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December 2005

December 31, 2005

本日の格闘技の予想というか希望というか

今日やるプライドとK1の注目試合の予想というか希望を書きます。

PRIDE
桜庭vs美濃輪
両方応援したいけど、伝説の男桜庭で勝ちで。

シウバvsアローナ
シウバ前回の屈辱を晴らせるか?
負けたらトップの地位は脱落です。
個人的にはシウバの勝ちを希望するもなんか負ける予感も・・・

五味孝典vs桜井マッハ
マッハの復活は見事。でも今後のさらなる成長への期待をこめて五味の勝ち希望。

ミルコvsハント
勘のイイハントはもう左ハイは食わない気がする。
でも成長したミルコが絞めて勝ち

小川vs吉田
どうもハッスル小川は苦手。
プライドで試合を続けている吉田の勝ちを予想します。

ヒョードルvsズール
ヒョードルは、デカイ相手に本物の強さを見せて欲しい。
傷めた拳が心配だけど90秒以内の瞬殺が見たい。

K-1
須藤vsKID
KIDはザンビデスの試合で顎を上げる癖を叩かれちょっと底を見せた感じ。
殴り合いをしたいKIDを須藤が極めて須藤の勝ちを希望。
須藤の方が今後外人相手に勝ってくれそうだからね。

シュルトvsホースト
手のつけられない強さになったシュルトにホーストはどう戦うか?
ホーストのマジックを期待します。
でも怪物化するシュルトも見たい気がする


というわけでこれから年末の参詣(私は年末に行くのです)と買い物と食事に行ってきます。
ではでは、これを読んでくれてる人がみんな来年も良い年でありますように。
一年の感謝をこめてお祈りします。

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December 30, 2005

サンダーバード:実写版

子供の頃、欲しくて欲しくてたまらなかったのが、サンダーバードの基地の模型。
単に1台の宇宙船とかじゃなくて、基地自体が模型になっているという処がミソ。
それはまさに夢を膨らませられる小空間でした。(買ってもらえなかったけどね)

印象的なテーマソングも、実質主人公のロケットもみんなセンスが良かったよね。
1号は本格派のロケットという感じで基本線を抑え、2号のアイデアが脇役として秀逸。
ロケット=スマートなスピード派という固定観念を超えて、格納庫からジェット・モグラを出したり、潜水艇の4号が出て来たりして、コイツが登場すると話しが膨らむんだよね。
そして細いフレームがいかにも繊細な3号がまたがカッコイイ。
5号の宇宙ステーションは当時、それほど深く考えなかったけど、今振り返ると救助隊の「眼」になっている訳で、今の衛星情報戦から振り返っても先見性があったよね。

そんな憧れがあったので、実写化されたこの映画は楽しみでした。
ところがいきなり子供が出てきて嫌な予感が。
そうこうなると子供が主人公の子供向け映画ということなのです。
そして悪い予感はドンピシャで、美術からストーリーまで、悪役までもショボくて(3人しか出てこない!)幼稚でまったくアホらしい映画でした。
当時はそれほど幼稚な話しではなかったはずだ(怒

「スターウォーズ」を思いだして欲しい。
アレは子供向けとされていたスペース・オペラに思い切りコストを掛け、ストーリーも世界の神話の構造から設定し、俳優にも力のある人を揃えて本格的に造ったから大ヒットしたんでしょ。
ナメチャいけません。
幼稚な映画は子供も見ないって。

さらになさけないのは出てくる俳優がみんな馬鹿みたいで、これじゃリゾート地のパーティで
「ヒィーハァー」なんて盛り上がっているビーチ・ボーイみたいだ。
おまえらビンゴ大会でもやってろ!
ハイテク機器とロケットを駆使する「科学救助隊」には絶対に見えないぞ。
かつての人形劇の人形の方がよっぽど利口そうだったよ。
人形に負けてどうすんだ。

それから憧れていた基地は、プールがあってオーシャン・ビューのテラスがあって、今になって見ると南の島のリゾート・ホテルそのままだったんですね。

次作は基本プランから変えて、思わず基地の模型を大人買いしたくなるような映画にして下さい。
多少時代がかってしまったロケットのデザインをリニューアルすれば、絶対に甦るシリーズだと思います。
子供の頃の憧れをあんまり崩さないで!
お願いします。

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December 29, 2005

来年は戌年

私の干支である。
誕生日が来ると48だよ。
そしてあと一回りしたら60で還暦である。
・・・信じられない・・・後12年で還暦って、赤いちゃんちゃんこ着てお祝いする老人ですよ。
ついこの間まで若者だと思っていたんだけどね。
という訳で自分の人生と12年ごとに振り返ってみます。

0-12才:脱腸で痩せこけた子供でした。ストロフルスというアトピーみたいな皮膚病に苦しんでました。
お勉強するのがイイコトだと信じ込み、成績は良かったです。
でも体育は苦手で自分の限界にも気づきます。

13-24才:中1で突然ロックとミステリーに目覚め勉強なんかしてる場合じゃない、と放り出し成績は急降下。
高2の夏休みにさすがにこれは不味いと思い直し勉強再開。
大学に入学するものの雰囲気が合わず、友人も出来ずに暗い学生生活でした。
大学時代が詰まらなかった人って珍しいでしょ。
私がそうです。

25-36才:働きだして仕事に燃えます。
はっきり言って学生時代よりよほど楽しい仕事の時代。
ひたすら勉強し働いて、株もやってフェラーリ買ってってやってるうちに、32でやっと結婚。
子供も2人でき家も建て高度経済成長時代の日本のようひたすらに前進を信じてました。
あちこち海外旅行に行き、ウエイト・トレーニングやテニスにも夢中でした。

37才-今:
仕事のオフィスを新築し、ひたすら前へ前へという成長路線は、男の厄年を過ぎた辺りから急速に暗雲が垂れ込めます。
いつの間にか休日も録に休まなくなっていて、やっと自分がとても疲れていることに気づきます。
少しゆっくりしよう、それでないとモタナイとも思いだしまが、
長年あんまり真面目に来たせいか、今度は遊びが出来なくなっていることに気づきます。
自分で創り出した檻が壊せない。
人間ってかなり不自由な生き物です。


さて来年は人生の大きな節目です。
少し力を抜いて生活を楽しむことを心がけます。

出来るかな。
でもやりたことが出来るのに残したまま終わってしまっても詰まらないので、少しづつ実行します。
それが目標です。


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December 28, 2005

容疑者Xの献身   東野圭吾

傑作です。一気に読み切りました。
私はこの小説の犯人、石神哲哉に極めて強い親しみと共感を憶えました。
石神哲哉は天才的な数学者でありながら不遇をかこう生活を送る中、隣室へ越してきた母娘に心惹かれます。
そしてつきまとう前夫を殺してしまった母娘の犯罪を完全に消し去る決心をします。
それに立ちふさがるのは天才物理学者、湯川学(湯川秀樹へのオマージュでしょう)
隠された殺人事件をめぐる2人の頭脳戦の行方は?
そして石神の献身的な愛は・・・?

私は子供の頃、数学者になりたかった。
小学校の時の計算ドリル、いつも1番速かったのです。
誰にも負けない。将来は世界1の数学者になりたい。
でもそんな夢は理系進学組みに入ってすぐ潰えます。
ずっと出来る奴はいくらでもいました。
自分は数学者などまったく程遠いのを自覚しました。

ただ今でも数学への憧れはやまずクダラナイ記事を書いています。
そして今だに知的探求以外には極めてストイックな数学者の生き方に憧れます。
何故数学者は他の快楽に関心がない人が多いのか?
それはそれだけ数学の世界は美しく知的探求の世界として快楽に満ちた世界だからです。
「羊たちの沈黙」で投獄されたDr.レクターは、牢獄を忘れる為に「美しき記憶の宮殿」を造りだします。
快楽的な芸術愛好家であるレクターらしい設定ですが、真の永遠と無限の迷宮は数学の中にしか存在しません。
だから石神の決意がよく分かるのです。

そして数学者という人種が分かったつもりになっているから、この小説の粗が見えると思いました。
まず死体の出し方に疑問がありました。
これは細工が多すぎる。殺人自体を隠したかったら死体を出さないのが一番です。

さらに疑問は、花岡靖子への慕情です。
天才はその驚異的な集中力ゆえに数学に自足でき、その結果、恋愛への興味は薄いのです。
数学へ集中しきれない凡才のみが余計なことを考える。
では何故、石神はこれほど靖子を愛するのか?
その他、数学オタとしては、細かくツッコみたい場面が多々あります。

こうではない!
と思いながらそれでも面白さに惹かれて読み続け、ラスト。
私の疑問には、すべてそれを上回る回答が用意されていたのでした。
見事な見事なミステリーの金字塔です。
今年は「クライム・マシーン」といい、この作品といい、ミステリーは当たり年のようです。

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December 27, 2005

量子力学:2

原子核は陽子と中性子で出来てます。
陽子は+荷電、中性子は0荷電。
電子は-荷電です。
電子が6個あれば陽子も6個あり原子は電気的なバランスを取ってます。

原子核にある陽子は+に荷電しているので、2個以上ではお互いに反発しあいくっつきません。
それを付けているのが陽子と中性子の間でやり取りされるπ中間子です。
これが核力で原子核を作り上げます。
これは湯川秀樹博士が1935年に発表し、1949年にノーベル賞をとりました。

