、羅生門の描写から、異様な予感をはらみます。
これだけで断然たる出来です。
そして最初のセリフが「わからない。さっぱりわからない」と来る。
いきなり映画のテーマ、結論を言ってしまっているんですが、その後の映像が見事なので、まったく退屈しない。
スポーツならやることを試合開始と同時に全部あからさまにしながら、プレーの見事さで見せてしまうようなレベルです。
呆然と空を見上げるシーンから登場する三船は、唐突に狂騒的な笑いを発し、森を駆ける様は野生そのものです。
その三船が女の手を引き、森を疾走するだけでスリルが高まります。
京マチ子の体現した、女の性の際どさと、刃の鋭さ、その毒性の濃厚さ。
そう言えば近年、このレベルの高度なエロティシズムは見かけませんね。
この3人の異なる言い分、記憶については、最近読んだ港千尋さんの評論から、
「記憶とはHDDに蓄積されるデーターのように、不変なものではない。人の記憶とは、現在の前後関係や情動により、現在に適合されるように築かれる過去なのである。@予兆としての写真」
その時の感情と共に、幾たびも幾たびも姿を変えては再生される「客観的と主張される記憶」
この人として内包する根源的な矛盾を突き、
「羅生門の鬼ですら、人の恐ろしさに逃げ出した」という深遠を問うことに成功したから、この映画は永遠の命を得たのだ、と思うのです。
教訓:危地では相手のペース、ウマイ話に乗るな。
殺すか逃げるか、決断は明確にして、行動に遅滞なきよう。
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November 08, 2007
浅田次郎原作で、主演はまさにperfectな美貌とスタイルの伊藤美咲(でも演技が不安)。
裏主演が西田敏行。
ストーリーは急死した西田課長が、美女の姿になり変わって3間の約束で現世に戻り・・・という見る前から最後の展開まで予想できるようなありがちな設定。
伊藤美咲さんは、スタイル、美貌ともelegantで1流の美女というに相応しいと打と思いますが、どうも演技が硬くてね。
人柄も良さそうなんですが、女優としてはそれほど魅力を感じない人なのです。
でもこの映画では精一杯、好演していたと思います。
なんだか伊藤さんは出た当時の妻夫木聡さんを思い出させるんですよ。
共に容貌は文句なしのスター! でも演技が・・・
だけど妻夫木クンはドンドン上手くなった。
差がついたなぁ、と思っていたのですが、伊藤さんも上手くなっていました。
ありがちだろうという予想で見始めた話の展開にも1工夫、2工夫があり、ラストの合成画像はちょっと笑いました。
演出もテンポが良く、脚本もセリフも無駄がない。
脇の演技陣も手堅くて完成度が高く、2時間、ゆっくり安心して楽しめる1本でした。
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September 01, 2007
思えば1984年の作品なんですね。
この映画は千葉に勤めていた時、一人で見て、感動し高ぶる気持ちを持てあますように、夜の街を歩き回った憶えのある作品です。
数十年ぶりの再見ですが、まずは出演者のファッションのダサさに驚きます。
当時、大人気だった薬師丸ひろ子さんも・・・演技もただ大袈裟で浮いて見える。
「時の試練」に耐えられない映画だったのかなぁ・・・昔はあんなに感動したのになぁ・・・と同じ角川映画でもやはり先日観た「野獣死すべし」との違いに愕然。
そんな停滞ムードを途中から膂力にまかせて強引に引っ張り上げるのが三田佳子さんです。
大女優という役柄ですが、まさにしかり。
洗濯物を抱え舞台で声を出す薬師丸さんへ、声を掛けてくるシーンから、リアリティ、存在感共に圧倒的で、その迫力と発散するオーラはまぶしいほど。
息子さんスキャンダルから活躍の場が減少してしまったことは、今にして思うとちょっと残念でした。
そしてこの素晴らしい脚本の原作は夏樹静子さん。
この方も大ベストセラー作家として名を馳せ活躍しましたが、後に難病で苦労をしました。
そう、人生はままならない・・・
立場を確立した、と思われた大女優でも大作家でも明日が知れないのが人です。
この映画の登場人物の運命の変転を見ていると、そんな感慨もわき上がります。
そんな三田佳子の迫力に乗せられるように劇中劇の形を取るこの映画は、輾転反側、繰り返すうちに薬師丸ひろ子の演技も迫真度を増し、ただただ懸命に生きる人の悲しみと、懸命さが真に迫り引き込まれます。
レポーターからのインタビューでの話し方など、序盤とは別人のような説得力でした。
音楽では、サティのジムノぺティと久石譲さんの旋律は、存分に涙線を刺激してくれます。
泣き笑いの表情でスカートを広げてみせるラストシーンでの感動は昔のままでした。
良かった。
ps
結局、私は戦う人って好きなんですよね。
常に困難はある。
手を変え品を替えやってくる。
でも挑み続ける。
それが生きるってことだよね。
ps
「女優、女優、女優、あんた女優でしょう。勝つか負けるかよ@三田佳子」
私がボンヤリと観ている映画の女優さんも1流の方は、こんな気持ちでやっていたんですね。
参考になりました。
ps
「ああ時の川を渡る船にオールはない
流されてく
横たわった髪に船に 降り積もるわ星のかけら」
ラストの澄んだ歌が良いんですよね。
ps
「Wの悲劇」という題名ですが、これはwomanのWなのはご存じの通りなんですが、
さらに劇中劇をとるという形のW,
そして偉大な先達であるクィーンの「X、Y、Zの悲劇」への挑戦状だと思うのです。
そしてそれは成功してますね。
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June 17, 2007
人間というのは、出来てしまったモノを見た時、アレは有っても当たり前と思い勝ちだ。
でも最初にそれを造ろうと思った時の、人の覚悟の大きさは、どんなものかと思うのだ。
もう炭坑はダメ。
時代は変わった。
はっきり変わった。
何時の間にか追い込まれて、背後はない。
失敗は許されない。
それは生活を、生存を賭けた大きな勝負。
でもいくらなんでも「夢のハワイ」を、こんな「北国の東北」に、「海外なんて夢」だった昭和は40年に、現実に造ろうという構想はデカカッタのだ。
そういう窮地に陥った時に、人が戦う懸命さが伝わってきてこの映画は成功している。
誰の保証もない。
何の根拠もない。
でも未来を信じて戦う人間だけが、新たな時代を切り開ける。
人は結局、運命と戦う存在だと思うんだよ。
あらゆる意味でね。
世話役の岸辺一徳が、誠実さと怪しい野心を持つ男を良く両立させていました。
ヤケに存在感のある演技をするオバサンは富司純子だった。
炭坑のガッチリした男達にもリアリティがあり、観客役のエキストラの水準も高く、みな異様に昭和40年っぽいとこも監督の李相日さんの力でしょうか。
蒼井優は「花とアリス」以来のハマリ役。
困った時の眉間のシワと、魅惑そのもののダンスシーンの対極は、まさにスターの輝きでした。
松雪泰子も、分けありのうらぶれた女を好演しています。
なんとはなしの不健康な痩せかたがイインだ。
みんなが落ち込む窮地で必要なのは、やっぱり強気のリーダーだな。
娘を殴った父親のいる風呂場に殴り込むシーンは抜群だった。
旅から旅の夜の橋を渡るボンネットバスのライトに思い出した曲は、
「キツイ旅だぜ、あのトラベリンバスに、揺られていくのは・・@矢沢永吉」
「フラダンスの動きはみな手話なのよ」
この伏線も効いていた。
ラスト、ブルーハワイからリズミカルなダンスまでには文句なく泣いた。
ハリウッドでリメイク決定!
に、なればイイね。
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May 30, 2007
美しい日本の自然と優しい人々の生活を描いた傑作「萌の朱雀」の河瀬監督が、カンヌでグランプリを受賞し、それがいち早くNHKのハイビジョンで放送されました。
昨日は、この映画を観るために日程を調整しました。
ただ映画は、認知症の老人と、子供を亡くした介護士の話と聞いた時から、これは手強いな、と、ただ河瀬美学の映像に酔っているだけにはいかないな、と思ったのですが、その通りでした。
生の本質の探究と死の受容という重いテーマは、最後まで観る者の安易な享受を許しません。
ただ相変わらず映像の美しさは比類がないものです。
水穂を波打たせながら流れる風、一つ一つの枝が生き物のように揺れる大木の緑。
なんとはなしに湿り気を感じさせる緑葉は、ユーラシア大陸の東端に、暖流と寒流に挟まれて細長く列島を築く日本の大地の息吹そのものです。
その緑の色彩の揺らぎは、タルコフスキーの撮る「水」に匹敵する詩情があります。
スレンダーな美女に成長していた尾野真千子さんは、女性特有の優しさを醸し、迷い込む森はしだいに神話的な色彩を帯びながら生への試練と、人が運命を許諾することの過酷さを語りかけてきます。
色々ご苦労のあった河瀬監督も、これでだいぶ総括できたと思うので、今度はもうちょい軽いテーマで観たいですね。
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April 24, 2007
沖縄の語り部、中江裕司監督作品は、主人公の少女を演じた蔵下穂波の快演(怪演、笑)で忘れ難い1作となりました。
最初に見た時は、いつも怒鳴るようにしゃべる美恵子(蔵下穂波)がうるさすぎてちょっと辟易。
それでも沖縄の美しい自然はもちろん、荒れた場所すら綺麗に撮る中江監督の手腕に引き込まれているうちに見終わり、また放映していると見て、の繰り返し。
どうも美恵子のエネルギーはクセになるようです。
今回も、「もう、イイかな」、と思ったのですが、出てくるオバアやオジイや美恵子と会いたくなって再見しました。
ともかく元気な美恵子は。やっぱり子供の手本だな。
あふれ出る元気のまま突き進む様子は、子供ならこうありたい、と真剣に思う。
沖縄の夜の詩情は香るようですし、何気なく挿入される沖縄音楽も熱帯の夜にピッタリです。
人生はシンプルに明るく行こう、そんな気分になれる映画でした。
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April 22, 2007
同居する30代独身オタクの兄弟が、二人仲良くほのぼのと女性をもてなし、フラレル話。
思いを寄せる女たちには、最初から不倫相手あり、イケメンスポーツマンの彼氏ありで、
最初から報われない設定なんですが、ふわふわと軽く進むのであまり悲壮感はありません。
この映画に出てくる男性はみな情けなくって、やたらブタレル彼氏あり、離婚でオタオタする男ありで、見始めの頃は、日本男児たるものもっと覇気を持てぃ、なんてことも感じましたが、乱暴だったりするより、ひたすら優しく思いやりがあって、イイじゃないですか。
これも戦後日本の生んだ男性文化です。
ただこういう生き方を肯定していると、「日本の男性はワイルドな魅力がない」、とか
「頼りがいがない」、なんていう人もいるんですよね。
そういう人には、勝手に言ってろってーの、というのが今回の私の結論です。
二人とも立派に真面目に仕事をしているし、税金だって納めています。
後はどう生きようと大きなお世話だよね。
常盤貴子がタバコを吸う眼鏡の教師役で出演。
もっとバストのシルエットが見たかったな。
個人的には煙を吐く女はNGですが。
昨今注目の沢尻エリカは、恐ろしいほど色っぽい。
ハーフってスゴイわ。
性格の強さも演技に出ていました。
中島みゆきが、すっ飛んでいるお母さん役をやすやすと好演。
この人のなんでも出来る才能にはビックリです。
ps
私は妹だけなんですが、男の兄弟ってのもいいですね。
二人で夜の公園で紙飛行機を飛ばしているシーンは和んだ。
自転車で都内を走り回るとこも良かった。
東京ってイイね。
やっぱり独身なら都内だな。
そんなことも考えました。
原作は江國香織。
映画が気に入ったら読んでみてもイイのでは。
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April 15, 2007
ソルトレーク五輪に出場した日本代表カーリングチームのbased on true story風のつくりですが、
実際とは若干の違いもあるようです。
主演の加藤ローサちゃんは、笑顔がとても可愛らしいのですが、演技は学芸会レベルでした。
でも可愛いから見てしまう。
男でも女でも若く容貌の良い子は七難を隠します。
カーリングチームを作る他の3人も可愛らしい。
眼鏡の女の子に、丸顔の子、ちょっとcoolで影のある子、みんな良かったです。
それから特筆したいのがロケ地の常呂町の光景。
道でも海辺でもショッピングセンターでも、ともかく空が広くて雄大です。
そんな風景はひたすら気持ちよく新鮮で、引き込まれました。
こんな場所で育ったら気持ちも大きくなるかもです。
コーチ役の大泉洋さんも好演。
ユーモラスでブキッチョな生き方しか出来ない優しい人を上手く出していたと思います。
根本のストーリーは、恋あり友情ありの中、カーリングに夢を追ってはつかみ取る定番で、まあ水準作でしょう。
おススメは、可愛らしい女の子と雄大な北海道が好きな方なら、ってとこでしょうか。
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April 08, 2007
楽しみでした。
題名から萌える映画でございます。
船首に輝く菊の紋。
波を蹴立てて走る大和は美しいです。
みっしりと隙間なく造り込まれた機関銃座は、そのまま日本人の執念です。
この時代に人類が到達した究極の工業的達成だったと思います。
でも時代は航空機だったんですよね。
さらに言えばアメリカは核にトライしていた。
日本人は耐え難きを耐え、膨大な努力をし、偉大な達成をしましたが、大きく方向を間違えました。
キリっとした敬礼をする大日本帝国海軍兵はカッコ良いです。
でもすぐリンチめいたシゴキが始まるんだよね。
アホらしい過剰な精神主義です。
そして会戦が始まると、爆弾が炸裂し肉がちぎれて血が飛び散り、手足が四散します。
残念ですが、デカイ機銃の前では、人の肉体はもろすぎます。
戦争は思っているだけなら勇ましく、血がたぎるものでございますが、実状は悲惨の極みです。
人類最悪の罪悪です。
でも当時のフィルムを見ると泣けてきます。
あの当時の日本人の苦しみに、懸命さに思いが駆けるのです。
散る桜
残る桜も
散る桜
この美学。
悪い処も含めて、俺は日本人が好きだよ。
ps
大和が宇宙戦艦だったら勝っていたんだけどなぁ・・・
ps
「戦艦大和の最後@吉田満」からセリフにもなってますが・・・
日本は進歩を軽んじ過ぎた
精神主義に偏り過ぎた。
進歩なき者は敗れる。
それが歴史の掟だ。
しかし敗れて目覚める。
それ以外にどうして日本が救われるのか。
日本の新生に先駆けて散る。
まさに本望じゃないか@吉田満
最後に今日聞いた良い言葉を
「1年の希望は春に、一日の希望は朝に、
人の希望は勤勉さに宿る」
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March 21, 2007
日本人の世界に傑出したる才能として怪獣、妖怪への造形の妙があると思います。
バルタン星人、レッドキング、ゼットン・・・河童、天狗、一つ目小僧、
みな素晴らしい。
アートにまったく偏見のない視点から評価すれば、イタリアン・エキゾチック・カーと日本の怪獣のデザインは、この時代の生んだ最も偉大な美だと思います。
フェラーリ288GTOや、バルタン星人に匹敵するモダン・アートってそうはないですよ。
映画に関係してないことを書いてますが、はい、映画はツマラナイです。
低レベルの脚本に呆れるほど安手の特殊メイク。
副題に~ある夏の冒険記~とあるように、子役の神木隆之介が主人公ですが、これは悪くない。
でも映画自体を、「子供向け」と見切ってしまうと緊張感がなくなり子供も呆れて見ないようなレベルに落ちます。
この映画はその典型でした。
スタッフに水木しげる、京極夏彦の名前があったから期待していたんですけどね。
いっそ妖怪の映像はドリーム・ワークスあたりに頼んだらどうでしょう。
ドリーム・ワークスを監修するのは、京極堂の本の表紙で素晴らしい仕事をなさっている熊谷博人さん。
原本は「鳥山石燕 画図百鬼夜行」で。
この位本格派で取り組まないと世界では通用しません。
でもやれば世界に発信できる素晴らしい文化になるでしょう。
日本には、才能もコンテンツもすでにあるわけです。
後は作品をなめずに活用するだけなんですけどね。
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February 01, 2007
この映画は中井貴一である。
レベルの高い良質な映画だが、あえて細かいことは言いたくない。
私にとっては、ひたすら中井貴一なのだ。
二代目芸能人なんでしょう、
いい気なモノだよね。
と思っていた時期もあったが、もうお父さんを超えたのではないだろうか。
随分前に「週末、仕事を忘れる、恋人、妻、男ならこうありたいね」、という笑わせるCMがあったが、
この映画の中井貴一は本気で男ならこうありたいと思わせる演技をしている。
禄高が増えると、本音のまま喜びを出してしまう。
飾ることなさ過ぎのキャラクター。
でも自分の贅沢の為じゃないんだもんな。
支えるべき家族がいるから、何より嬉しいのだよ。
なまりはあるし野暮ったいけど、覚悟と誇りは飛びきりなんだ。
こういうのをホントウのプライドっていうだろうな。
満座で恥を掻かされても笑っている。
でも楽な裏切りには絶対に乗らない。
昨今男の贅沢雑誌が花盛りで、それもなるほど結構なことだと思うのだけれど、こういう映画のこういう崇高なる男を見ると、チョイモテだの、チョイワルなんてことが果てしなくカッコ悪く思えるのだ。
両手に刀を握りしめ、弾幕の中に突っ込む姿は最高だったよ。
決戦前に、握り飯をみんな黙って上げてしまう処が、男ならこうありたいんだよ。
ps
最後の長セリフだけがくどくて惜しい。
あそこは切って余韻で伝えて欲しかったね。
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January 29, 2007
最後の作品です。
前作で随分落ちたエネルギーは、今回、後藤久美子の出演により回復しています。
満男はクルマをブツケたり、初期の寅さんを思わせるアナーキズムで盛り上げます。
ゴクミが相手だと。満男のエネルギーに火がつくんですよね。
燃え尽きる蝋燭の最後の炎は、やはりカリスマのある女優が灯すものかもしれません。
マドンナが浅丘ルリ子というのも因縁の成就のようで良かったですね。
奄美は、加計呂麻島でのノンビリした二人の生活。
朝の魚のおすそ分け、昼は庭から果物を。
そして夜は島唄と酒盛り・・・
二人は一足速く天国を覗いていたんだと思いました。
「男はつらいよ」は、その時々の時事風論が巧みに取り入られる映画でしたが、今回は神戸大震災。
これも時代の象徴になるでしょうね。
神戸震災と共に寅さんは終わったわけです。
ps
NHKは、もう一回やらないかね。
俺、前半は見逃したんですよ。
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January 21, 2007
ラス前の47作目。
寅さんはドーランでも隠せぬ衰えが痛々しく、他の出演者もみな老いてます。
だからもう喧嘩になってもアクション・シーンは出来ないんだ。
それでも寅次郎は、満男の前で、絶唱のような啖呵売を歌い上げます。
「二本の鉛筆のアリア」ともいうべき1節でした。
まさに寅さんのスワン・ソング!
