日本映画

June 19, 2008

Dear Friends-ディアフレンズ-

若い人向けのお涙頂戴、安易な難病友情モノ。
私の嫌いなカテゴリーの映画だったし、底の知れた作品だろうと思いこんでいたので無視していました。

それでも取り合えず録画はしたのでPC作業しながら見始めたのですが、まずは画面に登場する生意気な主人公を演じる北川景子が抜群の魅力です。
強烈な魅惑を発散していてまさにスター!クラブで踊るところなど、
ホントウに綺麗な若い女は、世界を握っている」、という感じを良くだしています。

それにしてもご機嫌取りの母親がウザイ。
これだから娘がグレルんだよ、しっかりせんかい、と思いながら見ていると、
夜の病室に登場する子役の佐々木麻緒ちゃんが巧いのなんの。
もう可愛いです。
ともかく健気なんだ。
一生懸命お話してたりすると、オジサンは絶対の味方だ! なんて思わせます。

深夜の廊下で、憎憎しい北川景子すら善人に見せてしまう語りのシーンは、ありがちと切り捨てるのは簡単でも、実際にはなかなか出来るレベルじゃない!
描いたことになっている絵も可愛い。
世の中色々不幸はあるものですが、難病の子供ほど気の毒な存在はありません。
この時点で彼女に免じて見てやるかと、見続けていると、北川の病気が本格的になってきます。

そして本仮屋ユイカが登場です。
非常に清潔な印象の美少女で、高感度なんですが、いきなり最初から、友達、友達と連呼してくる。
なんで?
と思ったら、子供の頃のエピソードでホロリとさせられ、再登場時した時の姿には驚かされます!
これだけの演出をされるとオジサンでも気持ちは大きく動かされますね。

いや、泣いた泣いた。
PC作業放り出して、文句なく泣きました。

最後まで定番の話なんですが、主演の3人、まだ若く恐れを知らない時期にしか持てない強い視線をした北川景子と、透明感のある清潔感な印象の本仮屋ユイカ、佐々木麻緒ちゃんの笑顔は見る価値ありで、しっかりとした演出と脚本もあり、これは見といて良い映画です。

ps
俺はどうも「可哀想な女の子」ってキャラに弱いんだな。
最近やっと自分の傾向が分かったよ。

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April 13, 2008

資金源強奪@深作欣二

タランティーノやジョン・ウーに崇拝されてる深作監督。
確かに「仁義なき戦い」は凄いと思ったけどさ、後はそれほど印象的な作品もなかったんで、この映画にも期待はしていませんでした。

さらに主演は北大路欣也。
私、この人も眼がギョロギョロしていて、ピンとこないんですよ。
よって観る時の扱いは最下層。
食事しながらのぶつ切りの、ながら見となりましたが、イヤー面白かったです。

話は北大路欣也が川谷拓三、室田日出男を連れ立って、大手組織暴力団の花会を襲撃!
山と積まれた大金を強奪しようという強引な展開。
のっけからマスクを被った3人がモーターボートに乗って川を疾走!
たった3人で、複数の組織暴力団相手に何ができるのか?現実感ないなぁ、とシラケ気味だったんですが、襲撃シーンから深作流の激流に呑まれたようなカメラーワークと、人が入り乱れる迫真の演出は絶好調!

そして北大路欣也も川谷拓三も良いんだ。
北大路はどこまでもタフでクールで冷酷非情で執念深くて、なんだか大藪春彦の描く主人公みたいだった。
川谷拓三がまた少し頭が足りなくて、度胸があるんだかないんだか、でもキレスジなのは確かなチンピラそのもので、もう説得力というかリアリティ満点!
二人とも、すごくイキイキしているんですよ。

そして最近は、アンナのパパ、という印象しかない梅宮辰夫の悪徳刑事が、生臭くて油ぎっていて、悪い奴だけど、生命力抜群という存在感で、確かに大した役者さんだったんですね。

ストーリーは、一旦奪った大金も二転三転、転がって、その度に人死にが出て、そんな他人の命になんか斟酌しない連中が喚き立てながら疾走し騙し合い、殺し合いして、ラストは・・・です。

ウィキで調べたら隠れた傑作との評価もあるようですが、私も賛成!
確かにタランティーノやジョン・ウーが撮ってもオカシクない映画です。
というか、両巨匠にもこれだけの低予算で、このレベルのエネルギーが撮れるかどうか疑問だ。
これらなら崇拝されているのもうなずける。

それにしてもこの時代の深作の描いた熱い獣性を持った男たちって、今やすっかり絶滅しちゃったよね。

日本の為には、絶滅危惧された時点で保護しとくべきだったんじゃないでしょうか、なんてことも考えますよ。

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April 05, 2008

羅生門@黒澤明、芥川龍之介原作

日本映画が世界を驚かせた端緒となった作品です。
実際、今見ても非常に見事な作品だと思います。
物語は神話的であり、それ故、普遍性に満ち、黒澤作品の中でもこれから評価が高まるでしょう。
変な喩えですが、もし黒澤作品が1品づつ値段のつくアートならコレは買いですね。
普遍性をテーマにして、成功した作品は古びません。
むしろその過ぎ去った年月を糧として価値を増していきます。

映画は、冒頭の篠付くような豪雨に、半壊した大門、羅生門の描写から、異様な予感をはらみます。
これだけで断然たる出来です。

そして最初のセリフが「わからない。さっぱりわからない」と来る。
いきなり映画のテーマ、結論を言ってしまっているんですが、その後の映像が見事なので、まったく退屈しない。
スポーツならやることを試合開始と同時に全部あからさまにしながら、プレーの見事さで見せてしまうようなレベルです。