宇宙の根源力は4つ。それは強い核力、弱い核力(β崩壊)、電磁気力、重力ですが、そのうちの一つ、「強い核力」は日本人が発見したのです。

核分裂:早く起ると原子爆弾とゆっくり起こせば原子力発電
ウラン235の核に中性子をぶつけると、中性子のエネルギーを吸収した核は振動して分裂し、分裂の際、中性子を放出、その中性子がまた他の核に衝突して分裂が連鎖反応を起こします。
長崎型原爆はプルトニウム。ウラン235は天然では238に対して0,72%しかありません。

核融合
水素の同位元素である重水素と三重水素が融合し普通の水素とヘリウムになります。
重水素は陽子が1個と中性子が1個。三重水素は陽子が1個と中性子が2個。
これが融合して陽子が2個で中性子が2個のヘリウムと陽子が1個だけの水素になる。

太陽は核融合で輝いてます。
太陽の中心部では、温度が1500万度、気圧は1000億気圧なので水素が重水素に変わり、
その重水素がヘリウム3になり最後にヘリウム3が2個集まってヘリウム4になり核融合が起ります。
毎秒6億トンの水素が反応し、ヘリウムが生産されてます。

核力
陽子が多くなるほど、陽子同士の反発力が強まり接着剤の役割をする中性子が多くないと原子核が存在できません。
自然界ではウランより重い原子は存在しませんが、ウランでは陽子92個に対して中性子が146個あります。

原子核と電子の距離
広場の中心に直径1ミリのピンを置いたとき、そこから50m離れたところを電子が飛び回っています。
1ミリの中心物に半径は50メートル!
後は空いてます。
その間の膨大な空間には何があるのかわかっていません。
日常空間では空気がある、となるのでしょうが、その空気を作っている酸素を作っている原子の中にあるのですからまさに解明されざる究極の空間というわけです。

陽子に光速と同じ位に加速した電子を打ち込むと粒子が散乱します。
その粒子がクォークです。
陽子はアップクォーク(u)2個とダウンクォーク(d)1個で構成されてます。
中性子はアップクォーク(u)1個とダウンクォーク(d)2個です。
陽子と中性子が衝突して陽子(中性子)が中性子(陽子)に変わるのは、クォークのやりとりで起ります。

次回は量子飛躍

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December 26, 2005

クライム・マシン   ジャック・リッチー

人の暗黒面や運命的な哀しみなどのドラマの深みにジャック・リッチーは関心をしめしません。
目指すのはミステリー作家として読者を楽しませる素晴らしい職人技。
この本はヒッチコック・マガジン・アンソロジーに選ばれるような短編17本を集めた1冊です。

「クライム・マシン」:殺し屋の元に訪ねてきたのは、タイムマシンを発明したという男。
彼は「あなたの殺しの現場をみました」といいだします。
でもタイムマシンなんてある分けがない・・・ないでしょ?
でもそれなら彼は何故現場にいなければ知ることの出来ないことまで知っているのでしょう?
これは出先で食事をしながら読み始めたのですが、あまりのおもしろさに、帰りのクルマの中でも信号で止まる度に、読んでしまう程の魅力に満ちた作品でした。

「ルーレット必勝法」:
ある夜、カジノに現れた小男は、ルーレットの必勝法をあみ出したと称します。
笑っていたカジノオーナーは毎日勝って帰る男にしだいに不気味なモノを感じはじめますが・・・これまた不可能事ですよね。
ルーレットの必勝法なんてあるわけがない!
では何故彼は毎晩勝てるのか?

「歳はいつくだ」:余命四ヶ月言われた男のはじめたことは・・・
この話しJ・リッチーは見事に人々のブラックな願望を掻き立てます。
楽しみに読んで下さい。

こんな調子で突拍子のない出だしから物語りは始まり、アレヨアレヨと読者は乗せられてひねりの効いたプロットに歓声を上げながら物語りの最後まで走らされます。

確かに寝る前に読み出したらエライことになる短編集ですね。
私は寝室には持っていきませんでした。

後半は、想像力の発達し過ぎた刑事の話し2話と、意外な主人公の私立探偵のお話が4話続きます。
これもまた楽しいです。
特に私立探偵モノは、こんなに軽みのあるキャラで「彼」が描かれた例は記憶にありません。
「彼」はいつも耽美的であったり場合によっては荘厳であったりする「人」ですからね。
こんな風に料理したのはリッチーの面目躍如でしょう。

最後にウエストレイクの言葉を紹介して終わります。
「間違った席に座ってしまった輝かしい才能、大肥満時代の細密画家」

簡潔な文体とシニカルな笑い。悪擦れした読者の読みのそのまた裏をかくプロット。
ミステリー好きなら、この1冊はかなり楽しい時間を送れる1冊だと思います。

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December 25, 2005

量子力学:1

分子、原子、電子、中性子くらいまでなら分かっても、そのまた奥の素粒子の世界になると複雑で分かり難いので、まずは「図解雑学量子力学」という本から勉強してしまいましょう。

量子力学は身近なところでは電子レンジに応用されてます。
あれはマグネトロンという真空管がマイクロウェーブ(波長の短い電波)を出して水の分子を振動、摩擦熱で食べ物を暖めるのですね。

物質とドンドン小さく分けていくと、最後はアトム(今は原子の意味)という究極の物質になると言ったのは、
デモクリトス(bc460-bc370@古代ギリシャ)です。

水の分子はH2Oです。
これは水素原子Hと酸素原子Oに分けられます。
分子には水のように数種類の原子からなる化合物。
酸素、O2のように1種類で出来ているモノ。
アルゴンArのように原子=分子であるモノ。
アミノ酸のように、水素、窒素、炭素、酸素が側鎖で結ばれ大きく複雑な高分子化合物のモノ。
があります。

分子を計る単位はオングストロームといい、1億分の1cmメートルです。
感覚的に表わすと、1cmを地球の大きさとすると、1オングストロームは手のひらになります。
重さは水素原子が1,67×10^-27キログラムです。
これはただの1,67グラムとどのくらい違うかというと、カセットテープ1個と月の重さくらい違います。

水の変わりに酸素と水素を吸っても喉の渇きはおさまりません。
つまり水という性格を持った最小単位が分子で、それは全然違った性格をもった原子で出来ている訳です。
ウランには原子量が238、235(広島型原爆で使われた)、234のモノがあり質量が違います。
同じウランから出来ていても違う物質で、これらを同位元素(同位体:アイソトープ)といいます。

水1立方cmには原子が1千兆の1億倍含まれます。
1千兆×1億です。1の後に0が23個続きます。

α粒子を放射するラザフォードの実験から確認された原子の構造は、
原子核が陽子と中性子からなり、その周囲を電子が飛び回っています。
このモデルは長岡半太郎が考えました。

元素周期表
原子番号=陽子の数及び電子の数
原子量=原子の重さ
原子番号=陽子の数順に付けられてます。
価電子=一番外側の電子の数で、周期表の縦列です。最外郭軌道の電子の数が同じだとなんとんく性質が似た原子があつまります。(周期表の横列は電子の軌道の数)

電子軌道:電子には回る軌道があり、その軌道に入る電子の数は決まってます。
最初の軌道n=1(K殻)には電子2個まで、2番目の軌道n=2(L殻)には電子8個まで、
n=3には電子18個までn=4には32個までです。

この軌道に全部電子が埋まっていると原子は安定し、電子の数が原子の性格を決定します。
例:水素原子は電子1個、ヘリウムは電子2個で最初のN=1軌道が埋まっているヘリウムの方が安定してます。
一番原子核に近い電子の軌道が埋まっていると、その原子に電子をぶつけても電子の入るところがないからです。これを安定した構造の原子といいます。

本日はここまで。
次回は中間子を媒介する原子核の構造からです。

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December 24, 2005

このミステリーがすごい!:海外編

忙しかったり、風邪を引いてしまったり、お通夜に出たり、なにより受験の娘を抱えての今年の年末。
昨日やっとミステリーを買いに行ったので海外編と共に記事にします。

海外編は長大長編ブームの揺り返しか短編集が1位なのが新鮮ですが、ホラーにめぼしいモノがなく、ハードボイルド系や歴史ミステリーが多くランクインしていてあまり食手が動きません。

それで1位のジャック・リッチー「クライム・マシン」ですが、知らない作家でした。
でも就眠儀式に読み始めると眠れない、なんて書かれているし、短編集なのでとりあえず買ったのですが、これは最高です。
こんな作家が眠っていたんですね。

本を大量買いした後は、食事をしながらテーブルに広げて最初に読む本をみつくろうのですが、「容疑者X」より「日本奥地紀行」よりスタージョンより、いかにも読みやすい本も混じるその他10冊の候補も押しのけ、ハードカバーのコイツはとっつきやすく、読み出したらあっという間に引き込まれてしまいました。
確かにこれは就眠儀式には使えませんね。
なんと帰りのクルマに乗った後も信号で止まるたびに続きを読むとういう程面白い。
(動いている時は読んでませんよ)
おかげで年末の渋滞が気にならない。
むしろ渋滞してろ、続きが読めるという状態です。