この映画の見所はここだけだったな。
後は山田監督が腕で見せています。
ツマラナクはないけれど・・・もう憂愁の影が濃いね。
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January 15, 2007
文学部での課題で、映画製作をすることになった若者と指導教官の話です。
映画を作る様子を撮った映画なので、映画に関するセリフが沢山出てきますが、強烈に取り上げられるのが、「ベニスに死す」の老いらくのエロスです。
トーマス・マンの代わりになる指導教官の教授が恋焦がれるのは、美少年ならぬ、ダンスの上手い、ラテン文学専攻の少女です。
映像はビスコンティに遠く及びませんが、バックにはマーラーの交響曲5番、第4楽章アダージェットのあのメロディが流れるともう気分はベニス(笑

演じるのは黒木メイサさんという新人ですが、この年16才。
しかし、いやだからなのか、なんともいえぬ魔性がありますね。
ロケされる舞台はしょぼくても、エロスとはスリルなのだということは充分表現できていました。
それから吉川ひなのが「アデルの恋の物語@トリフォー」を翻案します。
憑かれたような表情は見ごたえがあり、たんなるバカ女優(失礼!)だと思っていたので驚きました。
ps
真夏のキャンパスで夜までかかる打ち合わせと演習。
仲間と映画製作に燃えるひと夏のストーリー。
この映画とのテーマとはズレルのでしょうが、その状況が切なく心に残りました。
いつか仕事に一区切りが付けられたら是非実現したいですね。
もう1度大学にいき(文学部か、美学部ね)、映画を作りたいです。
資金は出しましょう(笑
あの程度なら。
そのかわり仲間にいれてね。
監督やらせろ、なんて贅沢は言いません。
資金提供+使い走りで良いです。
年下の学生と作っても良いけど、同年代の方々とやってもイイな。
なんだか夢のような日々に見えました。
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January 14, 2007
シリーズ46作目。
もうほとんど満男の映画で、面接で挫折して号泣するシーンは説得力のあるもので、心に残ります。
またラスト、女性を諦めて島を出る様は、寅さんの因縁が満男に輪廻しているようで。「リング」の「貞子」を思わせました(笑
あの島で生活させても良かったんじゃないの、という疑問が付きまとうなぁ。
ロケ先の香川県の島では、雨が相変わらず美しく撮れていて、山田監督は日本の雨の監督なのかもしれません。
同時上映が「釣りバカ日誌」。
劇中、西田敏行がチョイ役で出てきますが、笑わせます。勢いのある俳優は違いますね。
マドンナは松坂慶子で、寅さんの魅力として、
「寅さんの暖かさは電気ストーブじゃないの。寒い冬の日に母親から手をにぎってもらったような暖かさ」
という印象的なセリフを残します。
また今回のNHK特集では、映画の後にお便りの紹介などがあるのですが、
子供を亡くし、夫が単身赴任ししまった方が、何気なく観た寅さん映画で笑って泣いた、それで夫の好きだった寅さん映画の魅力が分かった、と語られますが、その通り。
このシリーズは笑いの中に涙が値打ちなんです。
俺もホントウに好きになったのは、いわゆる中年の危機以降でした。
このシリーズ、涙をもってパンを食べないと、ホントの魅力は分からないだろうなぁ。
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January 08, 2007
シリーズも終焉間近で、もう寅さんは、ぼろぼろである。
満男はこらえ性がなくて、いい加減で(なんとなくかもす香りがウチの長女に似ている)、社会人として大人になったゴクミは役の上の演出上だとしても、この男は器が小さいと、少し満男を見下すような発言もする。
マドンナは風吹ジュン。
この人は独特の柔らかさとお色気があって良いんだ。
一番好きなタイプかも。
少し翳りがあるところもミステリアス。
不幸な生い立ちだったのかもしれないけど、俺で良ければ幸せにしてあげるぜ、と言いたくなる。
ジュン様からは、
「お気持ちだけ頂いときます」、という結果になると思いますが。
クルマはシティのカブリオレが出てくる。
今みるとユーモラスなスタイルで可愛らしい。
今のホンダにもこういうのが1台欲しいね。
永瀬正敏がサングラス姿で出てきて、ゴクミと絡むが、対等に渡り合う二人の後ろで満男がシラケテいる。
分かるなぁ、ああいう時の満男の気持ち。
イケテル者同士の馴れ合い。
それを見つめるだけの悲しさ・・・
ちょっと昔を思いだしました。
そんな映画です。
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December 31, 2006
沢山の映画と人々への愛が歌われているような傑作です。
ある有名ホテルの大晦日の1夜に集ってくる人々。
すぐに彼等は三谷流に絡み合い、笑って泣かせるエピソードを紡ぎ出します。
精緻な構成はお見事ですし、出演者の方々も生き生きと動いてます。
グランド・ホテル形式ですね、と思ったらセリフになってました。
その他でもオマージュされた映画は、沢山あります。
「白塗りになってバックグランドでさ迷うことになる伊藤四郎は、オペラ座の怪人?」に、
「ギターを背負った客室係は、小林旭の渡り鳥シリーズ」。
「金髪の鬘がピッタリの篠原涼子は、プリティ・ウーマンのジュリア・ロバーツ」
「取り違えられた松たか子(好きな人ではなかったですが、この映画では光ってました)は、ジェニファー・ロペスのメイド・イン・マンハッタン」
「ハットと髭の私立探偵は、ハメット」
でしょうか?
グレムリンもセリフと状況だけで出てきます。
他にも仕込んであるはずです。
大きく両手を広げて喜ぶ辺りは、「ショーシャンクの空」かな。
みんな有効に生きていました。
ラストのハート・ウォーミングな盛り上がりも良かった。
これ世界に持っていってもイケルんじゃないでしょうか。
リメイクでもイイし。
「なんのために大晦日があるのか?」
そんなセリフが出てきます。
もう残り数時間ですが、この時期に見ると少し元気がでるでしょう。
おススメです。
ps
「おかえりなさいませ」、かぁ
初めて言われた時はビックリしました(笑
年に1晩程度の利用だったんで。
ではHappy new year!
良いお年を!
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December 20, 2006
いよいよ満男が主役化し、寅さんは元気がなくなってくる作品です。
この作品以降は、旅に出る寅さんがホント、辛そうです。
対して、初登場のゴクミは溌剌として元気一杯。
当時、寅さんシリーズとは、キャラクターからのイメージが違うと思っていた後藤久美子を起用した山田監督の発案はズバリと的中してます。
庶民派でなく気高いセレブ風味を漂わせていたゴクミは、映画の中で一種異物となり、それが周囲と溶け合うのでなく、摩擦するような感じで盛り上がるんですよね。
それにしてもゴクミはなんだか武者人形みたいな顔で、表情には強さと気品があり、大したキャラクターです。
これだから後に、アレジをも引っ張れるんだろうね。
目立たないシーンだけれど、「休日」の方では、ひっそりとブラシで髪をとかしているシーンが印象的。強そうな女の子が弱気になっているのが良いんだよね。
それから満男と二人でいるシーンに横切る軽トラが、過去の山田作品との繋がりを想起させます。
この映画以外でも山田監督の得意なクルマは軽トラなんですよね。
凡庸な監督なら目もくれないような軽トラが風景に溶け込んで隠し味になっているんだよな。
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December 01, 2006
画面に昨今、日本人の郷愁の原点になっている憧れの昭和33年が良く表現された力の入った映画です。
私、この原作の大ファンなのです。
西岸良平さんの、優しい絵柄とほのぼのとしたやりとりに、どのくらい慰められたとこか。
だから思いれが強く、六さんがあんな美少女だったり(妹のキャクターと被せたのでしょうが)、鈴木オートの御主人が怖すぎたり、茶川さんが若すぎたり、とどうもね。
この辺はもっと穏やかな演出で見たですが、その分終盤の雪のクリスマスでのサンタさん、小雪さんのおかれていた状況、六ちゃんへの贈り物とその後の話し、そして淳之介(須賀クン巧い!)クンのエピソードでぐっときました。
配役になじむまで時間はかかったけど、最後は大泣き。
吉岡秀隆は凄いわ。
シラケテ見ていた序盤を楽しむためもう1回見ます。
そして見上げる東京タワーか・・・
イイですよね。
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November 03, 2006
この映画は寅さんシリーズの中でも抜群の気品を堪能できる1作です。
舞台は京都。
寅さんと陶芸家の片岡仁左衛門との出会いから名人同士の呼吸なんだ。
下駄のはな緒が切れていると寅さんが登場し、ピッと手ぬぐいを切って、「芝居だったらこいうとき・・・」と来る。
テンポが抜群で、何より片岡さんが絶品。
セリフ回しから、着物の着こなし、所作まで、品とはかくなるもの、という見本を体現してくれている。
この映画は、ギャグも一段と冴える。
茶屋でいう向上心のくだり、丹後に向かうバスで考えること、二階で寝ている時の要求・・・
こういう時の柴又のおばちゃんがまた優しくてイインだ。
狩野作次郎のとこのおばあさんまで良い。
柄本明も後の活躍を予見させる演技。
ヒロインはいしだあゆみ(かがり)さん。
哀しい微笑みを見せるかがりさんは案外大胆で、バックに流れるギターと絶妙に絡む。
見事なほどにみんなイインだ。
10代から20代の初めの頃は、寅さんシリーズの良さが分からなかったなぁ。
野暮というかダサくてアタマが悪そうで、こんな映画がヒットし続ける日本までが嫌だった。
今、思うとそれも良かったと思う。
感性は年代で変わるものだから。
だから今、寅さんシリーズが嫌いな若い人がいたら先を楽しみにして欲しい。
この映画は残っているだろうから、その時、軽トラの放置してある名もない路上すら、こんな素敵な絵に撮った山田洋次という監督に感じ入って下さい。
年を取るほど惹かれていき、何度観てもイイ映画です。
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October 27, 2006
原作は人の永遠の思いであろう、「許せない奴を自在に殺す」というテーマを巧妙に仕立て上げ、ストーリーもスリリングに展開する傑作でした。
映画はどうか?
ということですが、観客のほとんどが、原作では驚かせられていた展開を全部知っている、というのが製作者の辛いとこです。
それを救ったのが主演の藤原竜也さん。
甘い狂気が湧き出るような天才的な役者さんだと思いますが、見事に神から悪魔へと変容するキャラクターを演じきっていました。
特に原作から捻られたラストシーンには痺れました。
この映画は主演が悪ければ見られないところです。
奇天烈な死神はどうするのだろう? と思っていましたがCGもまずは完璧な出来でした。
ストーリーも原作から上手い具合に捻ってみせて、後編に期待というところです。
ps
キラがノートに大きな文字で書くのがもったいなくな、と思っていたのですが、幾ら書いても無くならないのね。
貧乏性なんで気になっていたんです!
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October 22, 2006
五社英雄が二・二六事件を題材に撮った1本です。
印象的なのは夜の光りに映える青年将校の軍服の艶。
当時より遥かに上質な素材なんだと思いますが、妖しく狂気に満ちた照りがありました。
この辺はいかにも美術、衣装に凝る五社英雄美学なんでしょう。
セット・ロケでしょうが、事件当時の東京の街路風景も素晴らしい。
でも演劇陣が駄目でした。
普段なら魅力を感じる俳優が集まっているのに何故?
