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June 2009

June 30, 2009

エヴァンゲリオン/テレビ版:第壱話、弐話:参話で感じたこと

映画宣伝を兼ねたテレビバージョンが再放送中です。
不思議なんですが、DVDBOXを持っているのに録画しました(何でだろう? 普通の映画ならしないよね。ファンとしての一体感を共有したいのだろうか?)

そもそも私はアニメ漫画離れは早く、中学時にはもう観なくなっていたんです。
文学やアートなどに凝りだして、アニメや漫画はバカにしていた。
エヴァンゲリオンは、話題になってはいてもしょせんロボットアニメ、こんなものを有難がる風潮は如何なものかと苦々しく思っていたんです。
それでもネットで五話まで無料という特典に引かれて観始めたんですね。
そして虜になった。
以下、その時に感じた事を書いて行きますから、アニメなんてとバカにしている人も観てみましょう。


第壱話
オープニングの曲がエラクカッコイイと思いました。
曲も良いけど画面のスピーディな展開が凄い。
セフィロトの樹まで出てくる(当時カントールの集合論を読んでいたので驚いた)
A10神経接続開始、なんてセリフには、あんまり飛ばすとボロが出るんじゃないの?なんて冷やかに観ていました。
ミサトさんの乗っている、アルピーヌA310ってのはマニアックだな、と思いました。
光線が爆発すると十字架の形になるのもセンスだな、と思いましたね。
この時点では包帯を巻いた綾波レイにはまだ何も感じなかったな・・・

第弐話
戦いが始まったと思ったらいきなり病院の天井です。
暗示的ですよね。
対戦モノなら一番の見所であるシーンをすぐに写さないで後ろに回す。
後を引かせる訳ですが成功しています。

対戦中に最初負けてみせるのはこの手のフィクションの常道ですが、破砕した頭部から大量に出血するように見える作画には度肝を抜かれました。
これはタダ物じゃないかも、って思った最初のシーンです。

ラストはシンジが反転するエヴァのグリーンの瞳を見て悲鳴を上げて終わります。
どこまでも神経症的な演出ですが冴えています。

第参話
「目標をセンターに入れてスイッチ、目標をセンターに入れてスイッチ・・・」
ノイローゼみたいな主人公は、元気がないとか内向的だというレベルを超えて神経症的です。
ヒーローのアンチ・テーゼを出すにしてもここまで落として大丈夫なの?とハラハラしました。
完全に庵野さんのペースです。
もう一つ凄いのは、このアニメのセリフです。
エヴァのセリフだけで会話なんてスレッドも多く立ってますが、ともかく印象的なモノが多い。
説明的などうでもイイ物がほとんどない。
セリフに血が通っているので、キャラクターは魅力を深め、ストーリーは強烈に前進させられています。脚本のレベルは唯事でないです。

ひたすら外を眺めるばかりの綾波レイに惹かれ始めたはこの回辺りだったかも。
ここの作画も高度で表情はまったく見せない。
Dvc00013
でも蒼い髪は柔らかそうで、幼いのに一人孤愁に耐えている感じが萌える。
萌えの第一要素は可哀想だよね。
可哀想だた、惚れたっとことよ@漱石」・・・さすがに文豪、イイこと書きます。
「恋心とか、性的な欲望とか、そういうものではない。何かが小さな隙間から入ってきて、彼の中にある空白を満たそうとしているのだ。それは(綾波レイ)が作り出した空白ではない。もともとあったものだ。彼女がそこに特殊な光をあてて、あらためて照らし出したのだ@1Q84/多少書き換えました」
村上春樹も大した作家です。

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June 29, 2009

【望まれた】 ブラジル優勝@09コンフェデ 【予定調和】

コンフェデ決勝、アメリカ相手にブラジルは「顔」でゲームを開始します。
なんだか大人と子供の喧嘩、じゃなかったら格闘技を習っている優等生とストリートで切った張ったやってるプロの喧嘩師って感じ。
所詮試合はブラジルの手のひらの上だろとうと思って見ていると、10分
スペクターのシュートとも言えずパスとも思われずフィードと言われればそうなのか、クロスではないだろうというボールをゴール前のデンプシーがボレーして先制。
ブラジル選手の表情が変わります。
でも負ける気はしない。
スペインと違ってみんな体格も良く当り負けせず、凄みは上。
どうやって逆転するのかな、と思ったら27分ブラジルのパスがカットされアメリカは一気のカウンターを決めます・・・・不味いんじゃないの・・?
2-0でブラジル選手たち血相を変えて攻め込みますが例によって守りに入るとアメリカの守備は堅い。
前半は0-0の終了です。

後半は開始40秒、ゴール前でパスを受けたルイス・ファビアーノが鋭く反転してシュート!
2-1、セレソンのFWって動きがやっと見られた
やれ安心と思う間もなくアメリカ、ドノバン、デンプシーの速攻が来てブラジルもうかうかしてられない・・・アメリカは強いな。
なんだか欧州風でもなく南米風でもなくアフリカ風でもない独自の味わいなので意識し難いのですが体育会風のアメリカサッカーは確かに強いわ。

14分カカのヘディングをキーパーが掻き出してノーゴール判定。
ブラジルツキもありません。
24分ルイス・ファビアーノ絶妙の飛び出しもファインセーブされる。

それでも29分、カカが左サイドを突破、DFを振り切りロビーニョにパス、シュートがまたギリギリセーブされたかと思われた後にルイス・ファビアーノが叩き込む。
同点ですがここからは勢いが違いました。
ブラジルはアメリカゴール前に波状攻撃を繰り返し38分右サイド突破からCKを取ると、ルシオにピッタリ合わせて見せて逆転。
試合終了です。

やっぱりブラジルが勝たないとね、という世界が待ち望んだ結果を引き出したブラジル代表メンバー、オツカレ。
来年も楽しみにしています。

ps
左サイドですが、ダニエウ・アウベスが入った後の方がはるかに動きが良くなったと思うのですがどうでしょう。

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June 28, 2009

こんなのやってんだな、これじゃテレビ離れは加速するわ@涼宮ハルヒの憂鬱12話

第二期のエンドレスエイトがコレみたいです。
ユーチューブでキチンと1本で見られました。
ビックリ、角川さん太っ腹・・・これじゃあテレビは見なくなるよなあ。
そんなこと書きながら明日早朝のブラジルvsアメリカは録画するんだけど・・・テレビの希望はスポーツだけか・・・

この話は良かったです。
夢のような夏休みが描かれる・・・アニメだと長門がカワイイ。
特に喫茶店のストローシーンが素晴らしい。(7分15秒からな)
キャプろうかと思ったら出来なかった。
プールで浮き輪でクルクル回るとこもイイよな。
でもリアルだとみくるちゃんのボディに惹かれるんだよな。
現実だと肉体の魅力に負ける。
二次元だと雰囲気に惹かれる。
この二次元と三次元の好みの乖離は何故出来るのか?
今後の研究課題です。

綺麗な女の子3人とプール、盆踊り、望遠鏡、虫取り、バッセン、花火大会・・・ああ、俺の青春とのなんたる違い・・・
嘆いてもしゃあないか。
でも日曜に入った仕事、勉強会、法事、来週の日経先物OP、外国為替の注文入れの疲れが飛ぶんだからアニメは大したもの。

さーて、明日は早起きだっす。
コンフェデのせいじゃないです。
インヴァスト以外のくりっくのサーバーが今日は開かないのが悪い。
改善しろよ、くりっく!
日曜の夕方からサーバー開けろ!

ps
「こんな夏休みの過ごし方も悪くない@キョン」
どころじゃないだろ!
「ヤレヤレこれから毎日遊ぶってのか」だと
殺意が沸くぜ

ps
少年エースとヤングエース買っちまったよ。
こうして角川は元を取るのか!
確かにテレビCMより確実だわ。

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June 27, 2009

【ネタバレせぬよう】 ヱヴァンゲリオン新劇場版:破 【アドバイス】

本日6時まで仕事、明日の日曜も仕事で午後法事と勉強会(鬱・・・何かイイコトないかいな、という訳で行って来ました。

シネコンに着くと目の前を綾波レイが歩いています。脇のファースト・フード店ではアスカがポテト食べてる・・・さすがに初日、お祭りムードです。

結論から先に書きますと、映画は非常にオモシロかったです。
という訳で、以下、慎重にネタバレにならぬよう、要素別に書いていきます。

【ストーリー】
非常に練り込まれていました。
アッと驚く展開多々であり、戦闘シーン、学園ドラマ風の箇所などもバランス良く配合されています。
テレビ版のシーンやセリフもモザイクのように配されて庵野さん、相当考えたんじゃないでしょうか。


【使徒のデザイン】
もうね、最高でした。
前回はラミエルに驚かされただけでしたが、今回は初っ端から凄い!
これはシュルレアリズムの画家が書いたか、と思うような美しい変化続々で、世界の追随をまったく許さない出来でしょう。
この映画以降、モダン・アート風のクリーチャーはみんな後追いってことでよろしく。


【綾波レイちゃん好きは集まれ】(←オッサンの書いてる文章とは思えん)
今回の公開はあんまり萌えてませんでした。
公開前のグッツも良くないしさ(前回は綾波のマウスパット、最高だったよね)
変は新キャラは出てくるし・・・アスカも登場でしょ。
ただでさえ少ないレイちゃんの出番は、あんの(庵野)かよ?
と問い詰めたいと思っていたんですが、もう出まくり!
しかもセリフまで沢山ある。
当然可愛い。
「ATフィールド全開」もあります・・・このシーンは泣けるんだ。