4位がスタージョン!「輝く断片」
この人が復活するとはね。
ただ買ったのは「輝く断片」でなくかつて幻の本だった「一角獣、多角獣」が復刊したので、そっちを買いました。

後は10位がスタンリイ・エリン「最後の一瓶」がコンプリート・リリース。
なんか年末が似合う1冊て感じで楽しみです。

後はランク外の「あの日、少女たちは赤ん坊を殺した」に惹かれます。
「回想のビュイック8」も買いました。
面白そうな匂いがするけど、キング頼みもそろそろ限界ですね。
これ「アトランティスの心」みたいだったらもうお腹一杯なんだけど・・・
沈滞気味のホラーは生きのイイ新人の登場を期待します。
タイソンを凌ぐボクサーとキングを忘れさせるホラー作家のどっちが先に出ることやら。

「ミステリー・ヒットチャート」では、国内部門1位が「新・世界の七不思議」!
嬉しいですねぇ。
鯨さんが評価されて良かった。
この本は絶対面白いです。

後は「わが社の隠し玉」に「フロスト」シリーズの名前がないのも気になる。
後2冊はあるはずで、売れてると思うし、出れば即買いなんだけど、どうしたんだろう。
創元社「薔薇の名前」の読者になら喜ばれる本が出ますなんて言ってるけど、読みたくないって。

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December 23, 2005

ZOO

気鋭の若手作家、乙一さんの「ZOO」から撮った5本のオムニバス映画です。
フジTVの「世にも奇妙な物語」が好きな人なら借りてもイイかもです。

異常な偏愛を受ける双子の話し「カザリとヨーコ」、
汚れた部屋に監禁された姉妹の話し(須賀健太クンとコンドームとくれる女の子が良かった)
お父さんとお母さんの片方だけしか見えなくなった子供(神木龍之介クンの素晴らしい詩的喚起力)の哀しい話し。ドビッシーがピッタリです。
廃墟の風景が美しい「陽だまりの詩」、
抜けるような青空と黄色いカブリオレが印象的な「ZOO」
「カザリとヨーコ」「SO-far」は音楽も印象的でした。
この映画、乙一ワールドは再現されていると思います。

この5編に共通する設定は、
1)少数の登場人物以外の人がいない→世間(人々、他人)の消失
2)主人公の閉塞された状況
3)そして無力感
乙一さんは17才でデビューした幻想と恐怖を描く作家です。
独自の境地を持つ作家ですが、私は「夏と花火と私の死体」には感心したものの以来、読んでません。
何故だろうと考えるに、ホラー好きの私にしても救いがなさ過ぎる気がして読むと疲れが残るのだよ。
この話しでも人が愛に目覚め犠牲をいとわない行動もあるのですが、ともかく通奏低音が低すぎる。
キングも確かに救いのない恐怖を書きますが、あちらにはまだ人が生きようという力が根底にあるような気がします。

他者への根本的な不信感と天を突くような壁に囲まれているような閉塞感。
これが1978年生まれの作家の気分なのでしょうか?

最近古い映画を見ていると、描かれる人物のエネルギーが新鮮です。
それに反して最近の日本映画に出てくる人々と状況のなんとニューロテックなことか。

物質的に貧しい時代の方が活気があった。
最近の若者はだらしがない、という紋切り型の批判をしたい訳ではなく、おそらく人間には一定以上の豊かさが生じると生きる力が奪われるというジレンマがあるんではないか、と思うのです。
その均衡点はどこなのか?
変えることは出来るのか?
わかりませんけどね。

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December 22, 2005

今年の冬はガチ

寒い!というより凍ってしまいそうな今年の冬の冷たさ。
すっかり暖冬になれた身には堪えます。
地球温暖化はどこに行ったという話しだ。

雪が降ってないのは関東平野だけらしい。
記録的な降雪があった地域もあるそうだ。
俺は雪国で生活をしていたことがあるのだけれど、雪はキツイよ。
クルマなんか一夜で埋まっちゃうんだよね。
埋まったクルマに無理矢理乗込んだら出られなくなり、駐車場で遭難しかけたことがあります。

雪嵐で雷がなっているのを見た時は、ここは地獄かと思った。
雲の中で稲光が光るんだよ。
雷って夏の夕方オンリーだと思っていたから驚いたよ。

裏日本、表日本っていう言葉があったでしょ。
日本海側を勝手にオマエらは裏だなんて随分失礼な言い草だと思ったけど、住んでみて、ああこれは大変はハンデだな、と思った。

その後、こっちに帰って来て秋になり、さあ冬だぞ、と身構えていたら(向こうで暮してると冬の到来に緊張するのです)いつのまにか春になっていて拍子抜けした。
こっち冬はあっちの秋だね。
さすがに今年くらい寒いと、そこまでは言えないけどね。

でも今日は冬至。
明日から陽は長くなる。
寒さはまだまだ続くけど、日照時間という根源的かつ重大なターニングポイントが過ぎるのだ。
こうしていつのまにか季節はめぐっていく。

すぐにさだかにならぬモノでも変動の芽吹きを見逃すな、ということはいつも気をつけたい。
そして判断を欲望や夢想で曇らせないようしっかりと見定めたい。


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December 21, 2005

海辺のカフカ(上) 村上春樹

今や中国から欧州、米国にいたるまで世界で最も注目されている作家、村上春樹。
このワールド・ワイドな春樹現象は、彼の創造する世界の魅惑とともに、極めて翻訳に向いた文体にもあるのではないか、という感想を持ちました。
「若い読者のための短編小説案内@春樹」の中で翻訳することにより文体に影響を受けたという一節があり、なるほどこれは翻訳小説のようでもあり相互変換には向いた文体かもしれません。

この作品の主人公は15才のカフカくんと老人のナカタさん。
カフカくんはワークアウトして体を鍛え、タフであろうとする、なんだいつから大藪春彦になったんだ村上春樹という出だしですが、すぐにもう一人の主人公ナカタさんの登場により小説世界は、幻想と現実に境をあいまいに展開します。
それは「電球が発明されるまでは夜の漆黒の闇と内なる魂の闇が境界なくひとつに混じり合い直結していたんだ」のようにです。

家出をするカフカくんと知的障害老人のナカタさんは、ともに世間一般から見れば外れ者ですが、カフカくんは周囲の人から好意を寄せられ実に居心地の良さそうな図書館に住み込むことになり、都からホジョを貰っているナカタさんは日がな一日、空き地と猫とおしゃべりをするという生活。
これは逃避の物語に見えて実は競争で摩耗する立場からみれば理想境での冒険堪にも読める気がします。
本を読む人なら、「時間にみつけられまいと息をひそめていると図書館の一部」になりたいでしょう。
ナカタさんの生活も安らげそうです。

そんな2人はしだいに不気味な波乱に巻き込まれ、成長への試練をへていきますが、山小屋などでの描写など原初の大自然への深い洞察など印象的でやはり読み応えは抜群です。

スポーツの代償行為としてロードスターの改造車を飛ばすこと。
ワークアウトを「これは世界でいちばん孤独な運動なんだ。これをもっとも熱心にやるのは独房の囚人だ」と評します。
オープンスポーツとウエイトトレーニング。そして図書館。私の趣味が三つとも出てきました。
これは久々に波長が合うわけです。

村上春樹は「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」「羊をめぐる冒険」の三作品までは気に行って読んでいたのですが、「ノルウエィの森」がまったくダメで、短編集、エッセイは愛読しつつも長編は御無沙汰だったのです。

以下は覚え書きです。
1)「流刑地にて」@カフカへの評価
「カフカは僕らの置かれている状況よりむしろその複雑な処刑機械のことを純粋に機械的に説明することによって僕らの置かれている状況をありありと語る」

2)ある種の不完全さを持った作品は、それが不完全であるが故に人の心を引きつける。
シューベルトは訓練によって理解できる音楽なんだ。
退屈でないものに人はすぐ飽きるし、飽きないものは退屈なものだ。
改造ロードスターで聴くシューベルト@ニ長調ピアノソナタについて。

3)プッチーニには、永遠の反時代性が感じられる。たしかに通俗的だが不思議に古びない。それは芸術としてひとつの素晴らしい達成だ

みななるほどという記述ですね。

著者が意図せざる意味で私が捉えた番外の覚え書き。
1)ルールをまもっているかぎりおそらく危険はない。森は受け入れ見逃してくれる。いくらかの安らぎや美しさも分け与えてくれる。しかしいったんルールを踏み外すと、隠れている沈黙の獣たちは鋭い爪で僕をとらえてしまうかもしれない。

これは自然への畏怖を表わした文章ですが、金融市場で取引する者のサバイバル術にも通じていると思います。

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December 20, 2005

風邪をひきました

昨日から風邪をひいています。
喉が痛くて身体がだるい。
仕事を休みたいけど、そうもいかないから風邪薬を飲んで働く。

せめて風邪の時くらいゆっくり休みたいと思うのだけれど、無理をせざる得ないのは別に私だけではないようだ。
だいたい風邪クスリのCMは、
風邪をひいてグッタリした人がその会社のクスリを飲むと元気になり仕事に向かうっていうヤツが多い。
みんな無理をしなければならないんだよね。

