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April 26, 2012

にっぽん虫の眼紀行(中国人青年が見た「日本の心」)毛丹青@漢詩の詩情あるエッセイ集

現、神戸国際大学の教授である毛丹青先生が、副題通り中国から留学生として来日した頃に、みつめ感じた日本へのエッセイです。
最初に圧倒されるのがその日本語の巧みさ・・・なんつーか、頭脳のレベルの差を見せつけられるようで、ちょっと悲しいです(笑
結局、外国語で書くにしろ、その素養は元の言語能力が出るのであるなあ、と感じいるしかない。

一読者としての楽しみは、文章を読んでいるとなんとなく漢詩の趣きがあることですね。
それも日本風に漢文読みした漢詩です。
中国人が日本に来て、その風土に親しみ、日本語を学んで書く文章と、古くから中国で読まれた漢詩を、日本人が解釈した漢文読み漢詩が似ているのは、互いの感覚がその根底にあるのだから当然と言えば当然かもしれないけれど、感慨深いと言えば言える。

奥さんの描写が楽しい「イワナ」、ドイツ人青年との邂逅が印象的な「東京帰途」、終電の意外なエピソードと最後のオチが笑える「最終電車」やっぱり奥さんが可愛い「座禅と風鈴」、ホンマかいなというレベルの不思議な話「夜桜」、風景描写が美しい「落桜抄」、日本人の民度への敬意が滲む「盲導犬」
みな優れたエッセイが持つ短編小説の味わいがあります。
文革だなんだで、中国人の伝統的な感性も死に絶えたか、と不安になる事もあるものですが、この人の中では詩情は死んでない。

著者の若き日の写真、私はどうもアニメで似た人を知っているような気になったんですが・・・

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