【新キャラも良かった】
わざとらしく感じていた眼鏡キャラの子も良かったです。
さくらとかあむちゃんとか明るいキャラも好きなんだけどさ(←オッサンが書いているかと思うと果てしなくキモイ)、やっぱりエヴァのキャラは病んでいてナンボなんじゃないの、と思っていたんですが杞憂でした。
アスカも以前より良かったな・・・


あー、オモシロかったです。
来々週になるけど今度は妻とも行くよ。
クルマは無理筋かな、と思ったけど、360スパイダーで行った。
駐車場は大変だったけど、天気が良かったからね。
帰りはドラフォで夜空を走った。
心残りはニンニクラーメンチャーシュー入りを食べた店でビール飲めなかっただけ・・・ガーレジに着いてから幌が一瞬上がらないので焦った。
故障じゃないことを願う・・・

ps
何とは題名言わないけど、上映前にアメリカ映画の宣伝していたんだけど、もうダサイことこの上ない。
今どきミサイルの映像を売りにしているって何なんでしょうか?
「アメリカ映画と日本アニメ、なぜ差がついた慢心、環境の違い」
って感じ。

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June 26, 2009

【顔が怖いのは】ダニエウ・アウベス、決勝に導く【伊達じゃなかった】

スペインに世界ランク1位を奪われていたブラジル。
王国を自認する国がそれじゃいかんだろうと思っていたんですが、イタリア戦では悪くないと思った。
でも今日の試合は退屈でした。
地元開催でテンションを上げる南アフリカの勢いに押されてゲームが出来ない。
正面からぶつかり合ってほぼ互角ってのは拙いんじゃないでしょうか?

カカだけは攻撃に守備にと次元の違う存在感でしたが、ここぞという時に突破出来ないルイス・ファビアーノが物足りない。
ブラジルのFWはロナウドの影が大きくて大変だよね。
ペナルティ・エリア前で失敗するたびにロナウドだったらなって思うものね。
日本でたとえると王、長嶋引退後の巨人の4番って感じ?

ゲームは互いに拮抗して決めさせず0-0の展開。
前半からリードされたスペインよりはマシだけど、時計が進むにつれブラジルに嫌なフラグが立ち始める。
このまま同点終了で、延長も00だったりして。
PK勝負になったら、もしやもあるかも?
そこで登場のダニエウ・アウベスでしたが、スペースを与えられずパスも繋がらずスピードは生かせず。
それでも幕切れはこの人のFKでした。
蹴る前の顔は怖かった。
なんだか暗黒大陸の野生とか、アマゾンの奥地の恐怖の伝説とかそんな感じ。

南アフリカの希望を断ち切る見事なFKでした。
決勝はスタメンでお願いします@ドゥンガ監督
この人を右サイドで走らせ、この世には近代文明の知らぬ恐怖があるのだ、ってことをアメリカに見せたって欲しいです。

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June 25, 2009

【ブラジルは】科学の勝利? 決勝行くのはアメリカ!【勝ってよね】

コンフェデSF、世界ランク1位に気後れしないアメリカはともかく走ります。
確かにスペインの選手は巧いんだろうが、「諦めたらそこで試合終了だよ」、なんて思っているようで、アメリカ選手はスラムダンクでも読んでるみたいでした。
かわされても抜かれてもメゲナイ。
骨惜しみしないでひたすら喰らい付く・

なんだかアメリカのサッカーって高校とか大学サッカーのスーパー・バージョンみたいだよね。
技術とか試合運びは味もそっけもなくて、それは欧州のオールドワールドに対する新大陸とか、ガウディの建築に対する摩天楼って感じ。
無駄なく無理なく隙を作らず、科学的トレーニングを積み重ねて基本に忠実に。
それを90分励行する。
情報収集も怠りなく。スペインのパスを随分カットしていた。
バスケとかアメフトの要領で、研究したんでしょうか?
なんだかいつもと勝手が違うな、ってスペインの選手は思ったんじゃなかろうか?

先制は27分アメリカ、デンプシーのパスを受けたFWがスペインのDFを背負ったまま体を反転させてシュート。

後半は開始から本気モードのスペインが攻める攻める。
それをアメリカが防ぐ防ぐ。
シュートが全部キーパー正面に行った不運もあるけど、守りきるとペナルティエリア前からドノバンが右に突破してパス、デンプシーが追加点。
これで勝負あり。
パスを足に当てたピケはゴールポストにすがりつき、反応の送れたセルヒオ・ラオスは呆然と天を仰ぐ。
まあしょうがないよ。
イニエスタがいればもう一工夫出来て結果は変わっていたかも。

今日の処はサッカー新大陸の勝利。
ブラジルは勝ってよね。
決勝カードが南アとアメリカだったら萎えるわ。

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June 24, 2009

PLAY TOUR -2007-NAMIE AMURO@安室奈美恵の進化は止まらず・・・

「PLAY」のツアー、ライブDVDです
CDの「PLAY」は一番のお気に入りですし、「BEST FICTION」の前のツアーです。
見逃した1年若い安室奈美恵が見られる訳です・・・30才過ぎて1年若い。
シャープな動きが生命線のダンサーなら1年若いってのは微妙に大きいかもしれない。
今回感動したベスト・フィクションツアーよりエッジの効いた安室奈美恵がいるかな、と思って購入したんですが、驚くことにその期待は裏切られました。

このDVDも素晴らしいです。
本当に素晴らしい。
買って良かった。
DVDで初めて分った彼女の発汗の量。微妙な表情の変化は見逃すものじゃない。
今二回目を観ながら書いているんですが、中毒になりそうなほどです。
でもよりedgyでカラフルなのはベスト・フィションの方。
スゲエよ、奈美恵安室・・・この時からさらに尖ってスケールも増しているんだ。
三十路過ぎのアイドルのやることじゃない。
このコンサートでもMCはないのですが、まだ一瞬だけど観客にマイクを差し出す。
ベストフィクションでは一切なかった。
安室奈美恵は罪作りな女で、彼女のコンサートを観た後だと、MCも客に歌わせることもスゴクダサイことに思えてくる。
本物の歌手なら自分の歌だけ聴かせるのが仕事と思い出させてしまう。

観ていて彼女は何かに似ていると思ったんだけど、アニメのキャラクターに似ているのだ。
驚くほど小柄で細い体躯に、小さな顔が乗っていて、驚異的にアニメまがいに動ける。
腰を完全に下まで落としてから一瞬で立ち上がる速さは、重力のない世界に住んでいるかのよう。
彼女は現実の重い頚木を逃れた実在のスターだったんですね。

ラストに上がる女の子のバルーンも可愛い。
でもなんで両方とも女の子なんだろう?
彼女のファンに男はいらないのか、と思った処で、矢沢永吉を思い起した。
終幕でタオルを首に掛けて声援を受けているシーンから思いついたんですけどね。
両方とも同性に本当にカッコイイと思わせる存在ってことが共通している。
男は矢沢に、女なら安室になりたいよな。
台湾のツアーが終わったようですが、上海でも成功するでしょう。
今の中国人なら分るんじゃないかな。

ps
このツアーではいわゆる解かりやすい名曲、Can you celebrate?が入っています。
安室奈美恵はこういう曲をやらなくなったのが別の次元に行った証拠、と思ったんですが、この曲に感動するな、ってのはやっぱり無理だな。
次回はやって欲しい。

後、COMEもやって欲しい。
曲もムーディでメロディックだし、ダンスも最高。黒のキャミソール・ミニが翻って魅惑の極地だ。

なんだか要求ばっかり増えてイクケド・・・スミマセン。

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June 23, 2009

モオツァルト 無常という事 小林秀雄 @俺は本当に日本贔屓なのか?

私は日本贔屓です、といつも書いてます。
ユーラシア大陸の東の端に弓なりに浮かぶ島国が好きだ。
鬱陶しいこの季節まで好き・・・日本列島は日本人だけの物だと思う。
食べなれているとか、体質にあっているとかいう次元でなく、日常食に関して日本は圧倒的に素晴らしい、とも思う。
東京を世界1の美食の都と認め続けるミシュランは器がデカイ。
・・・でもこの本を読むと自分に少し疑問が沸いてきます。
何故かと言うに、「モオツァルト」の章は良く分るんですね。
私は特に熱心なモオツァルト聴きじゃないんですが、一通りは聴いている。
だから読みながらでもふんふんと分る。
でも実朝とか馬子の墓なんて章になるとチンプンカンプン・・・古文の素養がなさすぎます。
象徴派の詩人は好きでも短歌ってのが分らないのが分った
「春霞いづち立ち出に行きにけむきぎす棲む野を焼きてけるかな」
この歌の良さ分ります? 
当麻の件も分らない・・・読み進むにつれ、自分が日本の伝統文化音痴であることを自覚するしかない。

でも読んどく本だと思います。
小林秀雄は「批評を文学に高めた」、という人ですから簡単なことは言ってません。
世評通り、かなり難解な文章ですが内容は確か。
そして何より響きが美しいです。
この本を読むと、徹底して考え抜くこと。
考えることに対して骨惜しみしないこと。
言語という「曰く言い難い美的対象に迫る」にはあまりに粗雑な道具でも安易に流れずに探求を続けること、なんて覚悟が少し沸いてきます。

難しいことを難解に言う人は2流、難解なことを簡単に言う人こそ1流。
そんな風に思っているのは単に自分が楽をしたいという知的怠惰なだけだったのかもしれない・・・と思わせるんだらか大した者です小林秀雄。

精神の本当の栄養になる1冊でした。
でも難しいよ。
読むのなら覚悟して読んでください。
何でもかんでも優しく分り易く、簡単に噛み砕いてくれるのが良い、という風潮に、一石を投じることが出来るだけでも価値ある著者だと思いました。

ps
鉄斎、雪舟、光悦、宗達だな、当面の課題は。
でも俺に分る日は来るんだろうか?
俺の日本への感性はすでに回復不能なほど挫滅されているのでは・・・という不安もある。
しかし日本は昔から凄かったんだな。
日本文化に独創性がないと言っていた連中の教養って何だったんだろ?