知っているとは思うけど風邪クスリの場合、効くといっても風邪のウイルス本体に効く訳ではなく、体の症状を押さえるだけだ。

本来、体がだるくなったり熱が出たりするのは、今ウイルスと闘っているから余計なことしないで休んで下さい、というサインなわけだけど、そんな体の内部告発に蓋をして正常なふりをするのである。

いわば偽装であり隠蔽である。

だからあんまり強い内部告発には耳を傾けようね。

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December 19, 2005

トヨタカップクラブ選手権2005

南米vs欧州の対決からアジア、アフリカ、北中米カリブ、オセアニアまで6大陸のチャンピオンチームによるカップ戦に発展した第1回目。

正直、アジアやオセアニアのチャンピオンチームといってもねぇ、と猜疑の目で見つつ、サッカーは何があるかわからないので、番狂わせも期待しつつ結局全試合見てしまいました。

アルイデハドの強さは収穫だったし、サプリサも最後ロナルド・ゴメスのフリーキックはドラマテックで見たかいがありました。

何より良かったのは決勝戦へ思いがけない効果があったこと。
両チームともトヨタカップとしてかつてない好コンデションの試合に思えました。
いきなり地球を半周してからやるより、前の試合が絶好の馴らしになった感じ。

ミネイロの孤を描くような飛び出しからの冷静なシュート、
アモローゾとアロイージョのゴール前での交換など目も眩むスペクタクルでした。
リバプールも強かったけど、守備に回ってもタフなサンパウロは、どこまでも底を見せない強さでした。
何よりコンデションが良くなっているし、勝ち上がりで盛り上がるしこの企画イイと思います。
何日もやってくれるので歳末の楽しみが増えたよ。
やっぱり連日やるトーナメントはおもしろいですね。

ただ1回目だけあって修正点も多々感じます。
レベルの高い地球1(←この売り文句もどうかと思うけど)のカップ戦なら、オセアニアはアジア枠と一緒にした方がいいんじゃないかな。
開催国枠としてJのチームを入れれば、寂しい観客数も増えるでしょうし、それが不自然なら南米2位のチームをよんでも良い。
欧州のチーム(今年なら決勝で負けたミランだけど)を呼びたいのはやまやまだけど、
この時期CLも佳境で日本まで来てくれないだろうからね。
過労でコンデションの悪い欧州チームよりモチベーションの高い南米枠から1チーム出して、
それが若い選手のアピールの場になればそれはそれで楽しい。
そしていい試合を重ねて歴史を作っていければイイですね。

ps
なんとなくカズの夢が少しかなった感じも貴重な副産物でした。

ps
上戸彩ちゃんサッカー詳しい。
仕事のフィールドが広がりましたね。

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December 18, 2005

ランダムウォーク&行動ファイナンス理論のすべて:4

プロスペクト理論:中心概念はカーネマン教授(ノーベル賞受賞)の損失回避理論です
効率的市場仮説の前提である「人間は経済合理的に行動する」という意味は、
「金銭的な期待を最大化するように行動する」ということです。

ところがこの説では宝くじが売れることすら説明できません。
宝くじの配当(期待リターン)は50%程度で、宝くじを買うことは「貨幣限界効用一定:1円は常に1円の効用(期待)を持つ」の仮定が現実的ではないということです。

さらにこのプロスペクト理論は
「人間は同額の利益から得る満足よりも損失から受ける苦痛のほうが大きい」という原則を発見しました。
人は損失を回避することを優先する「損失回避理論」です。

この理論によれば、人間の心理には損失と利益に関して非対称で合理的でない心理曲線が存在するとされてます。
損益0の処から投資がプラス(利益)に向かう時、人の満足度は比例して大きくはならずに低減します。
これはいったん利益が発生すると人は小心になってすぐに利益を確定しようとする傾向につながります。

逆に損失が発生すると、損失の増大に比例して大きくならず低減するので、巨額の損失には慣れてしまいがちで、さらに損失が大きくなればもはや追加的な苦痛を感じず自暴自棄になってしまう(効用曲線の平坦化)ことも考えられます。
この効用曲線の平坦化は利益でも起こるので、巨額の儲けを出した投資家がむしろ淡々としていることも説明できます。
同じ平坦化ならこっちがイイですね。

このことから人は投機行動をする時、利益が出ればすぐに利食いをして、勝ちは小額になりがちで、
損失が出れば塩漬けにして大負けする傾向をもつということになります。

上げ下げを1/2の確率で賭ける投機において、
儲けは少なく、損失が大きくなりがちならトータルで勝てるはずありません。


リスク・プレミアム
デフォルトの可能性のある会社の社債は、クレジット・スプレッドを理論値より大幅に高くしないと売れません。
この非合理な投資姿勢が生じるのは「フレーミング効果」という心理指標を使うと説明できます。
フレーミング効果とは、実質的な効果が同じでも、それをどういう枠組みで捉えるかによって判断が異なってくることをいいます。
社債投資の場合、投資家は「デフォルトしなければxx%の利回りを得られる」という心理的枠組みで捉えられる為、いつしかすでに織り込んだはずのデフォルトという事態が異常に大きな苦痛として感じられ、リスクを織り込んだ投資にも消極的になりがちになることです。

結局、人は心理的傾向において、
投機の損は拡大しがちであり、儲けは少なくなりがちであり、チャンスを逃し勝ちということなので、
投機で儲けるには、人間心理の壁を乗り越えて初めて出来る、ということを憶えておきましょう。

次回はp100~から「自己関与の幻想:イリュージョン・オブ・コントロール」です。

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December 17, 2005

競技を変えるミラクル・真央 グランプリ・ファイナル

フィギュア・スケートなんて興味がなかったし、真央ちゃんも最初に写真で見た時は、ピンとこなかったのだけど、プライベートで犬と遊ぶ映像に驚いてから注目している。

それは広い公園に着いた彼女と愛犬が飛び出して行くところから始まっていて、
この辺から無邪気で可愛いのだけれど、
何よりスゴイと思った絵柄は、真央ちゃんがローラーブレードを履いて背走しながら駆け出す犬と戯れるシーン。

普通なら犬と一緒に走るだけでも大変というか不可能で、置いていかれて呼び戻すというのがパターンだと思うのだけれど、彼女は全力で走る犬(トイプードルのエアロ)に余裕で先行しリードするのだ。
美とは有り得ない風景が出現する瞬間に屹立する、といわれるがまさにそんな光景だった。

世界が注目する浅田真央ちゃんは、ジャンプを軽々と飛び、着地も安定しているのは体重の軽さ(37㌔)も大きいと思う。
競技が高度化するほど、慣性重量(体重)が少ないのは何より有利な要素ではないのだろうか。
ワンハンドビールマンも幼さと同居する柔軟さゆえだとも思う。
さらに15歳の未成熟な禁断の官能性すら発散してスター性は抜群ですね。

女子の体操がコマネチから変わったように(低年齢化&低体重化)、
彼女の活躍は将来のフィギュアスケート界を変えるかもしえない。
ともかくメンタルも強い今回の彼女は、競技自体の革命児でちょっとモノが違う感じです。


中野友加里さんの鋭くダイナミックな滑りと笑顔も良かったです。
ドーナッツスピンは凄いです。採点は辛くて残念でした。

安藤美姫さんもステップが柔らかくジャンプもエレガントでした。
でもどこか無理をしている気もします。
テレ朝の中継は、演技後のあんな表情を抜かなくともイイのにイジワルで気の毒でした。


こうしてスターが出ると、競技の注目は段違いに上がるんだよね。
だからトリノへは特例で行くと思うよ。
なんたって今の五輪は経済重視ですから、人気者は外せないでしょう。

ps
スルツカヤはスルっと滑ろうとしてけど、ツカヤちゃたんだろうね。

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December 16, 2005

スパイダーマン2

1983年、特殊効果で名をなした新鋭監督サム・ライミは「死霊のはらわた」を制作します。
この映画は後に二つの大きな足跡を残します。
特殊効果の限りない発展の予感と、ホラー映画から恐怖と毒気を抜くという試み。

それにしても凝った冗談のような映画を作るサム・ライミが、20年後にコミック!を原作にして2億ドル(240億円)の製作費を使える監督になるとは、思いもしない世の流れでした。

映画の前半はかなりシニカルなストーリー。
ヒーローであるピーターは、スパイダーマンとしての使命に追われバイトはクビ、学業はピンチで恋愛は挫折・・・
原作のピーターもネクラなオタクという設定らしいですね。
力と陽気さが何よりの価値であるアメリカで、コミックオタクにはシンパシーを感じられるキャラクターなのでしょう。
シービスケットですっかり感心したトビー・マグワイアですが、この映画でも透明な瞳に純な感情を浮かべる爽やかな好演。

また相変わらず飛翔シーンは素晴らしく、糸を張って大きく孤を描いて飛び回る様は、観る者にはまさに目眩の快楽そのものです。
飛び散るガラスが突き刺さる人の瞳の映すくだりなどサム・ライミ節はいよいよ名人の領域ですね。
敵役のドック・オクはどうだったかって?それはもう驚くべき出来ですよ。

