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February 2009

February 28, 2009

美の歴史:3 ウンベルト・エーコ著/中世の光と色彩&怪物の美 第Ⅳ、Ⅴ章

第Ⅳ章、中世の光と色彩
中世=暗黒時代という偏見は間違っている。
絵画においては、スフマートやキアロスクーロ(明暗法)がなかったので、純色の配合からくる独特の輝きがあった。
バロック美術では、事物が光に打たれ量感の効果が描かれるが、中世の装飾本では光は事物から発しているように見える。(なるほど!)

クラリスタ(トマス・アクイナスの定義した美の条件:光と輝き)
多くの文明において神と光は同一視されてきた。(セム族のバール、エジプトのラー、イランのアフラ・マズダ)これはプラトンの太陽のイデアとして善の概念に行き着く。

太陽の光や夜の星々の輝きを我々はどうして美しいと思うのか@プロティノス

一般的な装飾は、光と色彩にもとづいている。
大理石はその白さゆえに、黄金はその輝きゆえに美しい。
色とは閉じ込められた光や純化された物質にほかならない。

ゴシックの大聖堂のステンドグラスは、光輝に満ちたビジョンであり、光の剣であった。

ボナヴェントゥラは、アリストテレスの形而上学から、光は大地、天地のあらゆる変化を生み出し、人体の本質的形体とした。


第Ⅴ章、怪物の美
あらゆる文化は常に美の概念に対比して醜の概念をおいてきた。
そのアンチテーゼを芸術は美しく表現する力を有している。
醜さは自然においては嫌悪の対象であっても、芸術においては受け入れられ、快くなり、「みごと」とさえ理解される。
それは古典時代末期、キリスト教時代に、迫害なろ宗教的背景からより語られるようになる。

ヘレニズム時代、遠方との接触が増し、「アレクサンドロス物語」などの伝説が広まった。
その結果、「怪物の書」など架空の生物の姿が流布し、驚異的なものに人は魅了された。

神秘思想や神学思想は、この怪物の存在を正当化するため、「道徳的な意味」「寓意的な意味」を持たせた。

怪物は美に多様性をもたらし、影は光を際立たせた。
怪物たちは愛され、恐れられ、警戒され、戦慄すべき魅力を持って、ダンテの文学やボスの絵画の世界に入っていった。
やがて中世から近代にかけて、16世紀から17世紀にかけて怪物は宗教的象徴性を失い、神秘から科学の対象となっていく。

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February 27, 2009

ねこ耳少女の量子論 萌える最新物理学  竹内薫、松野時緒/この内容で500円なら安い

ねこ耳少女と出会った少年が、量子論を勉強していくマンガの本です。

素人学問として量子力学をかじろうと思う時、やっかいな所は、
①普段我々が生活しているニュートン空間とはまったく別個の論理体系(存在の確率性、観測値への収束)を受け入れなければならないこと。
②基礎知識として憶えなければならないことが、フェルミオンとしてレプトンが電子、ミュー粒子、タウ粒子、さらに3種のニュートリノと6つあり、クォークがアップ、ダウン、チャーム、ストレンジ、トップ、ボトムと6種類あり、それぞれ電荷とスピンの角運動量、世代が決まっていて、さらにボソン、ゲージ粒子(力を伝える粒子)として、光子、重粒子、グルーオン、ウィークボソンにまだ未発見のヒッグス粒子が・・・と多い!
原子や分子みたいになんとなく身近な名前からとられた物ならともかく、抽象的な名前をこんなに沢山、「誰が注文したんじゃ」ボケということになることです。

結局、よっぽど気合入れないと分らないけど、一銭にもならない勉強分野なので気まぐれに手に取った本も投げ出してしまうんですね。

それがこの本ではほとんどがマンガ。
1エピソードの後に最小限の解説という具合に読む場所が少ない分逆に頭に入りました。

コペンハーゲン学派(波束の収束)とアインシュタインの喧嘩の話とか、シュレーディンガーの猫の解釈とか薄覚えの分野もはっきりした。
バカなんで一遍にあんまり沢山の情報量、与えられすぎてもダメなんです。

絵の方はかろうじて及第点かな・・・ストーリーのオチも良かったと思います。
欲を言えば「PEACH-PIT」の方々当たりに担当して頂ければ世界に売れるかも・・・
まあこれは贅沢過ぎますね。

ps
シュレーディンガー方程式
この波動方程式がなんであんなにありがたられるのか、ってのも、量子状態ではすべての物質は波なのだ、ってことなのね。

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February 26, 2009

デット・サイレンス @拾い物、ホラー映画好きなら観といて損なし

最初は傑作だった「ソウ」
シリーズが続くに従って単なるグロテスク映画になってしまいましたが、これはその監督、脚本のコンビ、ジェームス・ワンとリー・ワネルの製作です。

ご両人、よっぽど不気味な人形、特に顔にぐるぐる巻きの線が入っているヤツが好きなのか、今回も出てきます。
呪われた腹話術師の話なので人形は必須なのですが、同じようなシュチュエーションを見せられると、一種のオブセッションかな、とすら思います。

画面は独特の青い光を基調にすえたライティングが冴えて、全編90分の尺にまとめたテンポもイイ。
最近やたら長いものが多いですが、長ければ良いという物ではないよね。
自分は言いたいことが沢山あっても聞かされる(見せられる)方の都合もあるんだからさ。
その点、この作品、刈り込みも手際良く伏線も遅滞なく無駄がありません。

さらにホラー映画の潮流として、「リング」以降だと思うのですが、殺された人の表情が問われるようになった。
単に殺された、というだけでなく、よっぽど怖い思いで死んだんだね。
それはどんなことでしょう、と観客に想像させる技法が生まれた。
その点も工夫があり良かったと思います。

サプライズ・エンディングもバッチリ決まって、マニアなら観とく1作でしょう。

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February 24, 2009

アメリカ下層教育現場  林壮一 /マジ泣きしました。題名に興味のない人にも

題名通りの現場で実際に教鞭を取ったノンフィクションライター、林壮一さんの「体験記」です。
ノンフィクションと言っても「取材記」でなく「体験記」というところがまずミソです。
それは客観的なデーター集でなく、書かれる文章に血肉が通うということですね。