呆然と空を見上げるシーンから登場する三船は、唐突に狂騒的な笑いを発し、森を駆ける様は野生そのものです。
その三船が女の手を引き、森を疾走するだけでスリルが高まります。
京マチ子の体現した、女の性の際どさと、刃の鋭さ、その毒性の濃厚さ。
そう言えば近年、このレベルの高度なエロティシズムは見かけませんね。

この3人の異なる言い分、記憶については、最近読んだ港千尋さんの評論から、
「記憶とはHDDに蓄積されるデーターのように、不変なものではない。人の記憶とは、現在の前後関係や情動により、現在に適合されるように築かれる過去なのである。@予兆としての写真」
その時の感情と共に、幾たびも幾たびも姿を変えては再生される「客観的と主張される記憶」
この人として内包する根源的な矛盾を突き、
「羅生門の鬼ですら、人の恐ろしさに逃げ出した」という深遠を問うことに成功したから、この映画は永遠の命を得たのだ、と思うのです。


教訓:危地では相手のペース、ウマイ話に乗るな。
殺すか逃げるか、決断は明確にして、行動に遅滞なきよう。

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November 08, 2007

椿山課長の七日間

浅田次郎原作で、主演はまさにperfectな美貌とスタイルの伊藤美咲(でも演技が不安)。
裏主演が西田敏行。
ストーリーは急死した西田課長が、美女の姿になり変わって3間の約束で現世に戻り・・・という見る前から最後の展開まで予想できるようなありがちな設定。

伊藤美咲さんは、スタイル、美貌ともelegantで1流の美女というに相応しいと打と思いますが、どうも演技が硬くてね。
人柄も良さそうなんですが、女優としてはそれほど魅力を感じない人なのです。
でもこの映画では精一杯、好演していたと思います。
なんだか伊藤さんは出た当時の妻夫木聡さんを思い出させるんですよ。
共に容貌は文句なしのスター! でも演技が・・・
だけど妻夫木クンはドンドン上手くなった。
差がついたなぁ、と思っていたのですが、伊藤さんも上手くなっていました。

ありがちだろうという予想で見始めた話の展開にも1工夫、2工夫があり、ラストの合成画像はちょっと笑いました。
演出もテンポが良く、脚本もセリフも無駄がない。
脇の演技陣も手堅くて完成度が高く、2時間、ゆっくり安心して楽しめる1本でした。

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September 01, 2007

Wの悲劇@映画

思えば1984年の作品なんですね。
この映画は千葉に勤めていた時、一人で見て、感動し高ぶる気持ちを持てあますように、夜の街を歩き回った憶えのある作品です。

数十年ぶりの再見ですが、まずは出演者のファッションのダサさに驚きます。
当時、大人気だった薬師丸ひろ子さんも・・・演技もただ大袈裟で浮いて見える。

「時の試練」に耐えられない映画だったのかなぁ・・・昔はあんなに感動したのになぁ・・・と同じ角川映画でもやはり先日観た「野獣死すべし」との違いに愕然。

そんな停滞ムードを途中から膂力にまかせて強引に引っ張り上げるのが三田佳子さんです。
大女優という役柄ですが、まさにしかり。
洗濯物を抱え舞台で声を出す薬師丸さんへ、声を掛けてくるシーンから、リアリティ、存在感共に圧倒的で、その迫力と発散するオーラはまぶしいほど。
息子さんスキャンダルから活躍の場が減少してしまったことは、今にして思うとちょっと残念でした。

そしてこの素晴らしい脚本の原作は夏樹静子さん。
この方も大ベストセラー作家として名を馳せ活躍しましたが、後に難病で苦労をしました。

そう、人生はままならない・・・
立場を確立した、と思われた大女優でも大作家でも明日が知れないのが人です。
この映画の登場人物の運命の変転を見ていると、そんな感慨もわき上がります。

そんな三田佳子の迫力に乗せられるように劇中劇の形を取るこの映画は、輾転反側、繰り返すうちに薬師丸ひろ子の演技も迫真度を増し、ただただ懸命に生きる人の悲しみと、懸命さが真に迫り引き込まれます。
レポーターからのインタビューでの話し方など、序盤とは別人のような説得力でした。

音楽では、サティのジムノぺティと久石譲さんの旋律は、存分に涙線を刺激してくれます。

泣き笑いの表情でスカートを広げてみせるラストシーンでの感動は昔のままでした。
良かった。

ps
結局、私は戦う人って好きなんですよね。
常に困難はある。
手を変え品を替えやってくる。
でも挑み続ける。
それが生きるってことだよね。

ps
「女優、女優、女優、あんた女優でしょう。勝つか負けるかよ@三田佳子」
私がボンヤリと観ている映画の女優さんも1流の方は、こんな気持ちでやっていたんですね。
参考になりました。


ps
「ああ時の川を渡る船にオールはない
流されてく
横たわった髪に船に 降り積もるわ星のかけら」
ラストの澄んだ歌が良いんですよね。

ps
「Wの悲劇」という題名ですが、これはwomanのWなのはご存じの通りなんですが、
さらに劇中劇をとるという形のW,
そして偉大な先達であるクィーンの「X、Y、Zの悲劇」への挑戦状だと思うのです。
そしてそれは成功してますね。

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June 17, 2007

フラガール

人間というのは、出来てしまったモノを見た時、アレは有っても当たり前と思い勝ちだ。
でも最初にそれを造ろうと思った時の、人の覚悟の大きさは、どんなものかと思うのだ。

もう炭坑はダメ。
時代は変わった。
はっきり変わった。
何時の間にか追い込まれて、背後はない。
失敗は許されない。
それは生活を、生存を賭けた大きな勝負。

でもいくらなんでも「夢のハワイ」を、こんな「北国の東北」に、「海外なんて夢」だった昭和は40年に、現実に造ろうという構想はデカカッタのだ。
そういう窮地に陥った時に、人が戦う懸命さが伝わってきてこの映画は成功している。
誰の保証もない。
何の根拠もない。
でも未来を信じて戦う人間だけが、新たな時代を切り開ける。
人は結局、運命と戦う存在だと思うんだよ。
あらゆる意味でね。