と思ったころで思いだしたのが、「プライベート・ライアン」
あの映画は高く評価する人もいるようですが、私にはトム・ハンクスのツルリとした顔がどうしても第二次大戦中の将校には見えませんでした。
大戦中のアメリカ兵っていうと、不精髭で、タバコ臭そうで、もっと脂ぎった印象が強いのです。
時代が人の顔を作るのでは、との感慨をえた作品でしたが、この映画にも同じことを感じました。
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October 14, 2006
シリーズが進むにつれ、いつのまにか存在感を増していたユースケ・サンタマリアが主演する「踊る大捜査線」のスピン・アウト作品。
今回の映画、都心部各地へ展開されるロケと、膨大な数のエキストラに驚きました。
予算掛かってます。
東京の地下鉄という世界に比類のない精密かつ大規模なシステムを舞台にしたのは良いアイデアでしたが、進行に難がありました。
途中というか終盤までダルくて、これは失敗作だなぁ、とガッカリしていたのです。
新規の出演陣がどうもかみ合いません。
笑わせようとしている処で笑えませんし、グッと来させる処も空振り。
ダレてしまったのは、オンとオフに失敗している為だと思うのです。
メインの「踊る」はスリー・アミーゴスで笑わせ、綺麗どこの婦警で目の保養。
すみれさんと雪乃さん以外にも、彩りの美人がいるんだよなあ。
アレは誰なんでしょう?
緊迫する場面にお笑いで息をつがせ、お色気場面マッタリしてリズムが出るんですよね。
それが出来てませんでした。
盛り返したのは終盤、ボレロをバックに進む交渉シーンとコンサートホール、移動する木島にSAT、疾走するクモ、などが入れ替わりタイムアップを迎えるまで。
なかなかスリリングで楽しめました。
ラスト、クリスマスを背景にしたやり取りのとこでやっと感傷も笑いもハマッタ感じ。
配収が織田主演の半分だったようですが、映画の質を見事に当てることもあるんですね。
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October 13, 2006
ビルの谷にガオー! 夜のハイウエィにガオー! ダダダダンと弾が飛ぶ!
―中略―、びゅーん、と飛んでく鉄人、28号!
メロディだけのテーマソングを聞いただけで、歌詞はモチロン、グリコ、グリコ、グリコーとスポンサー名まで、憶えていて自分でも驚きました。
この鉄人28号がアニメで放送開始されたのが昭和38年。私が5才の時であります。
その少し前にアトムが始まり、4から5才だった私は夢中になりました。
そういう思い出ももありこの映画には期待していたのですが、まったくダメな映画でした。
僅かに、冒頭のドキュメンタリー風の作りだけ良かったです。
モノクロの画面の中で、笑顔でモノ造りに励む日本人達。
そうだ!日本人はみんな頑張ったんだぞ!とプロジェクトX風の感動が、わきあがります。
後は母親役の薬師丸さんも合ってなかったし、喧嘩と友情のエピソードも滑っていたし、マサチューセッツ工科大学の天才博士!として蒼井優さんがベレー帽を被って出てきたりとか、マジメにやっとんのか!とツッコム気持ちも萎える出来。
何より鉄人の戦うシーンが盛り上がらないし、正太郎君はあんなんじゃないぞ!
と怒り心頭でございます。
大塚警部だってゼンゼン目立たない。
この漫画はあの警部と正太郎クンの対比がオモシロイんだよ。
警察という権威のある大人の社会を助ける「少年@投影される自分達」という構図!
金魚売なんかを考えている暇があったら、もっとこの漫画の本質を見て欲しかったです。
ラスト、六本木合唱団の方が歌詞付きの主題歌を歌い出し、ほんのちょっと横山光輝の絵が出るのですが、それだけで胸が一杯になりました。
紙に書いたマンガだけで映画に勝つ横山光輝がスゴイのか、絵に問題にされない映画がショボイのか。
まぁ両方でしょう。
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October 09, 2006
シリーズ33作目。
1984年制作なので、1928年生まれの寅さんはすでに56才なんだね。
シリーズはまだまだ続いたのだけれど、少々影のさしてくる作品だ。
ヒロインの中原理恵が微妙だし、釧路が舞台ってのもどことなくだ。
見所は社長の娘として美保純が初登場すること。
しょうがない娘として実に見事なロクデナシ感を出している。
演出する方もノリノリで、文金高島田の衣装が実に可笑しい。
こういう小技まで細工におこたりないとこが山田洋次組である。
山田洋次は、美保純を見てタコ社長の娘はこの子だ!と小躍りして喜んだんじゃないかな。
分岐点だと思うのは、この映画で寅さんはヒロインの中原理恵と恋仲にはならないこと。
ところが中原理恵の方は惚れこんでしまい
「一緒に旅をしたい。貯金もあるし、ホステスになったって・・・」なんて言う。
中原理恵は58年生まれで、この年26才である。
要は現役バリバリの女性に、56であの顔で、ヒモになって、と言わせるのだから、これは偉業だ。
中原理恵は、寅さんがレストランでお金がなくても、宿代を出してやっても、雨の日には濡れながら傘をさして差し入れに来る。
このシーンも灰色の北の雨と赤い傘の対比が綺麗なんだよなぁ。
山田洋次の美意識は実は非常に高い。
寅さんの、女性への対応の柔らかさも印象的。
相手の懐にスルっと滑り込み、あっという間に心を掴む。
なんだかボクシングや総合格闘技の名選手みたいである。
リアル・ファイトでホントウに強い選手は、相手の前で柔軟さを失わない。
それを思い出した。
スポーツの世界では相手に止めをさせる勝負強さを、Killer Instinctというが、寅さんにはこれがない。
徹底してない。
それがあえて欠かせてある主人公が日本映画随一の人気者ってことに、実は日本民族の属性が現れている。
なんて深読みはクダラナイ。
ともかく山田洋次と渥美清は、何度観てもひたすらスゴイんだよな、と感心してればそれで楽しい。
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September 27, 2006
主演の女子高生役4人組みが溌剌としていて、それが題名にもなっている名曲「リンダ リンダ」と溶け合ってとても元気な良い映画でした。
グループのリーダー的な役割になるギターの香椎由宇さんは、クールな美貌が役柄とピッタリでしっかりした感じがハマリ役。
ニコニコしながらドラムを叩く女の子がやたらは可愛いと思ったら、前田亜季さんという有名なアイドルなのでした。可愛いだけでなく小さな演技まで自然で良かったです。
女の子が勢い良く太鼓叩いているのって良い風景ですが、モノにしてましたね。
ヴォーカル役のペ・ドゥナさんも朴訥な感じで良かった。
美人ではないのですが魅力があります。
映画中、しきりにうなずくのですが、その演技だけで見せます。
力のある女優さんですね。
ベースの方は本職のミュージシャンなんですね。
地味でしたがリアリティのあるリズムを刻み映画の「ベース」を支えてました。
夜に忍び込んだ学校の屋上、夜明けの土手を一列で歩くシーン・・・
結構余韻を残すシーンもありました。
ラストはギリギリで盛り上げるお約束のパターンですが、土砂降りの中での弾けた熱唱はちょっと感動的。
豪雨の中で学校の色々な場所をカメラが移動していくのですが、さらば青春、高校生活!って感じが良く出ていたと思いました。
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September 12, 2006
この映画、予告編がとても綺麗な映像だったのですが、あまり期待はしませんでした。
多くの人と同じくこの原作には愛着があり、すでに自分の中に確固たるイメージが出来上がっていますからね。
こういう傑作の映像化は、ファンを納得させるのが難しいです。
結果は充分及第点の出来だったと思います。
蝉しぐれのなか、夏の草いきれの山道で、涙ながらに引っ張る自分の大八車に駆け寄って手を合わせ懸命に後ろから押してくれる少女。
泣けました。
原作でも心に残る名シーンを良く映像化していました。
キリキリとした所作と張り詰めた表情に一心の思いをこめる少女時代の「ふく」を演じた方が素晴らしかったですね。
恋とは美しきものであるなぁ、とこの映画を観た後では思います。
そして人は理不尽の中で生きる存在でもあるなぁ、とも思うのであります。
カメラも良かった。
最近は撮影技術の進歩なのでしょうか、風景がとても綺麗に取れている映画が多いのですが、あまりに真正面というか静止画的というか、どうだ綺麗だろう、というあざとさを感じることもあるのですが、この映画はそんなイチャモンを跳ねつけるレベルにありました。
藤沢周平の描写には及びませんでしたが、一編の詩として及第点だと思います。
岩代太郎の音楽も良かったです。
少し使われすぎの感もなきにしもあらずでしたが、見終わった後も耳に残りました。
サブストーリーになる男子3人の友情も印象的。
原作では文四郎の成長物語の側面がもっと強かったと思うのですが、小説より格段に短い時間しか持てない映画では未消化に終わりがちです。
そこを恋と友情の物語に重心を移したのが成功の元でした。
人の情、優しさが良く撮れてる映画と言って良いと思います。
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August 16, 2006
夜明けのまだ灯の残る坂の町に、敢然と自転車をこぎ出す一人暮らしの中年女性がいます。
仕事は早朝の牛乳配達とスーパーのレジ打ち。
田中裕子は意思の強い清廉な表情に押し隠した愛を見事に演じきりました。
NHKで団ふみと絡んでいると馬鹿みたいな池辺晋一郎も、この映画での音楽は素晴らしかった。
不幸なきっかけで断ち切られた愛。
小鬼のように駆け出す子供。
煙草と旦那さんを愛する語り部。
最後の笑顔が印象的になるその前に、相手役の岸辺一徳さんが子供に帰って言います
「もういいよ」
上手いです。
一瞬の名人芸でした。
画家がらみで塊多なんて名前だから村山かと思ったけど違うよね。
どんな関係があるんでしょう?
浅薄なことで勝ち組だの負け組だのと姦しい世の中に意地を見せる映画でした。
印象に残ったセリフ
1)ロッカーで、不倫に破れた若い同僚に
「一人だと寂しくないですか、夜とか」
「良いのよ、クタクタになれば」
2)年上の知り合いと
「何が楽しみなの?」
「牛乳配達かな。町中の人に配りたいな。夢だけど」
一人食事をし、悩みは疲れるまで働くことで消し去り、新聞の読書欄を切り抜く日々。
潔く幸福な生き様にも感じます。
だからラストはあれで良いんですね。
ウチの本棚も床から天井までの奴です。
映っていたのと何冊同じ本があったでしょうか?
ベットでは「カラマーゾフの兄弟」でしたが、どうなんだろう。
もうちょっと捻っても良かったなぁ・・・
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August 02, 2006
人の肉と思いの激しさを血深泥に描きだした地獄篇。凄まじい映画です。
壮絶なほどに美しくエロティックな若尾文子にはビックリしました。
ほつれた髪に憑りつかれたような表情と横顔からのショットの美しさは絶品で、演技の深さは世界水準を遙かに超えてます。超1流の女優さんだったんですね。
黒沢小津以外でも日本映画って凄いじゃないですか。
ストーリーは妾だったお兼(若尾文子)が親にせがまれ故郷の村に帰ります。
周囲から白眼視される中、村の模範青年が帰郷し、2人は恋に落ちるのですが日露戦争が勃発し・・・
優れた脚本に支えられテンポが抜群です。
田村高広を始め出演者はみなパワフルで、観客は引き込まれ翻弄されます。
構造からはファムファタルなのでしょうが、描かれる狂気は遙かに広く抉る真実は深遠です。
なんだかトラウマになる映画だったなぁ・・・
直接的な関係はないのですが、人が大きな運命に翻弄され、思いが悲劇に雪崩れこむ様子は「アポロンの地獄」みたいでした。
必見ですが覚悟して観て下さい。
ちょっと人生観変わりますよ。
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July 29, 2006
チャン・ツィイーが日本語で歌う映画があった!
オタクとしては楽しみです。
気がかりなのは監督が鈴木清順。
マニアには教祖なんでしょうが、私はよく分かりません。
映画はいきなり長谷川等伯の「松林図」が背景で、おお、と期待。
良いじゃないか鈴木清順、後は早くチャン・ツィイーを見せておくれと思っていると
歌と共にデター!
ところが顔がアップになるとガッカリ。
なんなんでしょうこのメイクは?
まるっきりダメじゃないですか。
それでも健気に日本語のセリフまで言ってくれるチャン・ツィイー。
薄衣などを着て動き始めると、もうまさにそれは「妖艶」の顕現。
この人って映画の中で動く時が抜群なんですよね。
最初化粧品のCMで見たときは何とも思わなかったんです。
妻「チャン・ツィイーだ。この人、最近スゴイんでしょ」
私「そう?」
妻「綺麗じゃない?」
私「・・・どこが???」
まったく魅力が分からなかったんですが「LOVERS」を見てから、その肢体の動きと変化する表情の魔性に捉われてしまいました。
映画はそれだけだったなぁ。
間のオペレッタ?は感心しませんでした。
ひたすらチャン・ツィイー待ちの映画。
安土桃山様と出てくるだけに狩野派の絵画も多用されてます。
清順、チャン・ツィイー、オダギリ・ジョーファンなら見といても良いと思います。
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July 17, 2006
昭和43年には沖縄をこんな風に描いても良かったのかという驚きの1作。
今村監督は偉大な巨匠だと思いますし、好きな作品も多々あります。
それだけにこの作品にはガッカリでした。(この間みた「赤い殺意」なんて良かった)
冒頭で示されるナマコやアメフラシのように多様で奔放な形態を持つ海洋生物のシーンからも理性の条理を超えた生(=性)そのもののいわく言い難いエネルギーを描こうと試みたが故とも思いますが、南方現地人があまりに酷い描かれ方です。
劇中歌われる美的音韻のまったくない音楽と終始調子の狂ったようなセリフ回しはなんなんでしょう。
アフリカから運ばれた音楽は、その豊かな生命力と躍動で世界を変えました。
この映画では「南の美」はどこあるのか見あたりませんでした。
私の感性では理解不能というよりもし沖縄(沖縄と名指しはされてないが)に生まれ育っていたら地上戦までさせといて戦後はこれかいとかなり怒るでしょうね。
同じように南方の非文明的な美を描いたゴーギャンの絵画には、描かれた人々に瞑想的な深遠と生きることへの神秘がありますがこの映画では醜悪だけです。
醜悪を含まぬ生はありえませんがそれだけの表現を3時間観ているのはキツイですね。
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分かりにくい題名の映画ですが、竹富島を舞台に蒼井優が出演ということで見てみました。
映画の最初に出てくる女の子は可愛いですね。
色が黒くて純朴な感じで、演技も仏壇の前で一心に母親を見上げていたり、カニが散歩する防波堤の先のポストに手紙を入れて両手を合わせてお祈りしていたり・・・
竹富島の風景もツボを押さえています。
あの島の醸す超現実性というのは大したもので、私は真夏の多すぎる光の下で輝く白砂の道を歩いた時は時間も音も消え去った幻想の中にいるような気分になりました。
この映画でも今時、他ではあり得ないほどの細い道と黒い岩壁に囲まれた風景を俯瞰で撮ったり、赤く染まった夕暮れにお祖父ちゃんと一緒に手を繋いで帰るところなど綺麗に撮れてました。
さりげない演出ですが読まれる手紙の字も達筆で美しかったです。
問題は蒼井優さんが出てくる処からです。
蒼井優さんは表情からセリフの端々にまでそこはかとない品があり「花とアリス」で大ファンになったのですが、この人はつくづく都会が似合う人なのが分かりました。
美しい竹富の道を走る姿は、残念ながらいかにも東京からロケに来てますって感じでしたし、東京に出ていったシーンでも役柄が合わずに波に乗れませんでした。
蒼井優と竹富島。
私にとっては最高の素材二題ですが、食材と一緒で相性が合わなければしょうがないんでしょう。
料理人である監督も脚本家も苦労なされたと思うのですが、両者の素材の旨味は最初から最後まで解け合うことがなく終わりました。
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May 17, 2006
「ながれー、流れ故郷のふるさとのー・・・」
霧笛の鳴り響く夜の港に白いトレンチコートを羽織った健さん登場!