ただ人間ドラマの部分はどうでしょう。
なるほど1度苦難に負けたピーターが立ち直るシーンは、観てる間はしんみりします。
地下鉄を止めるシーンは、そのスタイルからも解るように磔刑にされて人を救うキリストの隠喩です。
でも心に刻まれるような深みはないですね。
単純な娯楽映画だからそれで良い?
重いメッセージなどを含まないから軽やかにストーリーも走るのでしょうし、2時間は楽しめる上質の出来ではあります。

しかし私がこの映画にどうしても感じてしまうことは、莫大な資金を背景にしたハリウッドの映像技術における圧倒的達成に驚くと同時に、
新鮮なドラマを産むアイデアの枯渇と限界を示す象徴的な作品だとも思えてしまうのです。
映像部分は素晴らしいだけに、足りない部分もクッキリと見えてしまうのです。

ps
τ粒子の=0の固定値は、0、23電子ボルト、だって@映画の中の原子物理学の講義では。

ps
お金がなくても恋人がいなくても、糸を飛ばして自由に高層ビル街を飛び回り、みんなを助けるヒーローでいられるなら、これはかなり充実した人生だと思うのだけれど・・・人ってホントウに自分の持っている価値は忘れがちなんですね。自戒しましょう。

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December 15, 2005

ランダムウォーク&行動ファイナンス理論のすべて:3

3章:行動ファイナンスが示唆するマーケットの非効率の存在
効率性仮説は、すべての人間が合理的な行動をとらなくとも、全体の平均が効率的ならば成り立ちます。
理論が崩れる為には、人の投資行動が平均しても合理的にならない「強すぎる偏り」がある時のみです。

トレンドの過小評価~カオス的側面~ギャンブラーの誤謬
コインを投げた時、裏が出続けると、(トリックなしの独立試行で確率は完全に50%)
人間は無意識のうちに次は「表がでる」と思いがちになります。
これを「ギャンブラーの誤謬」といい、カオス理論と絡み、相場にトレンドが発生する原因の一つになります。

A社株が取引されている時、ある投資家が買いを入れ上がると、
なんとか買いたいと思っていた別の投資家の焦りを生みさらに高い値段での買いが入ったとします。
ここに、ほんのわずかな提示価格やタイミングの差で取引を逃した投資家の焦りが、「価格変動を増幅させるカオス的性格」が表れます。
ここで「ギャンブラーの誤謬」が登場します。
この動きを見ていた別の投資家が新たな情報もないのに上がった価格を見て、次は下がる確率が高いと判断して売ります。
しかし価格を上げる連鎖反応が続いている時、上がる価格に売った投資家は恐怖を覚え、損切りの買い注文を出し、それがまた価格に影響し別の連鎖反応を生むことになります。

「ギャンブラーの誤謬は、トレンドを過小評価します」
トレンドはすぐに反転するだろうと思わせるのです。
そうなることもありますが、カオス的な価格変動増幅が強く発生している時、ギャンブラーの誤謬は裏目に出て損切りを迫られそれがさらに大きな価格変動を引き起こし、こうしたことが繰り返され長いトレンドが生まれます。

ところが常にトレンドを過小評価する「ギャンブラーの誤謬」は、
続いていくと正反対のモノに変化するという不思議な性質を持っています。
人間は最初、トレンドが続く確率を過小評価しますが、
長く続くと、逆にそのトレンドがずっと続くのではないか、と感じ始めるようになるのです。

過小評価から過大評価へと一気に移行してしまうのです。
これは人間の心理的傾向として「保守性」があるからです。
人間心理の保守性:
人間は、新しい事態に直面した時、従来の認識を柔軟に変えることができない

過小評価していたトレンドがなお続いても、当初は頑なに過小評価を続け、
いずれかの時点で遅まきながら認識を修正する必要に迫られた場合、
それまでの過小評価の蓄積を取り戻そうとして「大幅な認識修正」が行なわれます。
振り子が逆に振れるような、今度は過信の状態が生まれやすくなるのです。
するとその心理的変化が新たな投資行動(損切り&新規買い)を生みトレンドをさらに継続させるように働きます。

それによりトレンドが続いていくと再びどこかで無意識のうちの「もうそろそろトレンドは反転するだろう」と感じる「ギャンブラーの誤謬状態」に戻り、それでもトレンドの継続が止まらないと、ふたたびトレンドへの過信状態に入ります。
このようなトレンドの過小評価→過大評価を循環的にくりかえすことを、
「代表的ヒューリステック」
と呼びます。
わずかな事例から確率を無意識に修正する「思い込みor早合点」のことです。

次回は3章続きp69~からの「プロスペクト理論」をまとめます。

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December 13, 2005

酒と家庭は読書の敵だ。 目黒孝二

「本だけ読んで暮したい」そう言ってそんな人生を実現してしまった目黒さん。
まぁ椎名一派のお気楽エッセイなら悪くないと思って読み出して
ああ、書評家というのは大したモノなのだなぁ、と思いました。

私は新聞や雑誌などに書評が載っているとすかさず読みますが、あまり感心する書評にはお目にかかりません。
でもこの本を読むと、あれは枠に従ってチマチマ書かざる得ない結果なのが分かります。

以下この本の章別感想です。
第1章、活字の楽しみ
目黒さんは、「本は見ているだけで良い」、と言われるとこれは私とは違うなぁと思います。
私の場合、本は読んでこそナンボです。

読むスピードは記憶力、という記述にはなるほどと思います。
目黒さんは速くないと言っていますが、私も本を読むスピードは遅い。
妻は私の倍は速いですね。妹も速い。女性の方が速い気がします。
でもこれはしょうがない。要は読んでいる間が楽しければ良いので、遅くてもいいでしょう。

2章気になる本たち
自分の記憶の中に埋もれた幻の書の経緯。時代小説と年齢のくだりなどは納得です。

3章小説雑誌を読む
私は小説は読むのですが、読んでも半端は気がして小説雑誌はおよそ買ったことがありません。
そんな中、この章はこの本の白眉です。
「時代小説の枠組み」、からは時代小説であることの必然性を説き起こしたり、

「失踪の風景」では、失踪が日常に裂け目を作りその奥のもうひとつの現実を暴くなんて処もナルホド、です。
それを「マルタの鷹」から「ゴーギャンの伝記」まで引いて論じます。
「血の絆」では最果ての島、フエゴ島の描写(けっこう行ってみたくなります)から明治11年の日本での子供の風景(イギリス人に、私はこれほど自分の子供を可愛がる人々を見たことがない、と書かせる日本は子供の天国でした@日本奥地紀行
子供は親孝行する必要はない。5才までに一生分の孝行をしているから@これは名言ですね)

またフィクションを論じる基本として、
1)特異な設定に寄りかかるな、話しを作り過ぎるな。
2)1枚の絵に向かって突き進む物語には安定はあっても発見がない
3)プロットのダイナミズムを優先しようとしながら物語ることからこぼれ落ちる感情に目をむけて、完成度のわりにギクシャクする、などという論評には唸ります。
また山本文緒について、どんなにあがいても変わることのないやり切れない日常の中で、それでも生きて行かなければならない意思をくっきり描き出す、なんて書かれると読みたくなりますね。

4章の競馬本の書評は、馬券を1度も買ったことがない私にはわかりませんでした。
この辺、麻雀を知らない私を夢中にさせた阿佐田哲也には及ばないかな。

5章、貸し本屋に通っていた日々
目黒さんのお父さんも本好きで、酒も煙草もやらず読書一筋だった、と書いてあります。
麻雀に競馬に酒がくる目黒さんより真面目なお父さんのようですね。
なんか他人とは思えません。
お父さんも何か書いて残しておいてくれたらちょっと読みたいですね。

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December 12, 2005

EMINEM ライブfrom NEW YORK CITY

8月のマジソン・スクエア・ガーデンで行われたエミネムのライブ。

赤いジャージを腰パンにしてエミネムが登場すると、観客の熱狂が尋常ではない。
特に熱狂する女性ファンは目がイッテしまっていて、こういう目をさせるアーティストは本物のカリスマの持ち主。
男性ファンも特に黒人の若者は夢中。
みんないっせいに振り上げた腕を上下に振り続けるのは、なんかカルトな宗教の儀式みたい。

それにしてもエミネムは腕が異常に太くなっていて、最初は良く似たボディガードかと思った。
「8Mile」で見せた拗ねた繊細さなんて肉体上は微塵もない。
変わってないのは果てしなく虚ろな瞳。
どこまでも空虚で、何を見ればあんな目になるのか想像するだけでも少し怖いくらい。

アクションは股間をあんまり露骨につかむのでちょっとビックリ。
CDは買っても結局「Lose yourself」だけでしょうと思っていたけど「Mosh」「Ass Like That」「Puke」「My Band」「Cleaning Out My Closet」「Mockingbird」「Just Lose It」は良かった。
エミネムは共演している黒人ラッパーより遥かに光る。
声にでる色気がハンパじゃない。
エミネムが出なくなると急に退屈になり、集団でやるよりエミネムのソロが良くて、
リードを取ると急に音楽が生き生きしてくる。
周りに出てくる黒人のラッパーは邪魔に感じました。
黒人の専売部門に乗り込んで行って圧倒するエミネムは、やっぱ天才ですね。
JBのパロディみたいに花火と同時にガウンを掛けてもらう。
確かにこのステージならエムがゴットだ。