世話役の岸辺一徳が、誠実さと怪しい野心を持つ男を良く両立させていました。
ヤケに存在感のある演技をするオバサンは富司純子だった。
炭坑のガッチリした男達にもリアリティがあり、観客役のエキストラの水準も高く、みな異様に昭和40年っぽいとこも監督の李相日さんの力でしょうか。

蒼井優は「花とアリス」以来のハマリ役。
困った時の眉間のシワと、魅惑そのもののダンスシーンの対極は、まさにスターの輝きでした。
松雪泰子も、分けありのうらぶれた女を好演しています。
なんとはなしの不健康な痩せかたがイインだ。
みんなが落ち込む窮地で必要なのは、やっぱり強気のリーダーだな。
娘を殴った父親のいる風呂場に殴り込むシーンは抜群だった。

旅から旅の夜の橋を渡るボンネットバスのライトに思い出した曲は、
「キツイ旅だぜ、あのトラベリンバスに、揺られていくのは・・@矢沢永吉」

「フラダンスの動きはみな手話なのよ」
この伏線も効いていた。

ラスト、ブルーハワイからリズミカルなダンスまでには文句なく泣いた。

ハリウッドでリメイク決定!
に、なればイイね。

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May 30, 2007

殯(もがり)の森

美しい日本の自然と優しい人々の生活を描いた傑作「萌の朱雀」の河瀬監督が、カンヌでグランプリを受賞し、それがいち早くNHKのハイビジョンで放送されました。
昨日は、この映画を観るために日程を調整しました。

ただ映画は、認知症の老人と、子供を亡くした介護士の話と聞いた時から、これは手強いな、と、ただ河瀬美学の映像に酔っているだけにはいかないな、と思ったのですが、その通りでした。
生の本質の探究と死の受容という重いテーマは、最後まで観る者の安易な享受を許しません。

ただ相変わらず映像の美しさは比類がないものです。
水穂を波打たせながら流れる風、一つ一つの枝が生き物のように揺れる大木の緑。
なんとはなしに湿り気を感じさせる緑葉は、ユーラシア大陸の東端に、暖流と寒流に挟まれて細長く列島を築く日本の大地の息吹そのものです。
その緑の色彩の揺らぎは、タルコフスキーの撮る「水」に匹敵する詩情があります。


スレンダーな美女に成長していた尾野真千子さんは、女性特有の優しさを醸し、迷い込む森はしだいに神話的な色彩を帯びながら生への試練と、人が運命を許諾することの過酷さを語りかけてきます。

色々ご苦労のあった河瀬監督も、これでだいぶ総括できたと思うので、今度はもうちょい軽いテーマで観たいですね。

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April 24, 2007

ホテル・ハイビスカス

沖縄の語り部、中江裕司監督作品は、主人公の少女を演じた蔵下穂波の快演(怪演、笑)で忘れ難い1作となりました。

最初に見た時は、いつも怒鳴るようにしゃべる美恵子(蔵下穂波)がうるさすぎてちょっと辟易。
それでも沖縄の美しい自然はもちろん、荒れた場所すら綺麗に撮る中江監督の手腕に引き込まれているうちに見終わり、また放映していると見て、の繰り返し。
どうも美恵子のエネルギーはクセになるようです。
今回も、「もう、イイかな」、と思ったのですが、出てくるオバアやオジイや美恵子と会いたくなって再見しました。

ともかく元気な美恵子は。やっぱり子供の手本だな。
あふれ出る元気のまま突き進む様子は、子供ならこうありたい、と真剣に思う。

沖縄の夜の詩情は香るようですし、何気なく挿入される沖縄音楽も熱帯の夜にピッタリです。
人生はシンプルに明るく行こう、そんな気分になれる映画でした。

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April 22, 2007

間宮兄弟

同居する30代独身オタクの兄弟が、二人仲良くほのぼのと女性をもてなし、フラレル話。
思いを寄せる女たちには、最初から不倫相手あり、イケメンスポーツマンの彼氏ありで、
最初から報われない設定なんですが、ふわふわと軽く進むのであまり悲壮感はありません。

この映画に出てくる男性はみな情けなくって、やたらブタレル彼氏あり、離婚でオタオタする男ありで、見始めの頃は、日本男児たるものもっと覇気を持てぃ、なんてことも感じましたが、乱暴だったりするより、ひたすら優しく思いやりがあって、イイじゃないですか。
これも戦後日本の生んだ男性文化です。

ただこういう生き方を肯定していると、「日本の男性はワイルドな魅力がない」、とか
「頼りがいがない」、なんていう人もいるんですよね。
そういう人には、勝手に言ってろってーの、というのが今回の私の結論です。
二人とも立派に真面目に仕事をしているし、税金だって納めています。
後はどう生きようと大きなお世話だよね。

常盤貴子がタバコを吸う眼鏡の教師役で出演。
もっとバストのシルエットが見たかったな。
個人的には煙を吐く女はNGですが。

昨今注目の沢尻エリカは、恐ろしいほど色っぽい。
ハーフってスゴイわ。
性格の強さも演技に出ていました。

中島みゆきが、すっ飛んでいるお母さん役をやすやすと好演。
この人のなんでも出来る才能にはビックリです。

ps
私は妹だけなんですが、男の兄弟ってのもいいですね。
二人で夜の公園で紙飛行機を飛ばしているシーンは和んだ。
自転車で都内を走り回るとこも良かった。
東京ってイイね。
やっぱり独身なら都内だな。
そんなことも考えました。