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June 22, 2009

おひさ~ブラジル代表@コンフェデ&【なんて】D・ヘイ試合中止【こったい】

すっかりスペインづいてますが、サッカーといえばやっぱりブラジル。
久しぶりの観戦はイタリア戦。
予選落ちもあり得るイタリアですが、黄金カードであることは間違いない。

観てない間に面子は結構変わっていて、カカが中心選手なんですね。
カカが中心のブラジル代表はすっかりカカあ天下です。。。。
これで来年レアルに行ったら、レアルもカカあ天下になるんでしょうか?・・・
・ ・・大事な事なので、二回書きました・・・

序盤は蹴鞠みたいにボールを操るブラジルのペースでスタート。
なんのかんの言っても楽しいブラジルサッカー。
セレソンはいつも明るいよね、
ホント、楽しそうにサッカーします。
イタリアは負けちゃったけど良く戦ったと思うよ。
1点目のルイス・ファイビアーノのシュートは取れないと思ったし、2点目のカカとロビーニョの崩しも凄いよ。
アレやられたらどんな国でもチームでも止めるのは無理。
ブラジルはスペイン戦が楽しみです。
イタリアには来年、期待しましょう。

それより今日ショックだったのはD・ヘイの試合が中止になったこと。
もうずーーーーっと、楽しみに待っていたのに!
今日の予定はみんな8時からのヘイ戦を基本に建てていたのにガッカリ。

慌てて2ちゃんねるに行ったら、4日には中止が決まっていたのか?
先週のエキマで発表あったの?
先週の分はトレーニング時に観る為に回していてまだ観てないのだ。
こういう具合にファンはひたすら準備に励むのです。
チケット買って握り締めていた方々にはご同情申し上げる。6万枚売れてたって?

次はちゃんとやってね。
それからエキマはヘイ戦は中継シテクダサイ。
モンテ・バレットとやってんじゃん。
お願いします。

次はちゃんとやってね。
それからエキマはヘイ戦は中継シテクダサイ。
大事なことなので二回書きました。

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June 21, 2009

「ご存じないのですか?彼女こそ超時空シンデレラ、ランカちゃです!」@もはや大自在の妙境

昨日、寝る前に録画してあったマクロスFを見たら、「星間飛行」のシーンをやっていた。
流れの中で見るのは初めてだったけど破壊力は抜群だった。

どんなシーンか知らない人の為に簡単に書くと、宇宙戦争のまっただなかにランカちゃんという女の子がジェット機に乗って歌を歌いながら登場すると、両軍の戦士たちが歌に聞き惚れ、頬を染めてて戦いを止めてしまうという、馬鹿らしいにも程がある、というシーンです。
でもそれが決まっている。
というか、問題のシーンは神業としか思えないほどの跳躍をしながら毛筋ほどのほころびも見せない!(キリッ

設定も馬鹿らしさの極地なんだけど、歌も二昔前のアイドル歌謡曲風で、作詞はなんとあの松本隆さん。
もはや時代遅れとしか思えないテンポ、アレンジ、味わいなのに、聴かせる。
この曲は私のドライブ中の愛聴曲で、運転中でもキラッ☆っとやっている。
「キラッ☆」というのは、ユーチューブ「星間飛行」を見てもらえばわかるのだが、曲の途中でランカちゃんがやるキメポーズです。
オッサンがやっているかと思うとキモイことこの上ないだけど、誰も見てないしさ。
イイじゃん、酒も飲まずに昼夜働いているんだし・・・

エントリーのセリフは、自軍の戦士が戦闘を止めてしまうのを怪訝に思った敵方の司令官が参謀に聞いた時の返事です
隻眼の恐ろしげな参謀は、
「ご存じないのですか? 彼女こそ代役からチャンスを掴み、スターの座を駆け上がっている、超時空シンデレラ、ランカちゃんです!」
と、丁寧を通り越した愛情溢れるコメントで、名前にはちゃんまで付けてくれている。

この戦闘が幾ら激しく、互いに憎しみあっていても、戦いは女の子の歌1発で止まる、というのは、隣国が核とミサイルを開発し、潜水艦に潜られ放題でも何も出来ない国民の潜在的な願望が隠されていると思う・・・というのは嘘で、単にノリで作ったと思う。
でもこんなフザケタ乗りで作っても、完璧にストーリーをグルーブさせ萌え萌えにするんだから、もう日本アニメの表現力は大自在の妙境にあるとしか思えない。

昨日はトランスフォーマーもやっていたらしいですね。
迫力のある戦闘シーンはさすがに180憶の製作費を突っ込んだ大作でした。
物量で完璧を目指すのはアメリカ流ですよね。
でも海外がこの発想の飛躍に至るには幾星霜を必要とするのか?

まあトランスフォーマーも元ネタは日本の玩具なんですけどね。
誰でしょうか、日本文化は物まねばかりと言い続けるているのは?
まあ必死なんでしょう。
御苦労さんです。

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June 20, 2009

フーコーの振り子 ウンベルト・エーコ @桁外れの知性が語る隠秘学

上巻だけですけど読了しました。
エーコですから大変でしたが、個人的には「薔薇の名前」より格段に読み易かったです。
その理由は今回のテーマが古代宗教や隠秘学に関することで、私の好きな分野なんですね。冒頭から私好みで、
「私は知っていた。その魔力のような穏やかな吐息のなかで・・・その周期は糸の長さの平方根と円周率との関係で規定され、πの数値は人間の知力では解き明かせない無理数であるにもかかわらず、いかなる円であっても、その完璧な比率によって必ず円周と一に結ばれる。振り子の理論的な振幅が対をなすこと、三面からなるπの実体、ルートに秘められた正方形の正体、円の絶対性、という神秘的な秘策によって定められる・・・無限に対して何の震えも感じないほど怠惰で、エンソフとの遭遇という驚異の体験を記憶にとどめることもなく・・・」
なんてんで、これはイケルという感じ。

上記の文章に、これはイケナイと思う人には辛いかな。

ともかく読んでいる間中、無尽蔵ともいえる衒学が後から後から出てくる出てくる。だから意外にも読んでて楽しいんだよね。
例えば、テンプル騎士団、カタリ派、アルゴー船のゴールデン・フリース、「光輝の書」ゾハール、エリファス・レヴィ教団、ガリアのドルイド、ミトラ教会、ヘルメス神殿、グノーシス主義、古代バヴァリア幻想教団、シビラの信託集、タルムードの守護神リリスと両性具有の偉大なる母、エレウシスの秘儀、アレイスター・クロウリー、ナグ・ハマディの断片に記された、「何故なら、私は最初で最後の女性だから。私は敬愛され憎まれた女性、娼婦で聖女」
というようなことが延々と書いてある本です。
でも小説として、ストーリーのダイナミズム、ドライブ感は皆無・・・一端本を置くと中々再読し難い。
でも読み出すとオモシロイ。
こういう本も珍しい・・・

なんだかエーコ位規格外の知性になると、生活するのもそれなりに大変かもな、とも思う。
何事にしろ、すぎる、ってのはさ。
背が高いって普通なら良いことだろうけど、身長が3メートルです、なんてことになると困るでしょ。
良すぎる頭の使い道に困って記号学なんて始めたんだろうか?
そんな気もしました。

下巻が楽しみです・・・嘘です。
少し休みます。
続けては読めないよ。
でもオモシロイよ。
スッゲエ、頭のイイ人の話を聴いている気分になれます。

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June 18, 2009

若者が文化的に内向きになったのは日本文化が世界1になったからです

若者が内向き指向だ、オタクになって生命力が失われたという議論を聞きますが、バカらしい限りです。
今の若者が外の文化を求めなくなったのは、日本文化が世界1クールな先進性と創造力を持っているからです。

私は中学の頃、ブリティッシュ・ロックに夢中でした。
「20世紀の精神異常者」を聴いた時は、これこそ求めていた音楽だ、と思った。
暴力性と知性の高度なそして幸福な結婚そのもののような音楽。
「展覧会の絵@ムソルグスキー」をラヴェルも凌ぐか、というような編曲にしたてたEL&P。
ピンク・フロイドとか、J・ケージよりずっとビビットで生命力溢れる現代音楽なんじゃないのって今でも思う。
その当時のイギリスの若者は文化的に随分内向きだったんじゃないかな(笑
ロックは米国でも欧州大陸でもやっていたけど、俺たち英国に比べればダサダサ。
問題になんねーからって思って当然。

でもその後、海外発の音楽に新たな創造の地平を切り開く動きってあった?
その後の新しいミュージシャンってエミネム、アッシャー、ビョーク、メタリカ、ドラゴンフォースとかその位?
グリーン・デイ・・・・とか、パンクをポップス風に巧く消化していると思うけど、ジョニー・ロットンがやってのけた音楽の新たな地平を切り開くって感じじゃない。悪いけど。

昔は映画も海外物が凄かったんですよ。
「2001年宇宙の旅」「時計仕掛けのオレンジ」
単に娯楽ヒット作というだけでなく、人の目を見開かせる創造性に満ちていた。
そんな作品今海外にありますか?

