ファンタジー映画

January 12, 2009

ベオウルフ/呪われた勇者   英語圏最古の原作で証明された人類の到達

剣と魔法と炎を吐くドラゴンの世界・・・もういい加減飽きた設定ですが、それをベオウルフに言っては気の毒です。
なんとこの原作は8世紀に成立した最古の英語文学なのでした。
そうなると一種の教養からも抑えておきたい1作ですね。

監督がR・ゼメキスなんですが、映像はフルCGです。
でもそんなことすぐに忘れてしまうほどの出来です。
パフォーマンス・キャプチャーの元ネタはA・ジョイリ-やA・ホプキンスなんですが、夕暮れの日の光や、打ち寄せる波の泡立ちなどが人と溶け合う様は、もうここまで来たか、という恐ろしさすら感じさせますね。
登場人物の魅力の元ネタ、これは限られた才能を持つ俳優や女優に頼らなければならないにしろ、荒れる海でのダイナミックな航海や、洞窟に住む異形の魔女など、もうまとめてCG化してしまった方がイイんですね。
驚くべき技術だと思います。

ただ最初気になったのは、デンマーク王のでっぷりした腹で、美意識の違いなんでしょうが、アメリカ人はよくこういう醜悪さを出すんです。
意識的なものだと思いますし、表面だけ綺麗なら良い、というわけではないのですが、できれば美しいものを見たいので、醜悪さはもっと計算して出して欲しいのが私の本音です。

映画は、まあまあ及第点という出来で続くのですが、クライマックスでドラゴンとの戦いは凄かったです!

黄金色のドラゴンが、岩窟を破って出てくると、豪快に羽ばたき飛び立つんですが、ベオウルフ、それに敢然と挑みます!
空中で二転三転する格闘!
物理的な量感すらかんじさせる火炎
なぎ倒される兵士達。
飛んでくる矢群が灰となって落ち、視点は瞬時に天空に舞い、また急降下して海に潜る。
すでにあらゆる制約から解き放たれた表現は、人類が映像の世界では神の力を得た証明と言って良いでしょう。

夕日に燃える海と沈み行く舟。
大いなる運命の暗喩を感じさせる幕切れも、CG画面、文句なく美しかったです。

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