正直、この題材にあまり興味はなかったのですが、林さんは前作、「マイノリティの拳」という本が非常に印象的だったので読んでみました。
それでも最初はせいぜい「金八先生」のリアル・バージョンでしょ。
だいたい枠は読めてるよ、と高をくくった気持ちだったのですが、読み進めているうちに不意に泣けてくる。

別にお涙頂戴で書かれているわけじゃないのです。
自己憐憫に満ちた表現があるわけでもない。
ただ真摯に生徒と向き合い、過酷な現実に自分の非力さを自覚しながらも困難と闘う林さんの姿勢は感動的ですね。

人間性がしのばれるノンフィクションで素晴らしかったです。

本でもテレビでも勝者の姿は頻繁に取り上げられます。
みんな成功したいので、それはそれで間違いではない。
でもみんながみんな勝者になれるわけではないのが現実です。
それなら敗者に価値はないのか?
語るべきストーリーはないのか?ということです。

負け組に価値なし!
と言い切れる方はこの本を読んでもダメでしょう。
私はギリギリに生きる中でも他者を思いやる気持ちに感動しました。

人生の真の価値は、世俗的な成功がすべてではない。
彼は如何に戦ったのか?
それを問うこと。問われること。それは魂の問題なのです。

ps
「人生は厳しく、険しい。ひとつ間違うとボロボロにされる。でも常に努力を続ければ必ず道は開ける。ネヴァー・ギブ・アップ@ジョージ・フォアマン」

「オマエがキュー、キュー、軋む音を立てて車を走らせていたら、誰かがオイルを入れにきて助けてくれる。でもいい事を待つだけの者の所に幸せは来ない@ずっと運に恵まれなかった選手、後にmarvelousと呼ばれたマービン・ハグラー」

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また一つ悪いこと憶えたぜ! キラッ☆

アニメが好きになりましたって、周りと話せるわけじゃなし、情報には疎い。
今回、長島☆自演乙の登場曲、「星間飛行」って何?と思って調べると便利な世の中だよ。
ついでに最近良く見る「キラッ☆」も覚えた。
ランカ・リーが歌いながらキメのポーズを取ると、星が散るのがお約束、ということらしい。
(ノゝ∀・)~キラッ☆は、Vサインに変わる世界標準のポーズとなろうとしている!!

ポーズを取るまでのアクションが解説してある英語版
世界の人がやっているキラッ☆

まあ楽しんでくれよ。
これから家族内限定で使おうっと!

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February 23, 2009

K1ワールド・MAX日本代表決定TM  芸は修羅道、鬼にならねば

私の注目点は、城戸の連覇と長島☆自演乙の1回戦突破でした。
城戸は行けるだろうと思っていましたが、長島はキツイだろうという予想でした。

長島には、キャラ萌え繋がりで、なんとか勝ってもらいたいのは山々でしたが、このレベルで勝つとなれば覚悟が甘い。
本業がコスプレヤーなんて言ってるようじゃダメでしょう。
今では衛星放送を通じて普通に世界のトップ・ファイターを見ることが出来るようになりましたが、あの人々は異次元の人たち。
超人なんです。
その超人を持ってしても試合となれば自分を極限まで追い込む。
K1の国内戦はそこまでのレベルではありませんが、それでも想像以上に高い世界です。
まあ登場時の音楽で楽しませてもらえばイイヤ。

なんて思って見始めたんですが、試合が始めると長島、表情がまったく違う。
ファイトスタイルは、パンチは大降りの振り回し。ガードはなし。防御時術もなし。なんかニカラグアの野人、マヨルガみたい。
1RでHAYATOを2度ダウンさせ、2R左フックであっさりKO勝ち!

驚いたよ。
バックにELOの「トワイライト」とエヴァが流れたのには感動。
私も二次元萌え、すっかりハマッテますが、この姿、リアルの世界で知っているのは家族だけです。スタッフ、同業者、etc他には誰も知りません。
知られたくないもの!
ほとんど隠れキリシタンの世界。
でもアニオタ萌え、静かに世間に広がっているよね。
結構、世間の中枢に食い込んでいます。
あっさり勝ったし、他は延長続出だったので、二回戦に期待しました。


城戸vs日菜太
1R,城戸が圧倒と思ったら、日菜太の重量感のあるミドルに押される展開。
イヤー、俺の予想は外れる。
2Rもつれ合ってからの連打が当って城戸、ダウンを奪うも攻めきれない。
日菜太は城戸の蹴りを受け止めて軸足を蹴る。パンチの手数も多い。
城戸の右手、死んでます。延長は完全に日菜太が圧倒!
強い大学生です。


長島☆自演乙vs山本優弥
いきなり山本を押し倒す長島。圧力があるんですね。しかしガードは甘い。
結局、負傷判定負け。
長島、メンタル、体力は良い物を持っていると思います。
これから技術を磨き、入場が仕事なんて言わずに必死でやってアニオタの地位向上に努めてクダサイ。勝てばハルヒの等身大フィギュアも買えるよ。

決勝は見ごたえありました。
ダメージの少ない小比類巻が圧倒、優勝、オメデトウ!と思ったら、アキラメナイ山本の飛び込みざまの1発が当って小比類巻ダウン。
それでもなんとか逃げ切り。
良かったね。
少し可哀想だったもんなあ・・・

ps
長島の登場シーン、音楽込みでもっと見たかった。

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February 22, 2009

フェラーリ360モデナ車検整備代、果たしていくら掛かるのか?