アンコールはiPodでのCMでも使われて痺れさせた「ルーズユアセルフ」
イントロのギターのリフからスリリングなこれは、やっぱり名曲ですね。

それにしても最近のミドルティーンはあまり洋楽は聞きませんか?
この録画、上の娘と食事しながら見ていたんだけど、知らないんだよね。
なんでもカブレテ有り難がるのもどうかと思うけど、聴いてみれば少しは刺激になると思うのだけど。

退屈するかと思ったけど、ずっと良いコンサートでした。

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December 11, 2005

ドイツWカップ抽選会

今日の話題はこれでしょう。
日本はグループFに入り、対戦相手はオーストラリア、クロアチア、ブラジル。
いいじゃないですか、
贅沢を言っていたってきりがない。どうせどの相手も強いのです。
少なくともアルゼンチン、オランダのいるグループCとか、
イタリア、アメリカ、チェコのグループEなんてのに比べれば遥かにましです。

ブラジルは問題外で良いんです。
まずは決勝トーナメント進出が目標でしょう。
2位になればいいんだから1チームは除外して良い。

そしてオーストラリアには勝つ!これは絶対条件。
クロアチアにも勝つ!ここが勝負どこ。
フランス大会でもクロアチアには善戦してました。
あの時代から日本は随分強くなっていると思います。
逆にクロアチアは今回、それほどタレントがいない気が・・・親子鷹なんかに負けていられません。
ここで中田、中村、久保、大黒で点が取れなかったら諦めましょう。
要はそういうことです!と結論づけたら、
オーストラリアの監督があのヒィデクンク!
オージーの体力にヒディングの頭脳は怖いですね。
激闘の予感がします。

それに日本はブラジルと同組みになったおかげで決勝トーナメントにでれば決勝までブラジルとはあたりません。
決勝、ブラジルvs日本の可能性があるわけですよ。
夢をみましょう。
いや、案外夢でもないかも。

ドローをみるとグループFは2位で抜けるとグループEの1位が相手です。
最悪の死のグループの勝ち抜け相手だから、消耗していればチャンスなきにしもあらず。
これに勝てばベスト8です。
後の2試合はマグレで勝って、ブラジルとの決勝では、マイアミの奇跡の再現ですよ。
このあいだのコンフェデでの戦いを見れば有り得ない話しではない!

ね、日本優勝です。
オメデトウ日本!
弱気になったら空を見上げて、「リメンバー、コンフェデ@ドイツ」
と唱えましょう。
ユーロチャンプのギリシャに勝ったんです。

それにしても来年6月はドイツに行きたいですね。
少なくとも仕事はしたくない。

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December 10, 2005

このミステリーがすごい!2006年版

今年も出ました!88年から17年も続いている私の歳末のお楽しみ。
12月はこの本から始まり、紹介されている本を買って読みながら年を越すのです。

まずは表紙のイラストの裏表ネタだけど、今年はイマイチだ。
これ91年までは文字だけで、95年にいしいひさいちが表紙と最終ページを担当して、だんだん今のカタチになったんだよね。
個人的には98年の佐々木倫子さんの「がんばれ警察犬!!」が一番好き。

国内編では「容疑者Xの献身@東野圭吾」さんがブッチギリの1位。
ショボクレた天才数学者が秘めた思いを寄せる女性の為に完全犯罪をもくろむという本格派。
東野圭吾は、すでに「信頼されるブランド」ですからこれは買いますね。
後は原寮さんが9年ぶりの新作。
いわゆるチャンドラー路線の人なので好みではないのだけれど、地道に自分のなっとく出来る作品を書き続ける姿勢が好きです。文庫になったら買うかな。文庫のヤツを何か買おう。
でも「そして夜が甦る」は88年の創刊号での紹介だったのだ。
継続は力、ですね。

14位の「ニッポン硬貨の謎@北村薫」も良さ気。
なんとバカミス大賞に選ばれても、本人が読み方をロングコメントしている(笑
クィーンへのオマージュに満ちた作品だけに、最短コースでも「シャム双生児の謎」「十日間の不思議」「九尾の猫」を読んでから読んでなんて言っている。
これがマニアックコースとなると「クィーンの色紙」から鮎川哲也の3冊も含まれる。
「ニッポン硬貨」を読むまで8冊(「りら荘」のみ既読だから7冊)読まなければならない。

1冊をよりよく読む為に、その前の8冊を粛々と読む。
はぁー、イイですよよね、そういう生活。
クィーンは今「フランス白粉の謎」を途中挫折しているけどこれも買おう。

後は穴狙いって感じで「神様ゲーム」
著者の麻耶雄嵩ってのがクセ者・・・スゴク面白いかコケてるかのどっちかだな。
もう一つは伊坂幸太郎の「死神の精度」。
ちょっとトリッキーな作風に見えて敬遠していたんだけど、いまさらですがここは評価の定まった「オーディポンの祈り」から読んでみます。

それから横山秀夫は、「動機」にぶっ飛んで以来ファンなんだけど、
映画化TV化されたヤツがことごとく詰まらなかったので逆に遠ざかっている人。
今回は見送りですね。
今日は国内編のみの記事でした。

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December 09, 2005

為替がわかれば世界がわかる 榊原英資

声も顔もドラ猫みたなゴーマンオヤジ!
オメエの本なんかカワネーよ、と思ったんだけど、(だいたい政策介入と投資は違うし)
いきなり目に飛び込んで来たのがスティグリッツの情報経済学の単語。
スティグリッツ・・・時間があれば勉強したい分野でした。
良いとこ突いてやがるぜ、という訳で購入。
村上春樹の「夢であいましょう」に続くお風呂本として読了しました。

さすがに良いことも書いているので、以下この本からの覚え書き。

投資は、みんながどう思うようになるかを当てるゲーム。(←美人投票の理論@ケインズ)
「美人」だと思われてなかった人を早く見つけて、なによりみんなの好みを理解して大きな流れに外れないようにする。
これはどんな基準で美人が決められるか、という基準当てゲームということ。
そんな自分の情報を新しい事態の展開によってどれだけ修正していけるか、が大切。

予想はすれど固執せず。予想が当たらないのを前提に。
今、市場で一般的になっている予測を検証し複数のリスク・シナリオを書いてみる。
今多くの人が予測しているのは、この前提条件が変わればこうなるという具合に複数のリスク・シナリオを作る。たった一つの運用方法に全資産を委ねるのは危険である。


不胎化介入の現実:マクロ理論では、為替レートはマネーの相対評価であり、その総量が影響するので、介入資金を引き上げ、円のだぶつきを無くし、インフレという子供を産まないような不胎化介入は利かない、とされてきたが効果があった。
こういう時は、現実を理論が説明出来なかったら、理論の方が間違っている、とするべきだ。
たくさんの要素が人々の主観的な思惑を形成し、ぶつかり合うマーケットに対し、魔法のような絶対理論はない、ことをまず認めること。

財務長官だったルービンは、GSで債券の裁定取引をしていた金融界からの転身組み。
人のいうことに耳を傾ける物静かな紳士で性急な自己主張をしないタイプ。
逆にサマーズは傲慢タイプ。

IMFはかなり官僚的な機構で、マネタリズムの信奉は良いにしても地域理解などには問題がある。
中国の若手エリートはほとんどアメリカ留学組み。彼等は親米家となって帰国し将来の中国をになう。
そういう開かれた教育システムもアメリカの強み。

日本の役所の情報管理は最低であり、記者クラブの弊害は大きい。

最後に言い古されているけどソロスのReflexivity(相互作用)の理論を。
「我々は自ら理解しようとする世界の一部であり、不完全な理解が参加する事件の形成に積極的な役割を果たす。我々の理解と事件の間には双方向の相互作用があり、それが両方に不確定要素を持ちこむ。

これによって、我々は決定の基礎を知識におくことが出来なくなり、我々の行動は意図しない結果を招きがちになる。この二つの効果は互いに増幅しあう。
この双方向のフィードバック・メカニズムを相互作用性Reflexivityと名づけた」
期待と現実、人と人は相互に影響しあって動く。

Fallibility誤謬性:人間の知識は不完全で間違えやすく、一定の条件下で同じ現象を繰り返す。
したがって物事は不確実で必ず間違う。
だから間違いを常に修正していくオープン・ソサエィこそ理想の社会である。

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December 08, 2005

薔薇色のペトラ、女王のパルミラ、シバーム

ヨルダンの砂漠の果ての薔薇色のペトラ。
1,5㌔のわたる岩山の間の狭い谷(シク)は2000年に渡り人の介入を拒みました。

延々と続く谷を抜けると、突如、蜃気楼のような灼熱の太陽光に白く輝くエル・ハズネが現れます。
薔薇色と呼ばれるのは、砂漠に落ちる夕陽に照り映える時です。
高さ30mのギリシャ神殿を思わせる廟には、イシス神やニケの女神が刻まれています。
水源は澄明な水源を誇るワディ・ムーサ。
6㌔の距離を傾斜と水道管!を用いて命の水を引きます。