原作は江國香織。
映画が気に入ったら読んでみてもイイのでは。

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April 15, 2007

シムソンズ

ソルトレーク五輪に出場した日本代表カーリングチームのbased on true story風のつくりですが、
実際とは若干の違いもあるようです。

主演の加藤ローサちゃんは、笑顔がとても可愛らしいのですが、演技は学芸会レベルでした。
でも可愛いから見てしまう。
男でも女でも若く容貌の良い子は七難を隠します。

カーリングチームを作る他の3人も可愛らしい。
眼鏡の女の子に、丸顔の子、ちょっとcoolで影のある子、みんな良かったです。

それから特筆したいのがロケ地の常呂町の光景。
道でも海辺でもショッピングセンターでも、ともかく空が広くて雄大です。
そんな風景はひたすら気持ちよく新鮮で、引き込まれました。
こんな場所で育ったら気持ちも大きくなるかもです。

コーチ役の大泉洋さんも好演。
ユーモラスでブキッチョな生き方しか出来ない優しい人を上手く出していたと思います。

根本のストーリーは、恋あり友情ありの中、カーリングに夢を追ってはつかみ取る定番で、まあ水準作でしょう。

おススメは、可愛らしい女の子と雄大な北海道が好きな方なら、ってとこでしょうか。

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April 08, 2007

男たちの大和 YAMATO

楽しみでした。
題名から萌える映画でございます。
船首に輝く菊の紋。
波を蹴立てて走る大和は美しいです。

みっしりと隙間なく造り込まれた機関銃座は、そのまま日本人の執念です。
この時代に人類が到達した究極の工業的達成だったと思います。
でも時代は航空機だったんですよね。
さらに言えばアメリカは核にトライしていた。
日本人は耐え難きを耐え、膨大な努力をし、偉大な達成をしましたが、大きく方向を間違えました。

キリっとした敬礼をする大日本帝国海軍兵はカッコ良いです。
でもすぐリンチめいたシゴキが始まるんだよね。
アホらしい過剰な精神主義です。

そして会戦が始まると、爆弾が炸裂し肉がちぎれて血が飛び散り、手足が四散します。
残念ですが、デカイ機銃の前では、人の肉体はもろすぎます。
戦争は思っているだけなら勇ましく、血がたぎるものでございますが、実状は悲惨の極みです。
人類最悪の罪悪です。

でも当時のフィルムを見ると泣けてきます。
あの当時の日本人の苦しみに、懸命さに思いが駆けるのです。

散る桜
残る桜も
散る桜

この美学。
悪い処も含めて、俺は日本人が好きだよ。

ps
大和が宇宙戦艦だったら勝っていたんだけどなぁ・・・

ps
「戦艦大和の最後@吉田満」からセリフにもなってますが・・・
日本は進歩を軽んじ過ぎた
精神主義に偏り過ぎた。
進歩なき者は敗れる。
それが歴史の掟だ。
しかし敗れて目覚める。
それ以外にどうして日本が救われるのか。
日本の新生に先駆けて散る。
まさに本望じゃないか@吉田満

最後に今日聞いた良い言葉を
「1年の希望は春に、一日の希望は朝に、
人の希望は勤勉さに宿る」

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March 21, 2007

妖怪大戦争 ~ある夏の冒険記~

日本人の世界に傑出したる才能として怪獣、妖怪への造形の妙があると思います。
バルタン星人、レッドキング、ゼットン・・・河童、天狗、一つ目小僧、
みな素晴らしい。
アートにまったく偏見のない視点から評価すれば、イタリアン・エキゾチック・カーと日本の怪獣のデザインは、この時代の生んだ最も偉大な美だと思います。
フェラーリ288GTOや、バルタン星人に匹敵するモダン・アートってそうはないですよ。

映画に関係してないことを書いてますが、はい、映画はツマラナイです。
低レベルの脚本に呆れるほど安手の特殊メイク。
副題に~ある夏の冒険記~とあるように、子役の神木隆之介が主人公ですが、これは悪くない。
でも映画自体を、「子供向け」と見切ってしまうと緊張感がなくなり子供も呆れて見ないようなレベルに落ちます。
この映画はその典型でした。

スタッフに水木しげる、京極夏彦の名前があったから期待していたんですけどね。

いっそ妖怪の映像はドリーム・ワークスあたりに頼んだらどうでしょう。
ドリーム・ワークスを監修するのは、京極堂の本の表紙で素晴らしい仕事をなさっている熊谷博人さん。
原本は「鳥山石燕 画図百鬼夜行」で。

この位本格派で取り組まないと世界では通用しません。
でもやれば世界に発信できる素晴らしい文化になるでしょう。
日本には、才能もコンテンツもすでにあるわけです。

後は作品をなめずに活用するだけなんですけどね。

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February 01, 2007

壬生義士伝

この映画は中井貴一である。
レベルの高い良質な映画だが、あえて細かいことは言いたくない。
私にとっては、ひたすら中井貴一なのだ。

二代目芸能人なんでしょう、
いい気なモノだよね。
と思っていた時期もあったが、もうお父さんを超えたのではないだろうか。

随分前に「週末、仕事を忘れる、恋人、妻、男ならこうありたいね」、という笑わせるCMがあったが、
この映画の中井貴一は本気で男ならこうありたいと思わせる演技をしている。

禄高が増えると、本音のまま喜びを出してしまう。
飾ることなさ過ぎのキャラクター。
でも自分の贅沢の為じゃないんだもんな。
支えるべき家族がいるから、何より嬉しいのだよ。

なまりはあるし野暮ったいけど、覚悟と誇りは飛びきりなんだ。
こういうのをホントウのプライドっていうだろうな。
満座で恥を掻かされても笑っている。
でも楽な裏切りには絶対に乗らない。
昨今男の贅沢雑誌が花盛りで、それもなるほど結構なことだと思うのだけれど、こういう映画のこういう崇高なる男を見ると、チョイモテだの、チョイワルなんてことが果てしなくカッコ悪く思えるのだ。