フェラーリ360スパイダーの車検整備代金、果たして幾ら掛かるでしょう、というのは購入を考えている方々の関心事なので書いてみます。

結局、どんなクルマでも掛かる重量税、自賠責、代行手数料以外での整備代金は27万円でした。
チャレンジグリルなどOPも加えると新車価格2000近いクルマなので非常に割安だったと思います。

内容は24ヶ月点検整備、テスターによる点検、エンジンオイル、オイルフィルター、ブレーキオイル交換、各ベルト調整、タペットカバーオイル漏れ修理、カムカバー、カムエンド、プラグホールGKなどです。
クルマの調子、前から悪くなかったけど、はっきり良くなったよ。

ロペライオ銀座店で購入し、今回も車検、頼んだのですが、クルマがしっかりしていた故にこの値段だった訳で助かりました。

担当の木暮さん、ローダーで引き取り、納車してくれたスタッフの方々、お世話様でした。

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【失敗だって】Ferrari is back.【Don’t mind】

車検とバンパー交換で整備&修理に入っていた360スパイダー、本日帰ってまいりました。
ホントは金曜の予定だったんだけど、雨で遅れていたのね。

フェラーリ、扱いは面倒だし、神経使うし、何かあれば高いしで、なんだかちょっと嫌になっていたんだけど、ローダーに乗って到着すると天気も良かったんで、乗りたくなってしまい、「寝・逃・げでリセット!」のCD積んで高速行ってきました。ああ、戻ってきた我がアニソンとフェラーリの日々・・・
やっぱり良いわ。

クルマもなんかすべてがチューニングされて、F1もスムーズになっている気がして、ホント繊細なクルマなんですね。
整備なんてやっているフリだけだろ!法にかこつけて金取りやがって!とついつい陰謀史観に囚われがちなみなさん、違います。

結局、フェラーリ独特のあの味は、高度な設計と、微妙セッティングの上で成り立つものなんですね。
私は非常に自分勝手で、面倒なことは嫌い!よって手の掛からない安心な国産車一番、というメンタリティの持ち主なんですが、やっぱり当分代わりはないですね。

というわけで、花粉症対策の3次元マスクしたまま、アニソン聴きながら帰ってきました。

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February 20, 2009

【チョコンとブツケテ】フェラーリには!近寄るな!【100万円】

先日、ブツケテしまったフェラーリ360スパイダー!
今日、修理代が上がってきたんですが、103万円なりです。
バンパーとフェンダーが少し1センチ位の凹みだったのですが、豪快な値段ですね。

まあパーツも高いし、ボディはアルミなので大変なんでしょう。

でもコレ、事情知らない人だと卒倒するよね。
ホントにチョコンなんだよ。

とりあえず路上でフェラーリ見つけたら近寄らないようにしましょう。
私も近寄りません。
私のフェラーリ階層最底辺、型オチでコレですから、特にスぺチアーレとか、「突っ込んだら負けかな」、と思います。

つーか、保険の種類によっては人生終わるよね。
普通の人には「走る逆宝くじ」って感じ!

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February 19, 2009

【転んでも】PCの再インストール、再セットアップは大変だよ【泣かない】

日曜の夜にオカシクなったメインのPC。
リカバリーされて昨日の夜、戻ってきたのですが、まずウインドウズの更新が73個溜まっている。
夕食の間にやらせておいて、終わった後、さてデーターの移し変えと各種設定を自分用にと、もう延々と掛かりますね。(まず最初にしたことは背景を綾波レイちゃんに戻すことでしたが・・・預ける時、まずしたことは綾波レイちゃんの背景を消すことだったけどね)
666

さらに色んなサイトのIDとパスワードの入れ直しに、ダウンロードするプログラムの数々・・・
FXとか225先物、OP関係のは、スムーズに行かないとストレスになる。
さっきまでやってました。

大変だよ。
それでも気掛かりだったのを含めて、なんとかなりました。
イヤー、面倒ですね。
大切なモノのほとんどを1日で復帰させた自分を褒めてやりたい。

でも今回学習したこととして、ともかくファイルのバックアップは自動的に取るようにすること。
それから内容は整理しておくということは、心掛けようと思いました。

去年、ウエイトで少し無理して腰痛になったのですが、それから腰痛体操とサポートベルトの着用。腹筋の強化、と結局前向きに転換できたので、今回もそうします。

この情報は後でイイや、とゴチャゴチャにしないこと。
トレードも情報も見切りが大事ですね。
見切りを良くして、風通しを良くしておくことだ。
まあこれが難しいのだが。

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February 17, 2009

美の歴史:2  ウンベルト・エーコ@第Ⅲ章:均衡と調和の美/すべてはプラトンから

古代ギリシャでは美の定義に色彩と光の快感を必須とした。
また万物の起源論が盛んであってが、前6世紀にピュタゴラスが万物の起源は数である、と主張し、宇宙的美学=数学的な見方が誕生した。
彼らは無限と限界に帰せられないものに神聖な恐怖を抱いたのである。
また音楽における数学的な比例と均衡を研究した淵源となる。

テトラティクス:ピュタゴラス派の宣誓の象徴。
一つの三角形の中に無限に三角形を描いたもの。

調和は対立のうちにある。
偶数と奇数、有限と無限、統一と多様性、右と左、直線と曲線。
それらの均衡がカノン(規範)となり、幾多の彫刻が造られた。

中世の文化はプラトン起源(同時に発展したヘブライの神秘思想も)世界は一つの大きな生物、人間のようであり、人間は世界のようである。宇宙は大きな大きな人間であり、人間は小宇宙である。
よって「ホモ・クアドラトゥス@ピュタゴラス」宇宙の原則である数が、美的な照応でもある一連の数的照応にもとづく象徴的な意味を帯びる。

自然は4つの部分に分けられる。4つの季節、方位、上下左右など。
芸術においてもそうであらなねばらない。4は基軸の数であり、謎を解く数である。
道徳的な人間を「テトラゴン、四角い」と言うが、4は道徳的な完全さの数である。

5は掛けると常に5が現れる。5は循環する数であり、神による創造のマトリックスであり、聖書にも見出される(モーゼ5書、5つの聖痕)
そんな数学研究が正確さの頂点に達したのは、ルネッサンスの遠近法である。