シリアの砂漠の悲劇の都パルミラ。
記念門からは高さ12m、長さ1300mの間に700本の列柱あり、豪奢なタイルに蔽われ列柱道路には黄金と宝石がちりばめられた彫刻が飾られていました。

空前の繁栄を見せながら、「三世紀の危機」に乗じてローマに反旗をひるがえすものの、皇帝アウレリアヌスに滅ぼされ廃虚となり、野心家の女王ゼノビアの運命は砂漠の中に消え去ります。
今では崩れ去り僅かに残った列柱と門が、逆に盛期の繁栄の幻視させ、かつての人々のさざめきが聞こえるような白昼夢に魅入られます。

シルクロードの最後の交易都市として栄え、隊商達をもてなすことで富みを蓄えました。
ラクダを長く連ねる富裕な商人はこう呼ばれたそうです
「よ、大将(隊商)」


イエメンのシバーム
砂漠のマンハッタンと呼ばれる土で作られた高層建築群。
独特の台形型のビルが林立するさまは幻想的な雰囲気を醸します。
建築材の細かい藁を混ぜる日干し煉瓦は柔構造であり、土台の下に木材と石を敷きそれが免震作用も持っているということにはビックリします。
泥は暑いと縮み寒いと広がり室内の気温を一定に保つ作用もあるそうです。

一見共同住宅のようですが、一家族が30mの建物を独占するのは交易で富を貯えたおかげです。
家の1、2階には羊がいて、3階から上に人が住みます。
男性の階と女性の階が別れているのはイスラム流です。

何故広い砂漠に寄り合うような建築群がたったか?
みんなで固まって住めば危なくないという盗賊対策だったそうです。
さらに建物の高層階には隣りに移れる空中廊下が続き、いざとなったら逃げ出せます。

男の人がみなハンサムです。
国がイエメンですから。

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December 06, 2005

シビック2回目の車検

我が家の7thシビックが2回目の車検を取りました。
一時、「クルマが欲しい病」を発症していましたが、クルマの雑誌を買ったり、カタログをもらったりしているうちに快癒しました。
冷静になれば5年で2万3千㌔しか乗ってないし、買ってもどうせ乗らないしね。
こうして私は地道に生きて行くのです。それが良いんだか、悪いんだかわからないけど。

今日は5年乗ったシビックのレポートをします。
このクルマの最大の特徴は長いホイールベースです。
全長4、28mのボディに対してホイールベースが2、68mある。全長比だと62,6%!です。
ちなみに他のクルマと比べてみると、S2000は全長4、13mに対して2、4m。全長比で58%。
セルシオは 全長5、01 mにホイールベース2、93mで、こちらも58%です。
ともかく胴長ってことで、乗ってみるとミニマル感のある室内はだった広くて、家具搬入前のワンルームマンションって感じ。
床がフル・フラット(センタートンネルがない)でミッションがインパネに付いているから余計に広く感じる。
「広さ感覚」だけだったらセルシオにも負けないかも・・・

エンジンは良く回ります。
1、5Lの普通のエンジンなんだけど、アクセルをフルに踏み込むとキレイに6800回転まで回る。
この辺がホンダの良いとこで、俺はエンジン高回転感覚至上主義者なので満足です。

欠点は小回りが利かないこと。
広い室内を実現した長いホイール・ベースは、最小回転半径を大きくしています。
なんと5、3m!これはセルシオの5、2mよりデカイ!
軽井沢でレンタカーのマーチに乗った時は、その取り回しの良さに驚きました。
狭い裏道でも、駐車場でもドンと来い!なんだもんね。
今調べたら、マーチは回転半径が4、4mです。やっぱり全然違ったのだ。

後は長いホイール・ベースは直進性には良くても、キビキビ回るのは苦手です。
攻める時、リアを出そうとコジって入るとフロントが出ます。
ならばと丁寧にスローインしても立ち上がりで踏むとトラクションが甘くてもどかしい。
エンジンがイイのでなんとかしたいけど、標準のダンロップ・タイヤのせいもあるのかな。
1万㌔で交換したS2000のリア、ポテンザS02に比べると、2万㌔を越えでフロント・タイヤが無問題ということはグリップもそれなりという訳です。

でもこのエンジン1500ccで110ps。
クルマが好きになった頃、憧れていた2代目セリカの1600GT(憧れのツインカム2T-GEU!!)が115psだった。
馬力表示は補器類付きになっているので実質は上かもしれない。
それが「お使いクルマ」になっているんだから、贅沢を言っているんだよね。

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December 05, 2005

ランダムウォーク&行動ファイナンス理論のすべて:2 田淵直也

第2章:ランダムウォークの示唆する虚無的世界
1827年イギリスの植物学者ロバート・ブラウンが水中の花粉の動きから発見した、
ウィーナープロセスに沿った運動がブラウン運動です。

マーケットがブラウン運動と同じ動きをして、その変動が正規分布に従うには
「効率的市場仮説」が前提です。効率的市場仮説とは、
1)相場を変動させる情報は瞬時に広がる。
2)すべての投資家は利益最大化の為、合理的投資行動をする。
ただ「効率的市場仮説」には、反論と、そのまた反論と、そのまたまた反論があります。
反論:
1)すべての投資家に情報が瞬時に伝わることはない
2)すべての投資家が合理的とは限らない
そのまた反論:
1)正しく情報を得る投資家が主導権を握れば問題ない
2)合理的投資家が主導権を握れば問題ない
そのまたまた反論:
1)パニックなどで自動的なロスカットなどが発生増大すれば・・
2)非合理的投資家が増えランダムウォークを崩すほどの強い偏りが発生すれば・・

マーケットはブラウン運動ではなくカオス?
カオスとは、ある一定の法則に従っているにもかかわらず、
わずかな動きが増幅され、予測不可能な不規則な動きをする。
相転移などに見られる臨界現象(増幅された予測不可能な振る舞い)にカオスは典型的に現れる。

経済物理学(カオス理論を取り込んだ)によれば市場価格は需給の均衡で決まりながら、その二つの狭間にあってあたかも臨界現象のようなカオス的な動きをもたらすと考えます。
よって市場価格は新たな情報なしでも変動し、時にブラウン運動で想定されるよりも大きな変動をしめします。
この考えは現実のマーケットをより上手く説明しますが、予測不可能性は覆せません。

過去20年間の日経平均の価格変動分布は、対数正規分布に沿いながら、中央値、上昇日が多く、極端な変動日があり得る、という結果が出てます。
これは株価が一般にはゆっくりと上昇し、急に下落する傾向を持つということを裏付けます。
また対数正規分布ではほとんど起らない大幅な価格変動(ファットテール構造)が記録されるのは、暴落時のパニックが価格変動を増幅するという要因があります。

人は、マーケットのランダムな動きにも何らかのパターンや法則性を見出そうとする心理的傾向を持ち、常にランダム性を過小評価することにつながります。(チャート分析での注意点)
「マーケットは多くの人が考えるよりはるかにランダム性があり、はるかに予想が難しい」

すべての投資理論は強力なランダムウォーク運動を乗り越えねばならず、それができて初めて非効率な部分を収益化できる投資理論として意味をもつ。
マーケットにわずかに残る「ランダムでない部分」に焦点を当てない限り、期待リターンを高めることはできない。
それには「不確実性」に対する深い洞察力を持ち、確固たる信念と忍耐力がいります。


次回は3章:行動ファイナンスが示唆する非効率の存在

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December 04, 2005

日曜の朝の奇妙な体験

12月は一段と忙しい。
昨日は土曜日だというのに疲れ果てて10時半に寝てしまった。
おかげで今日は6時に起きた。
外はまだ真っ暗でとても寒い。
大急ぎで服を着て、リヴィングに降りて床暖を付けエアコンを全開にする。
新聞を取ってきて昨日録画しておいた山田太一の番組を見る。

6時半には妻が起きてくるはずだ。
今年のウチはデンジャラス・モードである。
下の娘(ゴマジョー)が受験で連日、各所の模試に行っている。昨日も行って今日も行く。
付いていく妻も大変だ。
起きてきたら駅まで送ってやろうと思う。
クシャクシャ髪で小熊のようなゴマジョーが妻と二人でヨロヨロと起きてくる。
2人を駅まで送ると、いつもとは違う時間帯に活動しているせいか真っ直ぐ帰る気がしなくなり食事をすることにした。
この時間に開いているのはデニーズと吉野屋くらいだ。
牛丼が終わってからすっかり足が遠のいていた吉野屋に行くことにする。
駐車場の広い吉野屋までは少し距離があるけど、
この時間なら道路が空いているので、飛ばせばあっという間である。

いつもは混んでいる道でセルシオを全開で走らせる。
吉野屋に行ったのは牛すき焼き丼が美味しいと聞いたから。
並みを頼むとご飯が余った。
焼き肉皿とおしんこを追加する。
調子に乗ってきてビールも頼む。