両手に刀を握りしめ、弾幕の中に突っ込む姿は最高だったよ。
決戦前に、握り飯をみんな黙って上げてしまう処が、男ならこうありたいんだよ。


ps
最後の長セリフだけがくどくて惜しい。
あそこは切って余韻で伝えて欲しかったね。

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January 29, 2007

男はつらいよ 寅次郎紅の花

最後の作品です。
前作で随分落ちたエネルギーは、今回、後藤久美子の出演により回復しています。
満男はクルマをブツケたり、初期の寅さんを思わせるアナーキズムで盛り上げます。
ゴクミが相手だと。満男のエネルギーに火がつくんですよね。
燃え尽きる蝋燭の最後の炎は、やはりカリスマのある女優が灯すものかもしれません。


マドンナが浅丘ルリ子というのも因縁の成就のようで良かったですね。
奄美は、加計呂麻島でのノンビリした二人の生活。
朝の魚のおすそ分け、昼は庭から果物を。
そして夜は島唄と酒盛り・・・
二人は一足速く天国を覗いていたんだと思いました。

「男はつらいよ」は、その時々の時事風論が巧みに取り入られる映画でしたが、今回は神戸大震災。
これも時代の象徴になるでしょうね。
神戸震災と共に寅さんは終わったわけです。

ps
NHKは、もう一回やらないかね。
俺、前半は見逃したんですよ。

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January 21, 2007

男はつらいよ 拝啓車寅次郎様

ラス前の47作目。
寅さんはドーランでも隠せぬ衰えが痛々しく、他の出演者もみな老いてます。
だからもう喧嘩になってもアクション・シーンは出来ないんだ。

それでも寅次郎は、満男の前で、絶唱のような啖呵売を歌い上げます。
「二本の鉛筆のアリア」ともいうべき1節でした。
まさに寅さんのスワン・ソング!
この映画の見所はここだけだったな。

後は山田監督が腕で見せています。
ツマラナクはないけれど・・・もう憂愁の影が濃いね。

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January 15, 2007

カミュなんて知らない

文学部での課題で、映画製作をすることになった若者と指導教官の話です。

映画を作る様子を撮った映画なので、映画に関するセリフが沢山出てきますが、強烈に取り上げられるのが、「ベニスに死す」の老いらくのエロスです。
トーマス・マンの代わりになる指導教官の教授が恋焦がれるのは、美少年ならぬ、ダンスの上手い、ラテン文学専攻の少女です。
映像はビスコンティに遠く及びませんが、バックにはマーラーの交響曲5番、第4楽章アダージェットのあのメロディが流れるともう気分はベニス(笑
Kuroki
演じるのは黒木メイサさんという新人ですが、この年16才。
しかし、いやだからなのか、なんともいえぬ魔性がありますね。
ロケされる舞台はしょぼくても、エロスとはスリルなのだということは充分表現できていました。


それから吉川ひなのが「アデルの恋の物語@トリフォー」を翻案します。
憑かれたような表情は見ごたえがあり、たんなるバカ女優(失礼!)だと思っていたので驚きました。


ps
真夏のキャンパスで夜までかかる打ち合わせと演習。
仲間と映画製作に燃えるひと夏のストーリー。
この映画とのテーマとはズレルのでしょうが、その状況が切なく心に残りました。

いつか仕事に一区切りが付けられたら是非実現したいですね。
もう1度大学にいき(文学部か、美学部ね)、映画を作りたいです。
資金は出しましょう(笑
あの程度なら。
そのかわり仲間にいれてね。
監督やらせろ、なんて贅沢は言いません。
資金提供+使い走りで良いです。
年下の学生と作っても良いけど、同年代の方々とやってもイイな。
なんだか夢のような日々に見えました。

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January 14, 2007

男はつらいよ 寅次郎の縁談

シリーズ46作目。
もうほとんど満男の映画で、面接で挫折して号泣するシーンは説得力のあるもので、心に残ります。
またラスト、女性を諦めて島を出る様は、寅さんの因縁が満男に輪廻しているようで。「リング」の「貞子」を思わせました(笑
あの島で生活させても良かったんじゃないの、という疑問が付きまとうなぁ。

ロケ先の香川県の島では、雨が相変わらず美しく撮れていて、山田監督は日本の雨の監督なのかもしれません。
同時上映が「釣りバカ日誌」。
劇中、西田敏行がチョイ役で出てきますが、笑わせます。勢いのある俳優は違いますね。

マドンナは松坂慶子で、寅さんの魅力として、
「寅さんの暖かさは電気ストーブじゃないの。寒い冬の日に母親から手をにぎってもらったような暖かさ」
という印象的なセリフを残します。

また今回のNHK特集では、映画の後にお便りの紹介などがあるのですが、
子供を亡くし、夫が単身赴任ししまった方が、何気なく観た寅さん映画で笑って泣いた、それで夫の好きだった寅さん映画の魅力が分かった、と語られますが、その通り。
このシリーズは笑いの中に涙が値打ちなんです。

俺もホントウに好きになったのは、いわゆる中年の危機以降でした。

このシリーズ、涙をもってパンを食べないと、ホントの魅力は分からないだろうなぁ。

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January 08, 2007

男はつらいよ 寅次郎の青春

シリーズも終焉間近で、もう寅さんは、ぼろぼろである。

満男はこらえ性がなくて、いい加減で(なんとなくかもす香りがウチの長女に似ている)、社会人として大人になったゴクミは役の上の演出上だとしても、この男は器が小さいと、少し満男を見下すような発言もする。