かつての親分アラカンの元に身を寄せた健さんは、網走仲間の田中邦衛、由利徹などと共に港湾の荷役仕事で組の再建を計りますが、そこへ降りかかる理不尽な暴力の数々・・・そして
高倉健の任侠映画の典型になったのは、雪中の脱走劇だった1作目よりむしろコッチなんですね。
アコギな敵対組織の所行に耐え難きを耐えたあげくに殴り込み。
弟分「アニキ!俺達も行くぜ」
健さん「網走行きは俺一人でたくさんだ」
女性「行かないで!」
健さん「後は頼むぜ」
ギターと歌が被ります。
「ドスを片手に殴り込みー
斬った、張ったのこの渡世いぃー
どうせオイラの行く先はー
網走ぃ番外地ぃー」
殴り込みでのアクション・シーンは思いの他あっさりと終わります。
ワイヤー・アクションもCGもありません!
ただ健さんがガラリと戸を開けた瞬間に場面には緊張が張りつめ、男の覚悟と美学が充満するのです。
高倉健の醸す詩情だけで魅せるのです。
この辺、殺陣にも凝りに凝った勝新の座頭市とは違うよね。
ps
やたら色の黒い子が出てきますが多目に見てやって下さい。
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May 14, 2006
この映画の特筆すべき点は主演俳優、大和武士のボクシング・テクニック。
およそあらゆる映画の中でどれほど滑らかに演じられたボクシングのダイナミズムは記憶にないです。
R・デ・ニーロもS・スタローンも敵じゃない(リングの上限定だけど)のは、大和本人が日本ミドル級チャンピオンだったからでした。
トレーナー役にあの赤井英和を倒したボクサーの大和田正春も出演し、二人のトレーニング・シーンは演技を越えてます。
当たり前ですね。
1流のプロ二人がやっているのですから。
菅原文太もやっぱり素晴らしい。
私は特に好きな訳なんですけど、好みを超えてこれぞスターという存在感で観てるだけでイイな。
桐嶋かれんもエキゾチックな美貌で好演していますし、文太兄いにひたすら仕えるハナ肇も役処を得ていい味だしてます。
映画は不良少年と老トレーナーのスポ根かと思わせておいて、途中から編集カットされまくりなんですか?、という位のスピード感というより早口で展開し、ラストはもう不条理です。
役者がよかったんだから、じっくり正面からのボクシング映画を見たかったな。
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April 29, 2006
主演の関めぐみさんがとても綺麗です。
手足が長く性格の強そうな目の動きが良かった。
男の子が盗撮するシーンなんて見事な表情を作ってます。
ウクレレを弾いているマターリしたPちゃん役の蓮沼茜ちゃんも可愛かったな。ウクレレで3人が校庭で踊るシーンは印象的。
後は・・・それだけ。
監督の荻上直子さんにももう一頑張りして欲しいです。
榎本明はこの人にしては水準の出来。
ps
俳句は究極のエクリチュールである@ロラン・バルト
読めたら楽しそうだけれど、俺はセンスがないんだよな。
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April 22, 2006
高倉健がスターになった伝説的作品である。
日本映画のファンなら押さえておかなければなるまい、という1本である。
映画は健さんのシブイ歌に乗って雪原の荒野に汽車!(貴社の記者が汽車で帰社するの汽車です)が煙を吐いて入場すると直立して駅員が出迎えるシーンから始まります。
最近は鉄道関係もすっかり合理化され、こういう風景も忘れられがちであるが詩情があるなぁ。
さらに網走はちょっと呆然とするような荒野である。
そこに降りてくる若き高倉健は白く眼を光らせ結構怖い。
「気安くさわるんじゃねぇよ」なんて言って乱暴したりする。
反面、網走刑務所の中はマターリしていたりもする。
ヤキを入れるなんていうとどんなに凄いかと思うと高校生の修学旅行みたいなことやったりする。
暴力シーンは穏便であり、つくづく昨今の映画は殺伐さを増していると思うのである。
それからテーマは母を思う心であって今とはこれもだいぶ違うなぁ。
この辺に家庭崩壊の爪痕が、なんてことも考えてしまうのである。
それでも回想シーンで見せる健さんの殴り込みシーンは抜群である。
文句なしのスターにしか出来ない迫力で、この一場面でけでも見る価値はある。
そして高名なクライマックスの鎖ちぎりのシーンは、今見てもかなりの迫力である。
この辺は特殊効果がないので妙にリアルなスリルがあるのだ。
ちなみ1965年の作である。
競演は電波以前の丹波哲郎、さすがの迫力を見せる嵐寛寿朗、セコさを具現する田中邦衛が印象的であった。
やはり見ておくべき1本だよ。
歌にも味があるのには発見でした。
「はるうかーぁ、はるかーかなたにゃオホーツク、海をみてます、泣いてます、その名も網走番外地ぃ」
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March 17, 2006
シリーズ21作目なんだそうですが、映画のエネルギーは落ちていていません。
今回の敵は同じ盲目の闇公方。
大組識を抱える大物です。
共演は幽鬼のように虚無的な仲代達矢(メイン・ストーリーとイマイチかみ合ってないのが惜しいですが、片手使いの剣術が素敵です)と大原麗子。
ピーターとチョイ役ですが田中邦衛も出ています。
若き大原麗子は少し開いた唇のふしだらさと、額から目にかけての秀麗さが対照的でその二面性が強い魅力を出してます。
和服の着こなし、媚びを滲ませた口調にしなだれかかるような座り方からとっさにしがみついてくるタイミングなど、もう高濃度の女性フェロモンが詰まった「匂い袋」そのものです。
ロケーションでは背後に森を控える山間の宿場町も風情があって、1970年にはこんな場所がまだあったんですね。
市は卵売りを苛めるチンピラをノシちゃうとこからタイミング良く登場。
ヒーローの登場はこうじゃなきゃね。
土葬場所での殺陣、風呂場での大立ち回りは今の目で見ると特殊効果がかなりチャチですが、やっぱり勝新だから見てしまう。
あの仕込みを逆手で振り回す殺陣は、カッコ良く決めるのは難しいんだよ。
基本は体軸を中心にした回転運動なんだけど、今回良く見ると勝は刀を体から離し、回転半径を大きくするから映えるですね。
少し解った気になりました。
子供の頃に知っていればなぁ。
さんざんやったんだけど上手く出来ないかったからね。
今の年だともう出来ないのが残念です(笑
シビレテくるのが街道筋でのすれ違いざまの5人切り。
カッコいいぜぇ。
クライマックスは仕掛けに嵌まった市に最大のピンチがおとずれます。
あの状況からどう抜け出すのか?
モチロン復活するんだけど、その復活の冒頭がまたイインだ。
バタバタと敵が倒れても姿がない。
闇の中から声が聞こえる。
切り合いでも重ねられる3つのシュチュエーションがみんな冴えてます。
大原麗子をフッて夏の夕暮れの草いきれに消えていく座頭市は、「シェーン」を初めとするヒーロー物の定型なんだけど、それがキマッテいるんだから大したモノだと思います。
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March 07, 2006
岡本喜八が座頭の市に「用心棒」の三船を絡ませました。
赤子の泣き声に吹きつける暗い雨。逃げる子供達と走る座頭市、それを追う悪党、市の仕込みが閃くと鮮血が飛び散る。
「また手を汚しちまったぁ」
強風に煽られ破れ小屋に転がり込む市
「地獄にゃあきた、雨は嫌だ」・・・これだけで1編の詩です。
話しは岡本監督らしく人をくった出来で、まず三船が出てくるから基本は「用心棒」。
これがマカロニ・ウエスタンの「荒野の用心棒」になったから、今度はそのマカロニ・ウエスタンの「続・夕陽のガンマン」から黄金と軍隊組織(八州廻り)の話しを頂く、というモノになっています。
強風の止まない荒れた町と決闘シーンもマカロニ・ウエスタン風味。
4階建ての建物を横断面で撮るロール・プレイング・ゲーム風の遊びもあります。
音楽は向こうがエンニオ・モリオコーネなので、こっちは伊服部昭!でどうだ、って感じですね。
この映画、座頭市のトボケタ反骨精神も健在ですが、三船も見せる。
刀を肩に酒瓶を汲む絵柄はこの人ならではです。
後は、例のとおり、市のシリーズの弱い者をバカにする嫌なヤツが徹底的にやっつけられる痛快さも健在です。
クライマックス、風花が舞う中での2人の対決シーンはジリジリと距離を詰めてから裂帛の気合と怒声、真空を切り裂く鋼鉄の刃の激突音、後に残るのは悲鳴のような風の音だけ。
はぁ~、カッコイイっす。
考えれば桑畑三十郎(映画は違うけど)と座頭の市の究極の対決だもんね。
ps
小判の金の含有量を落とすと小判の値打ちが下がり物価が上がる。
今の時代では「お金の値段」は「金利」のことです。
金利を下げるとお金が出回りやすくなるインフレ(景気刺激)政策になる。
そんな話しをする日銀の政策会合が8、9日にあります。
これからの日本の「金の含有量:量的緩和」はどうなるのでしょう?
なんてこともたまたま時期が一緒なんで考えました。
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January 29, 2006
日本の男は魅力がないという。
逞しさに欠け頼り甲斐がないという・・・
「銀のエンゼル」とはあのチョコ・ボールのオマケの当りである。
モチロンこれはこの映画では幸運のメタファーになる。
舞台は北海道の平原にポツンと立つ一軒のコンビニ店。
主人公はそこのお父さん。
ともかくこのお父さんはとても真面目でイイ人なのに大変である。
人手は足りず経営は苦しくても人の頼みは断れない。
気遣いがあり過ぎ優しさゆえいつもオドオドしている。
それに苛立っているのが娘で、人手が足りないのに仏頂面のまま店の手伝いを拒否する。
瞬間、腹が立った。
優しすぎるんだよ、お父さん。
俺なら家族にその程度の協力もしてもらえない店は廃業する。
要は覚悟だ。
娘には覚悟がある。平穏無事だけが価値でないことを知った覚悟だ。だから苛立ちは分かる。
でも父親への礼儀がなさ過ぎる。
進学先も相談せず、家出をしても東京に行くのだそうである。
立派なもんだ。
やってくれ。
そこまで仏頂面なんだから後は好きにしてくれ。
と俺なら言う。
それから部屋に鍵を掛けたら蹴破る。
映画と同様出来ないのは
気のあるそぶりでスナックに誘う山口もえを口説く。これはしない。
まぁそんなもんだ。
日本の真面目なお父さんたちよ。
暴力は論外だが精神的には毅然としていよう。
それには覚悟だ。
平穏無事だけが価値だと思うのは魅力かける。
事実娘が惹かれる男はこう言う。
「駄目なことなんてないんですよ。
規則がすべてじゃありませんから。
モノにはいろんな見方があるんです。自分一人じゃ気づかないけど
あまり杓子定規にならずハメを外してみると違って見えるものがあるかもしれません。
何もないかもしれないけど。
やってみましょう」
はい、勉強になりました。
勇ましいことを書いたが、俺もカナーリ常識的真面目に縛られている小心者です。
ps
北海道の平原の夜にポツンと光るコンビニ。
スタンドの屋根の上で語り合う中年男2人。
北海道を走るトラックからのシーンとバックの音楽が雰囲気です。
トラックの運転手ってちょっとイイヨな。
少しやりたいかも。
実際は大変で勤まらないだろうけど。
こんなこと考えるって、やっぱ疲れてんのかな?
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January 11, 2006
けだし明治維新は大革命でありました。
これほどの革命がほとんど無血の内に終わったことは世界史的な奇跡であるが、当然割りを食った多数の人々がいる。
これは運命に翻弄され北海道開拓へと駆り出された淡路藩の人々の話し。
主演の渡辺謙が鋭い男性的魅力をかもしだし、吉永小百合は乗馬姿も見事で荘重ともいえる演技です。アイヌを演じた豊川悦司も虚無ギリギリまで達観した男の姿が良かったです。
ロケからの風景は美しく、演出も充実し、カメラには品格があり脇役陣も光ってる。
力に溢れた映画です。
ただ辛い。
時代の流れを巧みに泳ぐズルイ奴等が威張っていてイジメは残酷で、主人公の運命は過酷なことばかり続く。
俺は真面目な人たちがシリアスに苛められるこういう映画が一番苦手。
ホラー映画なんかの残虐シーンなんてのは、結局作り物だって距離をおいて見られるけど、こういう話しは現実にひっそりと、でもけっこうそこここにありそうで、なんかシャレにならん。
力作だけどカタルシスの発散がなくて170分付き合うのは大変だよ、と思っていると2時間を過ぎてから物語りは動きだす。これは期待が持てると思うとやっぱり辛い展開です。
馬を巡るシーンは考えちゃったな。
悦司は抜群のカッコ良さですが、私は無様な謙の味方です。
だってしょうがないジャン。
駄目ですかね。
それから香川照之。オマエは敵な。
香川さん、ボクシング・ファンとして私が毎週見ている「エキサイト・マッチ」という番組にゲスト出演しては楽しいコメントをしてくれて親しみを感じていたのだけれど、この映画では実に嫌な役をやってそれが真に迫っている。
ホントウに嫌な奴に思えてきた(笑
これは役者冥利に尽きるのだろうが、こんど「エキサイト・マッチ」に出てきたら冷たい目で見てやる(笑
ラストは良かったけど、「実話を元に再構成されている」んだから現実はそうはいかないんだよな。
そんな重みも感じる映画ですね。
気が付くとこの手の映画が苦手な私が一気に見終えてました。
そんな作品です。
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December 03, 2005
森崎東という監督を知っているだろうか?
