興奮する数学 7つの未解決問題 キース・デブリン
現代数学の最も重要な問題を実に分かりやすく解説してあり、素人向けの数学本としては絶品です。
表題に偽りなし。
お好きな方なら、ホントに興奮できます。
取り上げられるのは、クレイ研究所が100万ドルの賞金をかけた7つの問題ですが、これは現代数学の父、D・ヒルベルトが20世紀の知性に向け、1900年に掲げた23の問題の21世紀バージョンです。
当時、人類の理性の勝利を確信したヒルベルトの言葉がかの有名な
「我々は知らねばならない。我々は知るであろう」
です。
この言葉のよりどころは、完全は公理系は完全な理論を構築するでした。
それはゲーデルにより打ち壊されましたが、数学の発展は続いています。
そして今回取り上げられたのは、
1) リーマン予想:やはりこれです。
1900年にヒルベルトの上げた23の問題中、唯一の未解決問題でもあります。
今回、オモシロかったのは、なぜリーマンがゼータ関数上に素数分布を予想したのか、ということが実ははっきりわかってないこと。
これはまさに神の与えた直感なのか?
もう一つは自然数中の素数分布を調べるのに、なぜ複素数を使うのが謎だったのですが、それは複素数を使うことによって複素平面上の幾何学問題に変換できるからなのですね。
参考になりました。
また量子カオス系のエネルギー問題に、ゼータ関数が絡むことが証明されており、という結びはスリルでした。
2) ヤン-ミルズ理論と質量ギャップ仮説
いわゆる大統一理論へといたる方程式で一番やっかいなのが重力の扱い。
真空を励起するためのゼロでない最小のエネルギー(質量がゼロでない粒子波動)の存在と、ゲージ群がコンパンクトで単純な非可換リー群Gであるような、R^4上の量子ヤン-ミルズ理論の質量ギャップの証明。
自然界の対象性において群論、アーベル的可換がいかに使われているかの描写は、付録も含めて何度も読み返したいと思います。
「宇宙を理解するためには、その言葉を理解しなければならない。それは数学である@ガリレイ。イタリア人なんだよね。ナンパ、官能性とサッカーだけじゃないんだな、イタリア人」
3)P=NP?問題
巡回セールスマンの問題として知られているモノですが、クックの発案からどのような発展過程を経て今の問題になったのか良く分かりました。
Pである多項式時間過程(コンピューターが効果的に処理できる計算過程)はNPである指数関数時間過程を検算可能かどうか?
ということです。
たとえば一つ一つは簡単な計算なんだけど、そのデーター量が指数関数的に増大する問題は、つねに⇔であるかどうか?
例としてデータサイズが3^N(3のN乗)になるとき、Nが10ならコンピューターの処理時間は0.059秒だった時、
同じコンピューターならNがたかがら5倍の50になると2億世紀!=200億年←今の銀河系の年齢(推定150億年)より時間がかかる。
このようにデータ量が増えすぎて実際に近似解以外に求めようがないとき、非決定性多項式時間過程(NP過程、論理を超えた直感のようなモノ)で解く方法はあるのか、ということです。
みんなオモシロイです。
今、ナヴィエ-ストークス方程式に入りました。
偏微分の公式がいっぱい出てくるのでビビッてます。
ただとこも簡単に解説してあるので、時間をかければ大丈夫。


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