題名通りの現場で実際に教鞭を取ったノンフィクションライター、林壮一さんの「体験記」です。
ノンフィクションと言っても「取材記」でなく「体験記」というところがまずミソです。
それは客観的なデーター集でなく、書かれる文章に血肉が通うということですね。
正直、この題材にあまり興味はなかったのですが、林さんは前作、「マイノリティの拳」という本が非常に印象的だったので読んでみました。
それでも最初はせいぜい「金八先生」のリアル・バージョンでしょ。
だいたい枠は読めてるよ、と高をくくった気持ちだったのですが、読み進めているうちに不意に泣けてくる。
別にお涙頂戴で書かれているわけじゃないのです。
自己憐憫に満ちた表現があるわけでもない。
ただ真摯に生徒と向き合い、過酷な現実に自分の非力さを自覚しながらも困難と闘う林さんの姿勢は感動的ですね。
人間性がしのばれるノンフィクションで素晴らしかったです。
本でもテレビでも勝者の姿は頻繁に取り上げられます。
みんな成功したいので、それはそれで間違いではない。
でもみんながみんな勝者になれるわけではないのが現実です。
それなら敗者に価値はないのか?
語るべきストーリーはないのか?ということです。
負け組に価値なし!
と言い切れる方はこの本を読んでもダメでしょう。
私はギリギリに生きる中でも他者を思いやる気持ちに感動しました。
人生の真の価値は、世俗的な成功がすべてではない。
彼は如何に戦ったのか?
それを問うこと。問われること。それは魂の問題なのです。
ps
「人生は厳しく、険しい。ひとつ間違うとボロボロにされる。でも常に努力を続ければ必ず道は開ける。ネヴァー・ギブ・アップ@ジョージ・フォアマン」
「オマエがキュー、キュー、軋む音を立てて車を走らせていたら、誰かがオイルを入れにきて助けてくれる。でもいい事を待つだけの者の所に幸せは来ない@ずっと運に恵まれなかった選手、後にmarvelousと呼ばれたマービン・ハグラー」
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