吉野屋も空いていて、客は6人ほど。
カウンターを挟んだ向う側に二十歳位の男の子がいて、食べ終わるとトロトロ眠そうである。
線の細い今時の子で、なんとなく微笑ましい。
タートルネックのセーターをたくし上げ顔を蔽うと、自転車に乗って帰っていく。
自転車で吉野屋か。時代のズレで俺にはない体験だ。
近所の子なのだろうか?
少し好奇心が湧いてくる。

帰りも空いた道でV8エンジンを思い切り引っ張る。
このエンジン、その気になれば高回転も利くのである。

駅前の通りまで戻った処でビックリした。
妻が見慣れぬ男性と立ち話をしているのだ。
さっきの電車に乗ったのではないのか?
ゴマジョーはいない。
相手は渋い中年男性である。
一瞬現実離れした光景に、認識がついていかない。
模試というのは口実で・・・


という展開になればドラマなのですが、話していた相手はお受験仲間の奥さんでした。
模試は、塾長が引率してくれることになったのだそうです。

ps
朝ビールというのはネタです@交通課の人

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December 03, 2005

喜劇 女は男のふるさとヨ

森崎東という監督を知っているだろうか?
知らなかったら憶えて欲しい。
これほど人の溢れるエネルギーを生き生きと描く名匠が日本にいたとは驚きだった。

この映画は1971年の新宿から始まる。
その場末のストリップ旋回所の夫婦に森繁久彌と中村メイコ。
ストリッパーのヒロインに倍賞美津子。相手役に河原崎長一郎で、伴淳、花沢徳衛も味を添える。
森繁はいつもの女好きのオッサン役で水準の出来である。

驚いたのは中村メイコ。こんなに魅力的な女優さんだとは思いませんでした。
歯切れの良いセリフのリズム感が抜群である。
啖呵のキレ、気風の良さ、復讐への行動力(リアカーを引っ張り、暴力バーへポリバケツを蹴り入れる)
情にもろく、度胸が座って豪快に笑いフットワークは軽快で弁が立つ。
刑事をやり込めれば、ヤクザも怒鳴る。
「おい、そこのヒモ!そっちがヒモなら、コッチは帯じゃ。度胸があるならかかってこい」
カッコいいぜ、メイコ姉さん。
アル・パチーノともタメをはれる女優が日本にもいたではないか(笑
そして森繁と布団の中で語りあうシーンでの哀感。

倍賞美津子はグラマスで純でいながら可哀相でなんかソフィア・ローレンみたいだ。
パッと服を脱ぎブラジャー姿になるのは、この監督が他の映画でも見せたお気に入りのカット。

印象的なアイテムに赤白に塗られたマイクロバスが出てくるが、これがまた可愛らしい。
こういう細かいセンスもイイんだ。だから映画が締まるだよね。

緑魔子の哀愁も印象深い。
「酔いが覚める」顔と「オカシナ踊り」をこれほど演じられるのは、ただならぬ才能だったのだ。
そのBFが伴淳で、お風呂帰りの盆栽をはさんだやり取りは、見事な名優同士の共演である。
「そっちの方はマカシテもらいてぇ」@伴淳(←ここは笑う)

71年といえば万博の翌年で、小六だった俺も行ったのを憶えている。
京都の旅館に泊まり、太陽の塔と月の石を見て、出たばかりのカップ・ヌードルを食べた思い出がある。
日本もすっかり明るくなっていたはずだ、という印象だったけど、今と比べると随分貧しい。
雪の日は寒そうで、トイレはナニで、ハイヤーはアレで、やっぱり日本は豊かになったんだよ。
ヒット曲として森進一が流れるけど、まだまだそんな時代だったんだな。

しかし森崎東の描く性の、なんとあっけらかんと陽気なことか。
ともかくみんな元気で純情で、根底に人への讃歌と信頼がある。
鬱な人とかヒキ気味の人なんかいなくって、すぐ陰気になる俺でも、こういう映画をみると元気になる。
でもなんではるかに豊かな今の方が、人が弱く見えるのだろう。
豊かさは人をヤワにするのだろうか。

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December 02, 2005

No Excuseロイ・ジョーンズvsアントニオ・ターバー

待っていました、1年の時を経て実現したロイ・ジョーンズの復帰戦!
俺はこの選手が大好きなので、ぜひまたあの圧倒的な存在感を見せて欲しいのだ。

試合前、ロッカーでシャドーをする姿が映されるが、どうも動きにキレが感じられない。
冷静にスペックを確認すると、ロイは身長180cmの選手なのだ。
対するターバーは190cm。
でも試合ではそれ以上の距離感を見せ付けられることになる。

リングインして驚いたのは、ロイがポストに屈み祈りを捧げていたこと。
試合の前には踊ったり、バスケをしたりして間違っても祈るような選手じゃなかったのに。
笑顔までが引き攣っていて、そんなに自信がないのかと少し不安になる。

周囲の評価も高くない。なんとオッズは9:5で、ロイはアンダードッグである。
つくづくヘビーを獲った後の2階級減量のツケは大きかった。
最高の栄光の後にこそ、人は罠に落ちるのかもしれない。

それでも試合前半は、コンデションの良さをアピール出来ていたと思う。
試合勘を取り戻そうとするかのようにサークリングしてからのステップインするスピードは速く、
右のボディを始めハンドスピードも戻っている。
変幻自在の動くかと思うと、瞬間移動してターバーの長いふところに飛び込む。
この体格でこの動き。
何時の間にか熱中して見てしまうのだから、やっぱりこの選手には魅力がある。
ただパンチには今一つ威力がないのか、ターバーを圧倒できない。

6Rが分岐点だった。
ターバーがピッチを上げロイも全開で対抗。
これ以降、攻めあぐねるロイは、ターバーにじわじわとペースを握られることになる。
ターバーが押し込んで連打するとロイはガードを固めて亀のように身を竦め、長いアッパーに威嚇される。
連打の応酬でも押されてしまう。
飛び込みざまにパンチを当てるがみな単発。
長身サウスポーのターバーが、クラウチングスタイルにして出す距離はスピードで潰しても、
逆襲を恐れてそこから攻めきれない。
対してターバーは自信満々。つくづく威光は衰えている。

11R、ターバーの右フックがカウンターになりロイはふらつき、目がトンでしまう。
圧倒して下を向かせたのをチャンスと入ったところに、外からパンチが回ってきた。
ただこんなパンチも、かわしてきたのがR・Jだったのだけどやっぱり「何か」がズレテいるのだろうか?
勢い余ってロープから飛び出すターバーに助けられるが、
最終回には、逃げに入ったターバーを追い切れない。
その程度の選手になってしまった、ということだ。
判定は3-0、差は3~4ポイント。
問題はメンタルなのかな。
スピードは戻っても、恐怖は拭えずもう1歩パンチが伸びず、威力が欠けてペースを握れない。

今まで余りに簡単に勝ち続けたが故に、ロイは打たれる恐怖をおそらくあの試合ではじめて知ったのだ。
そしてそれがまだ乗り越えられない。
運命は皮肉で困難だ。
でもスピードは戻った。
次回に期待したい。

ネート・キャンベルvsキッド・ダイアモンド ライト級10回戦
スタンスを広くとり黒人特有のバネとスピードを生かしたネート・キャンベルが無敗のキッド・ダイアモンドを破った。キャンベルは4敗しているけど今日の調子ならまた見たい選手だ。
ライト級戦線に楽しみな選手が一人増えたと思います。

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December 01, 2005

マイルス・デイビスとボクシング

ジャズが好きでなくても、映画ファンなら「死刑台のエレベーター」の音楽を忘れることは出来ない。
当時25才だったルイ・マルを一躍名監督に伸し上げた奇跡のようなインプロビゼーション。
クールな「零度の音楽」が映像に永遠の命を吹き込んだ。

マイルスの短いパセッージを繋ぐ演奏スタイルは、絵画でいうとルーベンスやヤン・ファン・エイクというより雪舟や長谷川等伯の墨絵を思わせる。
グルーブした瞬間に立ち上がった音塊は、常に唐突に断ち切られる。
そして最新の物理学が真空中に揺らぐ巨大なエネルギーを発見したように、聴衆は蒼く光る輝きを見る。

サングラスを掛けて終始うつむいて彼は吹く。
額に汗が滴るが、彼は聴衆より自分の為に吹いている気がしてならない。
ステージの上でも修行僧が黙考するように見えるから、精神の奥底を探査針で探るような演奏に聞こえる。

マイルスはボクシングを愛していた。
ジャック・ジョンソン(狂気のヘビー級ボクサー)のフィルムに音楽を付けている。
DAVE LIEBMANは、実際にジムでトレーニングをしていたマイルスについてこんなことを言っている。
「ボクシングも音楽も芸術だ。マイルスもそう思ったんだろう
パンチを繰り出したり、ブロックしたり、ジャブも
スピードに、インとアウト
反応する時間に、フェイント
音楽もタイミングとニュアンスが大切だ
ジャズでもっとも必要なインプロビゼーションに通じている
何でも速くなる訓練をする
素早く考え
聞き
反応する
次の展開を予想する能力がいる
マイルスの音楽では最後の音で全て決まる
ジャブ,ジャブ,ジャブで最後の1発」

シュガー・レイ・ロビンソンのジャブは芸術品だ。
@Miles Davis

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