醜い物でさえ比例と対照により、世界の調和の構成要素になる。
怪物でさえ天地創造のなかで存在理由をしめし、秩序における悪も美しき良きものとなる。なぜなら悪から善が生まれ、悪の傍らで善はより輝くからである。

トマス・アクィナス:美が存在するためには、比例だけでなく、全体性と輝き、調和が必要である。
比例は道徳的な価値も含める。互いに支えあい建物を堅固に保つ石の行為は美しい。
「神学大全:精神の美は一人の人間の言動が理性の光に照らして均整が取れていることにある」

比例の理論の背後には、イデアこそ現実のモデルであり、現実は不完全な模倣に過ぎないというプラトン哲学がある。
芸術とは自然の不完全な模倣であり、自然はイデアの不完全な模倣である、という考えに基づいている。

ルネッサンス末期、その黄昏に重要な考えが生まれる。
均衡の取れた比例からでなく、一種のねじれ、数学的な規則を超えたところへ向かう不安と緊張のねじれから美が生まれるという思想が生まれる。
マニエリズムの不安である。

ps個人的な感慨
不均衡の美。不安の美。マイナスを指向する美。それはマニエリズムが始めだったのか。
ギリシャ美術・・・人類の原初
中世美術・・・宗教によすがに歩き出す。
ルネッサンス・・・宗教の頚城を逃れて自分を取り戻す。
ギリシャの頚城をやっと逃れるのがマニエリズム。
進歩とは困難なものですね。

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February 16, 2009

PCが故障したときの喪失感は異常 @すでにPCは自分の一部だから

昨日の夜11時前だったのだが、PCがフリーズ!
それも半端じゃやない固まり具合。
強制終了も無視され、タスクマネージャーも禄に立ち上がらない。
焦って焦ってなんとかシャットダウンまで持っていけたから一安心してもう一度立ち上げたら様子が変。
明らかに動作が遅くなっている。
セーフーモードで立ち上げたらサクサク動くので機械的なトラブルじゃないだろう・・・まあ今回はこんな処で回復してくれ、とまた祈るような気持ちで立ち上げたけどアウト!
夜中までやっているサービスに電話してアレコレいじったけど、ダメ。
すでに時計は12時半!
疲れたので終了。
とりあえずワードとエクセルのファイルと画像、メール、アドレス帳をUSBにコピーして電気屋さんに持っていった。


フェラーリブッツけた時もガッカリしたけど、あれはお金が掛かるだろうなあ、という世俗的理由。
PCの故障でデーターが飛ぶのって、今までの人生を否定された気分になって、軽く死にたくなる・・・・

でもみんななるのね。
パソコンが突然起動しなくなったときの絶望感は異常

読んだところ参考になった文章は、OSとデーター、別々にする!
なるほど、これで再インストールも怖くない!
後はともかくUSBだな。

すでに4本持ってたんだけど、みんな容量少なかったんで、妻に8Gのを買ってきてもらった。
値段を聞いたら2500円だったって言われたんで、なんと安いと思ったら今、4Gで800円台なのね。

世の中の進歩って恐ろしいわ。

ps
結局、この喪失感は、自分の脳の一部は、すでに電脳の中にあるってことなんだろうな。
PCはすでに自分のアイデンティティの一部。
これまた恐ろしい世の中ってことだ。

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February 15, 2009

ニコライとアレクサンドラ  /映画の見方は色々で

理系の進学コースだったので、世界史は履修してない。
だからどうも疎い。

ロマノフ王朝って何?
って聞かれても思いだすのは、皇女アナスタシアとか、旅順で戦ったよな、とか結局、レーニンに殺されたんでしょ、とかおぼつかない。
「ロマノフ家の金塊@ガーフィールド」って本も読んだけど、イマイチだったなあ、なんて記憶しかない。
それらなら世界史の教科書でしっかり勉強すれば良いんだけど、メンドクサイ。

そういう人にこの映画はオススメです。
1971年の映画だけにVFXとかなくて、その分、アカデミー美術監督賞と衣装デザイン賞を取ったリアル映像の部分が充実しているので、登場人物とか背景描写がともかく真実味があり、まさに歴史の目撃者になった気分。
問題は189分と長大なことですが、まあ歴史の勉強だと思ってぶつ切りに見ていけばよい。

ああ、やっぱりここで日本と戦ったのがつまずきだったねえ、とか、これが「血の日曜日事件」と呼ばれるわけかあとか、おおラスプーチン登場、第一次大戦、やってるんですねえ、戦争の背後には、こうやって他国からも外交使節が来て、色々あるわけだとか、ボリシェビキ台頭でレーニン登場、などなど、歴史上の知った顔が映画の中で良く繋がって理解が深まった気になります。
ちょっとNHKの「その時、歴史は動いた@豪華版」を見ているような気分ですね。

のんびり、何回にも分けて観てください。

ロシア近代史の勉強には悪くないですよ。
映画の利用法も色々あるってことです。

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February 14, 2009

地球のはぐれ方 村上春樹   @ホラー作家志望者は必読

村上春樹さんとそのお友達2人が、名古屋やら熱海やらハワイやらをゆるゆる旅するエッセイ集ですが、その中の「カフカエスクな妄執の迷宮」という一編は、極めて優れたホラー短編の要素がすべて詰まっているので記事にします。

まずホラー小説を書く時の目的は何か?
読者を震え上がらせたいってことですね。
ホラー小説を読む時に読者が望むことは何か?
思い切り怖がりたいってことです。

では色々な要素のある中で、最も怖い要素は何か、といえば、読後もう後には引けない文章を読んでしまった、と思うことです。

フィクションがフィクションのまま完結してしまっては怖くない。
吸血鬼? サイコ殺人鬼? そう怖かったね、で終わってはイマイチです。
フィクションが現実との境界を侵食する。
あるいはしたのかもしれない、と思える時、おそらく読者は心底震え上がる。

