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December 10, 2004

千と千尋の神隠し>

「経験のない記憶」に泣いた映画。
マジカルな映像の奇跡に満ち、素晴らしい音楽と共に大ヒットを記録した傑作。
少し個人的な思いを書いてみます。

私はこの映画で泣きました。
20年も前の、「経験のない」記憶が蘇ったのです。
社会人になった頃の記憶です。
私は所謂、読書馬鹿で、まぁ働くことより本でも読んで屁理屈を語りたい人間だったのですね。
しかし大学も出る頃になって、やっぱこれはマズイなと、遅まきながら気が付くわけです。

社会は厳しい・・・でも負けたら生きていけない・・・
何をやってもダメ人間、上手くいかなくて当たり前だったのですが、何故か、仕事には根拠のない自信はありました。
でもそれは覚悟の裏返しだったのかもしれません。

仕事の上では、満座で怒鳴られても、叱責されても、打たれ強いのが幸いしました。
それまで恥の多い人生を送ってきたのが幸いしたんですかね。
人一倍、積極的にやり、勉強もしました。
最初はダメでしたが、しだいに認められ、なんとか今があるわけです。
今だってたいしたモノではありません。でもなんとか生きてはいけてるようです。

それで当時、泣いた記憶はありません。
でも心は精一杯、張っていたんでしょうね。
それがこの映画で蘇ってしまった。
自分でも驚きました。
忘れていたんですよ。
だって泣いた事がないのですから、憶えている訳もない。
実体験はないのに、内的体験はあった訳です。
こういう思いをしたのは、この映画だけですね。
極めて特殊な映画体験になりました。

PS:1
それにしても、とてつもない馬鹿両親ですよね。
親父はひたすら低脳だし、母親のあの冷たい態度はなんなんでしょうか?
千尋だけは、最初からトンネルに入るのを(無茶をするのを)警戒したのに、
自分達は愚行を重ね、報いとして豚になり、
娘は新たな環境で周囲に怯え、やり手婆に怒鳴られ、名前を奪われ(源氏名のことね)、
蛙のような親父にこき使われ、同僚はみんな女性、気味の悪い客が一杯いて(でも神様=客という図式)、
湯屋で働き、汚い客をお湯で世話すると、とてつもない金を産む。ストーカーが暴れだす。
愛を見つけ、婆の息子の心を捉えて自由を得る・・・
この映画を少女が身売りされる話とする見方もありますが、説得力を感じてしまう。


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Comments

私も高校を卒業してすぐに丁稚奉公のような会社に勤めたんですが、晴薫さんのように回顧することはなかったなぁ・・・。
うちの両親が丁度千尋の両親のようなタイプだったもんで、そんな中でも親の愛情を感じて大好きなわけですよ・・・(苦笑
親に余裕がなかったので、つっけんどんにされたこともしばしばあったのですが、そんな態度をされても愛されているのは子供に通じていたのかもしれませんネ。
千尋と同じくらいの年に、家を建てて仕事も忙しく子供を顧みる余裕がなかった・・・
でも、親は私達子供のために無理をしてでも家を建てたのだということは理解していましたから
だから、千尋の両親がさほどひどい仕打ちをしているように感じなかったのかもしれません(^o^;
なんてことは感じながら見ていました(笑)

Posted by: chibisaru | September 08, 2005 at 23:10

こんばんは、chibisaruさん。

>丁稚奉公のような会社に勤めたんですが
私も丁稚奉公のような仕事だったんです。
でも俺の方が大分年上での経験でしたが・・・
やっぱりchibisaruさんは俺より逞しいですね。

>千尋の両親がさほどひどい仕打ちをしているように感じなかったのかもしれません(^o^;
なるほど、人によって感慨は色々ですね。
俺はある意味甘いのでしょうか?

なんだか俺がchibisaruさんより上なのは、年と背丈だけって気がしてます(笑

でも良い映画でしたよね。

Posted by: 晴薫 | September 08, 2005 at 23:57

なかなかの経験ですね。
他人から見れば苦労しているように思えても、
自分では、なんでもないことって、多いですよね。
でも、振り返れば、苦労したんだなぁ、、、と思える。
あたしだって、けなげにがんばってたじゃん!
よくやったわ!>自分 てな感じ。
あたしは普通に、ハクの記憶がよみがえるところあたりが、
印象に残っています。

Posted by: 猫姫 | September 17, 2005 at 21:50

>なかなかの経験ですね
いやいや甘すぎた私の根性が、少しだけ叩き直された、って程度の経験です。

>あたしだって、けなげにがんばってたじゃん!よくやったわ!>自分 てな感じ。
そうだよね。
まぁ人生って、そうやって生きていくしかないのでしょう(笑

Posted by: 晴薫 | September 17, 2005 at 22:03

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