小説だってバラード、ディックがいた。
今、あのレベルで革新性があり一般的な人気も誇る作家いるんでしょうか?
あの当時、日本はエコノミック・アニマルって呼ばれていた。
今はクール・Japan

歴史を遡れば、エコール・ド・パリの時代に絵を学びたかったらフランスに行くでしょ。
ルネッサンスの時代に芸術したかったらイタリア以外考えられないじゃん。
ハリウッド映画とプレスリー全盛のアメリカもそうだったんじゃないかな。
今はそれがアニメを中心とした文化を発信する日本なんです。


アニメ以上にパワフルな表現形式って何かありますか?
あったら教えてもらいたい。
今やハリウッドの大監督がみんなゴジラを見ましたとかアニメが大好きですって連中じゃないですか。
あれお世辞じゃないですから。

俺は歴代SFの主要作品ほとんど読んでいるけど、エヴァンゲリオン劇場版のラストに匹敵する作品、どれだけあるか?

登場人物がみんなどっか精神を病んでいて、廃墟みたいなアパートに一人で住んでいるヒロインは、裸見られても平気で、自爆特攻が得意技で、水槽に一杯養殖してある、なんて途方もない設定ないでしょ。
挙句に地球規模にまで巨大化すると生きとし生ける者をみんな統合しちゃうんだよ。
音楽もアニソン凄いですから。
どうしても納得出来ないなら、バルトークでもロバート・ジョンソンでも聴いてればイイさ。

今の時代、アニメが分るかどうかが試金石だと思う。
今アニソンをバカにしている人は、かつてビートルズの音楽を騒音。長髪は女みたいだと嘆いた人です。
ルノワールの裸体画を腐った死体、モネの「日の出」を描きかけの絵って呼んだ人たちと一緒。
ま、日本最強です。
だから若者は内向きなの。

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大魔神怒る      @大魔神は何故怖かったのか?

ホラー映画が一番好きなカテゴリーなんて書いてます。
グロ系のホラーは嫌いなんですが、ホラーは小説の方でも一番好き。
恐怖にある種の美が混在するようなものが最高ですね。
もっと怖い話はないものか、と日々思っているのですが、今まで一度も本気で怖いと思う映画はなかったのか、と思い返すとあった。
子供の頃、怪獣映画のノリで見に行った大魔神は怖かった。

なんであんなに怖かったんだろう、と昨日やっていたのを録画して見返したんですが、これは人の憤怒の表情だから怖いんですね。
怒りの感情が直接的に伝わってくる。
その思いが怖い。
同じ破壊行為でも怪獣だと別次元の話し、と距離が置ける。
でも人の顔をした魔神が憤然と怒りだし、城壁をぶち壊し、ズシンズシンと迫ってくると怖い。
青銅色に変色した顔面に充血した眼球がギロギロと動き、絶対に悪人は逃さない。
復讐物の復讐シーンだと、イイぞ、もっとやっちまえ、とサディスティックな気持ちになるんですが、大魔神が相手だと、悪人にも少し同情したくなるほどの怖さ。

この映画は時代劇としても、特撮物としても良く出来ていると思いました。
十字架とか割れる海とかちょっと聖書ネタも使われているようです。

ただもっと残虐で怖かったような記憶があったので、調べてみたらこれは二作目なんですね。
私に強烈な印象を焼き付けたのは1作目だったようです。
ちょっと1作目が観たいなあ・・・日本の怪獣映画は凄かったんだね。

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June 17, 2009

鍵すら忘れて家に入れない華麗なる休日&柊つかさの弁当はマジで旨い!

今日の休みは久々に予定なし。
好きにしていてイイんですが、そうなるとやることもない私・・・
東急のリゾート会員権があるんだけど、遠くてさ・・・(リゾート地だから当然ですけど)行くといっても妻は今日は用事だしね。
というわけで、鷲宮の「らきすた スタンプラリー」に行くことにしました・・・・笑ってくれてイイデス・・・

それでも何かやらないと落ち着かない私は起きてから、CD-ROMで届いた会社の経理書類を印刷。
総勘定元帳なんかを延々と印刷させながら、225先物の動きを見る。
上が重いと思ったんで、一端出る。下も固そうなのでまた買いで入る。
自分専用のPCは三台あるんだけど、一番使ってないノートPCの更新も済ませる。ウイルスソフトがスキャンもやれって五月蝿いのでやらせとく。

そんなこんなで少し遅れて駅に。
クルマで行こうと思ったんだけど、今日はラーメン屋でビールも飲みたいしさ(ラーメン屋でビールってのが泣ける)
駅まで妻に送ってもらうと丁度電車が・・・乗り継ぎがメチャクチャスムーズで昼前には鷲宮に到着。
格好は白のストレッチジーンズと茶色のカットソーです。

駅から昨日印刷したらきすた飲食店の地図をみながら歩くこと数分、目的地にしたラーメン屋に到着・・・開いてません・・・仕方がないので有名な「魚光」で柊家の「つかさのきちんとしている弁当」と「かがみのとっても質素なお弁当」の両方を購入。スタンプラリーの台紙クダサイとお願いしたところ、もうやってないんですよ、と言われてしまった。
・ ・・なでんも遅れて行って外す私です。

お弁当、食べる場所がないのでもう一軒のラーメン屋さんに向かってあるく。
大した距離じゃないんですが、普段、自宅と仕事場の往復100mだけの生活なんで結構疲れる(ホント、ダラシナイ・・・)
やっと二件目のラーメン屋さんに付くとそこはお休みでした・・・なんでもう少し調べてから来ないなんだろう、俺・・・

隣りのカスミでビールを一缶購入し、もう帰ることにする・・・トホホホ・鷲宮の駅のベンチで「つかさ」のお弁当を広げる。
ハンバーグ弁当なんてほとんど期待してなかったんだけど、これが美味しい!
アスパラとにんじんのふり塩まで美味しい・・そら豆と玉ねぎのベーコンのソテーも美味しい・・・電車が来るまでにビール飲んで完食。
食べるのが速いって癖が役に立つ時もあるのね。
かがみの弁当はバックに入れて持ち帰り、

という訳で家に帰り着いたのですが、そこで自分のアホさを呪う事件が!
鍵忘れて来ちゃった・・・
娘たちは学校だし、妻は夕方まで帰ってこないし、どうするのよ、俺。
歩くの苦手でもう何処にも行く気しないんですけど。
クルマにも乗れません、当然。
一抹の希望を抱いて親の家に行くも、クルマがない。
親父はゴルフだろうが、オフクロはいるかな、と思ったけどいない。
万事休しました。
それでもどこか開いてないかと家の周りをウロウロして全ての窓を試すけど開いてない。
窓はみんな一番分厚い防犯ガラス。
追い出された感じ倍増で、なんだか恨めしい・・・

仕方が無いので芝生の上にガーデンベンチを出して昼ねを決め込むも、蚊が寄ってくる・・・トホホホ・・・どうなってしまうのか!
「あなたの肌って綺麗よね@妻」と言われても男なんでありがたくないんですが、滑らかな肌は蚊に弱いんだよ。

庭にいても耐えられないので、近くの美術館&公園に行く・・・もう歩き疲れた。(ホント、歩くの苦手)
やっと日陰のベンチを確保して寝転がる。
木漏れ日が光り、噴水の音が聞えて、悪くないじゃないか、と思いながらも、妻の携帯と親の家に電話を続ける。
反応なし。
携帯で225先物の動きを見る。
上げたとこ売ってまた下で買う・・・何やってんだよ、俺・・・トイレに行きたくなったので、美術館のトイレを貸してもらいに行き、個室から親の家に電話!
繋がりました。
オフクロが帰っていた。良かった。
これで鍵開けてもらえる・・・サルベージされました。
草臥れた・・・みなさん、出掛ける時は鍵を忘れずに・・・
俺はそもそも休日ヒッキーなんで、家から離れると実に情けないのを実感した。

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スリラー・イン・マニラ@アリvsフレイジャー@人の闘志の限界の形

ボクシングが好きになったのが何時だったかは覚えていない。
小学生の時分には好きになっていたと思うのだけれど、ビデオもなかったし、衛星放送で毎週やる、なんてこともなかった時代だから、見た試合の記憶もおぼろげだ。
今回、BBC制作の「スリラー・イン・マニラ」も見たはずだとは思うんだけど、すっかり忘れていた。

改めて見ると、二人のファイターはやはり圧倒的に素晴らしい。
アップライトに構えて鋭くワン、ツーを放つアリ。
スピード・アップした今の時代から見てもアリのファイト・スタイルは相当変わっている。
パンチは一見手打ちに見えるけど、相手の体に当った瞬間だけ、腰が入り、体重が乗っているように見える。
これならカウンターは取られ難いし、自らは連打も効く。
ただ天才だけが出来る打ち方だと思った。
蜂のように刺す、とは巧く言ったもので、鋭く速い回転で打ち込まれるジャブとストレートには、単純に腕力勝負だったヘビー級では革命的だったんだろうな。


一方のジョー・フレイジャーも凄い。
やってることは単純で、ダックして左フック、ダックして右フック。
愚直なまでにその繰り返し。
まさしくスモーキング。機関車になって目の前の相手はみんな吹き飛ばす。
古典的なスタイルだけど、見ていると一芸を極めた魅力に満ちている。

ラリー・ホームズがインタビューに答えていて、フレイジャーのパンチを喰うと、体中が電気に触れたように痺れたって言っていたのが印象的だった。
プロの人ってパンチ力と当てる正確さも凄いけど、パンチへの耐久力が素人と違うんだよね。
この試合はそのパンチへの耐久力の限界が示された一戦だった。
二人を支えたのは極限の意志力だ。

序盤は力むフレイジャーに、アリがその天才的な正確性と鋭利さを持ってパンチを打ち込む。
フレイジャーの顔が何度も揺らされるが、彼は気にしない。
そしてスモーキング&スモーキング。
フレイジャーのフックが、左、右と左とアリのボディに打ち込まれ、顔面に返される。
アリに打たれても打たれてもフレイジャーは前進を止めない。
スモーキング、スモーキングと突込んで行く。