ならばそう持っていくにはどのような導入をするべきかといえば、手の内を見せない、というとこでしょう。
ということは巷間出回っている「ホラー小説」はそれだけでハンデということです。
私がこの1編を紹介してしまうこともまたホラーのレッテルを貼ってしまうことですから、本当はしたくなかったのですが、まさかこんなゆるゆる旅エッセイの中にこんな異品が隠れているとは思いもしないと思われるので、紹介する訳です。
今回、肝心なのは、手管、技量を学ぶことなので、良しとしてください。

この1編も他のエッセイと一緒で、某所へ行ったという話なんですが、導入部はまったくの「日常」にあるわけです。
それから徐々にその場所の異様さが明かされる・・・ただここまでは例によっての村上春樹節の描写で、楽しいけれどなんとことない。

ホラー小説を書きたいと思っている方に参考にして頂きたいのは、村上春樹がほとんどその場所の観覧を終えようとした処からです。

村上春樹は読者の乗った梯子を不意に揺さぶる・・・このタイミングが絶妙です。
あまりの異様さに、ボンヤリとした不安に陥った読者は、その揺れに脅かされる。

そして村上春樹はその場所を出て、「現実に帰る」のですが、すでにその「現実」は歪んでいるのを発見します。
そして止めとなるのが最後の1行。

この1行で、村上春樹と一緒にその場所を探詣したあなたの一部はすでに「妄執の迷宮」に囚われ、鉄格子を握り締めて声なき叫びを上げ続ける自分を見つけるのです。

残酷描写もグロテスクな描写もまったくない。
血の一滴も流れない。
でも読み終えた後に残る「妄執の刻印」はしっかりと記憶に刻まれています。

こういうスマートなホラー短編を、個人的には読みたいものです。

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February 12, 2009

ともかく破格の風景だらけ!今度は決算だ、上場企業の利益、12日間の発表で4分の1に!

今回の世界恐慌はいろいろ珍しい風景を見せてくれる。
去年の10月のマーケットの波乱では、テクニカル分析上過去に例のなかった問答無用の暴落で、こんなに一気に下げれば完全に行き過ぎでしょう、少しは戻りを入れるんじゃない、という思惑を遙かに超えてなお下げ止まらなかった。
その時記録した数字は、過去最大だった、911テロ時のさらに2倍近い衝撃を示していた。(個人的なテクニカル数値でです)


そしてここに来て目を見張るようなことになっているのが決算だ。
株価収益率でいうと・・・1月25日に16倍だったのが、わずか4日後の29日に20倍。2月に入ってからは25倍から34倍になり46倍になったかと思うと59倍になった。

株価収益率(PER)というのは・・・まあ面倒なことはイイヤ。
簡単にいうと12日間に発表された決算がみな大幅に下方修正されて利益が一気に4分の1になったと思えば良い。

当然、これほど急激な変動は見たことがない。
何よりPER57倍って数字が新聞にまた記される日が来るとは思わなかった・・・まあ日経平均が7000円台ってのもまた拝めるとは思わなかったけど。

バブル絶頂期の日本株の収益率って60倍位だったからそれに並んだわけ。
収益当たりの株価の割高感はバブル並
ならまだ下がる?
でもすでに平均株価はバブル期の最高値からなら5分の1にまで調整している。

もう一つの指標、PBR(株価純資産倍率)も0.9倍
これはバブル期には6倍近かったはず。
コッチは6分の1のお安さですとアピール中だ。

二つの数字が示している今の日本企業の状態は、儲けは激減したけれど、資産は持ってますってことです。

今後どうなるかは・・・分かる人、どうか教えてください。

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February 11, 2009

Wカップ最終予選、vsオーストラリア、負けに等しいドローなれど責められず・・・

今日は勝つと思っていました。
ドイツの負けなんて運がなかったようなもの。
オージーは監督がピムだし、コッチはホームだしね。
オーストラリア、大したことないよ。

試合はいきなり田中達也の走り込みで始まります。
そんないきなり一人でプレッシャー掛けてワロタ状態でしたが、凄いことに田中、試合の間中、右から左から突破を計り縦横無人の大活躍。
後半、交代するまで走り続けたのは驚異のスタミナでした。
ボールタッチも絶妙でテクニックを見せつけます。

試合自体は、素早く動きボールを支配する日本に比べればオージーの選手はただ大きいだけ。
動きは鈍く、コレと言っての技術もなく。
心配だったのが、トゥーリオのオッチョコチョイな飛び出しでしたが、今日は献身的に身体を張って守備します。
競り合いで負けず、ヒヤリとするようなミスもしない。
堅実に頼もしく守ってくれていました。

中村はやはり一際ランクの違うボール捌きで持てばチャンスを広げます。
ただFKにもうちょっと精度が欲しかった。
内田もドリブルの切り込みがカッコ良かったです。
遠藤のミドルシュートは相手キーパーのファインセーブがなければ、と惜しい処。

松井がまた良い、
ピム監督とは因縁があるらしく、ポイントでのディフェンスが冴え運動量も豊富。素晴らしい選手です。
中澤もケーヒルのマークがピッタリ。

そうです。
日本選手、全員が良かったです。
でも点が入らない。
ガタイだけが取り柄で、後は必要最低限という技術の選手たち相手なんですが、どうしても大きな壁をこじ開けられない。
こうなるとオージー相手にイタリアが苦労したことを思いだす。

時間がたつにつれイライラしてくる。
ブラジルみたいにこりゃかなわん、という技術で負けてるわけじゃなので非常に悔しい。
後半39分に長身のケネディが入る。
41分のカウンターは惜しかった・・・44分のセンタリングは良く守った。

ロスタイム3分も実らず。

ホームでドローはキツイ結果ですが、俺は良く戦ったと思う。
非常に見応えのある、素晴らしく密度の高い1戦でした。

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安室奈美恵Coca Cola ZERO CM もう飲むしかないでしょ!