知らなかったら憶えて欲しい。
これほど人の溢れるエネルギーを生き生きと描く名匠が日本にいたとは驚きだった。
この映画は1971年の新宿から始まる。
その場末のストリップ旋回所の夫婦に森繁久彌と中村メイコ。
ストリッパーのヒロインに倍賞美津子。相手役に河原崎長一郎で、伴淳、花沢徳衛も味を添える。
森繁はいつもの女好きのオッサン役で水準の出来である。
驚いたのは中村メイコ。こんなに魅力的な女優さんだとは思いませんでした。
歯切れの良いセリフのリズム感が抜群である。
啖呵のキレ、気風の良さ、復讐への行動力(リアカーを引っ張り、暴力バーへポリバケツを蹴り入れる)
情にもろく、度胸が座って豪快に笑いフットワークは軽快で弁が立つ。
刑事をやり込めれば、ヤクザも怒鳴る。
「おい、そこのヒモ!そっちがヒモなら、コッチは帯じゃ。度胸があるならかかってこい」
カッコいいぜ、メイコ姉さん。
アル・パチーノともタメをはれる女優が日本にもいたではないか(笑
そして森繁と布団の中で語りあうシーンでの哀感。
倍賞美津子はグラマスで純でいながら可哀相でなんかソフィア・ローレンみたいだ。
パッと服を脱ぎブラジャー姿になるのは、この監督が他の映画でも見せたお気に入りのカット。
印象的なアイテムに赤白に塗られたマイクロバスが出てくるが、これがまた可愛らしい。
こういう細かいセンスもイイんだ。だから映画が締まるだよね。
緑魔子の哀愁も印象深い。
「酔いが覚める」顔と「オカシナ踊り」をこれほど演じられるのは、ただならぬ才能だったのだ。
そのBFが伴淳で、お風呂帰りの盆栽をはさんだやり取りは、見事な名優同士の共演である。
「そっちの方はマカシテもらいてぇ」@伴淳(←ここは笑う)
71年といえば万博の翌年で、小六だった俺も行ったのを憶えている。
京都の旅館に泊まり、太陽の塔と月の石を見て、出たばかりのカップ・ヌードルを食べた思い出がある。
日本もすっかり明るくなっていたはずだ、という印象だったけど、今と比べると随分貧しい。
雪の日は寒そうで、トイレはナニで、ハイヤーはアレで、やっぱり日本は豊かになったんだよ。
ヒット曲として森進一が流れるけど、まだまだそんな時代だったんだな。
しかし森崎東の描く性の、なんとあっけらかんと陽気なことか。
ともかくみんな元気で純情で、根底に人への讃歌と信頼がある。
鬱な人とかヒキ気味の人なんかいなくって、すぐ陰気になる俺でも、こういう映画をみると元気になる。
でもなんではるかに豊かな今の方が、人が弱く見えるのだろう。
豊かさは人をヤワにするのだろうか。
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November 19, 2005
ギリシャ悲劇として名高い「メディア」に蜷川幸雄と大竹しのぶが挑みました。
私が始めて「メディア」を知ったのは、ドラクロワの描いた「怒り狂うメディア:1862年」という絵画。
洞窟の入り口を睨む豊満な美女が2人の幼児を抱えつつ、片手には短剣を握り締めるという構図に、
てっきりこれは襲い来る敵から子供を守ろうとする母の絵だと思っていたのが、
なんと自分の子供を殺さんとする構図だったと知った時は驚きました。
その経緯は、王権を奪還する為に、英雄イアソンはコルキスにある黄金の羊毛皮を持ち帰ることになり、
アルゴー船を作り、それにヘラクレス、竪琴のオルフェウス、千里眼のリュンケウス、医神アスクレピオスを引き連れ長く果敢な旅に出ます。
ところが目的地についても黄金羊毛皮は、火を吐く雄牛や不眠の竜が守り、
獲り返した後は、コルキスの軍勢に追われたりします。
その危機を救うのがコルキスの王女、メディア。
メディアはイアソンに恋をして、父王を裏切り、雄牛の炎に耐える薬液を作り、守りの竜を眠らせ、追っての軍勢を率いてきた弟を謀殺し、イオルコスに帰った後も王位を譲らぬ叔父を得意の薬草術と姦計で葬ります。
こうしてメディアは恋するイアソンを王位に就け、子供も2人授かりますが、
ここでイアソンがメディアを棄て他国の王女と結婚を考えて悲劇となります。
激怒したメディアは、婚約相手の王女に薄絹の衣と黄金の冠を送ります。
ただし裏側には猛毒が塗ってあり、それを纏った王女と助けようとした王は惨死。
そして最後には、ただイアソンを苦しめるというだけの為に自らの子も殺します。
「死ぬのを覚悟で剣を取り、この手で奴等を殺してやる。私の心を傷つけたのはきっと後悔することになる。
さあメディアよ。持てる限りの知恵を絞れ。考えるのだ。勇気を絞りだせ。悔しさ辛さを思いだせ。
たかがイアソンごときに馬鹿にされる、そんなオマエではないはずだ。
太陽の神ヘリオスの光り輝く日輪の、神の知恵を受け継ぐ子孫ではないか!」
万化する表情と長セリフを自在に駆使する大竹しのぶは、ブレーキの壊れた巨大な暴走トラックのように観る者を蹴散らし、蜷川の演出は数千年の時を経てなお生臭い血を照からせるエウリピデスの原作を蘇らせます。
それにしても拍手の鳴り止まぬカーテン・コールでは一転、狂女メディアの憑依を脱ぎ捨て、軽やかに階段を駆け下り童女のように微笑む大竹しのぶは真の魔女だ。
いや、ここで涙が止まらなくなるのは、裏切りがなければ有り得たかもしれぬ幸福なメディアの幻想を私が垣間見るからかもしれない。
ps
映画ではパゾリーニがマリア・カラス主演で撮っています。こっちも観たいですね。
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November 14, 2005
トリック新シリーズの2時間スペシャル。
仲間由紀恵と阿部寛が好演してます。
主演2人の天然のユーモアが良く出ていて、ともかく楽しいこのシリーズ。
なんとなく品が良いんだよね。
それで性格も良さそうな気がするんだ。会ったことないけど(笑
だから観ているのが楽しい。
多分やっている2人も楽しいんじゃないだろうか。
仲間由紀恵は綺麗だし、阿部さんは鍛えているのか体格も立派。
笑わせどこも、セリフ回しから撮り方まで手抜きなし。
立派なモノだと思います。
西村雅彦は、アタマだけじゃなくこういう脇役で光んだ。
シリーズごとに新キャラが出てくるカツラの刑事の相方が今回はアキバ系。
大して面白くないけど工夫してるよな。
個人的にはヤンキー系の人が好きでした。
今回、サブストーリーのトリックは、某有名推理小説ネタから、手がかりがトホホで終わるとこまで、
このシリーズの水準だったと思います。
大本のストーリーは、ちょっと・・・だったかな。
でも話しの間、笑わせてくれれば良いシリーズだし・・・
仲間の母親がやっている産み分け占いも、なるほどなぁ、と(笑
確率的期待値からまさに論理的な方法です。
こういう細かい工夫が出来を左右する力になります。
宇宙人ネタは良かったなぁ。
仲間由紀恵はこういうネタでノレルのが、今の女優さんだと思います。
阿部さんともども今の時代、ボケられるんのは、大きな武器だよね。
2枚目でも美人でも、ボケられなかったらこのシリーズもなかったと思うし。
おなじみの「貧乳ネタ」も、「ドン来い」ネタも好調で、DVDの失われた41分が観たくなる出来でした。
買わないけどさ。
レンタルならイイと思うよ。
俺はストーリー、忘れた頃に借ります。
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November 07, 2005
本になり、映画になり、TVドラマにまでなった「電車男」はとうとう舞台にまでかかって、
05年8月15日、新宿パークタワーホールで行われました。
演劇はライブで見るもんで、映像としてみるとどうも叫ぶ感じのセリフが不自然で違和感があるのですが、今回は舞台中央にモニターを据えつけ、ライブでも半分映像を見せる感覚だったのか、自然に入っていけました。
舞台は狂言回し役のイケメンを配して、ステージの両脇に押し入れみたいな棚を作って応援する毒男住人役を入れて掛け合わせる。
自虐的なネタとキャラには事欠かない毒男板住人ですから、エルメスの名前のとことか、「めし どこか たのむ」のやり取りは、知られている通りですがリズムが良くて、飛び回る発想に笑わせてもらいます。
オープン・ソースの強みだよね。
これどんなに才能がある作家でも、一人じゃ絶対出来ない世界だと思います。
それでフロー・チャートやアンケート、名言シリーズが出来たりする。
盛り上がるスレッドってこんな感じだよね(笑
共演の5人の毒男役が持ち出すネタも、白いギターなど一人一人良くて、ギャグも冴える。
幕間の銀座の映像も洒落ていました。
エルメス子(優香)が声だけで、最後まで顔を見せないのも優れた演出でした。
作は堤幸彦さん。
この人たまにトリッキー過ぎて一人よがりな感じになるのだけれど今回は大成功では。
主演の武田真治はオタ段階から熱演で、一転ファッションに目覚めてからがとてつもなく色っぽい。
ちょっと良すぎるんだけど、恋愛モノはこうじゃないとさ。
ラストのオメデトウAAが良いんだよねぇ。
いつも思うけどアレをもっとゆっくりと見せて欲しい。俺は大好きです。
後半は古き良き熱血路線で、ラストは出き過ぎの終幕ですが、私も心動かされました。
ps
ここから「ケロロ軍曹」を知って一度だけ録画して見てみました。
内容はトビ過ぎていて私の年ではついていけませんでしたが、
主題歌に感動し、よっぽどCD買おうかと思ったけど、買いませんでした。
でもあの歌声と歌詞の超現実感覚はスゴイよ。
ps
2ちゃんねる、ってこういう面も確かにあるよね。
すぐにヘタれる私もかつて名無しで悩みを書き込み、救われたことがあります(泣
あの時のあなた、どうもありがとう(涙
ps
モテナイ男の巣窟、毒男板!
10年若かったら、俺も間違いなく住人だったと思うよ。
「変わることは恐ろしい。でも変わらないことはもっと恐ろしい」
なるほどね。
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October 31, 2005
風の吹く草原の上に立つ一軒家から、元気良く飛び出してくる男の子。
主演の男の子が可愛いですね。
私は娘2人なのですが、清流に飛び込む姿を見ていると男の子も良いものだと思います。
この映画は聾唖の少女と画家を目指す少年の恋の物語なのですが、ピアノを中心にした音楽と北海道の自然描写が白眉です。
堰で川は轟然と流れ、飛び込むと水は跳ね上がり、それに太陽の光りが反射してキラメキ、足に冷たさが伝わり、男の子は全霊で銛を振りかぶると川鱒を狙います。
その瞬間のときめき、獲物を捉えた時の高揚、視覚だけでなく、聴覚だけでもなく、触覚だけでもなく、
人間のすべての感覚にあらゆる刺激が一体となって流れ込む時の、生命の喜びに全身が震える驚き。
結局、男ってこれを求めて人生を足掻くのでは、とふと思いました。
仕事への情熱から道楽、趣味の追求まで、
少年の日に一瞬だけ触れたあの絶頂感を求めてもはや得られることもない幻を追うのでは・・・
大人になってからそれを得られる人は、極限られた人だけなんですけどね。
だから大多数の大人は、どことなくつまらなそうな顔をしているのです。(私のように)
それは不思議なことに経済面や社会的な成功とも必ずしも一致しないからっやっかいです。
捉えた! と思ったら、幻影のように消えていくモノでもあると思います。
幻の雨鱒のようなモノかもしれません。
細い体で苦労している母親役の中谷美紀も、哀し気な瞳が良かったです。
阿部寛は大好きな俳優なんだけど、この役は合わなかったな。
大人になってからのエピソードでは、電話のシーンが印象的でした。
今回は男の子の人生を支配してしまう根源的な喜びについて感じさせられた映画だったので、
少し外れた記事になってしまいました。
終わり。
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October 15, 2005
過剰なエネルギーが作品自体を狂おしく揺さぶり破綻の淵を駆けた1作目に比べると、
この3作目は大分映画らしい1本。
それにしても精緻なプロットを組み立て隙のない昨今の映画にくらべて、
飯干晃一のノンフィクションを下地にした話しの運びは拙い。
それでも観客をこつぎまわす圧倒的な膂力はどうだ。
この映画では、ストーリーの転換点で、静止画になり、場合によってはモノクロにすらなる。
要は話しの展開などどうでもイイのだ。
肝心なのは、男達が跳ぶ時の火花だ。
男なら菅原文太に痺れる。成田三樹夫の底知れなさに魅入られる。小林旭の妖しさ、渡瀬の純情、山城の稚戯性、金子の卑しさ、田中の狼狽、梅宮の迫力、川谷の貧相、みな素晴らしい。
俳優達は魔導士のような深作欣二のマジックに輝きギラつき、
血生臭いギリシャ悲劇のような破滅的群像劇として、極彩色のハラワタを晒して狂奔する。
この映画は、
男は本性として荒神の末裔なのだ。
欲望と暴力の神に殉じる氏子なのだ、と叫ぶ。
家庭の平和だの、健康で長生きだの、大人しい良識などを踏みにじれとわめく。
深作欣二は、破滅を怖れぬ跳躍を謳う。
向う側には跳べるのだろうか?
実は結果はどうでもイイのだ(笑
死を掛けて跳ぶ時、男は白熱して輝く。
力と運に恵まれた奴が万に一つの種を残す。
本来、そういうモノなのだ。
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October 13, 2005
私はいわゆる「邪悪な読者」(←この意味はグーグルして下さい)である。
そして40代のオヤジである。
だからこんな甘いベストセラーが原作の映画に泣く訳にはいかないのである。
ところが最初のシーンが良いじゃないか。
舞台となる家も湖畔を巡る風景も、御伽話しにピッタリの「巧」な!映像である。
これは泣くかもしれない、と予感した。
詰まらないと思いながら観るより、泣くにせよ、笑うにせよ、怖がるにせよ、
心を動かしてもらえれば観たかいはあった、というものである。
泣かされるの上等!
泣かせてくれ。
とりあえず雨を巡る映像が美しい。
監督の土井裕泰さん、素晴らしいです。
濡れる下草と蜘蛛の巣、夜の街灯の詩的な捉え方。
異界へと連なる小さなトンネル。
でもシラケテくるのが再登場する竹内結子が記憶喪失であること。
もう止めてくれよ、恋愛と連動する記憶喪失。
俺が記憶喪失にならない限りシラケルから止めてくれ、と俺は世界の中心で叫びたい。
でもまぁ見続けました。
お互いにやたらに謝りあう登場人物達は日本的だなぁ。
こういう自虐的な文化的背景が毎年多数の自殺者を生むのではないか?
なんて堺屋太一みたいなことを考えながら。
中村獅童と竹内結子との絡みのシーンは、さすがにリアルだなぁ
でもこんなの見せられてもツマランのだが・・・なんてことも考えていました。
そして映画は予定調和的に終わるのであろう。
まったくありきたりの話しだなぁ、ハリウッドがリメイク権を買うほどの原作かよ、
と思ったらそこからが良いのだった。
2人が手を握りあい、澪が水溜まりに消えた後、
思いがけない角度から光がさし、感動の物語が浮上するのだ。
そして、そして・・・
ああ、なるほど。
そういう訳だったのかぁ。
そして会いに来たんだね。
「隣りにいられるだけでイイ。それだけで幸せ」
・・・涙
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October 11, 2005
原爆の爆発とともに始まる血しぶきと裏切りに狂う男達のドラマ。
凄惨な暴力現場を、深作は手持ちのカメラで抉り取る。
画面は細かくブレて、フレーミングは狂い、
混沌が引き伸ばされて侵食してきて、観客はまるで現場に紛れ込んだような錯覚に陥ってくる。
しょうちゃん(菅原文太)が圧倒的である。
観終わると「・・じゃけんのお」
なんて自然に言ってしまうほどです。
ともかくスゴイ映画です。
なんといっても、登場人物がみんなタバコ吸いまくり!