14Rは観る方ですら限界だったと思う。
俺はボクシングも総合もマニアックに好きな方だと思うけど、キツかった。
マウントからの肘打ちでマットが血に塗れるUFCの方がずっと楽だよ。

ドン詰まりまで行き着いた人の闘志の姿がどんな形を取るのかが分った。
最後に二人を分けた審判は神の差配としか思えない。
その後の運命がそれを補っているんだと思う。
アリは最初に神の前に出て、おそらく全てと引き換えた。
フレイジャーは引き換える順番が後だったに過ぎない。
なんと言ってもプロ生活のほとんどを片目でファイトしていたのだから。

スポーツとクルマの分野では回顧趣味はないのだけれど、この二人位凄いと話は別。
圧倒されました。
20日にBBCの完全版が放送されるらしい。
今から予約しておくことをオススメします。

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June 15, 2009

さよなら、愛しい人 R・チャンドラー/村上春樹訳@題名に失望せず、読むべし

最初にこの本を見たときは、「Farewell,My Lovely」って、コレ、あの「さらば愛しき女よ」の新刊ですか?
チャンドラーは村上が訳してるのに、こんなダサイ題名で単行本って、どこのギャンブラーが刊行したんだよ、と思ったら村上さんの新訳でした。

でも何故に変えたのかあの傑作題名を?
「さらば愛しき女よ」って邦題史上に燦然と輝く逸品だと思うのだけれど。
普通だったら、「買わないよ」、と思う処ですが、村上さんの訳で初めてフィッツジェラルドもカポーティもチャンドラーですら魅力が分ったしね。
これは騙されたと思って買うしかないでしょう・・・

でも読み始めから調子が出ない。
やっぱりこの題名オカシイよ、というこだわりが抜けない。
ツマラナイなあ、人生で読める本って限られてるから、ツマラナイ作品はパスした方がイイかなあ・・・まあ流石の春樹村上でも10割バッターになるのは無理だよね、これは失敗作、なんて思いながらも150P・・・この小説は突然輝き出します。

そうなるとミステリー小説史上に残る傑作ですから、後は一瀉千里。
詩情溢れる情景描写と、事件解決後に明らかにされるマーロウの不可解な行動に引きずられるように読了しました。

この小説、最初に読んだのって、ミステリーの歴代傑作をコンプリートしよう決めて読み出した中学の頃?
ハメットはイイなって思ったんだけど、チャンドラーとマーロウってキザなことばっかり言ってってさ。全然ピンと来なかったんだよね。
なんでこんなにありがたがられるのか?
マッギバーン(←知らないでしょ。今やグーグルしても出てこないよ)の方がイイくらいだ、と思ったんですが、ラストは感動!(すっかり忘れていた)
ああ、イイ話だったんだ。
マーロウはカッコイイよ。(事件後の語りなんてまさにファイロ・ヴァンスもかくや)
今回で完全に魅力が分った。
後の映画や小説界にチャンドラー造詣のマーロウ像が与えた影響たるや、ここで書いていると切りがないので省きますが、スゴイんですよ。
というか男のヒーロー像の神話的原型になったんだよね。

ま、読んでおくもんです。
外せない傑作です。
スゲエや春樹村上!
今のこと打率10割。

psカッコイイ文章をちょっと書いておく
「私は何も言わなかった。パイプにまた火をつけた。パイプに火をつけている男は、実際には何を考えていなくても、どことなく思慮深げに見える」

「漆黒の花が部屋の隅で輝き・・・快適さと、空間のゆとりと、落ち着きがそこにはあった・・・霧の出ていない夜で、すべての色合いが鮮やかで・・・」

「光を顔に受けて目覚めた朝、魔法のかかった谷間に身を横たえつつ、夢を手放すときのように」

「そこには特別な種類の光が、音もなく輝いていることがわかる。それは上流階級だけのために、防音を施されたコンテナに詰められて、届けられるのだ」

「いつもの匂いだ。埃と煙草の匂い。それは男たちの送る暮しの匂いであり、男たちが行き続ける世界の匂いだ」

「男であるというのは時としてきついものだ」

「いつもそういう言い回ししかできないの」
「シェークスピア的なタッチと言ってもらいたい」

「遠慮するなよ、言いたいことは言った方がいい」
「私はキスされたいよ。ひどい人ね」

題名もこの方が良いのかもな・・・女じゃなくて、人の方がさ。

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June 14, 2009

萌えて分った萌え事情  萌えは自分の中に優しく見守る対象を作ること

どうにも「萌え」ということは、世間で誤解されています。
対象が「美少女を描いたアニメ」なんで仕方が無いですよね。

少女性愛と混同させられてしまうことも多いようですが、全く違うものです。
まずはっきりさせておきたいのは、ロリコンは極めて悪質な犯罪だ、ということです。

じゃあ萌えとはなんだ、と問われると、もっとプラトニックな純粋な思い。
一つのイメージ(綾波レイの画像など)から喚起させられる優しい慈しみの感情です。

だから人間の少女には何も感じません。
彼女たちは「トイレに行きます」からね。
「トイレに行く」、というのは比喩的な意味でですよ。
要するに人が現実の中で生きている限り、どんなに若く綺麗に見えてもまったく純粋な存在ではありえない、ということです。当たり前ですね。
でもそんな現実から離れて純粋な清潔な思いを味わいたい、と思うのが萌えの感情なんです。

それは現実逃避であり、衰弱した人間なんでは、なんてことをおしゃる方もいますが、私を捕まえて弱いといえる方は、世間一般では相当以上に強い方と思います。
私は休日もほとんど取らず終日働き毎年、相当額の納税(かなり多い方だと思う)をしていますし、腕力もある方でしょう。メンタルも強い方だと思います。
精神的に弱かったら、本業以外でやっている投機の会社なんて続けられません。
でも現実が過酷だからこそ、それに耐える必要があるかあらこそ、絵に描いた餅、ならぬどこまでも穢れのないフィクションだけの存在に癒されたいのです。

だがちょっと待って欲しい。
強い(←笑うとこです)のは分ったが、現実の恋愛は苦手では、と問われるとその通りです。
私が独身時代一番心がけたことは、少しでも相手に嫌がられたら追わない、ということがありました。(相手を喜ばす事が出来ないなら、迷惑だけは掛けない)
男は押し、なんて言葉は苦手ですね。(恋の駆け引きってのも嫌い)
体育会での集団強姦(←書くだけでも忌まわしい単語だ!)が話題になってますが、オタクの人がそういう事件を起したってないでしょう。
体育会が全員強姦魔って言ってるんじゃないですよ。
ただ一般に好意的に見られる体育会にも腐った人はいるってことです。

少女監禁事件の人とかはアニメオタクという以前の社会生活破綻しゃでしたよね。
少女対象ということで混同されるのは仕方ないですが、一般にオタクは大人しい人が多いのではないでしょうか?

そうじゃないヤツもいるだろう、と言われれば、全てのオタクの人が犯罪を起さないとは言えませんが、社会的に一番マトモと思われる家庭生活を営んでいる方々にも離婚あり、仮面夫婦あり、浮気ありです。
だからと言って家庭生活を営んでいる人は犯罪予備軍とは言わないでしょ。

家庭内でDVなんて結構な比率で行われているようですね。
私は女性に手を上げたことはありません。(浮気もないです)
女性を殴る事のある方は、同じようにバンダレイ・シウバを殴れるかどうか考えましょう。
殴れないでしょ。
殴れたら大したもんだと思いますが、クイントン・ランペイジ・ジャクソンを殴れないならパートナーに手を上げるのもよしましょう。
弱そうだから殴るっていうのは卑怯というモノです。
女性からのDVもあるようですが、これは分らない・・・私はやられたことありませんし、やられそうな気配を感じたこともないですから。
ただ女性も手を出すのは止めましょうね。
お互い直接的な暴力は禁止です。
それは人類が長い悲惨な歴史を通じて学んだ一番重要なことです。

話が逸れましたが、本日は此処まで。
これから妻にバリカンを掛けてもらい、ウエイトとバイクのトレーニングをして風呂。ストレッチとサンドバッグもやります。
夕食後は、明日以降の日経平均先物OPと外国為替の注文を出します。
UFCは録画です。
投機なんぞは泡銭という方は、そんなに簡単なら是非どうぞ。
投機商売は、意馬心猿を断つことから始まり、実際は地道な作業の繰り返しです。

オタクをキモイと偏見を持つ前に、自らの姿を鏡に映しましょう。
私も常に自戒したいですが。

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June 13, 2009

ビヨンセ、マドンナ、サラ・ブライトマンと比べるNamie Amuro&似合うオープン・カー

BShiで女性歌手のライブを立て続けにやっていた。

初回のセリーヌ・ディオンは見逃したけど、S2000に乗っている頃、マイブームで、乗りながら良く聴いていた。
パワフルな歌声は吸排気系に無限のパーツを入れたSのエンジン音にも負けずに響いていた。
Sと同じで妖しい暗がりはないけど、実直で裏表のない感じが合っていたと思うんだ。