実は大変、コーラ好きです。
肥満が気になるので(さっき風呂は入る前に計ったら73キロあった!過去最高値に迫ってる!なんでだ?運動しているのに!)、もっぱらゼロ・カロリー専門なんですが、コーラよりペプシNEXを愛飲している。
だって美味しいんだもん!
デカイボトルを買ってきていて、実際昨日も今日も飲んだ。

でもこのCMはカッコ良すぎるでしょ。
コレ見せられたらもうコーラ買うしかない!
タレントの力は大きいぜ、というわけでまだ残っている2lペットボトル、飲み終わったら、コーラZEROに切り替えます。

この曲もイイよね!
Hide&Seekの路線が好きなんだけど近い気がする。

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February 09, 2009

スーパーカー誕生    沢村慎太郎@天下の奇書?あるいは歴史を変える傑作本!

名前通りスーパーカーの歴史が語られる本ですが、ハードカバーで実に800p以上!
読んでいる間、重かったので計かったところ840gあったという驚くべき1冊です。

さらにこの手の本ではありがちな、カラー写真など一切なし。
1モデルづつ、側面からの投影図が乗るだけです。
後は全部文章!
いやー、読み出はありましたよ。
そして大変楽しくスーパーカーの勉強が出来ました。

著者の沢村慎太郎さんがこの本で書き表したのは、はたしてスーパーカーとは何ぞや?ということです。
スーパーカー、フェラーリやランボルギーニなどは良く本になっていますが、それは華麗なスタイルや強力無比なエンジンが、女性に例えると、トップモデルや女優、アイドルを思わせるからなんですね。
こんなにカッコイイ!と。
そしてアイドルの3サイズとか趣味が語られるように、パフォーマンスや加速性能が記される。

沢村さんは、そんなミーハーな観点からではなく、エンジン工学からサスペンションの構成、ボディ剛性、生産コストのことまで、徹底して学術的に迫ります。
そしてクルマの歴史という縦糸の中で、イタリアに限らず欧州全般から実はアメリカにもあったスーパーカー構想の横糸までのすべてを取材し、壮大なスーパーカー全史、全貌を俯瞰するという遠大な構想を実現させました。

何よりの読み処は、実際にフェラーリやランボルギーニの設計者に会いに行き、直に話しを聴いていることです。
会った設計者はみな伝説の、と言っていい存在の方々ですから、その発言がオモシロいこと、またへー、こんな内情から、あのクルマは出来たのかあ!という意外な史実まで興味と興奮は尽きません。
やっぱり直に聞く発言はオモシロいよ。
ここまで徹底して取材を重ねた本はおそらく世界にもないでしょうね。

スーパーカー好きなら聞きかじっていた幾多のエピソードが有機的に結合し、多くの謎が、疑問が氷解していく件は圧巻です。
そして一台のクルマが出来るまでの、あるいは消えさるまでのドラマの数々!
800p、ワクワクしながら読みとおすことができました。

ノンフィクションの値打ちは、一次取材の量、著者がどの位の距離を歩いたか、汗をかいたか、ということで測れる側面があるのですが、この本は文句なしです
今を逃したら、もう物故していく設計者もいるでしょうから、歴史的価値も充分でしょう。
日本のスーパーカーとしてNSXも出てきますが、日本にはこの本もあり、と世界に問いたい1冊ですね。
スーパーカーに一度でも恋い焦がれた方すべてにおススメ出来る1冊です。

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February 08, 2009

結婚難民  佐藤留美@煽り本でないまともな1冊

年々下がり続ける日本の婚姻率!
その原因は意気地のない男にあり、という論調に真っ向から反論する1冊です。

悪いのは女!という訳で、「結婚してはいけない13の女」としてカテゴライズされたタイプが次々と紹介されるのですが、その自己愛とエゴの塊みたいなモンスター化した女性像を読んでいると、うん、うん、いるいるこいうタイプと記憶が蘇ってくる。
女性にとって男性の悪口が心地良いように、男性には女性の悪口って気持ちイイんですよね。
でもさすがに13タイプの後半になるころには、これ散々男性を悩ませた一種過剰なレッテル張りじゃないの?
という、同情というか疑問もわいてくる。
確かに何かを勘違いしているモンスター女はいるけど、大多数の人は、普通に良い人だよなあ、と思ったところでこの本は、実はこんなに語りましたが、こういうタイプって少数です、と救いが来る。
こういうセンセーショナリズムに陥らない常識が来るのが、この本の救いです。

それから著者は、女は金だろ、顔だろ、というのはマスコミが語った偏見であり、普通の女性は、普通の男性と地道な幸せを願っています、って訴えているけど、コレまんざら嘘じゃないと思う。
そしてこういう真っ当なことが語られないのは、当たり前過ぎてマスコミとしてオモシロクないからであって、逆にモンスター女ばかり取り上げられるのは、メディアとして数字が取れるからです、というのも説明にも納得。
結局、世の中壊しているのは、何でも過剰に煽りたてるメディアという結論ですが、俺も同感だよ。

それでもこの本、ラストで、好きだった女性が延々と不倫しているを見守り続け、最後に純愛完結型として幸せになりました、なんて例には、これからは男も修行だな、なんて悲しみを禁じえない。

昨今は際限なき自由競争が格差を生み、多くの悲惨を招いているって話が多いけど、それ以上に、恋愛自由主義はまともな結婚市場(社会構成)も壊してしまったのかもしれませんね。

自由ってのは劇薬なんだな、と思う今日この頃です。

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February 07, 2009

永遠の故郷 [夜] 吉田秀和  音符が読めてドイツ語も・・・・

日本を代表する音楽評論家、吉田秀和さんのエッセイ集です。
エッセイと言っても内容はクラシックの歌曲を中心に論じられるもので、非常に美しい文章で内容も充実して読み応えがあります。
ただ私には難しかった・・・

一つの曲を論じる際には楽譜が引用されるのですが、私、楽譜って読めないんです。
また歌曲なので歌詞も引かれるのですが、これまたドイツ語・・・日本語訳も付くのですが、私にはその魅力、あまり伝わってこないのです。