健康に悪いと思うんだけど気にしてない。
みんなで吸っているから賭場なんか煙で充満していて、嫌煙権なんてないも同然だ。
それでタバコを吸っている全員が、怒鳴ったり暴れたり元気一杯だから始末が悪い。
「タバコは健康に悪いですよ」、なんて言っても説得力がない気がする。
日本刀とポン刀なんて言って本気で振り回したりもする。
これも危ないと思うんだけど、みんな気にしない。
金子信夫のズルっこがまた見事。
このキャラクターがいるおかげで、映画は直情と狡さが交錯し、
惑乱はとどまることを知らずに暴走し、物語りは内在するエネルギーに破裂している。
若き松方弘樹(てっちゃん、と呼ばれてます)も見せます。
金子への啖呵の切り方と脅し方、しょうちゃんへの怯え方まで見事でキャラが立っています。
田中邦衛の安っぽさも1流だ。
文太兄いが、てっちゃんの葬式をぶっ壊すラストシーンは、
日常に堕す退屈を憎むすべての男達へのメッセージだ。
ジンジンジンジンジン、って音楽が耳から離れません。
ps
文太アニィの
「弾はまだ残っとるがよ」
というセリフがあります。
みんなの弾はまだ残っているか?と
俺はこのブログを読む男達に問いたい。
ちなみに俺のは残ってません。
カラカラです。
「あとは頼んだぜよ」
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September 09, 2005
傷ついた若者達が沖縄で農業支援のアルバイト・・・
沖縄+農業、これがいかにキツイことなのか解っているのでしょうか?
「農業」を、自然を相手のストレス・フリーな仕事と思っている人々がまれにいるのを知って、驚くとこがあります。
私の農業体験は自宅の庭の家庭菜園だけですが(←「業」じゃないか)見るのとやるのは大違い。
休日ヒッキーな生活を改善しようと「ヘッセの庭仕事の愉しみ」なんて本にも刺激され、
さらに嫁がもともとこの手が好きなのでやってみた訳です。
実際に真似事だけでもやってみたら、大変なんてもんじゃないですね。
農業は極めて高度なノウハウと、体力と天候の運に左右される困難な仕事なのをしりました。
それがこの映画では、若者がいきなり「暑いから」と半袖できび畑に入って行く。
呆れてモノも云えないです。
それですぐ、お昼ご飯になるんです。
ならないって。
あの炎天下で、背の高いきびの畑で刈りをやらされたら昼飯までモタナイって。
まぁ映画ですから、と半ば諦めて見ていると、じょじょに良くなります。
農家の夫婦役の2人が自然で良いんです。
それから若者達の演技もだんだんに個性が出てきて光りだします。
エピソードの中には、ニヤリとさせつつ、それを言っちゃあお終いよ、というツッコミもあり、
夕暮れの浜辺で「ビリでも楽しかった」なんてセリフを聞かされる辺りでは、すっかり夢中で観てました。
穏やかに黙々と働くお父さん、そう働くっていうのは黙々としたものです。
それがヘナヘナの若者達を変えていく。
服装がすっかり変わっていくのもリアルでした。
後半のキャッチボールのシーンは、音楽も良かったです。
互いの確執や悩みを乗り越えて、最後は定番の感動路線になるのですが、ここにくるまでが良いので充分映画に入って行けました。
刈りの終わった畑で、みんながかけっこをします。
青い空と白い雲の下、バックはテーマソングをつまびくピアノだけ。
ゆっくりとスローモーションになってひとりひとりが走っていく。
不恰好でも、遅くても、ビリでもイイのさ。
そう、人生で大切なことは、勇気を持って進むこと。
生きる力を取り戻した若者達を現す美しいシーンでした。
ロケで撮られた農家の様子もそのままでしたね。
今や沖縄は日本の癒しの楽園ですから、スタッフにも「沖縄のプロ」がいるのでしょう。
静かなラストシーンには余韻があり、次の若者達を迎える終わり方も良いですね。
寛容なオジイとオバアが印象的で、本当の意味での「人の大きさ」に感じ入りました。
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August 26, 2005
フェミニンでリリカルな綺麗な綺麗な映画でした。
私は男性嗜好が強く、岩井俊二監督の映画はどれも好きではなかったのですが、この映画は叙情的なだけでなく計算しつくされた笑いもありすっかり気に入りました。
話は終始突飛な展開をして、ユーモラスなのですが、映画の中を飛ぶ羽根はしっかりと羽ばたき観客を幻影の中で遊ばせます。
蒼井優さんはバレエの力でしょう。何気ない動きも優雅で表情が魅惑的です。
雨の中で合羽を着て踊るシーンから、お目当ての男の子が現れて後ろにステップするところ、
「じょ、う、だ、ん、で、す、よ」のおかしな動き、など繰り返し見たくなるほど。
彼との別れのシーンも絶品でした。
お父さんとのシーンも良かったですね。台詞がイイんです。
1)アリス「こんど何時会えるの」
父「メールするよ」
アリス「メール覚えたの・・・卑らしい」リズムが良いです。
2)携帯を拾って
父「なんーか、良い事したな」
アリス「フフッ」この演技なのかハプニングなのが解らないちょっとして笑いの効果。
お父さんのキャラクターが、娘を愛しても物欲しげではないのが良いんですね。
トランプのエピソードの有り得ない設定も、ここまで上手いと泣けます。
花ちゃんも良かったです。
ぶっちゃけでガタイが良くて、土砂降りの雨の中をGパン、トレーナー姿で彼の為の薬で満杯の袋を下げて歩くとこや、「横になってて下さい。もういつまででも」なんてセリフ。
浜辺でアリスに「まーくんは私のモノ。花は別れて」と言われて、ドタドタと男の子の処へ駆け寄ってヒッシと腕にすがるところは素晴らしい。
それからプライドばりの喧嘩!と思うと、一瞬で帰りのバスのシーンに飛び、彼にもたれて口を開けて居眠りする2人。
浜辺でがに股で歩くこと。本人は一生懸命なんだけど、モテナイよねぇ(笑
鈴木杏さん、無理矢理なキャクラターを良く演じていると思いました。
浜辺の縄跳びのボケは笑ったなぁ。
バレエの練習シーンで撮影される白く発光した衣装と、はしゃぐ少女達はエドガー・ドガの「踊り子」シリーズに匹敵する美しさでした。岩井監督の趣味でしょうが見事な出来映えです。
バイオリンとピアノと管楽器のクラシカルな音楽も良いです。
どことなく旧い名門ホテルのような味わいでした。
2時間の夢のような、それでいて笑えて少し涙もある映画。
亀みたいな髪型の「ケンカしちゃダメだよ」っていう子も可愛いなぁ。
憲法9条の改正条文は、「ケンカしちゃダメだよ」にしようか(笑
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August 01, 2005
今日は日曜ですが私は仕事が忙しく心がささくれ立っています。
だからこういう素敵な映画を見ても酷いことを書いてしまいます。
だからこの映画を気に入っている人はここから先は読まないで下さい。
題名が「天国の本屋」
「本屋の天国」ではない。本が売れて売れて儲かって、しょうがない話ではありません。
「地獄の本屋」でもないのでホラーでもない。
「地獄の本屋」なんて映画があったら、本屋に入り浸るホラー映画好きの私は結構見たい。
巨大書店でホッケーマスクの殺人鬼が追いかけてくる話なんて良いですね。
本好きの人だけが助かるの。俺は本屋だったらそうはやすやすとはやられないぜ、なんて威張っていると本棚越しにグサっと殺られたりしてね。
「本屋の地獄」とは、きっと万引きだらけのところだろうね。今、現実に悩んでいる本屋さんもいそうです。
天国にはお金がないそうです。
でも世の中にはお金を稼ぐことだけが得意で、他はゼンゼンダメなんて人もいるはずだ。
そういう人にはお金のある世界の方がプライドが保てた、なんてね。
天国のクルマはのんびりした3輪車。それをゆっくり走らせるのが天国流。
考えると巨大なSクラスのベンツや妖艶なフェラーリなんて確かにこの天国には似合わないな。
ああいう虚栄と刺激的な快楽に満ちたエゴの固まりのようなクルマに乗ることは、天国の門をくぐり難くすることなのかもね。
しかし天国ではみんな平和そうで、本なんか朗読してもらってどうも覇気がないですね。
地獄の軍団に攻め込まれたらあっという間にやられてしまいそう。
格闘技!なんてのも禁止だろうなぁ。
唐突だけどラーメンとかも「天国ラーメン」より「地獄ラーメン」の方が、激辛で夏なんて良さげでしょう。
弾かれる曲も甘いメロディばっかり、「21世紀の精神異常者」なんて曲は演奏禁止だろうか?
エロテックな場面もない。しかし毒もエロスもない芸術だけで人は満足できるのだろうか?
天国でならそんな感情はいらないのかもね。
そういう気持ちを脱色してしまった人が集うのが天国。
ここに描かれる天国は、一歩間違うと大人しく洗脳された人々と壁1枚の世界だ。
おそらく天国というものが本当にあるとすれば、それは
「人の理性の頚木を逃れた剥き出しの歓びの光が矢のように飛んで来て突き刺さり、くたびれた私の魂がその歓びを浴びて内側から発光するようだった。それは破壊的で可聴域を越えた無音のオーケストラのような、底知れず凄く、素晴らしく、いとしいものだった」
@無音のオーケストラのような:早坂類(歌人)
ラスト、ユーミンの歌が駄目押しをしている気がする。
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July 31, 2005
男の水着姿と水泳! 俺の嫌いな二つのモノをテーマにしたこの映画が大ヒットを取って、うんざりしていたのはもう4年も前の夏だったのだ。
その間、このドラマはTV化もされそれもヒットし今また続編が作られる。
そして今日、始めてこの映画を見た。
なんで今ごろ見たのかというと、月末は忙しので気軽に見られるこういう映画がやっていると見てしまうのです。
その偶然がなければ、男の子の水着姿とシンクロ水泳のこの映画は未だに見ていなかったでしょう。
見てみるとなかなか面白い映画でした。(ファンだった人にはいまさらなんだ! でしょうが)
序盤は駄目な男の子達のトホホな日常が描かれるありがちな展開でした。
なんとなく良いのが蛭子能収演じるコロッケ屋さん。1カットに味を出してます。
それから平山綾との出会いがあり、観客はそこから男の子達のガンバリを期待し、
竹中直人と柄本明の相変わらずエネルギーに満ちた怪演を楽しみます。
映画が俄然美しさを表わし始めるのは、夏の夕暮れの丘の上の公園で妻夫木聡と平山綾が逢うくだりから。
妻夫木聡がライトの灯った自転車を立ちこぎして曲がりくねった坂を登っていくと、街灯の下に平山綾が佇んでいる。
街の光を見下ろす公園での若い2人の邂逅は、青春の夏はこうありたいという、永遠なる美しき願望の映像化です。
そして紆余曲折の末、女子校で行われることになるシンクロナイズドスイミングの祝祭性が素晴らしい。
沢山の女の子の声援に囲まれて踊り泳ぐのは、まさに男子の本懐!
懐かしのアメリカンPOPとJ・POPに乗って繰り広げられるシンクロスイミングのはじけるような動きは若さと生の素直な喜びで、大勢が一緒に飛び込み輪になって泳ぐ姿はとても楽しげでカッコ良かったです。
私は妹が水泳部で、シンクロナイズドスイミングがいかに高度な技術と体力が必要か知らされており、
それをろくに泳げない人までいる水泳部が実現するというあたりに、映画とは言えシラケタ思いがあったのですが、なるほどこの程度の泳ぎで良さを出すなら納得です。
夏の太陽の下で輝く水が撥ね、青いプールの底が光って、このシーンだけでももう1度見たいくらい良かったです。大ヒットした理由が分かりました。
俺ももう1度水泳ならおうかな。
泳ぐのはとても楽しいよ、と誘うような夏の水遊びの素晴らしさを感じさせる映画でした。
偏見に囚われてばかりだと、楽しい作品を見逃すかもしれないので今後は気をつけます。
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June 20, 2005
獄本野ばらの傑作を原作にしたこの映画は、とくに主人公、桃子の人物造詣が素晴らしく、
映画化にあたってもあの深田恭子のハマリっぷりは期待していました。
心配だったのは、土屋アンナのイチゴの方でしたが、いやー、神の降りた演技でしたね。
あの吠えてるところから、 「カッケー、これ、マジっかよ」
と、ブワッと鳴る効果音と共に一瞬で興味の対象を移すところなどは、リアリティの権化。
もう絶対に人が演技をして出来る範囲を超えています。
土屋アンナは、手足が長く動きにキレがあり、プロフィールを見て得意なことが、
「バスケ」と「木登り」と「犬の泣き真似」と知り、その上この映画のヒットにもかかわらずお見かけしない、と思ったらこの映画の撮影後、妊娠して結婚とか。これは地だろう、演技じゃないだろう、というのは野暮というもの、
やはりこれは神の御業の巡り合わせというモノでしょう。
こうなると映画が面白くない訳がなく、笑って笑って涙が出ました。
途中出てくる男性のリーゼント、素敵です。やはりあの位の長さは最低いるでしょう。
美は実用を犠牲にして成立するのです。
最近、若い人が友達友達と言い過ぎるのに少し違和感がある私ですが、
桃子を見て思ったことは、人間、何かに惚れ抜くと(桃子の場合のロリータ、ロココ趣味)
自分が確立され強くなり友達に過剰に寄りかからない人に成れるのですね。
音楽も良くウィンナー・ワルツからJ・ポップまで見事な効果を上げていました。
終盤、爆走する原付をローアングルから取ってスピード感を演出するのは、もうかれこれ四半世紀前、オーストラリアに忽然と現れた天才監督ジョージ・ミラーが日本製大型高性能バイクを荒涼たるハイウェイで疾走させて大ヒットした「マッド・マックス」シリーズへのオマージュです。
この映画で改造車にのったメル・ギブソンがスターになったのです。
思い出すなぁ、「マッド・マックス」。
何回見たでしょうか。
ちなみに今も飛ばすの好きです。今日も吸排気系バリバリのクルマで走ってきました。
実は昨日も走ってました。最近は夕暮れが長く、風が暖かくオープンで飛ばすと気持ちがイイのです。
その上、途中に寄った本屋でクルマの雑誌を立ち読みし、シブイ新車情報をゲットしてしまい、また迷いがでて・・・
話を元に戻します。
原作でキャラが立っていた桃子(フカキョン)、映画での序中盤ではむしろイチゴ(アンナ)の勢いに押される状態ですが、ラスト山場で力を見せつけます。
深田恭子、恐そるべし。
エンド・ロールで流れる特効服まで似合うのだもの。
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May 24, 2005
根気良く作り続けられるWOWOWの2時間ドラマ。
コンテンツを買って放映するだけじゃ、旨みもないだろうと自作の作品を手がける戦略でしょうが、
初期の作品群は、「如何なものか?」、というモノが多かったように記憶しています。
無理をしないで止めればイイのにな、と思っていたけど最近は「狐者異」といい、
この作品といい充分楽しめるレベルになっています。
継続は力なり、ですね。
話しは、女探偵役の宮沢りえが、産業スパイを探り出す過程で知り合う崩壊した家族を救えるのか?というお話。
探偵役の宮沢りえが好演しています。
哀しげな光を宿す透明感のある瞳が良いですね。
はっきりとして形の良い眉も素敵だ。
少し痩せ過ぎなのは相変わらすなんですけど、
ベット・シーンで髪をかき上げる悩ましげな表情など清潔さと妖艶さが交じり合いエロティックで格別です。
もう少し元気になってバリバリ食べて、かつてのグラマーな肉体を取り戻して欲しいです。
なんだかこの人、素直な性格を感じるなぁ。改めて好きになりました。
もう一人の主役の父親役が相変わらす巧い柄本明。
エリートでも無理解なので妻(渡辺えり子)にも、息子にも嫌われ冷たくされるという散々な役回り。
今回も最後まで一人でガンバリます。
こういう父の無理解ゆえに家庭が崩壊する、というのは昨今流行の設定ですけど、
個人的な感想を言わせてもらえば、今回、このお父さん、あまりに可哀想だと思います。
お爺さんのことといい、息子さんの恋愛問題に関することといい、確かに多少の問題はあったと思いますよ。
でもね、お父さんの言い分にも一分の理はあるでしょう。
細かい話は、ご覧になっていない人が多いと思うので触れませんが、一生懸命働いて生活を支えたのです。
お父さんの気持ちも少しは分って上げてください。
このお父さんの学生時代からの努力を考えると、仕方のない面もあったのでは、と思います
私は100%、この柄本明演じる重彦さんの味方です。
ps
彼はカナリヤに逃げられたのが、カナリ(い)ヤだったんだろうね。
うん、この記事はこの1行のために書きました。はい。
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May 02, 2005
イケメンに生まれても、実家が大金持でも、妻が遥かに年下の天才歌手でも、PVで実績があっても映画は作れないという、凡人は同情していいのか、安心していいのかわからな映画でした。
CG画面は煌びやかで確かに凄いのですが、未来社会にレトロ趣味を入れるのはリドリー・スコット発の定番になったモノですし、プロペラ飛行体を始めロボットは宮崎アニメを思いださせてしまいますし、暗い背景はティム・バートン風と、全体に派手な造りのわりには独創性は乏しいと思いました。
それでも1枚の絵としてみれば、月を背景にした戦闘シーンなど樋口真嗣の絵コンテの力か良い構図や美しさを感じる場面もあるのですが、
何より編集から脚本が酷く、テンポが悪過ぎます。
私の場合、格調の高い芸術映画ではアタマの程度の反映なのか、傑作と云われる映画でも飽きてしまうことはままあるのですけど、娯楽作品として1番気軽に夢中になれるSFアクション映画で、観ているのが苦痛になるというのは得難い体験でした。
役者さんも何だか寺尾聡さんをはじめミスマッチな感じを受けました。
それとも何度も繰り返し言わされるセリフがあまりに一緒というか、主張されるメッセージが説教調というか説明的というか浮いていて、みんなイヤになっちゃったんでしょうか?