二回目のビヨンセの歌は黒人独特の艶のある声がやっぱり聴かせる。
スタイルも肉食系女子の理想像って感じで、男の観客の目は釘付け。
俺は日本食がないと生きていけませんとか、日本の気候は梅雨時のじめじめした感じまで好き、なんて言ってるわりに日本古来の民謡とか芸者さんが踊るような音楽はダメなの。
そのくせ黒人がゴスペルなんて歌っていると体が揺れる。
民族的にも宗教的にもまったく関係ないのに不思議だよ。
若い頃、ハードロック、プログレに続いて好きになったのもソウル、ブラコン系だった。
で、ビヨンセに似合うオープンカーって何だろ、って考えたこと、メルセデスのSLとかどうでしょう?
ゴージャスにパワフルに少しDQN風味も交えてさ。
旦那共々似合う気がする。
安室奈美恵と比べると、ダンスなら安室の圧勝です。
ボリュームのある体格じゃ負けてるけどさ・・・ビヨンセに比べると小柄で遥かにシャープに動く安室ちゃんは少年みたいにも見える。
この辺もカッコイイし、R&Bとして進んでいるのは安室の方ですから。

三回目がマドンナでした。
コンサート時、実に48歳!だけどダンスのレベルは一番高かった。
さすがに「世界1のコンサートをするために世界1の努力をした」と言い切る女。
でも筋肉隆々でちょっともう男だか女だか分らない感じもしたけど。
ただ一番時間を忘れて見られたのも事実。
素晴らしかったです。
やっぱり凄いよ、この人。
CD買おうかなあ・・・気が付くとあんまりないんですよ。
安室とダンスを張り合える唯一の人?(ジャネットは最近落ちてるので奮起を期待しあえて除外)
パワーのマドンナ、シャープな安室・・年齢と民族性の違いですね。
ボクサーでも年取るとスピードからパワーに移行するしね。
マドンナの似合うオープンカーは重厚で隙がないアストンなんてどうでしょう?

最後がサラでしたが、このコンサートも圧巻でした。
なにせ舞台がウィーン歴史地区のシュテファン大聖堂。
向こうの寺院って、信者を聖歌で釈伏させようとしているから、音響もバッチリでしょ。
ライティングも凝りに凝ったもので、まさに究極のディーヴァ体験でした。
浮かび上がるバロック様式の彫刻も素晴らしいし、バックのオーケストラも、「俺たちゃ音楽の都の精鋭部隊だぜ、ナメンな」って気合バリバリで完璧。

まあ流石の安室も歌だけなら負けてるけど、時代の先端で新たな音楽を創造しているのは安室ちゃんの方ですから。
実際、サラのCDほとんど持ってるけど何故か聴かなくなってしまった。
コッチは文字通りの「The クラシック」だよね。
サラはマセラティ・スパイダーに乗っている時良く聴いたんだ。
今回の記事もなんだか歌声聴いたら思いだいちゃってさ。書く気になったの。
夕暮れ時にサラ聴きながら流していると、マセラティのデカダンな内装とサラの歌声が合いすぎていて、あやしうこそものぐるほしけれ、って感じだった。

ま、安室奈美恵は上記世界の4大デーヴァに匹敵します。
ホントですから。
日本人って日本人評価しないよね。。謙譲の美徳も行き過ぎるのは如何なものか?
最近は「TOP SECRT」と「 VIOLET SAUCE」がカッコ良すぎて繰り返し聴いてる。
先鋭ぶりで安室に対抗できるのはビョーク位?
後、誰かご存知だったら教えてクダサイ。

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June 12, 2009

クリロナとカカもレアルに・・・どうしましょうか? 観る時間ないよ。

C・ロナウドに続きカカもレアルです。
どうしましょうか?
昨季はバルセロナ、コンプリートしたんですが、正直ギリギリでした。
時間ないって。そんなにサッカーばっかり見てる。

バルセロナはこの調子が続けば来季も見たい。
メッシ、シャビ、イニエスタは個人的にも気に入ったしね。
チーム自体が有機的に繋がっていて、生き物みたいなんだもん。

対してレアル・マドリッドは銀河軍団再びの勢いだけど、スターばっかりいればイイってもんじゃないんだな、って分ったチームだったしね。

ジダンがいた頃からどういう訳かあんまり萌えないんだよな。
クリロナも凄い選手だと思うけど、それほど見たいとは思えないの。

なんだかテンパリ過ぎちゃっててさ。
見てて熱苦しい。(ファンのみなさん、スミマセン)
首が長いのもイヤ・・・この辺サッカーと関係ないけど。
イニの方が性格良さそうじゃん(笑

でもカカは見たい。
どんなプレーするんだろ?
とりあえず最初だけ観るか?

そうやってハマッタりしてね。
でも週に2チーム見るのは無理だわ・・・時間貧乏が悲しいが。

オチはリーガ、放映権料上げ要求で、放送なかったりしてな。
案外、そんなもんだよ人生は。(人生語ってもしょうがないけど)

まあ無ければ無いで良いのさ。
それでも人生は続く。
昨日、今日と疲れているので御仕舞い。

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June 10, 2009

美学への招待  佐々木健一 @芸術の歴史は終焉せず。ただ再興するのみ

美と藝術と感性を論ずる美学への入門書です。
著者の佐々木さんは素養のない初心者に向かい、実に懇切丁寧に美学への向き合い方を教えようと奮闘してくれています。
以下、佐々木さんの言葉へ私が感じことの覚え書きです。
かなり生意気なことを書いてます。お許しを。

1)「魅力とは言葉にならないもの、感じるほかにないもの」
我々の世界は、言葉に出来ることを前提として成り立ってますが、何でも言葉に出来る、というのは一種の自惚れですね。
世の中には言葉に出来ないモノ、曰く言い難い存在があるということを忘れないようにすることが、本当の意味での文化、藝術、さらには人への敬意に繋がるのもだと思います。

2)近代とは人間が神の力でなく独力で平和に喜びのある社会を築くかという課題を背負った時代です。
だからこそ崇高さえへの感性が必要なんでしょう

3)《言葉にならない》ことを語らずにたら、知的な文化もない。言葉を超えた次元の存在をなんとか言葉で捕らえようとする試みが「うた」になる
その言葉にならない微妙さを知るのがセンス。

藝術の終焉:ポストヒストリカルな藝術
デュシャンの「泉」は藝術に対する大きな問いかけであったら、その知的な価値を除いたら美的な価値はない。
藝術は哲学になりその使命を終えてしまった、という考え方。
ベケットの不条理劇や12音技法による音楽も同様。

個人的な感想「芸術の歴史は表現のあらゆる可能性を試みる発見の歴史だったが、あらゆることが試みられた後に見つけたのは楽園というより廃墟だった。
ただそれなら廃墟を復興すればイイのではないだろうか?
歴史の終焉と嘆息していても未来はない。
ふたたび永遠の芸術を見つけ出し、それを認めればよい。
かつて芸術は印象派を認めなかった。その反動からアートワールドは、革新的な問題提起をする潮流を何でも認めるようになった。
それなら今度は再び目を開き、新たな美を認証すれば良いのだ。
具体例としては日本のアニメですね(本気です)」

以下は豆知識
オペラはルネッサンス期のイタリアで、ギリシャ悲劇の上映スタイルを誤解し、すべて歌われることを前提に作られた。
ラシーヌの作品は現存するギリシャ悲劇の焼き直し。
宗教的で崇高なアイスキュロス、構成が巧みで緊張感のあるソポクレス、思弁的な議論癖のあるエウリピデスが三大詩人。

理論と一体化した藝術は、藝術の自己意識化と言える。
その藝術概念ゆえに、藝術を理解するには教養を要するようになった。

オモシロイ本でした。
この本を紹介してくださったStockholmさん、ありがとうございました。

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June 09, 2009

クローバーフィールド/HAKAISHA 怪獣映画は死なず。見せ方次第でどうにでも

NYに怪獣が現れて米軍と戦闘開始。
巻き込まれて逃げる人々、というありがちにしてもいい加減にせんかい、というままの映画ですが、登場人物のハンディカメラの記録形態という独創性を押し通し、ともかく見せます。

序盤はダラダラして、卑しくもお金を採っているんだから手抜きの仕事は嫌い、って思っていればこそ。
地響きと爆音、停電から恐怖の一夜の始まり始まり。
こうこなくっちゃね。
映画はやっぱり怖くってナンボ、と思わせるドラマの開始です。

登場人物たちが表に出ると、外は911テロの時もかくや、という状況で恐怖はいやがおうにも盛り上がります。
恐怖の正体を出来うる限り隠すというホラー映画の定石もキチンと守られ、一端現れた後も、デザインは充分おぞましく、合格点だと思います。
レギオンから頂いたようなミニ・バージョンを用意したのも工夫です。

世界最強を自認しているであろうUSエアフォースが攻撃しても攻撃しても死なないとこは、リメイク版「GODZILALA」の失敗を良く生かしていたと思います。
あの弱さじゃGODの名前が泣いたもんね。
今回は本物の悪夢でした。
映像が終始はっきりしないので何回も見返したくなるとこもミソ。
ハンディカメラの撮影という前提を守りながらも、カット割りや編集は手練の技でレベル高いです。
リアリティ溢れる俳優陣もみんな巧かった。
この辺はハリウッド・クオリティだよね。
それでも昨今ハリウッド限界説がかまびすしいですが、今回はアイデアを練りこみ成功作となりました。

ps
NYが舞台でトラビスとベスと言えばタクシー・ドライバーでしょうか?
ジェイソンもNY,行ったしね。

手ぶれしまくりのホラーパニックということでは当然「ブレア・ウイッチ・・」の遺産も良く生かしていました。

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June 08, 2009

二次元キャラは家庭生活の夢を見るか? 第一回:萌えキャラ趣味は堅牢な性質を持つ

相変わらず萌えてます。
果たしてこの病が癒える日は来るのでしょうか?
最近加わったお気に入りはランカ・リーで・・・ということは置いておいて、最初に「綾波萌え、症状悪化」なんて記事書いていた時は、どうせ一過性。シャレのつもりだったのですが、あれから2年以上。
一過性どころかこの趣味、深まるばかりです。