これにはドイツ語圏の詩自体、それほど私の趣味でない、ということを割り引かなければならないのですが、「メーリケ歌曲集」とか、少しハードルが高すぎました。

御自分で楽譜が読めて、普段から歌曲などに親しんでいる方には良い1冊だとは思います。

以下、非常に美しい文章の覚え書き。(引用の為、省略、書き換えしてあります)
ご堪能ください

「欧州の夕暮は日本よりずっと長い。夏の夕べなど、日盛りの時刻がすぎ、低い太陽のつくり出す長い影と透き通るような薄い光のひとときが終わりに近づいて、灰色の薄暮のヴェールがああり一面に拡がってからは、そのままの状態が実に長く続く・・・そうやって
薄鼠色の影の光と呼べるような中にいると・・」

イイですね。
欧州の夏に、オープンになるクルマで走りたくなるような描写です。


「庭は喪に服し
冷雨は花裡に沈む
夏は身を慄わせ
黙然と終末に向かう。
金の葉は一つまた一つ
高いアカシアの木から滴り落ち、
夏は驚愕し、力なく微笑む
死にゆく庭の夢の中に@ヘッセ/9月」

「夜の魔術の環の中で
深く、千倍も生きるために。
そして音楽は常に新たに、無上に慄える石たちから
ほかに使い道のない空間に、神々の住む家を建てる@リルケ」

壮麗なまでの美しさと死の想念の同居する音楽。
「何故ならば、美は私たちの耐えられる限りでの
恐ろしいものの始まりにほかならない@リルケ」

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February 06, 2009

美の歴史:1  ウンベルト・エーコ@かつて「本」とよばれた存在を思わせる1冊

歴史を遡る時、思うことの一つは本の価値です。
価値と言って伝わり難ければ、「ありよう」、と言っても良い。
今でこそ書店にいけば山積みになっている「本」も近代印刷技術のない時代において、それは宝玉に値するモノであったのではないか、と思いをはせます。

この本は特筆すべきほどの美麗なる図版と、ウンベルト・エーコの格調高い文章で、そんな数百年前の時代にあった宝石を思わせる1冊。

私は本は買って読んで、後はアタマに入れてナンボと思うのでガリガリと線を引きながら読むのですが、そんな習慣すら躊躇させられるものです。

以下、この本から勉強したことの覚書です。
1)この本は「美の歴史」を語ったものだが、西洋美学のみあつかう。
理由はテクストの存在である。

2)「もし雄牛に手足があったら、その神々は雄牛に似るだろう@コロンボーンソクラテス以前の哲学者」
この意味は、美とは絶対的でも普遍的でもなく、時代や国によってことなるという原則を認識させる。
千年の時を経て、通じる概念もあるのだ。だからこそその関連を考えねば。

3)古代ギリシャの理想美
「美しきもののみが愛でられ、美しからなるものは愛でられぬ@ムーサイの合唱/テーバイ」
「美しきものは、剣の動きも鈍らせる@ゴリギアス/ヘレネ礼賛
ただこの美(カロン)の概念は、現代では正確に理解されていない可能性がある。
美とは喜ばしいもの、称賛を掻き立て、眼を引くも物、すべてである。

美には3つのモノがある。
①理想美(自然の美)、②精神美(魂の美しさ)③機能美@「ソクラテスの思い出」から
ここから導き出されるのが「輝きとしての美」であり、ネオ・プラトン主義になる。
それは我々の見るものと一致しない。(ソクラテスの醜さは有名だった)
それを把握するには弁証法の技術。知的判断が必要である

4)アポロの美とディオニソスの美
デルフォイの神殿には4つのモットーがある
①最も美しいものは最も正しいものである②限界を知れ③傲慢を避けよ④何事も行きすぎるな「大きく口を開いたカオス」から生まれた世界に抑制を与える、アポロの保護下かにおける思想である。
同じ神殿の反対側には、あらゆる掟を抑制なく破る神カオスの神、ディオニソスの像がある。
この対照的なる共存は、調和の中に混沌が存在したり、侵入する可能性を示す。

美は確かに知覚可能だが、すべての美が知覚可能であるわけではない。
外観と美には危険な裂け目がある。

西洋の美は作品から距離をおくことの二元論の上に成りたつ。
対照的に日本の彫刻は触れるために、直接的接触の為に作られる。

ディオニソスの美、不安を掻き立てる夜の美は近代まで隠されていた。
憑依と狂気の、エレウシスの秘儀やディオニソスの祭儀のような隠された生贄の世界。
それは古典世界の美しい調和に復讐する

Ⅱ章までです。

ps
こうして考えると、自己犠牲的で禁欲的という高貴な精神性を持ち、かつアポロ的な完璧な美貌を備え、憑依と秘儀の神秘に満ちた綾波レイはやっぱり世紀末日本の生んだ紛れもないヴィーナスですね。
もうエーコの保証付!
200_285

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February 04, 2009

メッシ、バルセロナ通算5000ゴールを決める! 神の子供っているんだな

見てても見てても負けないバルセロナ!
先制すれば大勝ちするし、先制されれば逆転する。
他のチームにすれば「エアーマンが倒せない」状態なんでしょうか?

いい加減負けてもイイんじゃないの?
世の中、限度ってもんがあるんだからさ、と思いつつラシン・サンタンデール戦。
あれっと思ったらメッシはベンチです。
どうやら勝ちまくっているのは良いものの、国王杯やらなんやらで過密日程につきお休みらしい。

大変なんだろうから休むのもイイよね、と思ったらどうもバルセロナ、旗色が悪い。
長身選手を揃えるラシン・サンタンデールの前にカタチを造れません。
前半は0-0の終了で、後半10分、パスの繋がった選手を倒してPKを取られ1-0になる。
そして14分!メッシ登場です。
メッシ一人入れたってそんなに急に変わらんだろう。
リーガは充分安全圏なんだから、長い目で見て捨てゲーム作っても良いのでは、と思えばこそ。化学反応が起こったように、展開が変わるんですよ。
そして20分、競り合いからこぼれたボールに走りこみメッシ、同点ゴール。
同点!
少なくても負けはない?
スゲエなメッシ・・・本当に同点にしたよ。
監督にしてみれば、これぞ選手交代の醍醐味ってやつだろうな。
グラウディオラは運がイイ!

