嘔吐@ジャン=ポール・サルトル 偏見に囚われずに読んでみましょう!
20世紀を代表する知性であり、実存主義の泰斗、サルトルの小説です。
この本については、実存主義ったってよく分かんないけど、サルトルは構造主義のナントカって人に論破されたんでしょ。
そんな遅れた理論だし、哲学者の書いた小説なんてストーリーも山なしオチ無し、意味不明なんだろうし、文章もやたら難しそうで退屈だろう。
その上題名が「嘔吐」・・・キモイ!
と読むのを避ける理由は山盛りですが、この本、それを振り切って読む価値ありです。
まず文章が美しい。
同時代のフランス人という繋がりからかカミュを思わせる美文には酔いしれます。
カミュは素晴らしかったけど、作品数少ないですからね。
カミュが好きになって、あの文章をもっと読みたいって思っている人にはオススメです。
カミュのイマイチの作品群より遥かに叙情的で読み応えがあります。
また「実存主義」という20世紀を代表する思想について、簡単な解説書を読むより遥かに理解も深まります。
これだけで1粒で2倍お徳ですね。
その上読み通せばあなたも明日から「サルトルを読んだ」、といえるわけです!
これはブランドですよ!ね!
ps
この小説でサルトルが掴み取ろうとしたのは、言葉の背後に連なり続ける言葉であり、意味の背後に永遠に続く意味であり、存在の背後に絶えること無く続く存在である。
その構造はまさしくウロボロスのごとく、です。
神を失った人類に残されたのは、自らの存在基盤を永遠に問い続けるだけなのでしょう。
美しい文章のさわりだけ紹介。(省略ありです)
午後三時。三時というのは、つねになにをしようと思っても遅すぎる、あるいは早すぎる時刻だ。午後の奇妙なひととき。今日は特に耐え難い。
四つのキャフェは夜になると軒を並べてまぶしく輝きはじめる。その時はキャフェ以上のものー水族館、船、星、あるいは白い大きな眼になるが、いまは夜の怪しい優美さを失っている。
自己反省には完璧な日。人類の上に投げかけられる情け容赦のない裁きに似た、冷たい光―それは私の内部に入り、内側から人の心を痩せ衰えさせる。
明日ブーヴィルには雨が降るだろう。


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