私は結婚後、家庭を持ってから綾波レイを知ったのですが、最近、もし綾波レイを知ったのが、中学や高校時代だったらどうか?という事を考えました。
ホントウに二次元嫁、なんてことになっていたのか?
二次元の嫁なんて、最初に聞いた時は、本田透さんのように、ライターとか特別な仕事をして人だから言えること、と思っていたんですが、考えると萌え趣味は趣味として非常に堅牢な性格を備えているんですね。

まず人が一つの趣味を失くすって時はどんな時かと思い返すと、私の場合失くした趣味としてテニスがあります。
20代から30代の始めにかけてテニス、非常に熱心にやっていた趣味でした。
でも今はやってない。
何故、一つの趣味として燃えていたテニスをやらなくなったかというと、体力的に続かなくなったから。
正確に言うと、「生活の中で出来るテニスへの体力」なんですけどね。
テニス自体なら出来る(下手だけど)
でも仕事を終えてからコートに出かけていたんですが、30代の中頃からそれが億劫になった。
夕食も取らずにコートに行き、走り回る予備体力はなくなった。
それでやらなくなっていった。
ボクシングのジム通いもそうしてなくなりました。

萌えキャラ趣味は体力、一切要りませんね。
体力的な限界から萌えキャラ趣味がなくなるということはないわけです。

それから萌えキャラ趣味は時間がなくても出来る。
三次元の恋愛はどうしても時間が掛かります。
人間同士なんだから仕方が無い。
でも朝早くから夜遅くまで仕事をして、さらには休日も色々拘束されるようになると、中々自由な時間を取るのは難しい。
でも萌えキャラ趣味は一日働いて、夕食を取り、PCの前でまた仕事、という時でもその合間に楽しめる。

わずかな時間、ユーチューブやDVDを楽しみ、フィギュアを眺めてまた即仕事。
使う時間は限りなく小さい。
細切れでOKで、制約もありません。
時間が無くなってこの趣味はヤメタ、って事態もないわけです。

そしてお金も掛からない。
例えば昨今若者が離れた趣味としてクルマが挙げられますが、掛かる費用は問題になりません。
実際、今私が萌え趣味にかけているお金は・・・フィギュア位?
それもそうそう買うものでなし、DVDだってそうは買わない。
買ったとしても金額は知れています。
楽しみは放映されているアニメを観る(CCさくらとしゅごキャラとマクロスF)のが中心でこれは無料です。
クルマ以外でも釣りとかJリーグのサポーターとかスキー、サーフィン、鉄オタ至るまで、萌えキャラ趣味に比べればみな膨大と言ってイイお金が掛かります。
無料ですから、経済的事情でその趣味から離れるってことはない。

そして仲間も入らない。
むしろ人には知られたくない位で、バンドとか囲碁将棋のように一緒にやる人がいないからヤメタってことにもならない。

体力いらず、時間は掛からず、お金も掛からず、他人も必要としない。
これほど手軽な趣味はないということは、その性格として堅牢であり、ヤメルきっかけは起こり難いってことです。
となると続いてしまったら、二次元嫁への可能性は残るのか?
男性の5%・・・いや1%以下でも二次元嫁は家庭生活の夢を見るのか?

というわけでシリーズ化します。
続くかどうかは分らないけどね。

第二回は「寅さんの発言より考察する男性にとっての恋愛の本質」
です。
お楽しみに・・・って誰もこんな電波記事は楽しみになんかしてないと思うけどね

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R・フェデラー生涯グランドスラム達成@全仏の気難しい観客も魅了

怪物ナダルさえいなければ勝てる・・・そう思われていても現実にやってのけるんだから大した者です、ロジャー・フェデラー。

正直、全英で負け、全豪のハードでも負けた時は、フェデラー時代も終焉か、と思ったよ。
今回はQFから見ていたんですが、試合途中から、久々に変身するフリーザのような第二段階フェデラー、を見られました。
それでもみんなプロなんだからさ。
簡単ではないだろうと思ったデルポトロ戦では、どこに隠してあるのかそのスタミナ、ってのも見せてもらいました。
デルポトなんて二十歳だし、背高いし、身体能力有まくりで自分より若いのがヘトヘトなのになんであんなに元気なのか?
リラックスしているんでしょうか?
勝負の最中でも無駄な力が入らないとか・・・謎ですけど・・・

ともかくこの人、個々の技術とか展開の作り方とかメンタルの強さに加えて体力もあるんですね。

今日はサーブも絶好調で、相手になったソダーリングは気の毒だった。
試合中文句言わない人柄の良さそうな選手ですね。
これから応援しますよ。

試合は舞い上がっているソダーリング相手に第1セットから一方的。
フェデラーの今回のクレー対策では、ネットに出る、とドロップボレーの武器化だったと思うのですが、全開でした。
まったく危なげない決勝は、早く終わって録画の必要もなかった終幕。
この記事書いてる今は眠いんだけどね。

課題は今回はやらずにすんだナダルへの挑戦でしょうね。
ナダル相手に通じるのか新生フェデラー
バックの打ち合い、というナダルの問い掛けに、解答は出たのか?

とりあえず全英が楽しみです。
決勝で二人が対戦するを待っています。

全英行きたいなあ・・・決勝じゃなくてイイから、芝の綺麗な前半を見たい。
フェデラーの元気なうちに見たい。
来年、行こうかなあ・・・

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June 07, 2009

正義は勝った!オメデトウ日本!Wカップ出場決定 vsウズベキスタン 

酷い主審でした。でも日本に神のご加護アリ
正義が勝ったのでよしとしましょう。
なんだか随分球足の遅いフィールドに完全敵方の審判をものともせず、日本、早々にWカップ出場を決めました。

それにしてもサッカーって得点能力の高い選手がいると楽ですね。
幾らパスばっかり回しても、実績上げるにはやっぱり点獲ってナンボなんだな。
岡崎は走り出すタイミング、ゴール前に殺到するスピードの速さ、シュートを蹴った後、さらに飛び込む度胸と思い切りの良さ、スゴイです。なんかインザーギみたいでした。

中村俊輔はよく走っていて巧かった。長友の突破は見応えがあった。
途中出場の本田は貫禄ありましたね。
中盤で少しですが、ボールが落ち着くようになりました。

試合は前半終盤から後半にかけウズベキスタンに強引に押し込まれたり、パスワークから崩されてるシーンも多々でしたが、相手の精度に欠けるプレーと慌てない楢崎を中心に、日本、守りきりました。
泥臭いけどみんな献身的によく守り走ったよ。
立派だったと思いました。


出場決めて一安心すると、やっぱりコンフェデ出られないの、残念ですね。
解説は久々、松木節全開でオモシロかった(笑
「うわー、アブナイ!」何回言った?(笑
笑うしかないよ

ps
あーあ、スポーツ観戦が忙しいよ。
テレビ、スポーツしか見てないんだけど、まだフェデラーのSF見終わってない。
全仏女子の決勝は完全録画。
明日見ます。
月曜はデビッド・ヘイもやるんだよな。

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June 06, 2009

久々に乗ったけど、少し疲れたフェラーリとの生活

日が長くなり風は暖かくオープン・カーを楽しむには最良の季節がやってきました。
今日、仕事の後、久々に乗りましたが、360スパイダーとの生活に、少し疲れて来ています。
フェラーリって前もこうだったんだよね。
イイクルマなんだけど、疲れる。

クルマ自体は、エロティックなボディラインにガラス張りのエンジンルーム。
ルックスは完璧です。
女性にたとえるならトップモデルかタレントかってレベル?

エンジンはサウンドもレスポンスも最高。
これは女性との交際にたとえるとセックスも最高って感じ?
男女間の最高の楽しみがセックスなら、クルマなら飛ばした時のフィーリングでしょ。
でもフェラーリはそれだけなんだよね。
結局、物凄くイイ女だけど、セックスだけって感じ?(そういう女性と付き合ったことないからワカランが)

S2000は法事とか勉強会とか会合とかコンビニにちょい乗りとか、生活を共に出来たんで、飽きても復活できたんだ。
何気なく目的地に乗っていって、遅くなった帰りの道がたまたま空いてると思いもかけない快適ドライブになったりしてね。
生活を共に出来る喜びがあった。それで乗れた。
マセラティ・スパイダーにもあった。
フェラーリのスパイダーにはそれがない。
今日も少し億劫でさ。
あんまり乗らないと諸々心配なんで乗ったんだけど、まず電動門扉開けて、電動ガレージ開けて、一度ドア開けて、トランク開けて、電源入れて、またクルマに入りなおしてやっとエンジンスタート。
クルマ引きずり出した後はコントローラーで電動門扉閉めて走りだすのはそれからだ。
でもS2000みたいにカーポートの方には置いとけとけないしさ。
女もクルマもセックスだけじゃ長続きしなのか?