でも今日中のバルセロナ通算5000ゴールは無理だろうな。
そうすれば勝ち越しだけど、世の中そう上手くはいかないもんだという予想を裏切って、これまたバーに弾かれて高いバウンドをしたボールを胸でトラップ!
スンゴイ跳ぶような体勢からサイドネットを揺らしたのはメッシ!

なんでこんなに簡単に点を取るんだろう?

どういうとこがどういう具合に違うのか?
ボールタッチとボディバランスが凄いのは分るけど、理解を超えてる感じもするのでした。

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February 03, 2009

【政府紙幣で】20万円貰えるかもよ?!【25兆円】

自民党内から日銀発行でない政府紙幣で25兆円を発行。国民一人当たり20万円を配るという案があるようです。

ただで20万貰える!
ありえないだろう、常識的に考えてということですがどうでしょう?
とりあえず20万円が配られば消費は回復するでしょう。
今、急速に落ちている設備投資は、消費の急落が原因ですから、コッチも温まるでしょう。
GDPは=消費+設備投資ですから共に上昇!目出度く回復、不況を抜け出すでしょうか?

いや、ルーカスの合理的期待論の言うところによれば、こんなお金貰っても将来の増税を見込まれて効果などない、という意見もありましょうが、どうやらこの政府発行紙幣は国債にならないようなのです。
紙代と印刷代だけの負担でお金が出来る。
それを本当にただで配ってしまうんです。
これは壮大なモラルハザードですから、「円」の価値は大幅に下落するでしょう。
でも今円の実行レートは最高値を更新しています。

これは欧米よりマシということで、ファンダメンタル面的な側面もあるのですが、CFTC(大口投機筋の建玉)を見ると、投機筋はかなり円を買っているという背景もあるんですね。
この政策が実施されれば、投機筋は一斉に買い玉を反転、売りに転じて、円は暴落すかもしれません。
でも円の下落は、今瀕死の状態の輸出産業には干天の慈雨になるでしょう。
問題はあまりに下落しすぎて輸入品、日本ならオイルと食糧の買いがどうか、ということですが、当面の状況は商品相場も下落しているのでそんなに問題とは思えません。
それに円が高いから工場が海外に出ていったり、コストコントロールの為の派遣雇用の拡大、派遣切りが行われるのであって、円を暴落させてもう安い円で結構です。
今後、日本人はブランド物。高級輸入品は買いません。
海外旅行など超贅沢にさせていただきます。
名目GDPも中国に抜かれて結構、2流国としてマターリやります、ということに方針転換するとしたらどうでしょう?

やるべきなんでしょうか?

少なくても「明日の生活費に困っている!」という人には助かりますよね。

でも百年の国家の行く末を見通せば、自国通貨の下落に良いことはないです。
新たな世界に誇れる産業や偉業は成しえなくなるかもしれない。

最大の関門は、これほど大規模な政策が実行された歴史が過去にないことです。
だからその着地点が分からない・・・もしかしたらとんでもないインフレになるかもしれない。
いや、インフレとかってレベルじゃなくて、財政の、通貨の制御不能状態を招いて国家存亡の危機になるかもしれない。

今や日本はともかく自民党は完全に崖っぷちです。
こんな時期に政権を担当しているのも不運なんですが、あらゆることが裏目に出ています。
でも一人20万円配ればもしかして選挙に勝てるかもしれない。
というか、すでにそれしか選挙に勝てる方針はないかもしれない。

この大きなアドバールーン、実行される日は来るのでしょうか?

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February 01, 2009

09全豪OP決勝ナダルvsフェデラー  ハードでもナダル!全豪初優勝!

今年初めてのGSはラファエル・ナダルとロジャー・フェデラーの決勝となりました。
この両者の対戦ですから、お互いに今のは絶対無理、というショットを返しまくりさらなるスーパーショット連発でともかく見ごたえのある試合でした。

さて最近のナダルvsフェデラーの試合でのポイントは一つです。
曰く「フェデラーがナダルの問いかけてくるバックの力比べに解答が出せるのか否か?」

ところがこの試合では様相が違っていました。
フェデラーはバックのラリーを挑まれるとライジングで叩いてリズムを変え、積極的に回り込みます。
戦略は崩されますが、ナダル一切頓着せず、四つに組んでの勝負です。
第一ゲームをいきなりブレイク、すぐにブレークバックされますが、5-5から破って第一セットは7-5でナダル。
第二セットはフェデラーにキレが戻り、第三セットはナダルが振り切ります。
流れは交互に行き来します。
第四セットはナダルに心配されていた全豪史上最長激戦の影響化か、足が少し止まって6-3でフェデラー。
最終セット、流れはフェデラーと思ったところで最初のブレークはナダル。
ナダルも疲れていたようだけど、フェデラーも深く消耗していたってことですね。
最後はあっけなく崩れさりました。

フェデラーが本当に凄い時は、単に強い選手である、という段階から変身するフリーザみたいにフイっと次のステージに移行出来たんですね。
そうしてギアが上がると手がつけられない状態になった。
今回は最期までそれがありませんでした。
スーパープレイはあってもアンフォーストエラーが多く、ファーストサービスが入らない。
ブレークポイントなど勝負どこで取りきれない。

逆にナダルはどこまでも走り、あくまで強烈なトップスピンを打ち、追い詰められた状態からも絶対に諦めず、ブレークを握れば必殺のスピリットで取りきる。
そんなナダル相手に、フェデラー、2セット取ったのがせめてもの意地か?

5セットマッチの男子の試合は長編小説。
今日も流れが行き来しました。
ですが、一人の選手のキャリアは、さらに長いサーガです。
恐らくこの二人は伝説のライバルとして今後、百年語られるでしょう。
それならフェデラーの再びの神格化と、ナダルのさらなるドラゴン化を期待して今日の処はお終いです。

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