マドンナは風吹ジュン。
この人は独特の柔らかさとお色気があって良いんだ。
一番好きなタイプかも。
少し翳りがあるところもミステリアス。
不幸な生い立ちだったのかもしれないけど、俺で良ければ幸せにしてあげるぜ、と言いたくなる。
ジュン様からは、
「お気持ちだけ頂いときます」、という結果になると思いますが。

クルマはシティのカブリオレが出てくる。
今みるとユーモラスなスタイルで可愛らしい。
今のホンダにもこういうのが1台欲しいね。

永瀬正敏がサングラス姿で出てきて、ゴクミと絡むが、対等に渡り合う二人の後ろで満男がシラケテいる。

分かるなぁ、ああいう時の満男の気持ち。
イケテル者同士の馴れ合い。
それを見つめるだけの悲しさ・・・
ちょっと昔を思いだしました。

そんな映画です。

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December 31, 2006

THE有頂天ホテル

沢山の映画と人々への愛が歌われているような傑作です。

ある有名ホテルの大晦日の1夜に集ってくる人々。
すぐに彼等は三谷流に絡み合い、笑って泣かせるエピソードを紡ぎ出します。

精緻な構成はお見事ですし、出演者の方々も生き生きと動いてます。

グランド・ホテル形式ですね、と思ったらセリフになってました。
その他でもオマージュされた映画は、沢山あります。
「白塗りになってバックグランドでさ迷うことになる伊藤四郎は、オペラ座の怪人?」に、
「ギターを背負った客室係は、小林旭の渡り鳥シリーズ」。
「金髪の鬘がピッタリの篠原涼子は、プリティ・ウーマンのジュリア・ロバーツ」
「取り違えられた松たか子(好きな人ではなかったですが、この映画では光ってました)は、ジェニファー・ロペスのメイド・イン・マンハッタン」
「ハットと髭の私立探偵は、ハメット」
でしょうか?
グレムリンもセリフと状況だけで出てきます。
他にも仕込んであるはずです。
大きく両手を広げて喜ぶ辺りは、「ショーシャンクの空」かな。

みんな有効に生きていました。

ラストのハート・ウォーミングな盛り上がりも良かった。
これ世界に持っていってもイケルんじゃないでしょうか。
リメイクでもイイし。

「なんのために大晦日があるのか?」
そんなセリフが出てきます。
もう残り数時間ですが、この時期に見ると少し元気がでるでしょう。
おススメです。


ps
「おかえりなさいませ」、かぁ
初めて言われた時はビックリしました(笑
年に1晩程度の利用だったんで。

ではHappy new year!
良いお年を!

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December 20, 2006

男はついらいよ ぼくの伯父さん 寅次郎の休日

いよいよ満男が主役化し、寅さんは元気がなくなってくる作品です。
この作品以降は、旅に出る寅さんがホント、辛そうです。

対して、初登場のゴクミは溌剌として元気一杯。
当時、寅さんシリーズとは、キャラクターからのイメージが違うと思っていた後藤久美子を起用した山田監督の発案はズバリと的中してます。
庶民派でなく気高いセレブ風味を漂わせていたゴクミは、映画の中で一種異物となり、それが周囲と溶け合うのでなく、摩擦するような感じで盛り上がるんですよね。

それにしてもゴクミはなんだか武者人形みたいな顔で、表情には強さと気品があり、大したキャラクターです。
これだから後に、アレジをも引っ張れるんだろうね。

目立たないシーンだけれど、「休日」の方では、ひっそりとブラシで髪をとかしているシーンが印象的。強そうな女の子が弱気になっているのが良いんだよね。

それから満男と二人でいるシーンに横切る軽トラが、過去の山田作品との繋がりを想起させます。
この映画以外でも山田監督の得意なクルマは軽トラなんですよね。
凡庸な監督なら目もくれないような軽トラが風景に溶け込んで隠し味になっているんだよな。

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December 01, 2006

ALWAYS  3丁目の夕日

画面に昨今、日本人の郷愁の原点になっている憧れの昭和33年が良く表現された力の入った映画です。

私、この原作の大ファンなのです。
西岸良平さんの、優しい絵柄とほのぼのとしたやりとりに、どのくらい慰められたとこか。
だから思いれが強く、六さんがあんな美少女だったり(妹のキャクターと被せたのでしょうが)、鈴木オートの御主人が怖すぎたり、茶川さんが若すぎたり、とどうもね。

この辺はもっと穏やかな演出で見たですが、その分終盤の雪のクリスマスでのサンタさん、小雪さんのおかれていた状況、六ちゃんへの贈り物とその後の話し、そして淳之介(須賀クン巧い!)クンのエピソードでぐっときました。

配役になじむまで時間はかかったけど、最後は大泣き。
吉岡秀隆は凄いわ。
シラケテ見ていた序盤を楽しむためもう1回見ます。

そして見上げる東京タワーか・・・
イイですよね。

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November 03, 2006

男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋

この映画は寅さんシリーズの中でも抜群の気品を堪能できる1作です。
舞台は京都。
寅さんと陶芸家の片岡仁左衛門との出会いから名人同士の呼吸なんだ。
下駄のはな緒が切れていると寅さんが登場し、ピッと手ぬぐいを切って、「芝居だったらこいうとき・・・」と来る。
テンポが抜群で、何より片岡さんが絶品。
セリフ回しから、着物の着こなし、所作まで、品とはかくなるもの、という見本を体現してくれている。

この映画は、ギャグも一段と冴える。
茶屋でいう向上心のくだり、丹後に向かうバスで考えること、二階で寝ている時の要求・・・
こういう時の柴又のおばちゃんがまた優しくてイインだ。
狩野作次郎のとこのおばあさんまで良い。
柄本明も後の活躍を予見させる演技。