まあもう少し乗ります。
最初はあんまり感心しなかったんだけど、カリフォルニアなんてどうだろうね。
でも乗るとやっぱりミッドシップがイイってなる?
スリリングなのはミッドシップだよね。
でも不便なんだよ・・・

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June 04, 2009

ハタチの男の子に安室を、長女にドラフォを布教して金色の闇を次女に見せる

今日、ハタチの男の子と話をした。
音楽好きなんだ、どんなの聴くの
ハロウィンとか、
メタルだ。ジューダスとかは、殺戮の聖典
大好きです。
ツェッペリンとかは
最高です。
ツェッペリン最高だろ、あれこそロックの至高。
そうですね。
ドラフォは
速すぎますよ
速すぎるからイイんジャン。もうロックはスピードの向こう側にしか未来はないよ。
そうなんですか・・・ブラックサバス好きです・。
・・・
安室は?
急に飛びましたね。
安室イイよ。PLAY、最高。最近コレばっかり聴いてる。
聴いてみます。
是非オススメ
この間までアニソン三昧だったことが秘密だったのは言うまでもない


夜、ニャースに似た長女に今一番聴いてるの何、とipodから聴かせてもらう
・・・ダサ、何コレ、歌謡曲じゃん。
ムカ!
ドラフォ聴けよ、最高だから。
イイよ、
なんで?オッサンにダサいっていわれて悔しいんだろ
何か、スゲエムカつく。
聴けって、応援してやるよ、しゅごキャラ、アミュレット・ハート(のポースをする。風呂上りだったのでパンツ一枚で)
分ったから服着なよ。

そこにゴマジョーと呼ばれる次女が登場。
次女はオタク。
オマエ「to Loveる」って知ってる?
知ってる。
次女はさっそくジャンプを出してくる。
おお、流石、読ませて。代わりにイイもの見せてやるよ。
何?フィギュア? あ、金色の闇
イイだろう、
ウン、でも気をつけて置かないと、
大丈夫だよ、ウワッ!(本棚に引っ掛けて落としそうになる)
髪が広がってるから危ないね。
ウン・・・・

妻「あなた年幾つ?」
そいういうことは気にしないで、これからCCさくら、見て寝る。

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押し紙問題はキチンとした方がイイよね。社会の木鐸としてはさ

「あなたたちの中で罪を犯したことがない者がまずこの女に石を投げなさい」
キリスト教徒じゃないんですけど、好きな言葉です。

聖書では、イエスにこう言われて「罪の女」に誰も石を投げられなくなったそうですから、昔の人は純情だったようです。
実際、罪のまったくない人なんて聖人以外いっこないんで、「それを言っちゃあオシマイヨ」、と寅さんみたいに返したいとこですが、限度ってのはあるよね。
いわゆる「オマエが言うな」ってヤツです。

新聞は政治家の言葉尻を捕らえては騒ぎ立て、役人の傲慢を槍玉にし、不祥事を起した企業を叩き、エコだのなんだの、高邁な理想を庶民に語りますが、今日の週刊新潮の記事が事実だったら、もう何を書いても「オマエが言うな」で終了ですよね。
巨大マスコミは従事している人も多いし、組織も大きいし、そりゃ少しは不祥事もあるでしょう。
個人でやった痴漢だ暴行だってのをイチイチ捉えて、新聞社としてもう「オマエが言うな」、とは言うのはあまり乱暴だとは思う。
人間がやってんだからさ。
一杯従業員いるんだし、ある程度はしょうがないよ。
毎年修正申告しているのはどうかと思うけど、まあ細かいことだと百歩譲りましょう。

でも3割4割当たり前って発行部数水増しして、膨大な量のインクと紙を無駄にしているのが恒常化しているのなら「議論を呼ぶのは必至」なんじゃないでしょうか。
新潮の記事がホントウだったら、誤魔化すって限度超えてるでしょ。
一般企業がこんなことしてたら、もうブッ潰れるまで叩くでしょ。

でもテレビもまったく騒がない。
みんな新聞社の資本だもんね。
こういうのってやっぱり良くないんじゃないな。
社会の木鐸の信用が失われるのはさ。

「今こそ冷静な議論を求めたいです」
そうじゃないと、何か悪いことした人、組織取材に行っても「オマエが言うな」で終わっちゃうよ。

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June 03, 2009

エンタテイメントの書き方  柏田道夫@脚本家志望でなくても映画好きなら

シナリオライターをめざす人のための手引き書ですが、一般の映画ファンでも読めば映画の構造がよりよく分るようになり非常に楽しめる本です。

1本の映画が撮られる時、まず注目されるのは主演の女優、俳優だったり、大規模な特殊効果だったりしますが、どんなに華やかな要素でも、生かすか殺すかは、それを動かす脚本次第。
そんな映画の裏で働く知恵の深さ、技の巧みさは素晴らしいですね。

この本を読んでから、映画を観ると、コレはあの効果を狙った展開。
このセリフが生きてないのは、こういう具合の工夫が足りないから、なんて裏方の事情が分った気になれます。

脚本において、
1)説明的なセリフは失格。セリフにすら伏線を持たせ、切れば血を流すような言葉を書け。
2)人物に二重性を持たせよ。表を見せておいて裏を返す。そのスリルが肝心だ。
3)一つのシーンには二つ以上の要素を入れろ。ストーリーには秘密を持たせよ。捻りを決めろ。
なんてのは、なるほど、と思いました。
これだけ読んでも意味不明かと思いますが、この本は具体例を挙げながら説明してくれるので、読めば腑に落ちます。

それにしてもビリー・ワイルダーはスゴイね。
この本のセリフ編で説明されているんだけど、その巧さには脱帽です。

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June 02, 2009

【よりにもよって】聖エメリアーエンコ・ヒョードル様の次のお相手はジョシュ【なんでまた】

木鶏という禅語がある。
ここでの鶏は闘鶏、の鶏なんだけど、戦う時、相手を侮らない、虚勢も張らない、威嚇もしない。気負いもなく、興奮もなく恐れもない。
それこそ木彫りの鶏のように平然と無為自然なるままに、戦いにおもむく。

エメリアーエンコ・ヒョードルに惹かれるのは、ただ強いだけでなく、そんな雰囲気を感じるから。

それにしてもなんで相手がジョシュ・バーネットなんだろう?
はっきり言って一番戦って欲しくない相手。
ジョシュはかなり本格派のアニメオタで世界最強のオタクと呼ばれている。
入場曲は北斗の拳で、フィギュアから声優ネタまで詳しいらしい。
個人的にはこういう相手に勝って欲しくないわけだ。
ジョシュもかつてはUFCのチャンピオン。
充分以上に強いファイターだけど、ヒョードルが相手だと何分持つかがポイント。
今の予想だと1分以内。
ジョシュは真っ向から行くと思うし。
3分持ったら驚き。
ちなにみに俺はヒョードルの試合を予想してハズレタことがない。いつも勝つ、しかも短時間で、って予想しているだけなんだけどね。

逆に当ったことがないのがパッキャオ。
この相手にはさすがに負けるのでは、というのに勝つからね。(これもある意味スゴイけど)

あんまり酷い試合にならなければ良いけど。

それにしてもなんでUFCに行かないんだろう?
よっぽど大人の事情でもあるんだろうな。
肘ありのルールはヒョードルには関係ないと思うのだ。

肘って腕を畳んで打つもんね。
サンドバッグ相手に打ってみると、あまりの射程の短さにいつも驚く。
グランドででもスタンドでも、ヒョードルに肘が当るほど近づいて無事な人間って想像出来ないし。
まあ8月1日を待ちましょう。

ps
ルールはすでに肘ありでした。
スミマセン

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June 01, 2009

マーク・ロスコの鑑賞法は面壁20分、花が綺麗だと感じる人には分らない?

いわゆる抽象絵画は、見慣れないと分り難い分野だと思います。
描くのに技術がいるようにも見えないし、中の色を変えたって同じじゃないの、という感じもする。
唯一無二にして、高度な技量を尽くした芸術、という観念からは逸脱しています。

それでも抽象画家の中でマーク・ロスコは分り易い方なので、この人をきっかけに趣味を広げるのは悪い話じゃないと思います。
確かに観念的な画家ですが、退屈とは無縁。
それどころか、実物を目の前に見つめれば、極めてスリリングな絵画体験が出来ます。

ただ今回のシーグラム展はロスコ・ルームでなく残念でした。
結局、ロスコの絵画は「何を見るか」、でなく、作者自身がこだわったように、「どういう環境で観るか」、が大切なんだな、という事を再認識した次第です。
今回の展示は確かに数は多いのですが、展示された場所は高すぎ、観る部屋は広すぎ、瞑想に没入するには明るすぎました。
数揃えればイイってもんじゃないんだな、ロスコの場合は。

ロスコの瞑想の中に没入するには、広すぎず、明るすぎず、適度に狭い部屋、ロスコ・ルームこそが必要なんですね。
ロスコを見るならここしかなかったんです。
川村記念美術館にこの部屋を造った人に感謝です。


では具体的にどう観るかというと、ロスコ・ルームに入ります。
一度グルリと一周しましょう。
そして他の人の気配がなくなったら中央のソファに座る。
後は目の前の絵画をじっと見つめます。
周囲がぼかされた矩形の何も具体的なモノが描いてない絵画ですが、面壁20分、ひたすらじっと見つめてください。
するとロスコの仕掛けたマジックが徐々に立ち上がって来ます。
輪郭の曖昧な矩形が揺らめきだし、鑑賞者は本物の夢幻、神の死に絶えた現代では稀なる聖なる空間に入り込みます。
やっぱりオマエはオカシイだろうって?
画集だけ見ていたらそう思うでしょうね。
実物を是非ご覧になってください。
それでも分らなかったらそれで結構。
アブストラクト・アートなんて、分れば偉いってモンでもないしね。


ps
美術館からの帰りのバスを待つ間、妻は「綺麗」と言って植木を見ていました。
小さな鉢植えを一つ買ったようです。
私は花の美しさ、それほど分らないんですね。
綺麗だな、とは思いますよ。
でもあまり感動したり、鉢植えなどを購入しようという発想は浮かばない。
でも妻にはロスコが分らない。
男性と女性はやっぱり審美眼が違うのだ、と思うのです。
女性は具体的なモノを愛し、男性は抽象的な観念に惹かれる。
どちらが優れている、ということはない。
でも違う。
両方揃っていれば感性の幅が広がって結構、ってことじゃないでしょうか。

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