ファンタジー映画

January 30, 2013

ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日@3Dには海という手がありました

【注意】この記事では終わりの方で映画の解釈について触れます【注意】

今は映画ファンには飽食の時代と思う。
有料の衛星放送と契約すればだが、古典的な名作映画からついこの間派手に宣伝していた話題作まで。
お気楽なコメディ、アクション系から、芸術文学系に至るまで、ほとんど観きれないほどの作品が放映されては消えていく。
大画面のテレビで鑑賞でき、電子番組表からの録画予約も簡単なら、細切れ鑑賞だって楽々だ。
我々は食べきれないほどの皿が出されては、ほとんど手つかずに片付けられているような、映画鑑賞における「トリマルキオの饗宴」の時代に生きている。

こういう時代だと、かえって映画館に足を運ばせるのは難しい。
なにせ映画なら幾らでも観られるのだ。
しかも気軽に自宅で用事の傍ら、食事しながら、ドンドン録画した映画なら詰まらなくても消せば良い。
実質無料、手間なしだから惜しいことはないのだけれど、それだけにいざ実際に映画館まで足を運び、料金を払って退屈な作品を見せられた時の残念さは大きくなった。
そうなるとまず行こうと思えるような映画は、映画館でしか出来ない体験が、出来そうな作品となる。
今ならやっぱり本格的な3Dかな、ということで、行ってきたのですが、結果、この作品は合格点です。

冒頭の動物園のシーンから、楽しみだった海上シーンまで、極めて美しく得難い鑑賞体験となりました。
そうか。
スペクタクルな映像というとまず思いつくのはアバタ―をやったジェームズ・キャメロン監督と同じにまず宇宙。
異星の風景となるのだけれど、地球には海があったね。
海上での夢幻的なシーンでもう少し3D映像を展開して欲しうらみもないではないけど、主演俳優、ストーリーも素晴らしかったので良しとしたい。
迷っている方にはおススメの1品ですね。

さてこの映画、すっかりストーリーが語られた後、もう一つのストーリーが紹介される。
貴方はどちらが真実だ、と感じましたか?
私は後者だと感じてます。
そう虎は優しく繊細なベジタリアンのインド人青年が、苦難の中で生き残るため発揮した戦う本能のメタファーだったのだ。
だからこそメキシコの海岸に漂着し、助かったと感じられた瞬間、後も振り返らずジャングルに消えたのではないか、と思うんですが、どうでしょう。

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May 04, 2012

タイタンの逆襲3D@派手な映像満載で3Dの迫力は楽しめた

最初の映画は、駅に走り込む列車を撮ったモノだった、という歴史を考えると、内容より映像を、というこの作品は古き良き映画の王道かもしれない、とも思えます。

ストーリー自体はペルセウスが世界を破滅させようとするクロノスとその仲間、生み出された怪物たちと戦うという単純なモノ。
さらにハデスが心変わりしていく過程もなんとなくで、少し弱いのですが、これだけ派手な映像を見せてくれるのだから、イイですよ。
娯楽映画として合格点、充分とれています。

ともかく魔人やら巨神や怪物やらが後から後から出てきて、迷いこんだり潜りこんだりする神殿やら迷宮やらも映像的な迫力は満点。
観ている間は手に汗握る。
わざわざ映画館まで行く手間も、観終わって元は取れたと感じました。
光で飛ぶという宇宙船だよりだったジョン・カーターより、もっともらしくても地味だったヒューゴの不思議な冒険よりも、わざわざ映画館に行って観る3Dの値打ち、という基準で計ったなら、私ならコレ一択ですね。

望むなら3D映像を、もっとこちらに、ってことでしょうか。
炎とか咬みかかって来る怪物の牙とかを観客側に飛び出せて驚かせて欲しい。
火を吐かれても横から横、ばっかりじゃな。
観る方は、より強い刺激を求めているんで、グロテスクで悪趣味なのはカンベンですが、もっと迫力を!と望んでおきます。

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January 12, 2009

ベオウルフ/呪われた勇者   英語圏最古の原作で証明された人類の到達

剣と魔法と炎を吐くドラゴンの世界・・・もういい加減飽きた設定ですが、それをベオウルフに言っては気の毒です。
なんとこの原作は8世紀に成立した最古の英語文学なのでした。
そうなると一種の教養からも抑えておきたい1作ですね。

監督がR・ゼメキスなんですが、映像はフルCGです。
でもそんなことすぐに忘れてしまうほどの出来です。
パフォーマンス・キャプチャーの元ネタはA・ジョイリ-やA・ホプキンスなんですが、夕暮れの日の光や、打ち寄せる波の泡立ちなどが人と溶け合う様は、もうここまで来たか、という恐ろしさすら感じさせますね。
登場人物の魅力の元ネタ、これは限られた才能を持つ俳優や女優に頼らなければならないにしろ、荒れる海でのダイナミックな航海や、洞窟に住む異形の魔女など、もうまとめてCG化してしまった方がイイんですね。
驚くべき技術だと思います。

ただ最初気になったのは、デンマーク王のでっぷりした腹で、美意識の違いなんでしょうが、アメリカ人はよくこういう醜悪さを出すんです。
意識的なものだと思いますし、表面だけ綺麗なら良い、というわけではないのですが、できれば美しいものを見たいので、醜悪さはもっと計算して出して欲しいのが私の本音です。

映画は、まあまあ及第点という出来で続くのですが、クライマックスでドラゴンとの戦いは凄かったです!

黄金色のドラゴンが、岩窟を破って出てくると、豪快に羽ばたき飛び立つんですが、ベオウルフ、それに敢然と挑みます!
空中で二転三転する格闘!
物理的な量感すらかんじさせる火炎
なぎ倒される兵士達。
飛んでくる矢群が灰となって落ち、視点は瞬時に天空に舞い、また急降下して海に潜る。
すでにあらゆる制約から解き放たれた表現は、人類が映像の世界では神の力を得た証明と言って良いでしょう。

夕日に燃える海と沈み行く舟。
大いなる運命の暗喩を感じさせる幕切れも、CG画面、文句なく美しかったです。

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