ヒロインはいしだあゆみ(かがり)さん。
哀しい微笑みを見せるかがりさんは案外大胆で、バックに流れるギターと絶妙に絡む。
見事なほどにみんなイインだ。

10代から20代の初めの頃は、寅さんシリーズの良さが分からなかったなぁ。
野暮というかダサくてアタマが悪そうで、こんな映画がヒットし続ける日本までが嫌だった。
今、思うとそれも良かったと思う。
感性は年代で変わるものだから。

だから今、寅さんシリーズが嫌いな若い人がいたら先を楽しみにして欲しい。
この映画は残っているだろうから、その時、軽トラの放置してある名もない路上すら、こんな素敵な絵に撮った山田洋次という監督に感じ入って下さい。

年を取るほど惹かれていき、何度観てもイイ映画です。

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October 27, 2006

DEATH NOTE・デスノート前編@映画

原作は人の永遠の思いであろう、「許せない奴を自在に殺す」というテーマを巧妙に仕立て上げ、ストーリーもスリリングに展開する傑作でした。

映画はどうか?
ということですが、観客のほとんどが、原作では驚かせられていた展開を全部知っている、というのが製作者の辛いとこです。

それを救ったのが主演の藤原竜也さん。
甘い狂気が湧き出るような天才的な役者さんだと思いますが、見事に神から悪魔へと変容するキャラクターを演じきっていました。
特に原作から捻られたラストシーンには痺れました。
この映画は主演が悪ければ見られないところです。

奇天烈な死神はどうするのだろう? と思っていましたがCGもまずは完璧な出来でした。

ストーリーも原作から上手い具合に捻ってみせて、後編に期待というところです。


ps
キラがノートに大きな文字で書くのがもったいなくな、と思っていたのですが、幾ら書いても無くならないのね。
貧乏性なんで気になっていたんです!

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October 22, 2006

226

五社英雄が二・二六事件を題材に撮った1本です。
印象的なのは夜の光りに映える青年将校の軍服の艶。
当時より遥かに上質な素材なんだと思いますが、妖しく狂気に満ちた照りがありました。
この辺はいかにも美術、衣装に凝る五社英雄美学なんでしょう。
セット・ロケでしょうが、事件当時の東京の街路風景も素晴らしい。

でも演劇陣が駄目でした。
普段なら魅力を感じる俳優が集まっているのに何故?
と思ったころで思いだしたのが、「プライベート・ライアン」
あの映画は高く評価する人もいるようですが、私にはトム・ハンクスのツルリとした顔がどうしても第二次大戦中の将校には見えませんでした。
大戦中のアメリカ兵っていうと、不精髭で、タバコ臭そうで、もっと脂ぎった印象が強いのです。

時代が人の顔を作るのでは、との感慨をえた作品でしたが、この映画にも同じことを感じました。

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October 14, 2006

交渉人 真下正義

シリーズが進むにつれ、いつのまにか存在感を増していたユースケ・サンタマリアが主演する「踊る大捜査線」のスピン・アウト作品。

今回の映画、都心部各地へ展開されるロケと、膨大な数のエキストラに驚きました。
予算掛かってます。

東京の地下鉄という世界に比類のない精密かつ大規模なシステムを舞台にしたのは良いアイデアでしたが、進行に難がありました。
途中というか終盤までダルくて、これは失敗作だなぁ、とガッカリしていたのです。

新規の出演陣がどうもかみ合いません。
笑わせようとしている処で笑えませんし、グッと来させる処も空振り。

ダレてしまったのは、オンとオフに失敗している為だと思うのです。

メインの「踊る」はスリー・アミーゴスで笑わせ、綺麗どこの婦警で目の保養。
すみれさんと雪乃さん以外にも、彩りの美人がいるんだよなあ。
アレは誰なんでしょう?

緊迫する場面にお笑いで息をつがせ、お色気場面マッタリしてリズムが出るんですよね。
それが出来てませんでした。

盛り返したのは終盤、ボレロをバックに進む交渉シーンとコンサートホール、移動する木島にSAT、疾走するクモ、などが入れ替わりタイムアップを迎えるまで。
なかなかスリリングで楽しめました。

ラスト、クリスマスを背景にしたやり取りのとこでやっと感傷も笑いもハマッタ感じ。
配収が織田主演の半分だったようですが、映画の質を見事に当てることもあるんですね。


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October 13, 2006

鉄人28号

ビルの谷にガオー! 夜のハイウエィにガオー! ダダダダンと弾が飛ぶ!
―中略―、びゅーん、と飛んでく鉄人、28号!
メロディだけのテーマソングを聞いただけで、歌詞はモチロン、グリコ、グリコ、グリコーとスポンサー名まで、憶えていて自分でも驚きました。

この鉄人28号がアニメで放送開始されたのが昭和38年。私が5才の時であります。
その少し前にアトムが始まり、4から5才だった私は夢中になりました。

そういう思い出ももありこの映画には期待していたのですが、まったくダメな映画でした。
僅かに、冒頭のドキュメンタリー風の作りだけ良かったです。
モノクロの画面の中で、笑顔でモノ造りに励む日本人達。
そうだ!日本人はみんな頑張ったんだぞ!とプロジェクトX風の感動が、わきあがります。

後は母親役の薬師丸さんも合ってなかったし、喧嘩と友情のエピソードも滑っていたし、マサチューセッツ工科大学の天才博士!として蒼井優さんがベレー帽を被って出てきたりとか、マジメにやっとんのか!とツッコム気持ちも萎える出来。
何より鉄人の戦うシーンが盛り上がらないし、正太郎君はあんなんじゃないぞ!
と怒り心頭でございます。
大塚警部だってゼンゼン目立たない。
この漫画はあの警部と正太郎クンの対比がオモシロイんだよ。
警察という権威のある大人の社会を助ける「少年@投影される自分達」という構図!
金魚売なんかを考えている暇があったら、もっとこの漫画の本質を見て欲しかったです。

