全豪オープン:女子準決勝
マリア・シャラポワvsセレナ・ウィリアムス
久々に勝負への執念を見た試合。
シャラポアのセイレーンのような悲鳴が、怪物セレナを目覚めさせた。
俺は最近、テニスは見てなくて、元々みんなが騒ぐほど、シャラポワの顔は好きじゃない。
(顔だけならクリニコワとかデビュー時のハンチュコワが好き)
強さも今一つ分かりにくかった。
昔の名選手にはあった,必勝の型がみつからないんですよね。
かつてナブラチロワはレフティのサーブを相手のバック(当時の女子選手では強く返せなかった)に入れ、ネットを取って決めてしまう。
グラフはバックをスライスで、フォアを逆クロスで決める。
ウィリアムス姉妹は,見れば分かる圧倒的な身体能力。
要するに強い理由が素人にも分かる型がある。
あれだけスムースにネットに出られてボレーが上手ければ勝てないよ、とか
フォアの強打とスライス(ボールが逆回転してスピードは遅いけど伸びてきて低く弾む)を混ぜられたらリズムが取れないな、とかね。(昔、週末プレーヤーでした。上手いコーチと打ち合っていると、強打だけのラリーは、コーチが上手いから続くんですよね。でもスライスを混ぜられるとアウト)
シャラポワは長身で強打してくるけど、見ていてなんとなくギコチナイ。
長い手足をもてあましている感じ。ネットプレーも上手くはないし、サーブも特に秀でてない。
緩急がなくて素人の強打自慢選手みたい・・
それを圧倒的な(死ぬほど練習した@本人談)練習量とハイテクラケットで補っている感じ。
勝負根性だけで勝ち抜けるほど世界のテニスは甘くないと思っていた。
今回やっと気づいたのは,キャーキャー言いながらどこまでもボールを追う執念。
走って走って、強打する。地道に入れとけってボールがない。
相手の強さに応じて、どこまでもけた外れの闘志がでてくる。
それで戦う気持ちって見る人に伝わるんだ。
強い気持ちに圧倒されて巻き込まれて感動する。
シャラポワの白く光る眼(肉食獣、メスのライオンって感じ)と叫び声。
決めて叫んで、外して叫ぶ。何に叫んでいるのかって、自分の限界に叫んでいる。もっともっとって。
絶対、絶対、絶対に勝つ。負ける自分を許さない。
もう金もあるし、名誉もある。ラクに行こうぜってノリがないとこが異常だ、っていうかだから世界1なんだ。
叫びつづけるシャラポワが、ガッツポーズで拳を握りしめるのは、
もう吹き出す不安と苦しさに諦めそうな自分を,ギリギリで踏ん張らせているからだと思う。
勝利を目指して、厳しい壁をよじ登る時、指の爪を剥がしても血まみれの手で登坂を続けるだろう自分への確信と、押え込んでも押え込んでも敗北へと転落する恐怖に爆発してしまうような不安を、かろうじて封じ込めているのを感じるから、こっちは言葉を失い、目が離せなくなる。
「キャー」「アウ」「キャー」「アウ」って、もう最後はテニスだかなんだか分からない大騒ぎ。
でも2人の気持ちの力に感動した。
試合の直後、セレナがシャラポワの背中をそっと触れたね。
シャラポワがいかに苦しい努力の果てに今の自分と戦って負けたか、その喪失感が分かるから出来る行為だ。
テニス観戦復活させるかな。こんなゲームならまた見たい。
いや決してリターン時の,揺れるシャラポワのヒップが目当てではなくて。


Comments
晴薫さん、こんにちは。トラックバックありがとうございます。
シャラポワの根性には参りましたね。ホットカーペットの上でうたた寝しながら観戦していた私が言うのもなんなんですが。
Posted by: こみね | January 28, 2005 at 22:40
こみねさん、こんにちは。
突然のTBの失礼しました。
なんか昨日の試合は胸を打たれて、同じ記事の方に出してしまいました。
こみねさんはスポーツに詳しそうなので、これから他の記事も読ませていただきます。
よろしくお願いします。
Posted by: 晴薫 | January 28, 2005 at 23:04