ともかく141分は長いです。せっかく撮ったシーンは全部使いたかった気持ちは分かるのですが、もっと娯楽作に徹して90分くらいに刈り込んだら印象も良くなったのでは、とも思います。
後、音楽の使い方がダサいです。ピアノソナタの「月光」が何度も流れるのですが、
ああいう名曲ほど実は使い方が難しく今回はちょっと野暮ったく感じてしましました。
なんだかサザンの桑田さんが撮った映画を思いだしました。
1シーン1シーンには良い絵柄があるのですが、1本の作品としてみるとダメ。
でも桑田さんの専門の音楽は良かった。
この作品もCG技術自体は凄いと思うのですが、映画館にSFアクション映画を観に行ったつもりの観客が、思いもかけない崇高なメッセージを何度も訴えられては観る方も大変だったろうな、と思います。
俺はこの記事書きながらで良かったです。
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April 30, 2005
竹内力主演、監督宮坂武志で題名がご覧の通り。
それでもGW10連休どころか、月末月初は祭日でも自宅で書類と格闘する私は観てしまうのだ。
ところがこれが拾いモノ。
脚本の龍一朗 東龍志(2人とも名前に龍の字が・・この世界、脚本の人も気合いが入っているですね)
が洒落た工夫をしていて、それが出演者全員の快演を生んでいる。
とーきーを、駆けるヤクーザ(←原田知世の「時を駆ける少女」の歌で歌ってね)ものなの。
僕たち、また会えたね、っていうセピア色の回想シーンが素敵。
食べ物に関するエピソードが縦糸として使われているのも良くて、
音楽も良くて、撮影も良くて、脇をかためるキャラクターも良い。特に駄洒落の組長! 勉強になったぜ。
唯一類型的で魅力に欠けるのが敵役の本田博太郎ってのが皮肉だけど、
ここで敵役まで良かったらカルトな傑作になっていたかも。
竹内力って馬鹿にするのは簡単だけど、やっぱり凄いでしょ。
顔から演技まで濃過ぎるけどさ。Vシネマ1本、あの力んだ顔で支えてるんだから大した物です。
港雄一も長年の経験を生かしきった味のある力演。
ソープ嬢役の長谷綾子との純情がとても良いです。そっ歯なんだけどね。愛に飢えてる寂しい天使みたいだ。
老境であんな胸をした若い娘と恋愛するのは、男の夢だね。
2人の別れのシーンがまた良い。まるで原作がフランソワーズ・サガンみたい。
愛と孤独がテーマなんです・・本当だって、嘘だと思っているでしょう。
嘘だと思うなら観て下さい。
でも人によって感性は違うから文句は言わないでね。
ps 印象に残ったセリフ
「あんた子供の頃、退屈だったことがあったか? 俺はショボクレてる奴が嫌いなんだよ」
「ぼうず、約束だ。カッコイイ男になれよ」
「俺、カッコ良かったかい?」
感動したぜ、鉄さん!
やっぱ男はショボくれてないと駄目だ! と強く訴えてこの映画は終わります。
・・・違うよな。
ショボくれていては駄目だと訴えているんです。
すみません、鉄さん。
でも現実は厳しいんです。
でも俺、明日から頑張ります。多分。
みんなも頑張ろうよ!
いいなぁ10連休。海外だって行けるだろうし。
なんで俺だけこんなに働かなければならないのだろう。
教えてくれ。
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April 24, 2005
これは今の日本の才能が結集して仕上げたジャパニーズ・クール・ムヴィーの傑作ではないでしょうか。
話自体はお決まり展開で、悪の組織と超能力を持ったヒロインが戦う話ですが、単にやっつけて終わりではなく、ラストもしんみりとした味わいを残す和風の仕上がり、さらに後日談のシメも陽気で逞しく楽しいです。
もともと原作の永井豪の天才が下地になっているわけですが、
それを生かしきった庵野秀明監督の手腕は素晴らしいですね。
摩砂雪さんの絵コンテのセンス、全体の美術を担当したと思われるビューティ・デレクターの柘植伊佐夫、スタイリングの島津由行の仕事など、こういう一見安直な娯楽作品ほど、細部の感性が問われて全体の出来を左右するのですが、それを多彩な分野で活躍している日本の豊かな才能がやり遂げた訳で、なんか安心します。
神は細部に宿る、なんて話は何もミケランジェロの彫刻にばかり当てはまるモノではないのです。
そして魅力爆発の源泉はやっぱり主演の佐藤江梨子の力。
サトエリの演技というより素のまんまのキャラだと思うのですが、
ともかく豊かな時代が育てた女の子で、屈託がなく明るく楽しくお人よしで
「すみませ~ん」なんて言いながら、遠慮しいしい戦うところがいかにも日本のヒロインでピッタリでした。
もちろんウリのバストの威力は絶大で、キワドイ衣装になると俺みたいな男はバカだからもう視線が釘付け。
相手役の市川実日子も今までは潜在的な魅惑を感じつつも、
これまでの映画の印象がどうも陰気な感じでイマイチだったのですが、
今回は凝った日本酒マニアで、空の一升瓶と枯れた鉢植えが並ぶ部屋に住むキャリア刑事の役所がバカバカしくもセンスよくピッタリで楽しいです。
こういう何気ない背景が勝負どこだったりするんです。
歌の倖田來未も元気一杯でイイです。気に入ちゃったよ。CD買おうかな。
最近、日本人、聞いてないし・・なにもアッシャーとツッペリンばっかり聞いていることないものね。
でもオープンで乗っている時は音が外に漏れるので、交差点に止まった時が恥ずかしいんだよな。
そこが難点だな。40男のクルマから流れてくるのが、ハニーーーフラッシュ!じゃなぁ・・
ps
ひとつ文句を言いたいのは、スタッフ、キャストのみなさんの名前の変換が難しい。
庵野、倖田來未、伊佐夫・・・どうでもいいけどさ。
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April 12, 2005
役所広司と柄本明が泥棒と刑事に紛するやっつけ映画だと思ったら、子役が天才、菅野莉央ちゃん。
まぁ、泥棒と刑事の話はどうでもいい。結構面白いけどね。
しかしこの映画では、もっと重要な教訓を男達は受け取るべきだ。
それは、娘を信用するな!ってこと。
役所が寡男なんだよ。そこで娘の保育さんの夏川結衣とデキル。
イイヨな。もう色っぽい夏川の方から寄ってきまくり。はい、どうぞ、って感じ。
モテルんだよ。役所だから。
まーーーったく。
まぁ自慢じゃないが、俺が寡男ったら絶対ない展開だね。
でもそれは良しとしよう。
別に俺が良しとしなくても映画は映画だし。少し冷静になろう。
それを娘が邪魔するんだよ。
けな気なふりしやがって、菅野莉央だからまた巧いんだ。ピンクのパジャマ姿で、掃除機なんかブーブーかけちゃう。ホロっと来るよ。でも俺は画面に向かって叫んだね。
「騙されんじゃない、役所!、娘を信用するな」って!
ここで叫ぶのは男同士の仁義だよ。
案の定、娘は自分がデカクなると外国に行くんだよ。
「私を束縛するの」なんて言いやがんの。
バーーーカ、最初に束縛したのは自分だろうが!恩知らず!
あの時、夏川と結婚してれば、役所はどれほど人生を謳歌出来たと思っているんだ。
パパの人生を返せ!
まっーーーたく、娘はダメだね。
俺の下の娘も小6なんだけど、もう尻も触らせないの。中2の長女は論外。
いいだろうが、撫ぜるくらい。その太股をちょっとで良いから撫ぜさせろよ。
お父さんは別に卑らしい気持ちで触りたい訳ではないんだよ。
自分の娘が育ったという現実へのオマージュというか、形而上学的に受け入れる為にもその実存を触覚という身体的感覚から確認しメタファーとして昇華したいというだけなのにーーー。
嫁もすっかり娘にかまけ切り。
受験だから、勉強の世話ばっかしてやがんの。俺のブログだってちっとも読まないんだ。
もう良いよ。俺は一人で生きていくから。
この映画でも感動したのは、人は生きて行く為に「翼」がいるという表現。
俺にも幸い翼はある。ヨロヨロだけど、なんとか飛んでるぜ。
そうさ。
どうせ家族があっても男は1人!
こんな翼でも跳んでやらぁーーー!!!
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March 28, 2005
結局、週末をおいて2本とも観てしまいました。
ほめ言葉になっているのかどうか自分でもわかりませんが、安心して観ていられるホラー映画ですね。
こういう映画も時には良いものです。
映画がみんな「ロード・オブ・サ・リング」とか「ゴット・ファーザー」みたいに
圧倒的な力に満ちたものばかりでも疲れるでしょ。
造りが安直で、「リング」や「呪怨」や「仄暗い水の・・」などのパクリ映像満載で、
かつ監督に才気が乏しいのか怖くない。
でも観ていてイヤになるような生理的な嫌悪感を煽るグロテスクな映像もない。
ストーリーもまぁ、こんなものだろう、というありきたりの展開です。
ところがそれでも楽しめたのは、出てくる女優の選出がイイのですよ。
北川あさみ、掘北真希、原史奈、全員知らない人でしたし、
特に演技力があるとか、存在感が凄いとかということはないのだけれど、みんな綺麗で可愛いんです。
他の要素が安心できる分だけ、この女性は綺麗だなぁ、と疲れた心身を緩ませて見ていられる。
そういう点ではこの監督、ある意味稀有な才能かもしれません。
男という動物は単純で、まぁ女性もそうだと思うのだけど、
観ていて心地良い女性が出ているとボーっと観てしまうのですよね。
アダプテーションという映画に
「驚くのは男どもという動物は、いくらでもオンナの裸の写真に金をつぎ込むことだ」
今回、女優陣に裸のシーンなどはないのですけれど、そんなセリフを思い出しながら、おき楽に観ていました。
唯一残念だったのは、2の方の放送日でしたね。
こういう映画は休日の前夜に、のんびりと見たいものです。
そういう意味では1をやった3月20日は翌日が休みで良かったな。
まぁ小さなことですけど、小さなことが大きく響く程度の映画ではあります。
ビールとポテトチップでも用意して、週末の夜にぼんやりと見るにはいい映画。
でもレンタルで借りてくると、返しに行くのが面倒な気もする映画かなぁ・・・
短いので1を2をまとめて借りてくれば量でカバーできるかも。
ストーリーも続き物なので、ちょうど良いですね。
3が出来たらまた見ます。
こういう映画は、私も好きなんだな、とかえって自覚させられますね。
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March 13, 2005
壊れかけた女性が、深夜のコンビニでトラック・ドライバーにビビットくる。
匂いに惹かれるとこが、今だよね。俺もシャンプー変えようかな、なんてちょっと思う(笑。
そして始まる2人の旅の物語。
主演の2人に存在感があって、トラックからの視点で撮られる日本の幹線道路の風景が非常にリアル。
それでいて結構みせるのはカメラに力があるからだ。
私は良くクルマで走るので、なんだかみんなどこかで見たような景色なの。
そうそうこんな感じだよね。
夜の国道、町から町へと繋がる道で次への町が見える処。
日本ってどこでも同じなんだね、という繰り返される奇妙な夢のような閉塞感。
美しい国じゃないけれど、それほど酷い訳じゃなし、この程度の檻ならいても良いかなと、
思わせてしまうところが今の日本なんだよね。
そしてこの映画は一見以前と同じように見える日本が、その内部ではドラスティックに変化したことを感じさせます。
年功序列、終身雇用、低失業率、皆結婚社会・・・
所謂安定した普通の人のレールに乗った生活が、みんな否定されたり消え去ったりして、今残っているのは何?