ラスト、六本木合唱団の方が歌詞付きの主題歌を歌い出し、ほんのちょっと横山光輝の絵が出るのですが、それだけで胸が一杯になりました。
紙に書いたマンガだけで映画に勝つ横山光輝がスゴイのか、絵に問題にされない映画がショボイのか。
まぁ両方でしょう。

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October 09, 2006

夜霧にむせぶ寅次郎

シリーズ33作目。
1984年制作なので、1928年生まれの寅さんはすでに56才なんだね。
シリーズはまだまだ続いたのだけれど、少々影のさしてくる作品だ。

ヒロインの中原理恵が微妙だし、釧路が舞台ってのもどことなくだ。

見所は社長の娘として美保純が初登場すること。
しょうがない娘として実に見事なロクデナシ感を出している。
演出する方もノリノリで、文金高島田の衣装が実に可笑しい。
こういう小技まで細工におこたりないとこが山田洋次組である。
山田洋次は、美保純を見てタコ社長の娘はこの子だ!と小躍りして喜んだんじゃないかな。


分岐点だと思うのは、この映画で寅さんはヒロインの中原理恵と恋仲にはならないこと。
ところが中原理恵の方は惚れこんでしまい
「一緒に旅をしたい。貯金もあるし、ホステスになったって・・・」なんて言う。

中原理恵は58年生まれで、この年26才である。
要は現役バリバリの女性に、56であの顔で、ヒモになって、と言わせるのだから、これは偉業だ。

中原理恵は、寅さんがレストランでお金がなくても、宿代を出してやっても、雨の日には濡れながら傘をさして差し入れに来る。
このシーンも灰色の北の雨と赤い傘の対比が綺麗なんだよなぁ。
山田洋次の美意識は実は非常に高い。

寅さんの、女性への対応の柔らかさも印象的。
相手の懐にスルっと滑り込み、あっという間に心を掴む。
なんだかボクシングや総合格闘技の名選手みたいである。
リアル・ファイトでホントウに強い選手は、相手の前で柔軟さを失わない。
それを思い出した。

スポーツの世界では相手に止めをさせる勝負強さを、Killer Instinctというが、寅さんにはこれがない。
徹底してない。

それがあえて欠かせてある主人公が日本映画随一の人気者ってことに、実は日本民族の属性が現れている。
なんて深読みはクダラナイ。
ともかく山田洋次と渥美清は、何度観てもひたすらスゴイんだよな、と感心してればそれで楽しい。

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September 27, 2006

リンダ リンダ リンダ

主演の女子高生役4人組みが溌剌としていて、それが題名にもなっている名曲「リンダ リンダ」と溶け合ってとても元気な良い映画でした。

グループのリーダー的な役割になるギターの香椎由宇さんは、クールな美貌が役柄とピッタリでしっかりした感じがハマリ役。

ニコニコしながらドラムを叩く女の子がやたらは可愛いと思ったら、前田亜季さんという有名なアイドルなのでした。可愛いだけでなく小さな演技まで自然で良かったです。
女の子が勢い良く太鼓叩いているのって良い風景ですが、モノにしてましたね。

ヴォーカル役のペ・ドゥナさんも朴訥な感じで良かった。
美人ではないのですが魅力があります。
映画中、しきりにうなずくのですが、その演技だけで見せます。
力のある女優さんですね。
ベースの方は本職のミュージシャンなんですね。
地味でしたがリアリティのあるリズムを刻み映画の「ベース」を支えてました。

夜に忍び込んだ学校の屋上、夜明けの土手を一列で歩くシーン・・・
結構余韻を残すシーンもありました。

ラストはギリギリで盛り上げるお約束のパターンですが、土砂降りの中での弾けた熱唱はちょっと感動的。

豪雨の中で学校の色々な場所をカメラが移動していくのですが、さらば青春、高校生活!って感じが良く出ていたと思いました。

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September 12, 2006

蝉しぐれ

この映画、予告編がとても綺麗な映像だったのですが、あまり期待はしませんでした。
多くの人と同じくこの原作には愛着があり、すでに自分の中に確固たるイメージが出来上がっていますからね。
こういう傑作の映像化は、ファンを納得させるのが難しいです。

結果は充分及第点の出来だったと思います。

蝉しぐれのなか、夏の草いきれの山道で、涙ながらに引っ張る自分の大八車に駆け寄って手を合わせ懸命に後ろから押してくれる少女。
泣けました。
原作でも心に残る名シーンを良く映像化していました。
キリキリとした所作と張り詰めた表情に一心の思いをこめる少女時代の「ふく」を演じた方が素晴らしかったですね。

恋とは美しきものであるなぁ、とこの映画を観た後では思います。
そして人は理不尽の中で生きる存在でもあるなぁ、とも思うのであります。

カメラも良かった。
最近は撮影技術の進歩なのでしょうか、風景がとても綺麗に取れている映画が多いのですが、あまりに真正面というか静止画的というか、どうだ綺麗だろう、というあざとさを感じることもあるのですが、この映画はそんなイチャモンを跳ねつけるレベルにありました。
藤沢周平の描写には及びませんでしたが、一編の詩として及第点だと思います。

岩代太郎の音楽も良かったです。
少し使われすぎの感もなきにしもあらずでしたが、見終わった後も耳に残りました。

サブストーリーになる男子3人の友情も印象的。
原作では文四郎の成長物語の側面がもっと強かったと思うのですが、小説より格段に短い時間しか持てない映画では未消化に終わりがちです。
そこを恋と友情の物語に重心を移したのが成功の元でした。
人の情、優しさが良く撮れてる映画と言って良いと思います。

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