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September 17, 2011

カラマーゾフの兄弟2ドストエフスキー/亀山郁夫@奇跡はビジネスになる、を予言した大審問官

カラマーゾフの兄弟、2巻目です。
読むと1巻はこの長大な小説の導入部だったのだなあ、と感じます。
2巻目は、リズムが出てきてストーリーが走り出し、内容が深まってずっとオモシロイですよ。
特に「大審問官」は凄いですね。
イワンの語る、物語詩、という設定ですが、非常にスリリングな部分の抜き書きで、なんとなく聖書の「黙示録」的な立ち位置を感じました。

この章節については書きだすと切りがないんで、一番印象に残った部分だけ書きますと、
「おまえは知らなかった。人間が奇跡をしりぞけるや、ただちに神をもしりぞけてしまうことを。なぜなら人間は神よりもむしろ奇跡を求めているからだ。そもそも人間は奇跡なしに生きることはできないから」
これですね。
そう、人は奇跡なしには生きられない。
だからこそ今は奇跡がビジネスになっている。
巨大化したスポーツ・ビジネスとか映画や音楽などのエンターテイメントビジネス、みんな奇跡の商業化だもんね。

後は1巻目の神学論争に結論が見えてきていて、それは
「神がいないなら、神を考え出さなければならない」
ということです。
でもせっかく造り上げた神も、
「俗世の学問がおおきな勢力となり、過去一世紀は聖書の尊い約束を、何もかも秤にかけてしまった」
となった結果、すべての価値観が功利主義の罠に落ちる。
全部が損得で片付くなら魂は何処に存在するのか?
魂がないなら、我々は肉で出来た、ただの算術計算機ではないのか?
という深刻な疑問。

結局、この小説が現代の日本で未だ新鮮に読まれるのは、神なき時代に置いて、我々はそれを超克できるのか?
という疑問へ必死の解答を差し出そうとあがく処ですよね。


ps
亀山さんが、この小説の構成は、古典派時代の交響曲の楽曲構成を意識しているのではないか、という指摘があります。
18世紀後半から19世紀前半の交響曲の第二楽章は「緩除楽章」と呼ばれ、基本的にゆったりとしたテンポの楽想が与えられる、とされています。
このご指摘、4部構成の共通という点では非常に腑に落ちるのですが、この巻が緩除である、とは思えなかったな。
でも私はシンフォニーでには何故か第二楽章、好きなんです。
甘い感じの旋律が多いですよね。
今後、読み進めないと結論は出ませんが、2楽章贔屓という点では、不思議な一致となるかもしれません。

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