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June 24, 2006

ネドベドは高倉健だった・・・チェコvsイタリア

味方は10人、相手はイタリア。
フィニッシャーのコラーを欠いてもネドベドは走り続けた。

さっき前線で強烈なシュートを枠に入れていたと思ったら、今度は最終ラインで守備をしている。
的確なパスを出し、プレスを掛ける。
逆境において不平をもらさずただ黙々と黙々と自らの仕事を成し遂げ続ける。

ピンチにおいてもチャンスにしても揺れるブロンドはどこにでも現れる。
まさにNedved Last Stand.

それでも結果は及ばなかった。

試合が終わるとピッチに膝をついたので一瞬、涙を予感した。
泣くのに資格があるとすれば、今日の彼には充分だ。
しかし起き上がった眼光は鋭く感傷の湿気はない。
ただ胸に十字を切った。
勝利は得られなかったが、存分に働けたことを神に謝するように。
イタリア代表のカンナバーロが駆け寄って来て、長身のブッフォンに抱きかかえられるとそれは神話などで語られる悲劇の英雄像のようだった。
泣きそうになっているのはむしろ勝利したイタリアの男達。
それを見ていると、この男の眼光は、死後も鋼のように光っているのではないか、と思った。

ただプレーをするだけで世界の反対側の人間心を動かす。

今日の試合は忘れない。
チェコの11番のユニフォームを買ってしまいそうで怖い。
本来、そんな趣味はないだけれど、壁に掛けておくと勇気をもらえそうな気がするから。


それにしてもいったん有利に立った後のイタリアのサッカーは、一種残酷な美を秘める。

イタリア人には、普段から陽気に気楽に暮らしているようなイメージがあるが、ローマ帝国の末裔達の仕事は、マフィアもかくやという凄みのあるリアリティがありました。
ぶつかってないのに痛がりわざわざ担架を呼んで運ばれるガットゥーゾは、味方が危なくなるとさっさと戻って守備をしている場当たり詐欺師のようだし、インザーギみたいに思い詰めた暗殺者みたいのもいるし、相手をするのは大変だ。

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