Winner Take All. の市場主義。
そうでないと国際競争に勝ち抜けないからだって偉い人も言ってるし。
自分を磨き力をつけて競争社会を勝ち抜くのって理屈にあってる。
犯罪からみで壊れた男性がよく取り上げられるけれど、女性も壊れている人が結構増えていると思う。
そりゃ壊れるよな。厳しいもの。
普通の生活への鉄路が消え去ったから、これからは全部自分の力で歩いていくの。
これって結構シンドイよ。歩き通せない人が増えるんじゃないかと思うと気がかりです。
優しいトラック運転手にも過去があって、これからも決して希望に満ちているわけではなくて、とりあえず今日を凌いでいる。で、優しく出来る範囲で彼女を助けた。
フェラチオと引き換えに。彼女が持っていたのはそれだけだったから。この見方は意地悪過ぎる?
女性はラストで救われたのだと思うけど、
ロードムヴィーとしてちょっとないほど暗さと寂寥を印象つけられる。
これで終わり?
そう、これで終わりなんだよね。
彼女には何が残っているのだろう。気持ちの危機はいったんは逃れた。
でも希望はどこにあるの? 明るい明日なんてジョークなんだね。
今の日本では、映画という虚構の中でさえ、シンデレラの夢は、死んでれら。
ラストの風景は説得力があるけれど、やっぱりどこかおかしな気持ちになりますね。
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March 06, 2005
冒頭からの演出がスゴク野暮ったくて、新藤監督もお年だからなぁ、と諦め気味。
それを徐々に盛り返していくのが、大竹しのぶ。
女という性が時に発揮する(男からみると)理不尽なほどに強靭で、
強かな生命力を演じされると、この人に敵う女優はいない。
特にこれは1セット(あばら屋の一部屋だけで進行する)映画なので、
出演者の演技力が全て。逆にいうと力のある役者なら存分に力を見せられる構成なわけだ。
そんな大竹の怪演に引っ張られるように映画は生命力を増してくる。
最初は意味不明だったフクロウ(とても可愛らしいです。でも肉食夜行性で怖い鳥なんですってね)の挿入映像も、なるほどね、と分かってくる頃にはすっかり新藤、大竹のペースです。
甘言と酒、セックスの前で脆くも餌食になっていく男達。
他人事には思えないよね。まぁ、あの状況なら俺も引っかかる。
終わった後は咽も渇いているだろうし、「特別サービス」という響きもいいね。
ここでも大竹がまた魔性を発揮するのだけど、
プライベートでの実績が脳裏にあるから説得力は抜群。
人生の遍歴が芸の肥やしと勲章になっている。
最近、俳優でこういう人っていたっけか?
幾多の有名女性と浮き名を流し、ある意味踏み台にして子供を作っている俳優ってさ。
思い当たらないんだけど・・
今は本当に女性の時代なんですねぇ。
無責任な国策へ怒りをぶつける主張なんかは、ありきたりなんだけど、大竹がやると「参りました」、といいたくなる。
娘役の伊東歩も可愛らしい。
この人も最初はなんだコレって、感じなんだけど、大竹マジックが波及してくるのでしょか?
もちろん実力も魅力もあるのでしょうね。中盤過ぎから俄然光りだします。
最近は妙に引き篭もっていたり、生きる力を失っていることを訴える作品が多い中で、
道徳もへったくれもあるか!
何がなんでも生き抜くのじゃ!
と叫ぶこの映画は、気持ちが良かったです。
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February 21, 2005
平凡なお気楽大学生が、足萎え(こんな表現が似合うんです)の少女(池脇千鶴)と出会い、恋をして・・・
人の優しさとその限界と、強さと弱さと寂しさと、人を愛しく思う気持ちが、良く出ていて心に染みる映画です。
ジョゼは近づく人間に包丁を振り回す。トカレフを欲しがる、でも老婆と二人、足が不自由で貧しくて周りから変人扱いされていて、弱いものイジメが好きな下賎なヤツはいつもいて、それでも誇りを守るとしたら、他にどうする。
ジョゼはやたらに威張ってわがままだけど、いつか、そう遠くない日に愛する男に捨てられるのがわかっていたら、
そしてそうならないとかえって二人は現実の重さにつぶされて大好きな人を不幸にするから、
それがわかっているから、その辛い思い出を乗り越えるには、
別れを自分のわがままのせいにしたいよね。
池脇千鶴は一種、巫女的な憑きものついたような演技をします。
始めての、もしかしたら最後のドライブかもしれないクルマの中で、トンネルの光への驚きかた。
モーテルの一夜ではライトの演出を巧みに生かし、初めての料理でのオチの付けたかまで、みんな巧かった。
そしてラスト。ああなるのが若者だよね。
映画はしょせん作り物で、どんな綺麗事で終わってもいいし、逆に悪夢のように終えてもいいし、
ほろ苦い現実を突きつけてもいい。
大切なのは狙った効果を出せているかどうかなんだけど、この映画の余韻はなかなか良かった。
最後のほうの映像も蛇足になっていなかった。ああいうシーンがなければ辛すぎるから。
現実はしばしばある人々には残酷な試練をかするけど、それはじつは、それだけのことであり、そういうものなのだ。理屈ではなく、道徳もなく、実は現実とはそこにただ気まぐれに屹立し、たまたまぶち当たった我々は、それをしばしば運命などと呼び、出来ることと言えば、右往左往するだけなのだ。
千鶴が最後に渡したアレ。
アレを渡すということは、救くわれたメタファーなのだと思いました。
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January 11, 2005
子供の頃に、ゴジラだのウルトラQに夢中になっていると、40過ぎても未見の怪獣映画は一応録画してしまう。
大人ってさ、どうでもイイメールの整理とか、資料整理の時間ってあるでしょ。
そういう時に映画中毒者は、何か脇でやっていて欲しい訳です。
こういう言い訳をしつつ怪獣同士のファイト場面になると、資料整理中断して見入るんだけどね。(バカなんです)
というわけでみました、「ガメラ 大怪獣空中決戦!」(←!は付けなくともいいんだけどさ。ガメラにサービス)
だってライバル、ゴジラは今やハリウッドのウォーク・オブ・フェイムにまで足型を残す世界のスター。
地味だぜガメラ、やっぱ亀ってのがまずかった?
亀は万年、おめでたい動物です、っていっても世界には通用しないのか?
ゴジラは、いかにも恐竜→怪獣という路線でカタチから王道を行ってるからな。
キャラからしてもいい人過ぎるのな。
ゴジラって危険な雰囲気があるでしょ。キャラクターに複雑性が加味されてそこが魅力。
対してガメラは、今回も健気に人類の為に頑張ります。
対するギャオス
イイキャラしてます。
名前が生きてるよね。それだけ印象に残ったから、ヤクルトの投手にまであだ名が付いた。
目つきからアタマの形から、相手を切り裂く光線まで残忍さが出ていて悪役としてキャラが立っている。
今回は折れた東京タワーに巣を造ったりする。
その光景が夕陽に映えて美しかったりして、もうクロード・ロランあたりに描いてもらいたい絵柄になっている。
流石だぜギャオス。
今度はゴジラと戦え。
異種格闘技戦だ。つーか団体を超えた戦いを望む。
ミルコ・クロコップもK-1からプライドいったしさ。
そんな感じで頼むよ。
ラストは「荒野の用心棒」バリのタイマン勝負。
ジョー(クリント・イーストウッド)とラモン(ボロンテ)みたいな火炎と超音波攻撃の一騎打ち。
勝って静かにさって行くガメラ。
バックにエンニオ・モリコーネの音楽を被せてやりたかったです。
終わり。
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January 10, 2005
奥信濃の自然と,加古隆の音楽が融合し感動的な映像美を生み出した傑作。
四季は癒しと再生、死と誕生のメタファーとなり、
淡々と語られる静かな優しさに満ちた寺尾聡と樋口可南子の夫婦愛に涙する。
北林谷栄についてはもう語りたくなかったのだが、
阿弥陀堂からすすきの穂をさして月を見あげるシーンなど、一瞬のカットでの存在感は、1カットで巨万のギャラを得ていた、それでも多くの監督達が競って使いたがった往年のマーロン・ブランド以上だよ。(笑)
渓流にきらめく輝き、水田に降り注ぐ雨の美しさ、日本独特の湿気に濡れる緑の木々、
山々を吹き抜ける風と虫の声、小川のせせらぎの響き。
降り積もる雪の中で、迎え火の煙る夏の墓所での家の明かりと線香の炎の光り。
控えめで優しい人々。日本の美しさの全てを封じ込めた小泉監督の手腕には驚嘆せざる得ない。
床の間に飾られるたった一輪の花のカットは、
バルトの夢想した究極のエクリチュールかもしれない。(次の回の寝ながら構造主義2で書きます)
しかし良く撮ったなぁ。
ヴェネチアで緑の獅子賞だったようだが、世界中の人に見てもらいたい。
ラスト、何が起こるか見切ってしまう映画にスレた自分が、ただの音楽と自然美に何度も泣かされた。
これがいわゆる魔法の宿った映画というモノなのだ。
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December 10, 2004
「経験のない記憶」に泣いた映画。
マジカルな映像の奇跡に満ち、素晴らしい音楽と共に大ヒットを記録した傑作。
少し個人的な思いを書いてみます。
私はこの映画で泣きました。
20年も前の、「経験のない」記憶が蘇ったのです。
社会人になった頃の記憶です。
私は所謂、読書馬鹿で、まぁ働くことより本でも読んで屁理屈を語りたい人間だったのですね。
しかし大学も出る頃になって、やっぱこれはマズイなと、遅まきながら気が付くわけです。
社会は厳しい・・・でも負けたら生きていけない・・・
何をやってもダメ人間、上手くいかなくて当たり前だったのですが、何故か、仕事には根拠のない自信はありました。
でもそれは覚悟の裏返しだったのかもしれません。
仕事の上では、満座で怒鳴られても、叱責されても、打たれ強いのが幸いしました。
それまで恥の多い人生を送ってきたのが幸いしたんですかね。
人一倍、積極的にやり、勉強もしました。
最初はダメでしたが、しだいに認められ、なんとか今があるわけです。
今だってたいしたモノではありません。でもなんとか生きてはいけてるようです。
それで当時、泣いた記憶はありません。
でも心は精一杯、張っていたんでしょうね。
それがこの映画で蘇ってしまった。
自分でも驚きました。
忘れていたんですよ。
だって泣いた事がないのですから、憶えている訳もない。
実体験はないのに、内的体験はあった訳です。
こういう思いをしたのは、この映画だけですね。
極めて特殊な映画体験になりました。
PS:1
それにしても、とてつもない馬鹿両親ですよね。
親父はひたすら低脳だし、母親のあの冷たい態度はなんなんでしょうか?
千尋だけは、最初からトンネルに入るのを(無茶をするのを)警戒したのに、
自分達は愚行を重ね、報いとして豚になり、
娘は新たな環境で周囲に怯え、やり手婆に怒鳴られ、名前を奪われ(源氏名のことね)、
蛙のような親父にこき使われ、同僚はみんな女性、気味の悪い客が一杯いて(でも神様=客という図式)、
湯屋で働き、汚い客をお湯で世話すると、とてつもない金を産む。ストーカーが暴れだす。
愛を見つけ、婆の息子の心を捉えて自由を得る・・・
この映画を少女が身売りされる話とする見方もありますが、説得力を感じてしまう。
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December 06, 2004
だいたいね、映画なんてもんは、みんな突っ込み処があるもんです。
2時間平均で話を一つまとめるんだしさ、みんな結局夢を見に来るんだから、
「それを言っちゃあ、おしまいよ」
て暗黙の了解はあるもんだ。
なんでロボットを未来から送れるのに裸なの?
とかさ、
B・ウィリスやメル・ギブソンにはなんで弾が当たらないの?
とかね。
どこからどう見ても破綻がない、なんてのは映画としては生命力が無かったりしてね。
そんなもんです。
作り話しに、如何に命を吹き込んだか?
その腕に、お客はお金を払います。
これは干からびたソーセージみたいな出来の映画。
映画とか本って、あくまで好みなので、好きならそれで他人に文句を言われる筋合いはないって思うから、
あまり悪口は書きたくないんだけど、
これ1作目は及第点だったと思うので、
間違ってこれを借りる人に警告する意味で書いてしまおう。
クランクイン直後に亡くなった、深作矜二は、本当にこの脚本で創る気だったんだろうか?
天才、深作矜二なら撮れたのかな?
名前を宣伝に使っただけなら、名監督への冒涜だね。
結論
藤原竜也、前田亜季、前田愛ファン以外なら止めた方がいいと思うよ。
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October 16, 2004
勝新の「座頭市」は、日本時代劇チャンバラ映画の至宝である。
同時に座頭市の強さは、宮本武蔵に匹敵する、日本、或いは世界最高峰の剣豪である。
(この強さについての評価は、座頭市については、主に映画「座頭市」シリーズを参考にした。宮本武蔵については、原典とも言える小説、吉川作品を始め、映画化された多くの作品を元に判断されている)
そんな聖域とも云える作品を、世界の北野とは言え、安易にリメイクして良いモノであろうか?
しかも巷間伝え聞くに、市は金髪、北野の趣味のタップダンスまで踊るシーンも有るという。
期待は全くなく、ただあの座頭市のイメージが壊されることだけを心配して観たのだが、面白かった。
北野座頭市の仕込み刀が、斬鉄剣のように何でも切れてしまう処が、素敵である。
スピードが有り過ぎるとこも、カンが良すぎるとこもカッコ良いのである。
確かに馬鹿馬鹿しい絵柄なのだが、こういう映像を創っておいて、客が納得すれば監督の勝ちなのである。
それが勝負所だから、娯楽映画なのである。
いつもの北野ギャグも、間合いにボケルとこも決まっているのである。
さらに殺陣での凄まじい効果音。定番の音すら常に疑う、細部へのセンスが光るんだよね。
最も案じてした、タップシーンも使い処が良く、違和感よりも効果を感じた。
ラスト間際で気を持たせ、ダンスと同時にうっちゃる落ちも決まって、まずは続編を期待してしまう出来であった。
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October 15, 2004
76年、長谷川和彦30才の作品。
水谷豊の腹筋の割れた腹、精悍で飢えに光る眼つき。投げやりなモノ言い。破戒衝動の権化のようで、ロバートデニーロかアルパチーノ並の存在感には、後のTVドラマしか知らないファンは驚くだろうな。
原田美枝子は、表情といいセリフ回しといいコケットリーの極みだ。
豊満な体は、エロスそのもので、男を狂わせることを観客に納得させる。
成田がこの頃大きく変わり始め、一種のバブルがあったことを考えると、先見性すら感じさせる。
画面全体に漲るエネルギー、血塗れの中に転がるキャベツ、吹き付ける雨中に女物の傘を差して歩く水谷豊。
その傘はクルマに踏みにじられ母親に投げ出され、へし折られかける。
猥雑なエネルギーと、暴力への予感を感じさせる淀みのない展開。
市原悦子の鬼気迫る情念。日常では決して露わにならない狂気の思い。その重さ。
この作品は日本版タクシードラバーのような、青春期独特の狂気と日常への嫌悪を描き出した傑作である。
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